2025年10月19日日曜日

0566 ババヤガの夜  英国推理作家協会賞(ダガー賞)

書 名 「ババヤガの夜」
著 者 王谷 晶
出 版 河出書房新社 2023年5月
文 庫 208ページ
初 読 2025年10月19日
ISBN-10 4309419658
ISBN-13 978-4309419657
読書メーター    

 書店の平積みになったダガー賞受賞の帯に「ほう?」と気が惹かれて読んだ。だが大変に失礼ながら、ダガー賞を受賞するほどなのかなあ。よほど翻訳が上手かったんだろうか、それとも最近欧米で大はやりと聞く日本風味(ヤクザ)が目を惹いたのか、などど、とちょっと意地悪い感想も抱いてしまった。
 任侠ではない、「暴力団」って感じのヤクザもの。そのヤクザの組長宅に、一匹狼の、やたらと喧嘩が強くて暴力が大好きな大柄な女が、自分の意志とは関係なく引きずり込まれる。
 年代を特定するヒントが少ないなかで、なんとなく現代だと思って話を読んでいくと、途中で、え?となる。徹頭徹尾、血生臭さと腐臭と汚臭が漂うバイオレンスだが、あまり深くはない。ちょっとした叙述トリックがあり、途中でちょっと戸惑うものの、理解してしまえばなんということもない。最初の方で感じた芳子のつれあいの言葉遣いの、違和感というほどでもないひっかかりは、ちゃんと帳尻があう。
 なにしろあっという間に読めるので、血生臭いのが大丈夫ならちょっと読んで見てもよいのでは、とオススメしたい。しかし、ラストはちょっとファンタジーっぽすぎるかなあ。全編血生臭さと腐臭がただようが、その実メルヘンだと思った。

 個人的には、柳がどうなったのかが気になる。ヤクザの若頭補佐をつとめようという男が、ちょっと甘すぎるんじゃないか、とは思って、そこにもかるくひっかかった。
 韓国釜山と下関を結ぶ国際フェリー就航が1970年。柳は家族を連れて韓国に渡ることができたんだろうか。

2025年10月18日土曜日

0565 竜の医師団4 (創元推理文庫)

書 名 「竜の医師団4」
著 者 庵野 ゆき   
出 版 東京創元社 2025年3月
文 庫 352ページ
初 読 2025年10月17日
ISBN-10 4488524133
ISBN-13 978-4488524135
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/130985144

 人物紹介のクズリがグズリになっとるぞ!どうした東京創元!

 そして、極北の地の弱小竜医師団の最強メンバーは、イヅルの地へ至る。
 最高峰の竜医療、竜に医療を施すことに特化した国作りをしているイヅルには、あまり外部には知られていない血の法則があった。
 それは「見える」ことに最高の価値を置いた、国家を挙げた血統主義。竜人〈ズメイ〉が持っていた特異能力である「熱を見る力」が、イヅルの医療の根幹を成していたのだ。
 そのイヅルでも最高峰の「見る」力と、外科の執刀能力を持つクズリは、実は極端な優生思想を抱いていた。クズリは留学生にその思想を吹き込んで、世界中に密かに優生思想を伝播するとともに、己の後継者として、リョウを取り込みにかかる。

 クズリのカリスマ性と、「優るる生」という魅惑的な思想に翻弄されるリョウであるが、そこはちゃんとニーナ氏がフォロー。医療者の熱い思いが語られるのだった。

 まだまだ続きがありそう。だけど、可愛いチューダの翼の治療だけでもリョウの一生かかるよなあ。

2025年10月13日月曜日

0564 竜の医師団3  (創元推理文庫)

書 名 「竜の医師団3」
著 者 庵野 ゆき   
出 版 東京創元社 2025年3月
文 庫 336ページ
初 読 2025年10月11日
ISBN-10 4488524109
ISBN-13 978-4488524104
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/130868542

 カランバスの上空に新たな竜が現れた!が2巻のラストだった。
 新たな竜の登場に、竜の医師団の面々だけではなく、私だってワクワクだったんだけど。
 しかし飛来した若い竜は、なんと古老ディドウスの巣に直滑降したかと思うと、孵化直前の卵を置いて遁走、なんと最長老のディドウスおじいちゃんは捨て子ならぬ托卵されてしまったのだった。
 子供も孫もひょっとしたらひ孫も大量にいるはずのディドウスとはいえ、最後の子だったドーチェだって、生まれたのはなんと2000年前! もはや自分が動くのも面倒くさいディドウスおじいちゃんが、よっこらやっこら、仔竜の子育てをすることになるとは!

 この仔竜に先天性の障害があり、老竜しか治療したことのないカランバスの竜の医師団は右往左往する。竜の主治医のニーナ氏は、チューダを手放さず、竜の小児科をカランバスに招致しようと苦心惨憺するが。

 なんと言っても仔竜のチューダが可愛い。その仕草、可愛さ、やさしさに頬が緩む。
 今回の医療テーマは先天性関節脱臼と◯◯◯。仔竜の治療法の開拓のために、リョウの移植された竜の目をダシに、ニーナ氏ともどもイズルに入国することが認められ、次巻へGO!
 

