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2025年10月31日金曜日

0567〜8 暗殺者の回想 上・下 (ハヤカワ文庫NV)

書 名 「暗殺者の回想 上」「暗殺者の回想 下」
原 題 「SIERRA SIX」2021年
著 者 マーク・グリーニー    
翻訳者 伏見 威蕃    
出 版 早川書房 2022年10月
文 庫 上巻:464ページ/下巻:448ページ
初 読 2025年10月31日
ISBN-10 上巻:4150415005/下巻:4150415013
ISBN-13 上巻:978-4150415006/下巻: 978-4150415013

読書メーター https://bookmeter.com/reviews/131246661  

 新刊から丸々3年以上寝かせてしまった(汗)。すでにその後、2作が刊行されている(汗)。その上、12月には新刊が出る!(大汗)。 ここで遅れを取り戻さねば、と慌てて手に取る。
 今作は、12年前と現在の交互展開。"冷酷な目をした暗殺者”なのに、どうしても子犬に見えるのはどうしてだ? ジェントリーと教官だったモーリスの信頼関係もよい。だがしかし、久しぶりに登場したカーマイケルは相変わらずクソだ。
 ジェントリーはザックのチーム〈ゴルフ・シエラ〉の4人目のシエラ・シックスだった。生意気千万の25歳。根っからの単独行動者。長期間の潜伏にも耐える粘り強さと比類無き技倆を持ち、そして口のきき方を知らない(笑)。

 ただ、口のきき方は知らないが、自分がそういう人間だということは承知しているし、得手不得手も承知している。そして、望まれるなら、努力もできる。若ジェントリーは生意気で変わった奴ではあるが、見所はある。そんなジェントリーを鍛え甲斐のあるやつと見込んだザック。ジェントリーが弟以外では初めて持ったチームであり、上官。スタッグの組み方もジェントリーはザックとそのチームに叩き込まれたのだ。
 そして、これまた甘酸っぱい、高校生みたいな恋。その結果は推して知るべし。

 そして、ジェントリーが胸の痛みを知ることになった、惨憺たる結果になったパキスタンでの作戦から時が過ぎること12年。
 再びCIAのおたずね者になったジェントリーは、ある民間請負の仕事であり得べからざる男を発見する。それは、12年前の事件の首謀者。そこから始まる追跡劇。
 
「俺はあんたのシックスでいたい」

 もはや、恋の告白のような言葉で、ザックの永遠の弟分ポジションが確定した若造ジェントリーであった。

2021年10月2日土曜日

0297ー98 レッド・メタル作戦発動 上・下 (ハヤカワ文庫 NV)

書 名 「レッド・メタル作戦発動 上」「レッド・メタル作戦発動 下」
原 題 「Red Meta」2019年
著 者 マーク・グリーニー/H・リプリー・ローリングス四世  
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2020年4月 
文 庫 上巻:512ページ
    下巻:528ページ 
初 読 2021年10月2日 
読書メーター     
ISBN-10 上巻:4150414645 /下巻:4150414653 
ISBN-13 上巻:978-4150414641/下巻:978-4150414658
 一人の男の屈辱が、世界を巻き込む戦乱のきっかけとなる。フランス人よ。牛糞は人に投げつけるもんじゃない。

