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2024年11月4日月曜日

0518〜19 アルフォンス・ミュシャ展(府中市美術館)で収穫



読書メーター記事 https://bookmeter.com/mutters/274559308

 文化の日だから、というわけではなく、魂の洗濯の必要性に迫られたので、府中市美術館で開催中の「アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界」展にいって来ました。 
 先日『かわいい江戸絵画』という図録を購入したときに、思ったのですよ。府中市美術館、優れているな、と。きっと、すごく良い、キュレーターさんがいるのだと思う。
 今回のミュシャ展にも、すごく熱量があって、なおかつすっきりと読みやすい、素晴らしい解説が表示されていました。分量的にも丁度良いかな。これ以上のボリュームだと、疲れて集中できなくなりそう。
 知らなかったミュシャの人生についてや、表現のアレコレについてもすこし知識を増やして帰ってきました。
 ミュッシャ後年の大作、スラブ叙事詩はどこに? と思って調べてみたら、2026年にプラハに『スラブ叙事詩』を恒久展示するための施設が建設されるそうです。美術館、というよりも複合施設っぽいデザインのようですが、いつかぜひ見に行けたら、と思います。
 
 かねてから入手したいと思っていた画集2冊も購入。

0518 ミュシャ作品集 増補改訂
書 名 「ミュシャ作品集 増補改訂版」
出 版 東京美術  2022年4月
大型本  21.1 x 1.5 x 29.7 cm 224ページ
初 読 2024年11月4日
ISBN-10  4808712350
ISBN-13  978-4808712358
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/123267240


 とにかく美しいの一言に尽きる。フランスで才能を発揮し、祖国チェコの独立を支持し、チェコスロヴァキア独立後は、祖国で制作活動に従事したミュシャ。展覧会では観ること叶わなかった壮大なスラブ叙事詩も収録されている。






0519 ミュシャ装飾デザイン集 増補改訂版
書 名 「ミュシャ装飾デザイン集 増補改訂版」
出 版 東京美術  2021年12月
大型本  21.1 x 1.5 x 29.7 cm 191ページ
初 読 2024年11月4日
ISBN-10  4808712342
ISBN-13  978-4808712341
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/124052008

 ミュシャは何冊かのデザイン教本も作成しており、それらも収録されている。デフォルメされた植物モチーフのボーダーやフレームも、繊細かつ正確なデッサンから生み出されているのだ、と納得。


2024年10月27日日曜日

0515 配色事典―大正・昭和の色彩ノート (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)

書 名 「配色事典―大正・昭和の色彩ノート (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)」
著 者 和田 三造     
出 版 青幻舎 2010年7月
文 庫 281ページ
初 読 2024年10月26日
ISBN-10 4861522471
ISBN-13 978-4861522475


裏表紙より引用
『本書の原本となる『配色總鑑』(全六巻)は、昭和八〜九年に掛けて刊行されました。
 編纂された昭和初期は、戦前戦後の混乱期である反面、西洋文化の影響を受け、新しい気風に満ちた時代でした。
 本書には、そのようなモダンで多様化する色彩の時代に、色の重要性にいち早く着目し、現在の色彩研究の礎をつくた和田三造(1883〜1967)によって公安された、348の配色が収められています。
 「配色」という概念が一般に認識されていなかった当時において、具体的な配色パターンが掲載された配色見本集はきわめて珍しいもので『配色總鑑』はそのさきがけとなるものです。
 ・・・・・』
 本の内容については、上記の引用に勝るものなし。後半に色の索引、切り離して活用も可能な色票が付属しているのも、とても実用的で、文庫本サイズで持ち運びが容易なことも合わせ、単なる復刻版でないところが良いと思う。
 たとえば、デザインや印刷関係の営業さんのポケットから使い込んだコレが出て来たら格好良いと思った。