介護日記的な・・・その27一応の最終回 家の片付け


 母がグループホームに入居して、当面の主の留守中に私がしたかったこと。それは大掃除。
 なにしろ、母は窓を開けたがらない、カーテンは締めっぱなしになりがちだった。なにかしらの恐怖観念があったようだ。
 とくに、母の寝室は空気の入れ換えもままならず、常に湿度が高い状態で、おそらくダニなども発生していた。(たまに、母がかゆがっていた。)
 母の寝室だけでなく、押し入れで捜し物をした折は、私もダニに喰われたので、とにかく全面的な掃除・除虫は必須な状況だった。

 そして、母はため込み系の「片付け魔」だった。

 一見して、室内はキレイそのもの。きちんと整理整頓されている。だがしかし、今回、母の入居準備でシーツやタオルや、着替えなど押し入れの中を色々と探したが、60年は前のシーツが糊とアイロンが掛かった状態で保管されていたり、いろいろと、さすがにこれはもう、捨てたほうがよいだろう、というアレコレを発見。
 大切に使っている飛騨の家具の応接セットは、座面のゴムが経年劣化で断裂しているし、父の大切にしていたスピーカーは、ウレタンが劣化してボロボロになっている。修理に出したかったが、母は私があちこちいじることに難色を示した。いろいろと判らないことが増えてきていたのに、いじられてもっと判らなくなったら、と不安だったのだと思う。私は、いつかちゃんと修理に出そうと、虎視眈々だった。
 その他、母がため込んだ新聞・雑誌の切り抜き、プリントアウトしたメール、手紙、写真、昔の書類のあれこれ。手芸や洋裁の好きな母がため込んだ、大量の着分の毛糸、あまり糸、洋裁用具、着尺の高級ウール、昔仕立てた洋服の端切れ、一時期はまったパッチワーク用の用具、大量のパッチワーク用布、キルト綿、洋裁本、編み物本、レース本、パッチワーク本・・・・・
これも一時期母が熱中した書道用具、大量の反故紙、お手本・・・・・
なにより、もう着ない大量の服。
 
 家具の修理を手配し、壊れた家具や、使用しない大型家具、なぜかリフォームの際に処分せずに取ってあった建具などを、2回にわけて粗大ゴミで出し、とにかくゴミ・不要品を排出。
 基本母のものなので、極力捨てない方針で臨んだものの、最終的には、45リットルゴミ袋40袋以上を消費。新聞回収袋4袋分の紙類。不要衣類・シーツ・布類は45リットルで6袋。 燃やすゴミ、プラスチックゴミ、陶器・ガラス・金属・ビン・カンに分類し、1週間でそれぞれのゴミ回収日に効率よく排出。古本買い取りに3箱。

 ベッドを移動し、本棚を移動しながら、掃除・除虫を繰り返し、毎日何回も掃除機かけても、なぜか掃除機のゴミカップが一杯になるホコリ。

 もう、気がふれたように掃除し、片付けた。一週間みっちり。朝から晩まで。

 まだ、出し切れていない資源ゴミが残っているし、写真と手紙類は丁寧に見ようと思って、今だ、居間の真ん中に小山になっている。
 それでも、室内は「キレイ」な状態に現状復帰したし、細かいところは私の趣味で古すぎる台所用品なんかは多少、買い換えた。

 過重労働のおかげで、右手の肘を筋と手指の関節を痛めて、いまだにあちこち痛いけど、ひとまず、私と母の在宅介護はこれにておしまい。今後は、母の家を維持しつつ、面会にいって、母の入居生活を後方支援していく。

 あとは、この2ヶ月ほぼ放置状態だった、自分ちの掃除片付けだな。そんなこんなで、自宅に戻ったのは先週だったのだけど、本日は一日掃除に勤しみ、腕の痛みがまた、悪化しましたとさ。

 そうそう、母宅にいるあいだに、読書が出来ないならなにか一つくらいは終わらせよう、とちくちく修理していたウォルドルフ人形は、こんな感じになりました。



 

 

介護日記的な・・・その26 同居見守り開始から母GH入居までの記録


母のGHの部屋に飾るために仕立てた造花の花籠です

 さて。令和4年9月に発覚した母の認知症と、そこからスタートした、母の介護も、この9月の母のGH入居をもって、一つのタームを終え、次の「施設での生活を支える」タームに入った。
 この間の流れを、忘れないうちにまとめておこうと思う。

6月末  母の認知症の進行を感じる。これまでの、朝夕の決まった時間に冷蔵庫からご飯と惣菜を取り出して食べる、ということが出来なくなって、体重も落ち始めた。

    介護日記16 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/06/blog-post_29.html

デイサービスからは、認知症高齢者GHを勧められる。私自身も、選択肢の一つとは思っていた。施設入居するまでの間、介護休暇を取っての同居介護することを念頭に、職場で根回しを始める。

7月初旬  デイサービスと同じ法人さんが運営するグループホームを2カ所見学する。正直、施設内が片付いていないとか、壁の飾り物が雑然としている、とかに目が行き、第一印象はパッとしなかった。しかし、施設長の言葉は的確で、「きちんとケアしてもらえる」という感じを受けた。このGHに入所の申し込みをするが、その時点で、「いつ入れる」かは不明だった。数人待機している状況とのこと。この時点では、毎週末の金〜土の泊まりと、火曜日の日帰り介護を継続。