 とまれ、アナログから超高度なハッキング技術まで、第二次大戦を彷彿とさせる軍隊列車から、最新鋭原潜や第5世代戦闘機まで、そして海底通信ケーブルから、高高度の軍事衛星までを同時多発的に攻撃する緻密な作戦が始動する。敵も味方も、西も東も、登場する人物の背景が語られ、人物造形が与えられ、物語に深みが増す。しかし西側の人物造形がリアルなのに対して、ロシア側は旧弊って感じのステレオタイプなのがすこし残念。思わず応援したくなっちゃうようなカッコ良いロシア軍人が出てきたら、もっと面白かったのに! さすがの主役のコナリー中佐は好感度ピカイチ。私の脳内では「テイキング・チャンス」のケビン・ベーコンで完全再生。その部下のグリッグス少佐も捨てがたい。直属上司がダメダメで、せめてコイツの頭越しに最上層に意見具申したいコナリー。その意を受けてグリッグスがたくらんだ作戦はその名も『犠牲フライ作戦』。もちろん、バッターボックスで犠牲フライを叩くのはグリッグス、その合間に二塁からホームベースを目指すのはコナリー。必要とあらばきちんと貧乏くじを引くことが出来るグリッグスは良い部下だ。下巻ではぜひ復権してもらいたいもの。
 ロシアの仕組んだ「レッド・メタル作戦」の骨格・・・・というかストーリーの骨格はごく単純。軍事技術や相互監視の通信技術が高度になりすぎ、各国が身動きする余地が少なくなってきている現代で、スリリングな軍事物を書こうと思ったら、軍事力の前提条件(通信技術とそれに裏付けされた高度なIT化)をぶち壊してしまえば良い、そうすれば、第二次大戦なみに泥臭い軍事スリラーを展開できるじゃないか。ようは、発達しすぎた技術をあえて丈詰めしてしまう、という荒技。(まあ、グレイマンを病身にして出力50%オフするのと同じ発想ではある。)その為に、最先端の潜水艦と兵器で、大西洋海底の海底ケーブルを切断し、通信衛星を戦闘機で爆撃し、ハッカー集団がコンピューターを攪乱する。すべては“泥臭く”戦うタメである。

 そして、圧巻なのはポーランドの反骨。ここで大国にコケにされてなるものか。ロシアの身勝手なやり方を黙認したら、今後も利用され続け、国家の存続が危ぶまれる。弱小国だからこそ、過去の歴史から学ぶのだ。国内第4の都市を市街戦の戦場に設定したポーランド、犠牲という名の背水の陣を敷いて牙を剥くポーランドと慢心するロシア。戦争に勝つことはできなくても、局地をものにすることはできる。そしてそれが、全体の戦局を大きく変える。
 突然招集されてロシアに蹂躙されたポーランド民兵のパウリナは、本人の気持ちとは無関係に、戦いの女神として崇拝を受けるように。ジャンヌダルクのように先頭で戦い続ける彼女の恐怖に気付いたのは、ロシア軍車列を果敢に攻撃し、撃墜された米A10パイロット。戦場に咲く小さな花。そんな細かいエピソードも混ぜながら、基本は海兵隊万歳、ウーラー!!デビルドッグ!な壮大な戦争小説。
 ここまで、最新武器を縦横に使い、破壊している小説はあまりないのでは?
 老ラザール陸軍大将が、いぶし銀の如く輝く。最終兵器の争奪で最後にもう一波乱描くこともできたな、とは思うが、これで良いのだろう。
 個人的には、ボルビコフが魅力的な人物に描かれていたら、もっと面白かったな、というのが若干贅沢な感想。まあ、この執筆陣にそれは期待できないか。

 ラストは、それぞれの戦後処理。暴風雨が去ったあとは、死者への追悼と生者の褒賞。そうやって無理矢理、喪失に心の区切りを付ける。今作、ポーランド民兵のエースパウリナ、戦闘ヘリ"アパッチ”のパイロット"グリッター”(きらきら)ちゃん。そして攻撃型原潜の艦長ダイアナ・デルヴェッキオ、と3人の女性も大活躍。とくにダイアナを読むと、『ステルス艦カニンガム』を無性に読みたくなるな。

2021年9月19日日曜日

0295ー96 暗殺者の献身 上・下 (ハヤカワ文庫)

