著 者 和田 三造
出 版 青幻舎 2010年7月
文 庫 281ページ
初 読 2024年10月26日
ISBN-10 4861522471
ISBN-13 978-4861522475
裏表紙より引用
『本書の原本となる『配色總鑑』(全六巻)は、昭和八〜九年に掛けて刊行されました。
編纂された昭和初期は、戦前戦後の混乱期である反面、西洋文化の影響を受け、新しい気風に満ちた時代でした。
本書には、そのようなモダンで多様化する色彩の時代に、色の重要性にいち早く着目し、現在の色彩研究の礎をつくた和田三造(1883〜1967)によって公安された、348の配色が収められています。
「配色」という概念が一般に認識されていなかった当時において、具体的な配色パターンが掲載された配色見本集はきわめて珍しいもので『配色總鑑』はそのさきがけとなるものです。
・・・・・』
本の内容については、上記の引用に勝るものなし。後半に色の索引、切り離して活用も可能な色票が付属しているのも、とても実用的で、文庫本サイズで持ち運びが容易なことも合わせ、単なる復刻版でないところが良いと思う。
たとえば、デザインや印刷関係の営業さんのポケットから使い込んだコレが出て来たら格好良いと思った。
本の中は、2色、3色、4色の色彩の組み合わせがぎっしり。色見本に記載されている色の和名が美しい。
大正・昭和の色彩となっているけど、もちろん現代に通用する。明暗、補色の組み合わせ。たとえばファッションだとしたら、大きな面で組み合わせる(例えばセーターとスカート)のも、小物合わせの参考にもなるし、柄の配色の参考にもなりそう。4色配色は、着物、帯、半襟、帯締め、帯揚げの組み合わせにも、大いに参考になる。なにより楽しい!
洋服は同色系でまとめがちだけど、着物は小物(特に帯締め)は補色で選ぶことが多い。小物以外にも、八掛の色合わせも同色系にするか、補色系にするかですごく印象が変わる。歩いたときにチラチラと見える裾裏に凝るのは、着物の醍醐味。袖口、袂からほんの少し覗く長襦袢の色も、そりゃあ白やごく淡色が定番ではあるが、小紋なんかを着るときには遊び心を覗かせることもできる。だが、これを全部やったら多分NGだろうな。過ぎたるは及ばざるがごとし。娘の七五三以来、着物を着ていないけど、また着たくなった。
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