2026年7月18日土曜日

0599 アルファは飢えても主を摘まず(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)

書 名 「アルファは飢えても主を摘まず(下) 」
著 者 佐伊   
出 版 新書館 2026年7月
単行本 352ページ
初 読 2026年7月17日
ISBN-10 4403221602
ISBN-13 978-4403221606
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/136632547

 6月に上巻が刊行されてから、一ヶ月。寝ても覚めても、この話のことを考えていた。ていうか、ヴァルトルたちが脳内を闊歩していた。幸いにして、前日譚の『泣かぬオメガが身を焦がす』(ヴァルトルの親のメソルトの話)が、毎日夜9時に連載更新されていたから、それでだいぶ心が慰められた。・・・・話の中身のハードさったら、慰められるどころではないのだけど。あのメソルトにしてこの子あり。

 それにしても、昨夜17日に更新された、『泣かぬオメガ・・・』の開戦第12話は、本当にしんどい内容だった。(メソルトの立場が辛すぎる。そして、18日に更新された13話はもっとしんどかった。(T-T)  あのイワンゴ海戦にブライス聖騎士団が派遣された、その決定に、ここまでメソルトが関わっていたとは。メソルトやハリオの心中はいかばかりだったろう。ホント、レンドがどこまでも憎らしい。)

 自分の仕事はめちゃくちゃ忙しかったにもかかわらず、そんな感じで脳内のリソースのかなりの部分をこの作品世界に持っていかれたまま毎日を過ごし、それでも下巻発売が待ちきれず、Webサイトで、この『アルファは飢えても主を摘まず』下巻部分をほぼ2巡した。(睡眠時間は押して知るべし。もともと不眠症気味だからいいのよ。)もはや、紙本出版の際に加筆修正した箇所を当てられるんじゃないかってくらい読み込んだ。そして、絶対に今日には配本されて店頭に並ぶはず!と思い定めた7月17日。今度こそ、紙本特典もGetすべく、オシゴト終了後に紀伊國屋書店新宿本店へ! 速攻で入手しましたとも。・・・・・上巻も合わせて(汗)

 だって、特典ペーパーがやっぱり読みたかったんだもん。もん。もん・・・・

 ここは声を大にして言うが、絶対に『泣かぬオメガ』も紙本出版してほしい!!そして、あちこちに小出しされてる掌編なんかもまとめて、番外編集を出してほしい!! いや、それよりも続きやスピンオフを書いてほしい!

 で、さて、下巻である。
 国王エイドのベッドで寝落ち(気絶)→覚醒→背汗、のやらかしからスタートだ。
 でも、本編は、繰り返すが直近の2巡も含め、すでに連載版を4巡はしているので、とにかく番外編にGO!!
 
 本編ではほとんど語られない(BLなのに(笑))、エイドとヴァルトルのいちゃいちゃシーンからたっぷりと。それにしても、メソルト(母)とハリオ(父)の“愛の巣”でイチャつくヴァルトルはやっぱり相当のKY(笑)。いや、仕方ないんだけど。他に場所もないし。設定したのはメソルトだし。にしても、憮然とした当のメソルトと、いそいそと手伝うハリオにニヤニヤしてしまう。
 そして、舞台は法廷へ。
 マルコス家絡みの裁判は、ほとんどがマルコス側が被告なのに、ヴァルトルのマルコ殺害の裁判だけは、マルコス側が原告でヴァルトル側が被告なんで、マルコス側も、起死回生の一手をここに打ち込んでくる。それを迎え撃つヴァルトル弁護団。証人尋問でのエイドの静かな告白。そしてヴァルトルの更に静かな告白。・・・胸に染み渡る・・・・感涙。

 正直ね、この一ヶ月、ずーっといろいろなパターンを妄想してたのですよ。ずーっと脳内にヴァルトルやメソルトが闊歩してたし。

 個人的に一番ハマった妄想は、ルーオン家の名誉回復とルーオン侯爵家の復興っていうネタ(もちろん私の捏造)。
 マルコス追求の立役者の一人であるクロード准将や、前サロバ公シャイロからの嘆願で、新国王アゼルが決断して、罪人として葬られていたルーオン元侯爵(ハリオ父)とアンリ(ハリオ兄)を、ルーオン一族の墓地に改葬して、ルーオン侯爵家を再興。だけど、ハリオは今更上流貴族として宮廷に戻りたいとは思わないだろうし、下級貴族であることに意地と誇りを持ってるだろうメソルトは尚更。なら、やっぱりヴァルトルか? ヴァルトルをルーオン侯爵にして、そこに退位したエイドが降嫁する、なんて妄想がたいそう捗った。(笑)