書 名 「暗殺者の献身 上」「暗殺者の献身 下」 
原 題 「RELENTLESS」2021年
著 者 マーク グリーニー  
翻訳者 伏見 威蕃  
出 版 早川書房 2021年9月 
文 庫 上下巻各 448ページ 
初 読 2021年9月19日 
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/101314956   
ISBN-10 上巻:4150414858/下巻:4150414866 
ISBN-13 上巻:978-4150414856/下巻:978-4150414863 
 ターゲット(機密情報を持ち逃げして潜伏中の元CIAアナリスト)に接近するためにプエルトルコに潜入したザックが身バレして秘密警察に逮捕・連行される。
 隠密に動かせる手駒に窮したハンリーは、病気療養中のコート・ジェントリーを極秘の医療施設から引き出だした。コートは、ロスで負った左肩の刺傷が感染を引き起こしたせいで手術を受け、いまだ体内から一掃できない細菌を片付けるために抗生剤の点滴を続けており、まだ最低でもあと数週間の入院加療が必要な状況だった。

 すでに無双を極めているグレイマンことコートランド・ジェントリー、前回の私的作戦でも多勢に無勢だったがすでに読者は究極の安心感。これを打開(?)するためにグリーニーが選んだ手段は、なんとジェントリーの出力50%OFF+生命危機のリミット付き。いつもなら救援に現れる“お父ちゃん”ことロマンティックことザックは監獄の中。やるなあ、グリーニー。相変わらずサドっ気たっぷりである。

 そして、今回の風呂敷がまた、たっぷりとデカい。登場人物と舞台が錯綜するため、めったにやらないことだがメモを作成しながら読む。ついでに言うと、至極シリアルである。前作でおおいに楽しませてくれたオレオレの自分語りはナシで。

 そして、怒濤の下巻。
 今回のジェントリーの様子を表すのに最高の一文がこちら↓

 ジェントリーは負傷し、体の具合が悪く、温め直した死人のようだった。

 でももちろん、温め直した死体であってもグレイマンはグレイマンなのだ。

 そんなわけで、とにかく面白い!下巻はもう、ノンストップである。上巻でたっぷり広げた風呂敷を、畳むどころかばっさばっさと振り回す!
 普段はネタバレ満開なレビューばっかり書いてるけど、これは絶対にネタバレしない!とにかく面白かったと断言できる。シリーズ最高傑作であろう。なんか誤植あったような気もしたけど、気にしない!ハリウッド映画ばりばりで映像が目に浮かぶ。暗闇での銃撃戦も、大規模戦闘も殺戮も、爆弾攻撃も、短距離速射も遠距離狙撃も全部、ぜーんぶぶっ込まれてる。映画化してくれ。大画面で。大音響で!なによりザックがめったくそかっこいい。ジェントリーを完全に喰った。いやあ、お父ちゃん大好きだ!
 みんな早く読んでくれ!まだ手に取っていない人は、明日書店に駆け込むべきだ!

2021年5月2日日曜日

0265-66 暗殺者の悔恨 上・下(ハヤカワ文庫)

書 名 「暗殺者の悔恨 上」 
原 題 「One Minute Out (Gray Man) 」 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 (2020/11/19) 
初 読 2021/0/02
文 庫 420ページ 
ISBN-10 4150414726 
ISBN-13 978-4150414726

 
 
 とりあえず、我らがグレイマン、コートランド・ジェントリー君に送る言葉がある。
その1「下手の考え休むに似たり。」
その2「案ずるより産むが安し」

まあ、ジェントリーの本能、もしくは制御不能な暴れ馬的良心が選んだ道は決して「泰く」はないがね。

 ともかくも、グリーニーの実験におつきあいせねばならぬこの巻。書くのも今更感が半端ないが、ジェントリーの一人称現在型である。いやあ、慣れるのに手間取ったよね。ジェントリーの思考が何の役にも立っていないのに冗長で。(笑)
 ええ、笑ってあげるよ。なんといってもジェントリーのことだもの。何度、おまえもう黙って働けや、と思ったことか。PIT(逃走車両の後部に追跡車両がぶつけて相手の車を止める技術)を仕掛ける段になって2ページにも及ぶ解説。それも、たいして具体的ではなく、俺はCIAでコレを習った。その後も自分で習熟した。おれなら出来る。やるんだジェントリーって、さあ。いいから黙ってやれや(笑) そうはいいつつも、さすがに読んでる内に慣れてきたか?やっとストーリーに入り込めそうな。

