2023年12月30日土曜日

0454 ロイヤル・シークレット (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「ロイヤル・シークレット」
原 題 「His Royal Secret」2016年
著 者 ライラ・ペース     
翻訳者 一瀬 麻利
出 版 新書館 2019年11月
文 庫 390ページ
初 読 2023年12月30日
ISBN-10 4403560385
ISBN-13 978-4403560385
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/118018746   

 実は、続刊の『ロイヤル・フェイバリット』を先に入手しており、あらかた読んでいたので、こちらはある意味安心してほっこりと読むことが出来た。
 ロイヤル・フェイバリットのベンと比べると、こちらの方はずいぶんとまあ、奔放で野性的である。そしてジェイムスが初心で誠実でなんともいじらしい。こんな繊細な恋人の手を離せるとしたら、そりゃあ人でなしでしょう。

 出会いはケニア。雨期のスコールに降り込められたサファリリゾートのスイートで、雨の中走る青年を呼びとめ、個室に招きいれたベンは、その青年が英国皇太子であることに内心驚愕する。そして、チェスの勝負を仕掛けて、駆け引きするうちに、相手が(も)ゲイであることに気付く・・・・あとは、どうやってベッドインするか??? 一度だけの火遊びのつもりがあらゆる意味で忘れがたい記憶となり、そして、二度目の出会いで熱い恋になり、やがては深い情愛になる。
 相手が英国皇太子でなく、同性でなければ、何の変哲もないごく真っ当な純愛ラブストーリーかもしれないけど、そこは『ローマの休日』と同様、相手が王族なればこそ、の葛藤が。おまけにクローゼット入りの禁断の恋。ベンジャミンときたら、皇太子に向かって「あんた」呼ばわりだし、少々が粗野に過ぎるのでは、とか不躾すぎないか?とか気になるけど、これはおいおい、ジェイムスの立場や高貴さに気付く過程でだんだん(下巻では)改まってくるので、まあよしとしておく。

 なにはともあれ、最後に愛が勝つ的な、素敵なお話である。ささくれた心のための絆創膏。2人の本当の奮闘はこれから。次巻、『ロイヤル・フェイバリット』こそ必読です。

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