レンジがついに昇天。

母が使えそうな、単機能レンジ(あたためスタートボタンが壊れたレンジと同じ場所にあるもの!)を購入。母はかなり覚束なかったがなんとか使えるようになった。

介護日記17 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/07/blog-post.html

 

これまで担当してくれていたケアマネさんが、体調不良で退職し、介護事業所を変更しなければならなくなる。ケアプランの見直しを迫られているなかで、結構な痛手。

721日 介護日記18 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/07/blog-post_21.html

722日(祝/代休) 実家近くの中学時代からの友人と食事。友人もお母様と2人暮らしで介護をしており、介護情報の共有とか、お互いの介護のアレコレを語り合う。この人間関係にかなり助けられる。

725日(金/深夜) 実家の粗大ゴミ出し。壊れたレンジを出すついでに、納戸と化した部屋に溜まっていた壊れたテレビ台やら扇風機やら、コミック用の本棚やら、使っていないインクジェットプリンターやら。母が寝た後の実家に仕事が終わってからそ〜〜〜〜〜っと入り込み、母が寝ている間にそ〜〜〜〜っとまるでドロボウのように、密やかに搬出して、粗大ゴミ指定場所に運ぶ。

介護日記20 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/07/blog-post_27.html

72930日  母をショートステイ(1回目)に送り出すため、仕事を休んで前日夜から母宅へ。

7月末  職場に8月から介護休暇を取得する旨、正式に申請。(不在中フォローすることになるであろう係のメンバーに感謝)

88日 実質的に介護休暇突入。(最初は夏休から)。前日7日の夜に母宅に来たところ「焦げ臭い」案件が発生していた。

介護日記21 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/08/blog-post.html

ボヤを出す前でよかった。ぎりぎりのタイミングで同居介護に踏み切ることができたことに感謝する。

だがしかし、母不在の日中、あまりの静かさに、いっとき鬱る。

介護日記22 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/08/blog-post_14.html

81112日  ショートステイ(2回目)  12日は職場に出勤。

814日(木) 新しい介護事業所のケアマネさんと初回面談。契約。

815日(金) 母の咳がだんだん悪化し、看過できなくなったので、内科に通院。誤嚥なども案じたが、結果は上気管支炎。朝昼夕眠前の処方。薬をこれまでの薬袋管理から、お薬ボックス式に変更。

816日(土) 精神科(認知症外来)通院同行。GH入所方向であることを伝える。

818日(月)ごろ  申し込みをしていたGHが、デイケアで本人面接。入所可の判断となり、9月中の入所の目処が提示される。

823日(土) 内科で咳の再診と、入所に向けた健康診断。

82627日  ショートステイ(3回目)  27日は母から手が離せるので、職場に出勤。打ち合わせなどをこなす。

830日(土) 健康診断書と診療情報提供書を内科で受領

91日(月)  GHの入居予定の部屋の見学、ホーム長との打ち合わせ、持ち込むものの確認など。

介護日記25 https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2025/09/blog-post.html

92日(火)  終日在宅勤務で、研修受講

93日(水)  日帰りで自宅に帰る。家事やら、家の手入れやら。

94日(木)  団地で高齢化/孤独死対策に取り組む母の友人の旦那様が来訪。我が家の介護/見守りについて情報提供する。(見守りカメラや家族の関わり方など)

95日(金)頃  精神科に、GH入所が本決まりになったことを電話連絡。次回受診のときに診療情報提供書の発行を依頼する。

96日(土) 母を美容院に連れて行って、ヘアカットしてもらう。その帰りに、メガネ屋に寄って、メガネの調整をしてもらう。

98日(月) 自分の内科通院

9920日  この間、母のGHに持ち込む家具、寝具、衣類、日用品の調達。寝具については、マットレスやマットレスパッドをどうするか、など相当に悩む。

     室内に造花を持ち込むつもりで、造花の花の種類などについても、かなり悩んだ。

     マットレスは購入せず、パラマウントのベッドパッドを購入。シーツは家にあるものを使えないかと思ったが、想像以上に古く、これもパラマウントで介護ベッド用のボックスシーツを購入。羽根枕は昭和西川のネットショップで購入。居室に持ち込むタンス、一人用テーブルなどは、母宅に置いてある飛騨産業の穂高シリーズや、昔、購入したことのある越後民芸家具のタンス(比較的軽くて、扱い安い)などを、メルカリで探して購入。