 で、さて今回の彼の任務は、CIAではない、個人の請負仕事。かつてボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で大量虐殺を行った軍事指導者の暗殺である。遠距離から一発で仕留めればよいものを、つい、危険かつお節介な「良心」が蠢く。あんな悪いやつを苦しみもなく一発で仕留めるのが正義なのか? そう、彼にとってもはやNGワードに近い「正義」の発動である。そして、その正義感に突き動かされるまま、もっと残酷に殺すために、屋敷に侵入する。ところがその屋敷は人身売買組織の中継基地で、中にはうら若い女性達が捕らわれ、そしてジェントリーのしたことの責任を彼女達が負わされることになると知り。もはやぐだぐだである。
 だが、そのぐだぐだをなんとか凌ぐ技倆を持っているからこそのグレイマン。追跡する途中で出会った女性を筆頭に、今回はなにやら女まみれになりそうな予感だ。
 
書 名 「暗殺者の悔恨 下」 
初 読 2021/0/02
文 庫 416ページ 
ISBN-10 4150414734 
ISBN-13 978-4150414733

で、下巻である。
 ようやく読む方も波にのってきた。当面の的が明確になるが、このパターンは、あれだ、『暗殺者の復讐』グレイマンに憧れる暗殺者の巻。グレイマンを振り回す姉のぐだぐだにわをかけて、グレイマンをぶん回す妹ロクサナかっけー!から始まる追跡劇。そして、ジェントリーは遂に、禁じ手を繰り出す。例のラングレー直通電話であるが。相変わらずスーザンはクソ。お友達のトラヴァースは相変わらずいいひとだ。そしてロマンティックも相変わらず。お父ちゃん、もういい年なのにがんばってるなあ、とニヤニヤする。
それはそうと冴え渡るジェントリーの独白(笑)、「こんな時には大学に行っていればよかったと・・・」・・・・と、キミ、大学に行けるほど頭がよかったのかねえ?とこっちも脳内でツッコミをいれる。
 そして、舞台はヴェネツィアに移り、さらにはロスへ。
 そのヴェネツィアの運河沿いの豪華なアパートメントの3階には、ひょっとしたら引退したガブリエル・アロンが静かに絵を描いているのではないか?とか、脳内で作品世界がオーバーラップする。そして、ロサンゼルスですよ。いやほんと、人質救出のエキスパートならいるじゃないですか、カルヴァーシティに! とか妄想でばくばくする。奇しくもジェントリーがかり出したロートルもナム世代。いやあ格好よいね、じーさん!
 とまあ、変な楽しみ方も織り交ぜつつ、ジェントリーの戦いを堪能する。女達が格好良いこと。か弱い被害者と思っていた女達も、正規軍への従軍歴があり戦える、というところに東欧の厳しさも垣間見る。男も女も格好よい。やっぱりグレイマン、最高です。

2019年9月3日火曜日

0180−81 暗殺者の追跡 上・下

書 名 「暗殺者の追跡 上」 「暗殺者の追跡 下」 
原 題 「Mission Critical (Gray Man) 」 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 (2019/8/20) 
初 読 2019/09/03


 今作はイギリス舞台なせいか、比較的静かでこぎれいな感じ。例によってもらい事故的な巻き込まれ。

 どんどんスーザンが嫌いになっていく(笑)早く殺されてしまえ!スーザンはダメだと思うんだよ。性根の部分って、変わらないし、致命的だと思うの。せめて華々しく、惨〜く退場させてあげるのが良いと思うんですけどね。銃撃戦の周辺にいて、グレイマンたちが一戦交えた後ふと振り返ったら蜂の巣になって脳みそぶちまけてて、こうなっちゃ美人も台無しだなぁ、とザックに言われちゃう、ってシチュエーション希望。 

 さて、そんなことよりジェントリーとゾーヤだ。ゾーヤとの距離がだんだん縮まって、レーザーポインターでサインするあたりで、ジェントリーと一緒にばくばくする。ボクサーに一方的に伸されたジェントリーに不満そうなゾーヤ、圧倒的にグレイマンを信頼してるようだ。

