2017年9月13日水曜日

0054 暗殺者の正義

書 名 「暗殺者の正義」 
原 題 「ON TARGET」 2010年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2013年4月 
初 読 2017/09/13 

 フィッツロイと袂を分かったジェントリーは、やむを得ずロシアマフィアの仕事を請け負って、やさぐれモードなところをかつての仲間であるCIAに捕獲される。
 しかし、殺されるかと思いきや意外にも共同作戦を持ちかけられる。SOS指令解除を餌にされ選択の余地はない。しかし、例によって、善人スイッチONで仕事前に厄介な事態に陥る。
 本命仕事もどんどんヤバくなって、文字通り怪我を背負込み元上官のザック・チームも危機。助けに戻った事をラングレーには小馬鹿にされ、個人的正義感を発動した結果さらに怒らせ、人質は殺されて、更に敵を増やし正真正銘の踏んだり蹴ったりの巻 。

 今回はかつての仲間で今は敵なCIAチームと一時休戦・共同工作。
 背後を心配しなくて良いのと気心知れた元上官との共同作戦ってことで、前回の緊迫感とはちょっと違った味わいもある。
 (元)指揮官ザックが上司としても戦闘員としても有能、さばけた性格で仲間想い。コートが実直に命令に従っていたのはザックも知ってるはずで、SOS指令には割り切れないものを感じているはず。そんなザックの折角の救いの手を払いのけちゃった形のジェントリー、ザックを怒らせたが、強引に命を助けて今後の展開には弱冠の期待が持てる。
次巻まで殺されないように頑張っとけ!

 それにしても、 女と逃げて砂漠で追われて砂嵐ってベタすぎじゃないか?。もーちょっと何とかならんかったのか? 
 「拙者でござるよ」とか、原文がどうなっているのか気になる妙な訳もあるが、鼻につくほどではない。背中に突きたった矢を見て、どうしても信じられなくて「うそだろう?」っておとぼけが私好み♪ 
 今回はちょっとヤク中気味のジェントリー、はらはらさせられたがなんとか生き抜いてくれてGJでした。 それにしても、ザックが本当にいい男だ。コートはずっとザックの下にいれたら幸せだったろうと思う。それに引き替え、ロイドといい、カーマイケルといい、敵役がいつも役不足。カーマイケルなど、どうしても伝説的人物、という気がしない。もっと含蓄のある敵を配置してくれたらさらに話が面白いのに。SOS指令の謎とキエフの謎は、ここでも明らかにならず。次回に持ち越し。

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