91112日  ショートステイ(4回目)。これまでで一番上手くいった。母は落ち着いて工作などにも参加して、終始楽しく過ごせたよう。

    GHと相談し、926日(金)を入所日に決める。

913日(土) 精神科(認知症外来)受診。診療情報提供書を受領。3年間お世話になった先生にご挨拶。

917日(水) ケアマネさん来訪。月1回のモニタリング。

とにかく、睡眠ペースを守り、昼夜逆転に注意して、体調・生活面を整える。

918日(木) メルカリで購入した家具類が納品。清掃、部分的に修理、ワックス掛けなど施したのち、母に見つからないように、カバーを掛けて隠す。

919日(金) アートセッティングデリバリーが、家具と用意の生活用品などの荷物を搬出。

922日(月) アートセッティングデリバリーが、GHに家具・荷物搬入

923日(祝) GHに部屋のセットアップ・片付け、最後の打ち合わせに出向く。

92223日  母、ショートステイ(5回目・ラスト)  前回のショートが良かったので期待していたが、ショートステイでは入眠させることができず、完全に昼夜逆転して23日夕方に母が帰宅。ものすごくがっかり_||○ 

なにしてくれてんの!とショートステイにはかなり腹がたった。ギンギンで夜を朝だと思っている母をなだめすかして、なんとか夜9時半には入眠させ、朝まで熟睡してくれた。なんとか昼夜逆転をリカバリ。もの凄く疲れた。

924日(水) デイケアの連絡帳で、ショートステイの処遇を愚痴る。

925日(木) デイケア最終利用日

926日(金) 14時にGHホーム長さんが、施設の車でお迎えにきてくれる。午前中に、「お泊まりもできる高齢者の集会所みたいな所」にお部屋を見に行く、と母に説明(2回目)。夜に1人でいるのがアブナイこと、私が一緒に居られないときにお泊まりできる場所であること、家の近くであること、災害の時には、高齢で避難所ってわけにはいかないから、高齢者のお泊まりできるところに避難するんだ、とか虚実ないまぜで母が納得できそうな線でもっともらしい話をする。

認知症の母は、前後の脈絡はもはや関係ない。今・目の前のこの時に不安がないか、不満がないか、楽しいか、が目の前の状況を受け入れられるかどうかの決め手になる。

そう心得て、施設に向かう車中ではとにかく楽しい雰囲気になるように、途切れなく沢山お喋りをして、母も、送迎の職員さんもケラケラ笑わせ、楽しい気分のままGHに到着。さあ行こう、と母の気を逸らさないように、一気にお部屋まで連れて行き、母好みの家具を配置した部屋で、1人掛けの椅子に座った母に「なかなか良いお部屋よね〜」などとお話。ここはどういうところか、前述の話を再度はなして聴かせ、幸い母は、毎日通ったデイサービスとも雰囲気が似通っているからか、さほど違和感もなく、「わたし、ここに来るの2回目かしら?」とか言い出すので、「そう! 初めてじゃないわよね!」と母の話に乗る私。ちょうど3時のおやつの時間で、デイルームに呼んでいただき、他の入所者の皆さんに紹介していただくと、入所者のおばあちゃんのお一人が、「わたくしの夫が、昨日、〇〇さんて方がいらっしゃるって、言ってたんです!」と確信を込めて仰るので、内心(おばあちゃんナイス!)と喝采を送りつつ、「そーなんです。どうぞよろしくお願いしますね〜〜〜」なんていって、母をGHに置いてきたのだった。

 正直言って、たぶん最善の状態で母をお任せできたと思う。あとは、職員さんの専門性にお任せする。そう思って、ぐっっっっっったりと疲れて、施設を後にしたのだった。

2025年10月5日日曜日

2025年9月の読書メーター

 この間も書いたが、本当に、もう少しは読めるんじゃないかと思っていた。だけど、そう冷静にもしていられなかった9月。母が入所して以降は、家の片付けが分単位の待ったなしで、そちらも本当に大変。楽しみにしていたはずの新刊の発売日や、ネット小説の更新日すら失念する始末で。しかし、本日自宅に帰還。あすからは平常にもどらなければならない。おりしも読書の秋。いやはや、今年の夏はどこにいったんだか。さて、読書ペースをとりもどさないと。

9月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1317
ナイス数:182
https://bookmeter.com/mutters/287650521

3月のライオン 18 (ヤングアニマルコミックス)3月のライオン 18 (ヤングアニマルコミックス)感想
島田さんと零ちゃんの一騎打ち。島田さんがさらに好きになってしまった。この話が進んでいる途中で藤井君が彗星のごとくに登場し、零ちゃんすら現実の前に霞んでしまったような気すらしたけど、零ちゃんは零ちゃんらしく、一歩一歩成長してきた。ひなちゃんとの関係も暖かくて幸せ。様子をみてクリームシチューをリゾットに変更してくれる。そういう心遣いができる子なのが、また素敵。
読了日:09月30日 著者:羽海野 チカ

フェア・プレイ (モノクローム・ロマンス文庫)フェア・プレイ (モノクローム・ロマンス文庫)感想
一作目に続き、読まずにはいられず、2作目に突入。タッカーがよい男なんだよな〜。ちょっと固いエリオットを包み込む男前。率直でカンが良く、有能なFBI現役捜査官。何回読んでも惚れ直す。
読了日:09月29日 著者:ジョシュ・ラニヨン


フェア・ゲーム (モノクローム・ロマンス文庫)フェア・ゲーム (モノクローム・ロマンス文庫)感想
3回か4回目の再読。実家訪問中にどうしてもブッシュミルズが飲みたくなり、そういえばスコッチが好きな"ミルズ”っていうキャラが居たな・・・という連想から、Kindleで再読。(ただし、ブッシュミルズはスコッチではなくアイリッシュ)。何回読んでもエリオットは面倒臭い性格なんだけど、やっぱり良い。
読了日:09月28日 著者:ジョシュ・ラニヨン