 今回はこれまでになかった細菌戦。なにはともあれ世界最強のアセット二人がそろったところで、下巻へ。ポイズン・アップルとはまた絶妙なネーミング。スーザンが、毒林檎を持った老婆に化けた女王様に見える。
「鏡よ鏡。CIAで一番偉くなるのはだ〜あれ?」
「それは女王様、ではありません」うっき〜!殺してやる〜!! ホント自意識過剰な女は怖いよ。
 こんな毒蛇を身内に飼い続けるハンリーは勇者なのか愚者なのか?それにしてもコート、大悲劇になるところを紙一重で回避して、なんとかゾーヤとも次回に繋がりそうでよかった。途中、普通の生活とか語り出した時には絶対死亡フラグだと思っただけに、まだシリーズ続きそうでホっ(^_^;) 

  ところで解説氏!「彼女とジェントリ ーとのやりとりはユ ーモアにあふれていて 、緊張感の続く物語のなかで清涼剤のようになっている 。」あんたの感覚には同意しない!(笑)

2018年8月29日水曜日

0138−39 暗殺者の潜入 上・下

書 名 「暗殺者の潜入 上」「暗殺者の潜入 下」 
原 題 「Agent in Place (Gray Man) 」2018年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見威蕃 
出 版 早川書房 2018年8月 
初 読 2018/08/29


 いきなり、ISISに捕まって処刑される直前、て描写から始まって、前代未聞の危機一髪状態のジェントリー。どうするんだおい。
 今回はCIAの汚れ仕事ではなくフリーランス。CIAの汚仕事の後なので自分の気持ちに適った仕事をして、ちっとは浮上したかったらしいコート。だからって泥沼シリアには行きたくはない。だけど無辜の女子供の命がかかってると言われては、例によって善人スイッチON!

 上巻は敵味方含めて状況説明が多くちょっとダルいが、シリア入りしてからの戦闘描写は流石。ジェントリーの技倆は戦場では隠れようもない。
【お気に入りのセリフ】
「友よ。きみは重大な人間不信に陥ってるよ」
「ああ、どうしてだろうと思っている」
 そりゃあもう。何故だろうね! 

 さて、下巻に入ってからは、 グレイマン無双。コート、やっぱり傭兵部隊が似合ってるね。この寂しがり屋さんは本当はチームが好きなんだよな、とほくそ笑む。
 そして、ここ一番の所では伝家の宝刀「ラングレー直通電話」&米軍全面支援。
 無双過ぎて何だかな〜と思わないでもないが、グレイマンが全力で事にあたれる環境整備って点では申し分ない。

 今回は、フランス人元諜報部員のヴァンさんも何だかな〜の一員。
 全部が全部、コートのお眼鏡に叶うわけもないが、1話で3も回コートを裏切るのは、余りにも危険行為です。命知らずにもほどがある。
 まあ、最後は頑張ったけどね。二度とコートとは仕事できないだろうね。

2017年10月4日水曜日

0059−60 暗殺者の飛躍 上・下

書 名 「暗殺者の飛躍」
原 題 「Gunmetal Gray」2017年
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見威蕃 
出 版 早川書房 2017年8月 
初 読 2017/10/04 
 
 CIAという後ろ盾を得たコートは、どことなく暢気な雰囲気が漂う。新しいハンドラーとはまだ息が合わない。そもそもスーザンの方に合わせるという気がない。コートは彼女が直前までヴァイオレーター対策チームの指揮官だったって知らない。皮肉を応酬しながらこの二人は果たして息が合っていくのだろうか?スーザンに打算尽くではない本気の仕事を見せてもらいたい。ついでに言うならコートの為に泣いてほしい。これまでの仕打ちを考えたらそのくらいしてくれたって良いじゃ無いか!
 コートの暢気な風情が目立つ前半だが、お仕事自体は結構ハードモードである。中国、ロシア、ベトナムマフィアまで絡んで大乱闘、大混戦。フィッツロイを巻き込んだ設定に弱冠無理を感じるが、フィッツロイおじいちゃんが大好きなので大目にみよう。それにしても、翻訳のまずさが弱冠気になる。「独り働き」(p31)ってここで使うか?時代劇用語(鬼平犯科帳とか。)じゃない?意味違うし。"単独行動"くらいにしておけばよかったのに。
 明かに日本語文法がおかしい文もある。誤植もあったぞ。校正ちゃんと仕事してほしい。
 ゾーヤがルースの再来で、頭の中で絵が重なってしまう。ついにコートに大切な女性が出来るのか? 

