2024年3月6日水曜日

0469 審議官―隠蔽捜査9.5―


書 名 「審議官―隠蔽捜査9.5ー」
著 者 今野 敏    
出 版 新潮社 
初 版 2023年3月
単行本 288ページ
初 読 2024年3月3日
ISBN-10 410300262X
ISBN-13 978-4103002628
読書メーター 

空 席 
内 助 
 竜崎家で主の留守を取り仕切る奥様の冴子さんは、事件のニュースを見てふと何かがひっかかった。そこで
手に入るニュース記事から原因を探す。捜査本部から夕食をとりに戻った竜崎は冴子の推理から犯人を特定。現場では竜崎の株がまた上がった。夫の手柄は妻の手柄。これこそが内助の功である。竜崎が恋愛結婚なのか、お見合いなのかが気になる。

荷 物 
 竜崎家長男がポーランド人の友人の頼みで預かった荷物は、中に白い結晶粉末が入っていた。気付いた邦彦は愕然として頭を抱えた。悩みに悩んで、父に打ち明ける。竜崎はやはり原則通り対応する。それが一目で塩だとわかっていても。ちょっと危なっかしいご長男殿には良い薬になったでしょう。ですがこんなこともあったのに危なっかしい長男の東欧への留学を認める竜崎って、どうかと思うよ。

選 択 

専門官 
 「大森署の戸高」的ポジションの、神奈川県警捜査一課の八坂刑事。大のキャリア嫌いで一匹狼で細かい規範ルール違反は数知れず、だが成果を上げる。優秀な刑事である。周囲の課長は、八坂が竜崎に立てつくのではないかとハラハラしているが。八坂が竜崎の手のひらに乗るまであと◯秒。

参事官 
 神奈川県警の参事官2名。一人は能面のキャリア阿久津警視正。もう一人は組織犯罪対策本部長を兼ねる平田清彦警視正ノンキャリアである。この2人の反目が問題になっているからなんとかせよ、と県警本部長に「特命」された竜崎。竜崎は人間関係などめんどくさいと思っているから、基本意に介さないのだが、決して鈍ではない。人目も気にせず、言い合いをしている2人の参事官を竜崎が冷静に観察をすると。この二人、決して険悪ではないのかもしれない。

 「不仲な連中を何とかしろと言われても困る」 
「互いにどう思っているかなんて、俺にわかるはずがない」 
 「だがな、あの二人がいっしょになると間違いなくいい仕事をする。それでいい」
 「俺は、人間関係には興味がないんだ」

 竜崎の名言である。

審議官
 警察庁の審議官が竜崎に腹を立てた。本部長を呼び付け、暗に竜崎の処分を命じる。だがその怒りの理由が竜崎にはどうにもわからない。なんとなれば、合理的な理由ではなかったからだ。審議官のお高いプライドを傷つけたのだとやっと気づいた竜崎は、審議官を全力でヨイショする手に出る。同席した佐藤県警本部長曰く、「歯が浮きそうだった」。竜崎はこんなことも実はできる。硬いようでそうでもない、というか竜崎が硬いのは本質的な所なので、そこを通すためなら結構融通無碍に動ける。

非 違 
 女性キャリア所長を迎えた新体制の大森署のお話。戸高が野間崎に目をつけられた。実際叩いたら埃が出そうな男なのでおなじみの課長達は困り果てた。副署長は悩んだ末に元署長コール。竜崎の助言は所長に相談しろ。だった。その結果、今度戸高は競艇場に美人所長をエスコートすることに(笑)

信 号
 信号はなんのために守るべきなのか。
 深夜の人も車も通らない道の赤信号は守るべきなのか、そんなキャリアの飲み会の酒飲み話が記者に漏れ、交通課長(ノンキャリ)が激怒。憤怒の形相で県警本部長室に怒鳴り込み。まだ、本編の隠蔽捜査9を読んでいないのだが、竜崎の同期トップ入庁の八島はかなりボンクラっぽい。

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