ヴィンランド・サガ(29) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(29) (アフタヌーンKC)感想
よもや29巻で最終刊になるとは思っていなくて、驚いて慌てて購読。千年の航路。その末に私たちが居るのか。「仕掛けてきたのは向こう」「家族や村(国、町)を守るため」「愛する者を守るため」仕方ない、という言葉でどれだけ思考停止に陥るのか。あまりにも現実的な問題を突きつけられた気がする。考えるのを止めてはいけない。
読了日:09月25日 著者:幸村 誠

読書メーター

2025年9月28日日曜日

2025年8月の読書メーター

 9月が終わりに近づき、8月のまとめもしていないことに気付く。
 施設入居までと期限を定め、8月のお盆前から本格的に母の同居介護を開始し、母は一昨日、無事にGH(認知症高齢者グループホーム)に入居できた。そのうち、顛末をきちんと〈介護日記〉の方にまとめようと思っているが、けっこう大変だった。(私が極限まで精神力を行使しした結果、母は大きな負担なく入居させることができたので、「大成功」といっても差し支えない程度に上手くいったのではないか。)
 さすがに休職するんだから、本を読む時間くらいはあるだろう!と母宅に大量に本を持ち込むも(なにしろ、ボッシュシリーズ全部もって行ったからね!)、ビックリするくらい読めなかった!
 9月初めに入居できる見込みが立ったので、この間母の見守り、食事の世話と並行しGHへの入居の準備を進めてきた。迷うことや一人で悩まざるを得ないことも多かった(というかそれしか無かった)。母を、母が自分で築いた家から出さなければならないことが苦しかった。母との関係をつらつらと振り返る時間でもあった。ただし、母は全部忘却済み! もはや母子間のあれこれは母からは滅却され、残ったのは一方的な私の思いでしかない。

 今は、母の本棚(というか、家全体)を整理しているところだが、母の「呆けない」ための本の数々や、脳を活性化するサプリ、とか全部役に立ってない!

 “お一人様の老後を如何に有意義に過ごすか”とか”脳が若返る”とか、ずいぶん沢山本を読んだようだが、一方で本当の「いざというとき」について考えることからは逃げ回っていた。

 「本当に一人で暮らすのが難しくなったらどうしたい?」という問いかけには、大抵「そうなったら死ぬからいいわ」と話にならなかった。その結果、母は見事認知症となり、施設への入居や、これから先死ぬまでの判断はすべて私が代行することになった。きっとこれからもいろいろと悩むんだろう。

8月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2850
ナイス数:816
https://bookmeter.com/mutters/287352626

審議官:隠蔽捜査9.5 (新潮文庫 こ 42-62)審議官:隠蔽捜査9.5 (新潮文庫 こ 42-62)感想
実質的には再読。署長が空席となった大森署の一日。奥さんの冴子さんが冴える「内助」、どこか頼りない息子の邦彦、長女美紀の正義感。「仲の悪い」阿久津と平田の両参事官。しかし真骨頂はやっぱり竜崎のおべっか使い!当の竜崎は、必要なことをしただけです、と涼しい顔だけど。おべっかもつかえれば、屁理屈もこねられる。さすが頭がキレる人はひと味違う。この刊は、竜崎のいろんな面が見られてとても好きです。
読了日:08月29日 著者:今野 敏

ウォルドルフ人形の本ウォルドルフ人形の本感想
今日はここ10年以上、ずーーーっとやりたかった事をしている。子供達が赤ん坊の頃、最初のお人形として手作りしたウォルドルフ人形の修理。男の子はムスメに丸刈りにされ😂、総天然素材(ウールと綿)故に虫に食われ😅、お洋服はゴムが伸び、ボタンが取れ・・・いつかいつか、修理して髪を生やそうと、髪の毛用の手紡ぎの羊毛も入手したのが5年は前。手に入れたところで力付き、さらに放置の年月。いつやるの?今でしょ!というわけで、一念発起して、今日は朝から人形を風呂に入れている。
読了日:08月24日 著者:カーリン ニューシュツ

好きだと言って、月まで行って (モノクローム・ロマンス文庫)好きだと言って、月まで行って (モノクローム・ロマンス文庫)感想
SEXの描写はさすがのM/Mだと思った次第。だけど、とにかく主人公2人が繊細で優しく、思いやりがある。いわゆるタフガイとは一線を画する、優しい世界の住人たち。それゆえに苦悩にもあるのだけど。オーストラリアのLGBTQを取り巻く雰囲気もちょっとわかる。雇用契約や権利—義務関係に対する意識の強さがストーリーのキモでもあるんだけど、この感覚は日本人にはちょっと理解が難しい分、よけいにモダモダと感じたかもしれない。あれだけ仲良く暮らしていても1年半、結婚に踏み切っていなかった慎重さ。すごく真っ当な恋愛だった。
読了日:08月17日 著者:N・R・ウォーカー