 本の中は、2色、3色、4色の色彩の組み合わせがぎっしり。色見本に記載されている色の和名が美しい。
 大正・昭和の色彩となっているけど、もちろん現代に通用する。明暗、補色の組み合わせ。たとえばファッションだとしたら、大きな面で組み合わせる(例えばセーターとスカート)のも、小物合わせの参考にもなるし、柄の配色の参考にもなりそう。4色配色は、着物、帯、半襟、帯締め、帯揚げの組み合わせにも、大いに参考になる。なにより楽しい!
 洋服は同色系でまとめがちだけど、着物は小物(特に帯締め)は補色で選ぶことが多い。小物以外にも、八掛の色合わせも同色系にするか、補色系にするかですごく印象が変わる。歩いたときにチラチラと見える裾裏に凝るのは、着物の醍醐味。袖口、袂からほんの少し覗く長襦袢の色も、そりゃあ白やごく淡色が定番ではあるが、小紋なんかを着るときには遊び心を覗かせることもできる。だが、これを全部やったら多分NGだろうな。過ぎたるは及ばざるがごとし。娘の七五三以来、着物を着ていないけど、また着たくなった。
 

2024年10月13日日曜日

川瀬巴水 0509〜0510

書 名 「川瀬巴水 木版画集」
出 版 阿部出版  2017年3月第2版
大型本  27.4 x 22 x 2 cm 208ページ
初 読 2024年9月23日
ISBN-10 4872424484
ISBN-13 978-4872424485
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/123267240

浮世絵の手法から、版元と共同で創作する「新版画」を世に送り出した第一人者である、川瀬巴水の画集。恥ずかしながら、今回国立東京博物館を訪れて、初めて巴水の作品を目にした。その素晴らしさに心を打たれ、絶対に忘れたくなくて勢いで画集を買ってしまった。後半の資料ページに木版画の重ね刷りの手法が解説されている。やはり、東京博物館に展示されていた、東京十二題が好きだ。あと、もう一冊の表紙にも使われている『清洲橋』の青が素晴らしい。多分、一番好きなのは『松島双子島』。もちろんいろいろな色使いで表現されてるのではあるが、『小樽の波止場』『大森海岸』『馬込の月』など、青や藍の濃淡で表現される夜の表情や月夜の情景が本当に美しい。

書 名 「川瀬巴水 木版画集」
出 版 河出書房新  2024年3月
大型本  19.2 x 1.5 x 25.7 cm 128ページ
初 読 2024年9月23日
ISBN-10 4309257445
ISBN-13 978-4309257440
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/123266823

表紙の絵は昭和6年の清澄橋。この本は「コデックス装」という糸綴りの想定で、完全に平らにページを開くことができるので、見開き一杯の絵を堪能できる。誠に恐縮ながら、絵に添えられた林望氏のエッセイはほとんど読んでいない。今は川瀬巴水の絵を視覚で堪能することで胸がいっぱい。他人がこの数々の絵に何を思うとしても、そちらは正直、どうでも良い感じです。
 「コデックス装」といえば、同じく林望氏の『謹訳源氏物語』などのシリーズもこの装丁で、大変読みやすいのです。もっと広まってほしいです。