暢気なジェントリー語録。
✓P90せいぜいこのドライブを楽しもう。→ P91楽しめなかった。・・・・早いな。 
✓P114しまった、(中略)考えを、うっかり戴に吹き込んでしまった。・・・・凡ミス。
✓P240考えてみればひどい取り合わせなので、あまり考えないようにした。・・・・考えなければ万事OKなのか?ライスプティングとリンゴと梨とウイスキーの夕食。ジェントリー、実は甘党? 
✓p372一瞬、誇らしい気持ちになり、だれかに写真を取ってもらえばよかったと思った。・・・寝言いってるんじゃねー!ところで「撮って」じゃないのか?

2017年9月30日土曜日

0057ー8 暗殺者の反撃 上・下 

書 名 「暗殺者の反撃 上」「暗殺者の反撃 下」 
原 題 「Back Blast」2013年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2016年7月
初 読 2017/09/30 

 コートを巡る陰謀の謎解きは陰謀が陰謀で塗り替えられる結末に。最後の007張りの飛び道具(?)はアリなのか?でも調べて見ると、一応は実用化されているらしい。あまり効率はよくなさそうだけど、これしか脱出の手段がなかったら、やるか?
頭上高く飛ばしたワイヤーを飛行機に取り付けた引っ掛け金具で引っ掛けて高速で引っ張る訳だけど、本当に真上の天井の穴から真っ直ぐ上に抜けられるものなのか?タイミングや角度がまずいと悲惨なコトになるぞ? 引っ張り上げた時には蜂の巣死体になってたとか、天井に激突して頭蓋骨骨折してたとか・・・ リアルに想像してしまう。

 ジェントリーが自殺を企てるシーンは実に可哀想。そこを助けに来るのはやっぱりザック。コートとザックの軽口が良い。コートの方はとかく深刻になる質だから、ザックにはこれからもコートの手綱を握っていてほしい。コートが「お父ちゃん」などと軽口を叩けるのもザック相手だから。最後にぎゅっとハグしてくれるのもザックだけ。ザックの性格はホント現場指揮官向きで下働き向きなコートとはバランスの良いコンビだ。しかし、5年の経験で自分で物事を判断するようになったコートはもはや只の兵器には戻れないだろう。CIAは彼を御し切れるか?
 父とは二度と会えない、ってフラグ立てていたけれど、やっぱり私はジェントリー父子の再会シーンが見たい。家主のメイベリーさんまでフォローしたのに、ヤニスは放置っていうのが弱冠気になるところ。これは絶対にこれ以降の展開でもう一度モサドが絡んで、ヤニスは再登場するだろうから、ひとつ楽しみが増えた。ジェントリーとヤニスの共闘話を読みたい。

2017年9月25日月曜日

0056 暗殺者の復讐

書 名 「暗殺者の復讐」 
原 題 「Dead Eye」2013年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2014年5月 
初 読 2017/09/25 