フラジャイル(30) (アフタヌーンKC)フラジャイル(30) (アフタヌーンKC)感想
森井君ニューヨークへ。円さんがまさかの危機。おそるべしアメリカ! でろでろに腐っちゃった検体でもできることをやり遂げる病理チーム偉い。その後の恐怖のカンファは推して知るべし。
読了日:08月16日 著者:恵 三朗

幼女戦記 (32) (角川コミックス・エース)幼女戦記 (32) (角川コミックス・エース)感想
『最古参』ショーンズ再び。この巻は危なげなかったかな。ソ連・・・ではなく、あの国の変態は健在。そして、今回あまり出番のなかったメアリー・スーが不穏だ・・・・
読了日:08月16日 著者:東條 チカ


カンツォニエーレ チェーザレ番外編 (モーニング KC)カンツォニエーレ チェーザレ番外編 (モーニング KC)感想
「お前は修道院には行かない。いずれ自分に相応しい相手を見つけ 子供を儲け 穏やかで温かい家庭を築く———」穏やかな表情で仄かな好意を寄せあった少女に語るチェーザレ。ひょっとしたら、この言葉はルクレツィアに寄せる秘めた願いであるのかも、と思ってしまった。ボルジアに生まれた以上、女は政略の駒でしかあり得ないのだけど。チェーザレ最後の自由な青春の日の思い出。アブナイ禁書が出て来たけれど、そちらは深掘りはせず、二人の仄かな恋情とともに暖炉に焼べられた。チェーザレの末の弟のホフレがかわいい。
読了日:08月16日 著者:惣領 冬実

宇宙兄弟(45) (モーニングKC)宇宙兄弟(45) (モーニングKC)感想
次巻で完結。月の周回軌道を漂流するムッタと,地上での必死の救出作戦立案。ヒビトはソユーズの中でその時を待つ。そしてヒビトがムッタに投げた救出ネットをしっかりと掴んでさあ、最終章へ!いやあ引っ張ったね。やっと次で完結。安心して待たせていただきます。
読了日:08月16日 著者:小山 宙哉

夜を走り抜ける 2 (enigma comics)夜を走り抜ける 2 (enigma comics)感想
あの人の愛、この人の愛。愛が錯綜しまくってるけど、主人公以外は大概大人だったのでなんとかなったか。17歳で心が死んでしまった晴生のあまりの不安定さが、周囲を巻き込んだ形。高嶋がありがちなキャラだけど、非常に良い(笑)。ここにも贋作の天才あり。しかし、ユトリロと牡蠣とシジミの組み合わせがシュールだ。街づくりのイメージがガウディってのもどうよ(笑)2巻はあちこちに笑いのツボもありつつ、収まるべきところにピースが嵌まるように収まっていくのが快感だった。兄弟愛が復活したのが良し。主人公カップルはまあ、そのままで。
読了日:08月14日 著者:湖水きよ,菅野 彰

夜を走り抜ける 1 (enigma comics)夜を走り抜ける 1 (enigma comics)感想
主人公を中心に、不穏・不安や思惑が渦巻いている。が、ストーリーがとっても追いにくかった。断片的な書き方だからか、秘密が多いからか。キャラも見分けにくくて・・・・。何かが起こっているけど、どうもよく判らない感じが、作品と相まって、不安感を醸す。でも2巻で全部すっきりするから、安心して2巻にGO!だ。
読了日:08月14日 著者:湖水きよ,菅野 彰

コーンウォールに死す (ハーパーBOOKS)コーンウォールに死す (ハーパーBOOKS)感想
ガブリエル73歳、双子は8歳。パレスチナの惨状を見れば、この作品に対する視線も若干冷ややかになるのは否めない、が。ずっと読んで来て、ガブリエルへの思い入れもひとしおなので、やっぱり新刊は嬉しい。シリーズ全体からみれば、もはや1巻全部がボーナストラックみたいなもの。とにかく、ガブリエルには幸せでいて欲しい。その一念しかない。コーンウォールで警察官になったピール元少年(笑)が登場。コーンウォールの連続殺人魔に端を発し、またも巨匠名画にからんで、巨額な脱法資金洗浄とイギリス政界の汚濁を暴く。巻末のノートは必読。
読了日:08月13日 著者:ダニエル シルヴァ

スモークブルーの雨のち晴れ 7 (フルールコミックス)スモークブルーの雨のち晴れ 7 (フルールコミックス)感想
だんだん顔のデッサンが崩れてきているような気がする・・・・。横顔・・・・。ゲイの心情、プランBで家族の幸せを己の幸せとすること。日々の営み。そして自分の過去も含めて今の糧となることの歓び。少しずつ幸福に実体が伴ってくみたいな感じがして良い。久慈父の遺稿が教え子の未来につながると良いな。翻訳の蘊蓄もとても好き。
読了日:08月01日 著者:波真田かもめ

后宮のオメガ 雪花の章 (ディアプラス・コミックス)后宮のオメガ 雪花の章 (ディアプラス・コミックス)感想
前巻ラストで見たいと思った子沢山のハーリドとイリヤの姿を見られて眼福です。
読了日:08月01日 著者:露久 ふみ

読書メーター

2025年9月8日月曜日

介護日記的な・・・その25 母の入居先が決定


今日の夕ご飯 肉団子、カボチャのそぼろ煮、
きんぴらごぼう、茄子とキュウリと長芋の浅漬け

 入所の申し込みをしていたグループホームへ、母の入居が本決まりになった。
 あらためて施設にうかがって、入居予定の部屋を見せていただき、採寸し、もろもろ用意するものの確認をし、そして入居当日の段取りの確認をし・・・・・

 そこで愕然とする。
 母をどうやって、ここまで連れてくれば良いんだ!
 母をどうやって、建物の中に入れたらいいんだ!
 