 ハリオは多分、メソルトとヴァルトルがいて色々と報われているんだろうけど、わたし的にはもっと名誉回復させてあげたい人、の筆頭。あとは、アゼルとラウルの愛の往復書簡集とか。

 海軍諜報部大佐のクロードは、いつからヴァルトルがハリオの息子だと知っていただろう?とか。「お前、ヴァルトル・オーゼックスだろう?」って言ってたけど、ハリオがメソルトに匿われて一人息子を育てていたことは多分知っているよね?どこにも書いてないけど。だとしたら、自分は負傷して引き揚げ船に乗せられて、ヴァルトルが後に残っておそらく死んだに違いない、と思ったとき、どれほど嘆き・恨んだだろう・・・とか。

 金髪くりくりのミッシャはその血筋の良さと能力の高さから、次期かその次くらいの大首座候補だろうけど、ウォルトが修道院に入ったら、やっぱりそうなるかな。ミッシャとウォルトが師弟関係になったら面白そう・・・・とか、いや、エイドが退位して、ヴァルトルと結ばれた後なら、エイドがウォルトを養子にする、っていう道だってあるかもしれない・・・とか。あ、でも、正統下巻番外編を読み終えた今となっては、存続がどうなるかも未定なサロバ公家は、いったんシャイロ様が公爵に返り咲いて、その後はウォルトに継がせるっていうのも良いのでは。。。など。

 脳内二次創作モード全開である。(書けないけど!)ここまでドはまりできる小説は年に1作出会えるかどうか、なので、本当に嬉しい。

 繰り返すが、前日譚の『泣かぬオメガ・・・』の出版も正座して待ってます!よろしくお願いします、新書館様。

2026年7月12日日曜日

0598 引きこもりオメガ公爵の円満なる離婚計画 (ディアプラス文庫)

書 名 「引きこもりオメガ公爵の円満なる離婚計画 」
著 者 仁茂田もに   
出 版 新書館 2026年7月
文 庫 224ページ
初 読 2026年7月11日
ISBN-10 4403526497
ISBN-13 978-4403526497
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/136513095 


 最近では「アップされたら、即読み」「出たら即買い」作家さんの仁茂田もにさん新刊。今BL作家さんで追いかけてるのは、仁茂田もにさん、佐伊さん、野原耳子さん、墨尽さん・・・で、それ以外にも商業出版にのってない(たぶん・・・)御方が数名。文学フリマとか、J庭とか、コミケとかに足を向ければ、もっと世界(入手手段)が広がるんだろうけど、そこまでの気力体力がない(なんせ歳が・・・)。仁茂田もにさんの作品では、『王と正妃』が別格で好き・・・なのだけど、紙本で出版してくれないかしら。出版社様。
 こういうしっとりした熟年の純愛も良いと思うのよ。需用あるよね?きっと。子育てが一段落したあとに、夫と再び恋愛をやり直すって良いよね。・・・・・っていうか、これでは『王と正妃』の感想になってしまう。そうではなくて。

 このお話は、もっと若い2人の超絶すれ違い。まあ、王(主人公の伯父)のやらかしがヒドいよ。コレさえなければ、そして主人公のシェリルがあと一歩だけ踏み出せて、きちんとジャンと話すことができれば・・・・・こんなことにはならなかったはずなんだけど、ただの身分差恋愛で済んだはずなんだけど、そこはそれ、そういうキャラだし、そういうお話なので(^^;)

 不器用・言葉足らずで勘違い先行型のジャン(α)と臆病・引きこもり・言葉が出ないシェリル(Ω)の組み合わせであれば、ただの身分差恋愛であるはずのところが、永遠にボタンの掛け違いが発生して、ついに離婚話にまで・・・・若い2人の5年は長いよ。可哀想に・・・

 とはいえ、淡い初恋から、ずーっと両片思いなので、とにかくあーあ、と思いながらももだもだを愉しんでいれば、おのずとちゃんと収まるべきところに収まります。安心仕様。なんの不安もなく読めるのが有り難いときもあるんですよ。それに絵が美しいです。