松嶋双子嶋 ※画像は国立国会図書館NDLイメージバンクから戴きました。


川瀬 巴水(かわせ はすい) 1883年(明治16年)5月18日- 1957年(昭和32年) 11月27日)
  ※以下は、ウィキペディアの「川瀬巴水」の項を参照したまとめ。
  • 日本の大正・昭和期の木版画家。近代風景版画の第一人者。明治に入り衰退した浮世絵版画から、版元の渡邊庄三郎とともに新しい浮世絵版画である「新版画」を確立した。
経 歴
  • 1883年(明治16年)  東京府芝区露月町(現・港区新橋五丁目)に糸屋兼糸組物(組紐)職人の家の長男として生まれる。本名は文治郎。10代から画家を志し、14歳から川端玉章門下の青柳墨川に日本画を学んだ。次いで19歳の時には荒木寛友にも日本画を学ぶが、両親の反対に遭い断念。父親の家業を継ぐが画家になる夢を諦めきれず、家業が傾いた折に妹夫婦に商売を任せ、1908年(明治41年)25歳の時に、顔馴染であった日本画家・鏑木清方に入門を志す。しかし、鏑木清方には遅い始まりに難色を示され洋画家の道を勧められた。当時、洋画家の集まりとして知られた白馬会葵橋洋画研究所に入り洋画を学ぶ。
  • 1910年(明治43年)   27歳。一度は入門を断られた清方に改めて入門。約2年の修行を経て「巴水」の画号を与えられ日本画家となる。
  • 1912年(明治45年)   初めて巽画会に「うぐいすきく二娘」を出品。その後も烏合会や郷土会の展覧会に作品を出品し、また賞を獲得した。1913年(大正2年)頃からは小説挿絵や銀座の白牡丹で図案の仕事を始める。
  • 1916年(大正5年)頃より京橋の画廊画博堂で風景画、美人画、風俗画などの肉筆画の頒布会を開催。
  • 1917年(大正6年)   吉川ムメ(後に梅代)と結婚。
  • 1918年(大正7年)の郷土会第四回展に出品された同門・伊東深水の渡辺版画店木版画「近江八景」に感銘を受けて版画作成に興味を持つ。当時浮世絵版画は衰退の一途を辿っていたが、幼い頃によく滞在した栃木県塩原を描いた風景版画「塩原おかね路」、「塩原畑下り」、「塩原しほがま」の3点を試作し、渡辺版画店により出版される。
  • 渡辺版画店は、数々の作品を後に新版画と呼ばれる浮世絵風の版画制作に力を入れていた。巴水の木版画デビュー作となった「塩原三部作」は好評を博し、渡辺版画店の渡辺庄三郎は巴水に新版画の風景画を委ねるようになる。以降の巴水は版画作成を主体とするようになり、終生、夜、雪などといった詩情的な風景版画を製作した。
  • 1920年(大正9年)   各地を取材した最初の連作となる「旅みやげ第一集」を完成する。これにより版画家としての地位を確立させた。同年には木版画集「三菱深川別邸の図」(現、清澄庭園)を制作、三菱財閥から国内外の関係者や得意先へ贈呈され巴水の名が世界的に伝わった。
  • 1921年(大正10年)  「東京十二題」、「旅みやげ第二集」。
  • 1923年(大正12年)   関東大震災。写生帖188冊などの多くのスケッチを焼失。同年10月22日から翌1924年(大正13年)2月上旬にかけて西日本への写生旅行。
  • 1929年(昭和4年)  「旅みやげ第三集」完成。
  • 1930年(昭和5年)3月   アメリカ合衆国オハイオ州にあるトレド美術館主催の現代日本版画展に92図を出品する。同年に震災からの復興中途の東京を主題とした「東京二十景」が完成。
  • 1931年(昭和6年)  「東海道風景選集」の制作に取り掛かる。
  • 1932年(昭和7年)   東北地方・北海道方面に旅行、第3回現代創作版画展に97図を 近代浮世絵版画展に74図を出品する。また、鉄道省国際観光局日本観光宣伝用ポスターを深水と伴に制作し各1万枚が庄三郎から出版された。
  • 1933年(昭和8年)  「日本風景集東北篇」完成。
  • 1936年(昭和11年)   トレド美術館主催の第2回現代日本版画展へ出品、同年「日本風景集東日本編」を完成。「新東京百景」は6図を制作したのみで未完。
  • 1936年から1941年頃   不調に陥る。
  • 1937年(昭和12年)   銅版画「妙見の楠(香川県豊浜)」を制作。巴水の不調対策とされている。
  • 1939年(昭和14年)6月1日から7月4日   朝鮮に旅行。同年に「朝鮮八景」を 翌1940年(昭和15年)に「続朝鮮八景」を制作。「朝鮮八景」では震災後作品にみられた巧緻な描写と震災前作品にみられた大胆で広大な配置を取り戻し、戦後の作品へ続く新生面を開いたとされる。
  • 1943年(昭和18年)  「日本風景集Ⅱ 関西篇」が完成。
  • 1944年(昭和19年)   戦災の悪化に伴い栃木県塩原市に夫婦で疎開。
  • 1947年(昭和22年)  「東海道風景選集」を完成。
  • 1948年(昭和23年)   東京都大田区池上に引越す。同年、日本橋三越本店において巴水肉筆展を開催した。
  • 1952年(昭和27年)   文部省において伝統的木版技術記録を作成して永久保存することが決定され、伝統的木版技術保持者として巴水と深水が絵師として選ばれる。
  • 1953年(昭和28年)   渡邊木版画店により制作された巴水の無形文化財技術保存記録木版画「増上寺の雪」が完成。
  • 1957年(昭和32年)11月   東京都大田区池上町(現・大田区上池台)の自宅において胃癌のため死去。74歳。絶筆「平泉金色堂」の本摺りは巴水の没後に完成し、百ヶ日の法要の場で友人や知人に配られた。