 コートの苦悩の原因がカーマイケルの無能であるとか、今回に関してはラスの嫉妬でしかなさそうな陳腐感はいかんともしがたい。が、弱冠読むのが辛かった中間部に比べ、コートが俄然動き始める後半400ページあたりからがめちゃくちゃ面白い。
 ラストの100ページは目まぐるしく状況が変転し、先が予測できないままずんずん進む。
 最後の凍った池での戦闘後にたどり着いた農家で、コートが発した言葉は「助けて」。ラスの口からは絶対に出て来ないだろう。ルースは残念だったが、ヤニス、ジェントリーとも殺伐とした世界に身を置きながらも信頼や心が通う瞬間があるのが良かった。
 それにしても、常に漂うカーマイケルの小物感。ラスのキエフへのこだわりぶりが不自然過ぎだ。何か裏があると疑え、コート。各所詰めが甘いぞ。ジャンパーチームはラスを殺すべきでしょ。グレイマンと結託しているのが分かっているのにあの場面で放免はナイでしょ。
 サイコパスにソシオパスだと言われて動揺したり、ヒコーキに「がんばれ!」と励ましたり、なんだかコートがうぶでカワイイ。
 せっかくルースと信頼を結べたのに、あっさり殺されてしまったのが残念だったけど、最後はモサドの計らいでついに米本土上陸。
 いよいよ本丸に突撃。カーマイケルにかましたれ! 

 シリーズここまで読んでの感想。
 キエフと発見即射殺〈SOS〉の謎を引っ張り過ぎだ。
 期待を高め過ぎるとかえって陳腐になるから、構成としては、グレイマン→正義→復讐→反撃→インターバルで回想として鎮魂を入れて、→飛躍 という順番でも良かったんじゃないかなあ、と個人的に思う。
 さていよいよ次ぎは反撃。ザックも当然再登場するでしょ。ザックが入ると話が引き締まるから、いろいろと期待する。

2017年9月16日土曜日

0055 暗殺者の鎮魂

書 名 「暗殺者の鎮魂」 
原 題 「Ballistic」2011年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2013年10月 
初 読 2017/09/16 

  舞台は中南米。重く暑く濃いラテンの空気感。
 潜伏したメキシコで命の恩人エディの訃報に触れ、どうしても墓参したくなったジェントリー。エディを殺した麻薬カルテルがエディの妻とそのお腹のエディの子を付け狙い、例によって善人スイッチON。あまつさえ戦闘中の姿をテレビ放映されて居場所がCIAにも知られることになり絶体絶命。
 エディの妹とシリーズ初イチャイチャ。で、あるのだが、戦闘下の緊張でエッチに集中できないコート。エディの妹ラウラはそんなコートを上手にリードしてくれちゃういい女である。熟睡できて良かったねー(棒)。

 敵に捕らえられ、とりあえず拷問される。塩ライムが、結構リアルに想像できて、かなり痛い。登場したCIAはかつての上司であるハンリー。コートを助けてくれるも。その手段が電撃ショックなところがハンリーの恨みを感じなくもない。ラストは必死で救出したラウラに清々しく振られて轟沈。ご愁傷様である。

 東南アジアに潜入するのにマラリア対策してなかったんかい?と言う根本的なところが引っかかる。プロの技量とコントロール不全な善人スイッチのミスマッチがジェントリーの魅力だから、プロの技量の方には疑問を持たせてほしくない。マラリア予防薬と治療薬とディートぐらい持っとけ!
 今回のサービスショット(?)は麻薬カルテルにとっ捕まっての拷問シーンだな。ラウラとのベッドシーンではなく! 拷問メニューは定番中の定番、マッドサイエンティスト風味な拷問官もよくある感じで新味はないが、痛そげな描写がリアルだったので良しとする。(何がだ?)

2017年9月13日水曜日

0054 暗殺者の正義

書 名 「暗殺者の正義」 
原 題 「ON TARGET」 2010年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2013年4月 
初 読 2017/09/13 

 フィッツロイと袂を分かったジェントリーは、やむを得ずロシアマフィアの仕事を請け負って、やさぐれモードなところをかつての仲間であるCIAに捕獲される。
 しかし、殺されるかと思いきや意外にも共同作戦を持ちかけられる。SOS指令解除を餌にされ選択の余地はない。しかし、例によって、善人スイッチONで仕事前に厄介な事態に陥る。
 本命仕事もどんどんヤバくなって、文字通り怪我を背負込み元上官のザック・チームも危機。助けに戻った事をラングレーには小馬鹿にされ、個人的正義感を発動した結果さらに怒らせ、人質は殺されて、更に敵を増やし正真正銘の踏んだり蹴ったりの巻 。