 先週、金曜日(この本の発売日)は、すごく大きな仕事があって、ここ一ヶ月の間、体調不良とも付き合いながら、アレ(仕事)が終わったら、その足で書店・・・・その足で書店・・・・この仕事が終わったら、新刊が読める・・・・新刊が読めるときには、この仕事が終わってるハズ!! と、念じていました。そして、来週は、佐伊さんの『アルファは飢えても主を摘まず』の下巻の発売日。仁茂田もにさんと、佐伊さんの新刊をワンツーで読める(泣)そのためにもこの仕事を無事に終わらせなければ!!! そう自分に念じていたんですよ。 もはや生きる原動力です。

2026年7月4日土曜日

2026年6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3212
ナイス数:533

恋する狼 狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)恋する狼 狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)感想
電書しか出てない中編です。シリーズ4作目。ラングレーのシリーズは、これしか出ていないのがとても残念。群れのボス(だけど姑息な小物)のアルファにレイプされそうになったオメガを助けたのは、町に入ってきたよそ者のアルファ。前ボスの協力もあって、群れのボスを追い出し、町の平穏もとりもどすし、メイトだったオメガも獲得。だけどこのメイトがなかなかのドジっ子で(笑)
読了日:06月30日 著者:J・L・ラングレー

アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
『竜王の婚姻』『君を転生させないために』『精霊の宿る国』の佐伊さんの新作紙本。『なろう』ですでに読了済みながら、こんなに出版が待ち遠しい本も久方ぶりだ。オメガバース設定のBLだが、中近世くらいの架空歴史ファンタジーとして非常に緻密に描かれていて、かなり骨太な物語になっている。そこに、隠れオメガの国王エイドの深い苦悩や、まやかしの宗教裁判で有罪となって還俗させられてしまった修道騎士ヴァルトルがエイドに寄せる敬意と愛、ヴァルトルの庇護者であるメソルトの困難な立場、王太后の思惑など複雑な人間関係が絡みに絡む。
読了日:06月30日 著者:佐伊

ルーン文字:古代ヨーロッパの魔術文字 (アルケミスト双書)ルーン文字:古代ヨーロッパの魔術文字 (アルケミスト双書)感想
サイモン・フェキシマルの秘密事件簿を読んだついでに入手。ファンタジーを読むなら必須のルーン文字の基礎知識導入に。ルーン文字って一つ一つが概念を表象してるのか、っていうのが私の新知識でした。
読了日:06月29日 著者:ポール ジョンソン


サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 (モノクローム・ロマンス文庫)サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 (モノクローム・ロマンス文庫)感想
19世紀末の英国が舞台のゴシックロマン+M/M。霊能者のサイモン・フェキシマルとその相棒ロバート。19世紀後半の神秘主義の流行や、諸々の作品群へのオマージュに溢れてる。当時のオカルトにある程度知識があったならば、面白さはたぶん倍増する。耳なし芳一みたいに、躰の上を経文ならぬルーン文字の呪文がのたくっているサイモンと、自身の幽霊事件がきっかけで彼に出会った新聞記者のロバート。2人の出会いの物語から、いくつものおどろおどろしい事件を経て、2人の結びつきは深まる。2人の密やかで深い愛情と、ヴィクトリア朝時代の19世紀初めのジョージアン時代(ジョージ3世4世の時代〜1830年)には男性同士の同性愛は死刑、貴族も逃れられず公爵が1人縛首に、1950年頃迄英米では犯罪で刑務所行き。女性同士はお咎め無しだけど保守的な人達からはバッシングあったろう。gayという言葉は本来joyと同じ「楽しい」という意味の言葉。1960年頃までの洋書ではjoyの代わりに使われている(ル=グインの小説とか)。聖書の教えに反する事は罪というキリスト教会の影響力が強かったんだ。宗教とは距離を置きたいなあと思っちゃう理由の一つ。
読了日:06月25日 著者:KJ・チャールズ

どうやら誰かの回帰に巻き込まれたようです (1) (バーズコミックス エメリナコレクション)どうやら誰かの回帰に巻き込まれたようです (1) (バーズコミックス エメリナコレクション)感想
単話版をシーモアで追いかけている。絵柄が,骨格がきちんとしているタイプの絵で私好み。戦争狂でほぼ城を不在にしていた夫国王を補佐して15年に渡り内政を担った王妃。やっと戦争が終わった。明日からは平和になる!ってタイミングで20年時が巻き戻ってしまった!悲劇である。巻き戻したのは誰の願いか?巻き込まれたのは誰と誰か?まだまだ謎である。
読了日:06月24日 著者:亀井高秀