 施設を探すことやスケジュールばかりがこれまで気にかかって、当の本人である母にどう説明するのかを、まるで考えていなかった。おまけに、デイサービスも、ショートステイも施設の車が家まで迎えにきてくれるものだから、なんとなく、グループホーム入所の時も、お迎えが来てくれるものとうっかり思い込んでいた。自分で連れて行く、という意識がまるで無かった(汗)

 正直、母が気に入るタイプの立地や外見や、施設内のアレコレじゃないんだよ。特に、ウチの母は片付け魔。グループホームの中を見せていただいたが、良く言えば生活感があり、悪く言えばかなり散らかっている印象で、とてもとても、母の気に入るところではない。
 だいたい、昔から他人の家に行くと、帰ってきて一番に、「ものすごく家の中が散らかっているのよ」と言う人なのだ。我が母は。

 さて、どうしよう。
 いっそのこと、一部のブレーカーを落としちゃって、電気工事が必要だ!というとか・・・・と、いろいろと頭を悩ませ、あれこれ頭痛がしてくるほど考え、結局、正攻法で母と話しをする、という方向に私の気持ちは落ち着きつつある。うまくいくかどうかはワカランけど、ただひとつ、良いこともある。うまくいかなくたって、母は忘れちゃうからね!

2025年8月28日木曜日

日々雑感 ただの日記である。

本文とは全然関係ないけど、祇園きななのきなこかき氷は日本中で一番美味いと思う

 母の家に常駐して3週間経過した。

 いろいろとやってはいるが、それとはほぼ(たぶん)関係なく、疲れている。
 今疲れているのは、メンタルの方かな。

 母は日中はデイサービスを利用しているのだが、ちょっと前まではできていた「一人で家にいる」ということが、ほぼ難しくなった。ご飯も自分では食べることができなくなった。
そのため、デイサービスがある平日は、デイサービスから帰ってくる夕方から、翌日の朝まで、デイサービスがない土日は、まるまる、そばで見守る必要がある。幸い、母はとても寝付きがよく、一度寝ると、たいていは朝まで起きない。深夜の見守りが必要ないだけ、とても楽である。(たまに、夜中に起きてしまったときに、そーっと私の寝室を覗きにくるのはご愛敬の範囲内。)

 そんなわけで、母が安全に生活するためには、どうしてもフルタイムの仕事との両立が難しくなったので、母がグループホームに入居するまでの間、介護休暇を取らせてもらうことにした。

 しかし、母がデイサービスに行ってしまえば、その間は私一人になる。
 実際には、GHへ入居するための準備やら家事やら、なにかとすることはあるのだが、思えば私は、ずーっと独りでいる、ということが、あまり経験がない。

 私はずっと、集団の中で育って働いてきているためか、集団に過剰適応気味で、誰かが周囲にいると、ものすごく元気になる。
 明るくて、しっかりしていて、頼りになる・・・・・・みたいなキャラが巨大な猫の着ぐるみになってだな。ほぼ、自動的に、「私」という自我におっかぶさるんだよ。これは、自分ではコントロール不能で、職場に行けば、他人と会えばおのずとそうなる。

 自分の中には、内省的で暗くて、家の中に居たがる人格がいて、どちらかというとこっちが本質に近いような気がしている。しかし私は昼も夜も職場にいるような無茶な働き方をずっとしてきていて、これまでは猫の方が圧倒的に優勢だった。

 ところがだ、介護休暇で母の家に引きこもりがちになって、巨大猫の出番が減ると、暗くて、内省的で、引きこもりで、要領の悪い、弱い方の自我が浮上してきた。そして、この自分は、ほぼずーーーーーーっと、疲れている。これが、冒頭の「今、疲れている」の私なりの説明、というか理解である。

 心理学的に、一人の人間の人格は一つではなく、沢山の人格がいて、それが場面場面で優勢になりながらも、きちんと統合されている状態なんだ、とどこかで読んだか聞いたかしたことがある。その統合された状態がぶっ壊れると、統合失調症ということになって、これは、本人にとっても周囲にとっても、社会的にもヤバい。私の場合には、自分で考えるに、統合は失調していないけれど、仕事向け人格と、内向き人格のバランスはあまりよろしくない。そうなった理由は、自分なりにあれこれと思い当たるものはあるが、それはもう、仕方ないことなのでよい。
 なにが問題かっていうと、自分なりの折り合いの付け方だ。