 今回はかつての仲間で今は敵なCIAチームと一時休戦・共同工作。
 背後を心配しなくて良いのと気心知れた元上官との共同作戦ってことで、前回の緊迫感とはちょっと違った味わいもある。
 (元)指揮官ザックが上司としても戦闘員としても有能、さばけた性格で仲間想い。コートが実直に命令に従っていたのはザックも知ってるはずで、SOS指令には割り切れないものを感じているはず。そんなザックの折角の救いの手を払いのけちゃった形のジェントリー、ザックを怒らせたが、強引に命を助けて今後の展開には弱冠の期待が持てる。
次巻まで殺されないように頑張っとけ!

 それにしても、 女と逃げて砂漠で追われて砂嵐ってベタすぎじゃないか?。もーちょっと何とかならんかったのか? 
 「拙者でござるよ」とか、原文がどうなっているのか気になる妙な訳もあるが、鼻につくほどではない。背中に突きたった矢を見て、どうしても信じられなくて「うそだろう?」っておとぼけが私好み♪ 
 今回はちょっとヤク中気味のジェントリー、はらはらさせられたがなんとか生き抜いてくれてGJでした。 それにしても、ザックが本当にいい男だ。コートはずっとザックの下にいれたら幸せだったろうと思う。それに引き替え、ロイドといい、カーマイケルといい、敵役がいつも役不足。カーマイケルなど、どうしても伝説的人物、という気がしない。もっと含蓄のある敵を配置してくれたらさらに話が面白いのに。SOS指令の謎とキエフの謎は、ここでも明らかにならず。次回に持ち越し。

2017年9月9日土曜日

0053 暗殺者グレイマン

書 名 「暗殺者グレイマン」 
原 題 「The Gray Man」2014年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2012年9月 
初 読 2017/09/09 

  堪え性がない!このお人好し!と冒頭から叱咤したくなるが、この性格だからこそこの物語。
 ロイドのような奴にまで「子犬みたいな奴」だと見破られているところが笑える。善悪ってそんなに簡単に判別できるものなのか?という疑問はさて置き、いささか単純で善良で無慈悲でお人好しな殺戮者という矛盾する性格と、それを凌駕する戦闘技能の高さに魅了されっぱなしだ。
 動けば動くほど怪我が増えて痛そう。実際泣いて痛がってるし。痛みに強いわけでもなさそうだけど、それでも彼を突き動かす動機は正義?責任感?あまりにも人間味のある暗殺者。次作が楽しみである。
 初っぱなからジェントリーの履歴を事細かにご披露してくれてるおかげで、「彼は何者なのか」などと考えなくてすむのが吉。ひたすら彼の戦いに酔いしれるだけ。
 いやあ、テンション上がるわ〜。結構な爽快感がある(笑)。ロイドが頭が悪すぎて胸くそ悪いけど、そこはリーゲルも同じ気持ちなので彼のプロフェッショナルで補ってもらう。サー・ドナルドとモーリスが渋くて良い。
 アメリカ人と書いてあるだけでなんとなく「バカ」と書いてあるような気がするのは、たぶん馬鹿ブッシュとトランプのせい。

✓「一日に二度くらいサンドイッチを食べさせて、キッチンのコーヒー・ポットには熱いコーヒーを入れておき、彼がここにいることは忘れろ」・・・・・・猫? 
✓「おれが重武装し、憤怒し、外にいるからだよ」・・・・・・!!! 
✓クレアは、ケイトの口を手でふさいで、悲鳴が漏れないようにした。・・・・・・クレア偉すぎる。8才なのに、双子なのに!将来ドンおじいちゃんの会社の跡を継いだクレア嬢とそれにかしづく元暗殺者、って構図を妄想して楽しむ。 
✓「ご提案に、ひとつだけ些細な問題があるのですが」・・・・・・コートに惚れた。