狼の見る夢は (モノクローム・ロマンス文庫)狼の見る夢は (モノクローム・ロマンス文庫)感想
『狼の遠い目覚め』で登場したジェイクの探偵事務所のマットと、キートンの兄オーブリー。マットがジョージア州立大学に入学、オーブリーの自宅のゲストルームに居候することに。マットとオーブリーは初対面で“メイト”であることを悟るけど、オーブリーはゲイであることが許されない保守的な南部で一族代々のホテルチェーンを経営し、いずれ結婚して子どもを作って、家を継ぐことが自分の務めと信じていて。メイトとの熱く手放しがたい恋、だけどカムアウトできない苦悩。オーブリーの独り相撲って言っちゃえばそれまでだけど。
読了日:06月18日 著者:J.L.ラングレー

アジア・中東の装飾と文様アジア・中東の装飾と文様感想
正倉院から始まり、シルクロードを横断して、様々な衣装や装飾に残る意匠を追っていく。まさに私の好みにドンピシャな本だった。
読了日:06月18日 著者:海野 弘




イスラム芸術の幾何学:天上の図形を描く (アルケミスト双書)イスラム芸術の幾何学:天上の図形を描く (アルケミスト双書)感想
イスラム紋様というか、アラビア紋様というか、モスクや王宮建築のタイル装飾とか、遠く極東に渡った正倉院紋様なんかも好きで、勉強のために入手。
読了日:06月17日 著者:ダウド サットン



狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)感想
最初に「遠い目覚め」の方を読了してしまったのだが、こちらが一巻目。米国発M/M小説。(BLつうよりゲイ・ロマンス)そして、人狼。ニューメキシコのネイティブアメリカン居留地に程近いエリアに住む獣医のチェイ(アパッチ、黒狼)と、そこに運び込まれた白人で白狼のキートン。ストレートだと確信していたチェイに対してキートンはゲイ。そんな2人がメイト(伴侶=運命的なパートナー)だった。最初の諍いから急接近して、ひたすら恋狂う狼。全編ゲイSEX描写全開だけど、明るく健康な大人の恋愛って感じで、カラッとしていて好感度高し。
読了日:06月13日 著者:J・L・ラングレー

狼の遠き目覚め (モノクローム・ロマンス文庫)狼の遠き目覚め (モノクローム・ロマンス文庫)感想
「狼を狩る法則」ではかなり嫌なヤツだったレミであるが、これが実は本当に健気だった。閉鎖的な居留地で権力を握る父親の暴力に晒されながらも、年の離れた弟を守りつづけていたレミ。レミがオメガ(調和者=群れのリーダーを支える者)であることが分かり、そのメイトであるジェイクが独立した群れを持つことに。同性愛嫌悪の父親に対する恐怖からゲイであることを受け入れられないレミが、ジェイクに支えられてどんどん開花していく。カラッとしていた一巻目に対してこの巻はレミがしっとり美しい。SM描写もあるけれどごくソフト。
読了日:06月12日 著者:J.L.ラングレー

ダンシング・ゼネレーションsenior 2 (マーガレットコミックス)ダンシング・ゼネレーションsenior 2 (マーガレットコミックス)感想
この主人公、私よりちょっと年下で、まあ、同世代なんだけど、けっこうな老け顔で、泣いたり落ち込んだり浮上したり忙しいし、これ、更年期の情緒不安定さを描きたいのか??ぜんぜん感情移入できん。でもまあ、こういう人もいるんだろうなーとは思う。なんというか、とてもメンドクサイ人だ。自分の、迷う余裕もうしなってる今の忙しさは、ひょっとしたら悪くないのかも?とか思ったり。大体この年になると親の介護も始まったりして、ほんとダンスしている場合じゃなくなることも・・・・ねぇ
読了日:06月07日 著者:槇村 さとる

軍人婿さんと大根嫁さん 9 (芳文社コミックス/FUZコミックス)軍人婿さんと大根嫁さん 9 (芳文社コミックス/FUZコミックス)感想
人の心の底に沈む無残と、日々の営みの中の労いと優しさと愛情がいっそう切ない9巻です。死に別れた愛馬が戻ってきたような、ハナちゃんちの仔馬。旦那サマが好きなのは柿なのかハナちゃんなのか?そしてまだ18歳の娘っ子のハナちゃんにはなんと赤ちゃんが!!?? 時代が切ない。だけど目が離せません。
読了日:06月07日 著者:コマkoma

読書メーター