 一言で言ってしまえば、「元気な自分」はあまり好きじゃない。「元気な自分」は、全人格的な存在ではない。だけど、消極的・内向的な部分は滅却しているので「元気な自分」でいるときのほうが、メンタル的にはむしろ楽だったりする。だけどその「楽」は、内向的な自分を楽にはしないんだよな〜。むしろ疲労させる。

 今は、内向的な自分が前面に出て来ていて、そして、疲労し、気分が落ち込んでいる。明らかに不眠症の症状も出ているし、頭の中に芯のような、粘土の塊のようなものが入っているように、頭が重い。思考が愚鈍で、このままだと、鬱になるかも、という危機感もそこはかとなく抱いている。

 さて、精神科か心療内科に行くべきか。お薬もらったら楽になるか。

 不眠症気味なのは、むしろ自律神経系の不調のような気がするので、ヨガとかマッサージとか、肉体側からアプローチする方が効くかもしれない。マインドフルネスや瞑想なんかも良さそうだ。

 以前に本格的に不眠症になったときには、コメディ漫画を大人買いして、2週間ゲラゲラと笑い続けて、ほぼ強制的に状態を改善させた。このことを、以前精神科の先生に話したところ「正しいですね」とお褒めの言葉を頂いた。
 これでも良いのだけど、全力で笑えるほどの作品が今のところ、見当たらない。ちなみに前回読んだのは、「のだめカンタービレ」。クラシックをガンガン聴きながら、とにかく全力でゲラゲラ笑う、という我ながら最強のメンタル調整法で、不眠状態は改善したが、また不眠に陥るのでは、という不安状態はしばらく続き、夜眠れなくなるのでは、という不安から昼寝はできなくなった。

 まあ、そんなこんなで、この疲労している自分をどのようにしたらよいのか、いまだ困惑中である。

2025年8月24日日曜日

番外 ウォルドルフ人形の本

書 名 「ウォルドルフ人形の本」
著 者 カーリン ニューシュツ (著), 佐々木 奈々子 (翻訳)    
出 版 文化出版局 1986年10月
大型本 87ページ
初 読 2001年頃
ISBN-10 4579103378
ISBN-13 978-4579103379
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/129864514

 第一子を出産した産院のOG会で、「赤ちゃん会」というのがあり、出産日が近かった仲間が月1回の会合で仲良くなって、そのうちのお一人で手芸が得意な友人を講師役に、みんなで赤ちゃんのファーストフレンド・・・・最初に与えるお人形として、「ウォルドルフ人形」を作ったのが、かれこれ25年前だ。

 一体目の男の子の人形は、彼女の懇切丁寧な指導で作成したが、その後、お洋服を作成するために、この本を購入。第二子出産を機に、もう一体(女の子の人形)を作った。

 材料は、当時吉祥寺の東急の裏手にあった「おばあちゃんの玉手箱」という自然派育児ののおもちゃや素材や絵本を取り扱っていたお店で購入。よく覚えていないが、この本もそのお店で買ったかもしれない。
 当時、吉祥寺は、この「おばあちゃんの玉手箱」の他にも、「ニキティキ」などの木のおもちゃのお店などがあって、しょっちゅう通っていたな。あと荻窪には津川雅彦さんの「グランパパ」の店舗があって、こちらも大好きだった。

 さて、このウォルドルフ人形、男の子の方は、息子が人形のお手々をあむあむしゃぶったり、娘が生まれてからは、二体とも娘のおもちゃになっていたが、娘が幼少のころ、なにを思ったか、人形を散髪!・・・・いや、いいんだよ。このお人形は、そういうことしてもOKだ。だが、ちょっと髪の毛長めで優しい雰囲気だった男の子は、丸刈りになっちゃったのだった。(/_;)

 いつか、きちんと髪の毛をもう一度生やしてあげよう、と想い続けて十数年。思い立ってこのお人形用の手紡ぎのウール毛糸を買おう!とお店を探したが、「おばあちゃんの玉手箱」は閉店してなくなっており、しかし代わりに、以前は表参道にあった「クレヨンハウス」が吉祥寺に移転してきていたので、こちらで注文することができた。

 しかし、せっかく毛糸を入手したのにそこで力尽き。
 なかなか、お人形を洗って、痛んだお洋服も修繕して、お人形の虫食いも直して、髪の毛を植えて・・・・・という一連の作業に着手する気力と時間がなく、さらに五年以上は放置。

 ここに至って、いつやるの?今でしょ!! とやっと、やっと、お人形の手入れに着手した。

 昨日、自宅から母の家に、お人形と素材をまるっと持ち込み、今日は朝からお人形をエマール風呂に入れ! お洋服を洗い! しみ抜きし! 干して乾かして、修繕して!
 イマココ。
洗って、ベランダの室外機の上で日光浴(乾燥)今日の天気は良く乾くぞ

スナップを付け直し、伸びた袖口のゴムを取り替え、細かい綻びも縫い直し

 ウォルドルフ人形は、表は綿ジャージー、中綿は羊毛。髪の毛も手紡ぎウールなので、きちんと保管しないと虫に喰われる。この子達も、ムスメが構わなくなってからはずっと放置だったので、何カ所か虫に喰われてしまった。そこも修繕しないと。

 きちんと髪の毛を植え終わったら、また写真をアップするよ。