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2025年10月31日金曜日

0567〜8 暗殺者の回想 上・下 (ハヤカワ文庫NV)

書 名 「暗殺者の回想 上」「暗殺者の回想 下」
原 題 「SIERRA SIX」2021年
著 者 マーク・グリーニー    
翻訳者 伏見 威蕃    
出 版 早川書房 2022年10月
文 庫 上巻:464ページ/下巻:448ページ
初 読 2025年10月31日
ISBN-10 上巻:4150415005/下巻:4150415013
ISBN-13 上巻:978-4150415006/下巻: 978-4150415013

読書メーター https://bookmeter.com/reviews/131246661  

 新刊から丸々3年以上寝かせてしまった(汗)。すでにその後、2作が刊行されている(汗)。その上、12月には新刊が出る!(大汗)。 ここで遅れを取り戻さねば、と慌てて手に取る。
 今作は、12年前と現在の交互展開。"冷酷な目をした暗殺者”なのに、どうしても子犬に見えるのはどうしてだ? ジェントリーと教官だったモーリスの信頼関係もよい。だがしかし、久しぶりに登場したカーマイケルは相変わらずクソだ。
 ジェントリーはザックのチーム〈ゴルフ・シエラ〉の4人目のシエラ・シックスだった。生意気千万の25歳。根っからの単独行動者。長期間の潜伏にも耐える粘り強さと比類無き技倆を持ち、そして口のきき方を知らない(笑)。

 ただ、口のきき方は知らないが、自分がそういう人間だということは承知しているし、得手不得手も承知している。そして、望まれるなら、努力もできる。若ジェントリーは生意気で変わった奴ではあるが、見所はある。そんなジェントリーを鍛え甲斐のあるやつと見込んだザック。ジェントリーが弟以外では初めて持ったチームであり、上官。スタッグの組み方もジェントリーはザックとそのチームに叩き込まれたのだ。
 そして、これまた甘酸っぱい、高校生みたいな恋。その結果は推して知るべし。

 そして、ジェントリーが胸の痛みを知ることになった、惨憺たる結果になったパキスタンでの作戦から時が過ぎること12年。
 再びCIAのおたずね者になったジェントリーは、ある民間請負の仕事であり得べからざる男を発見する。それは、12年前の事件の首謀者。そこから始まる追跡劇。
 
「俺はあんたのシックスでいたい」

 もはや、恋の告白のような言葉で、ザックの永遠の弟分ポジションが確定した若造ジェントリーであった。

2021年9月19日日曜日

0295ー96 暗殺者の献身 上・下 (ハヤカワ文庫)

書 名 「暗殺者の献身 上」「暗殺者の献身 下」 
原 題 「RELENTLESS」2021年
著 者 マーク グリーニー  
翻訳者 伏見 威蕃  
出 版 早川書房 2021年9月 
文 庫 上下巻各 448ページ 
初 読 2021年9月19日 
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/101314956   
ISBN-10 上巻:4150414858/下巻:4150414866 
ISBN-13 上巻:978-4150414856/下巻:978-4150414863 
 ターゲット(機密情報を持ち逃げして潜伏中の元CIAアナリスト)に接近するためにプエルトルコに潜入したザックが身バレして秘密警察に逮捕・連行される。
 隠密に動かせる手駒に窮したハンリーは、病気療養中のコート・ジェントリーを極秘の医療施設から引き出だした。コートは、ロスで負った左肩の刺傷が感染を引き起こしたせいで手術を受け、いまだ体内から一掃できない細菌を片付けるために抗生剤の点滴を続けており、まだ最低でもあと数週間の入院加療が必要な状況だった。

 すでに無双を極めているグレイマンことコートランド・ジェントリー、前回の私的作戦でも多勢に無勢だったがすでに読者は究極の安心感。これを打開(?)するためにグリーニーが選んだ手段は、なんとジェントリーの出力50%OFF+生命危機のリミット付き。いつもなら救援に現れる“お父ちゃん”ことロマンティックことザックは監獄の中。やるなあ、グリーニー。相変わらずサドっ気たっぷりである。

 そして、今回の風呂敷がまた、たっぷりとデカい。登場人物と舞台が錯綜するため、めったにやらないことだがメモを作成しながら読む。ついでに言うと、至極シリアルである。前作でおおいに楽しませてくれたオレオレの自分語りはナシで。

 そして、怒濤の下巻。
 今回のジェントリーの様子を表すのに最高の一文がこちら↓

 ジェントリーは負傷し、体の具合が悪く、温め直した死人のようだった。

 でももちろん、温め直した死体であってもグレイマンはグレイマンなのだ。

 そんなわけで、とにかく面白い!下巻はもう、ノンストップである。上巻でたっぷり広げた風呂敷を、畳むどころかばっさばっさと振り回す!
 普段はネタバレ満開なレビューばっかり書いてるけど、これは絶対にネタバレしない!とにかく面白かったと断言できる。シリーズ最高傑作であろう。なんか誤植あったような気もしたけど、気にしない!ハリウッド映画ばりばりで映像が目に浮かぶ。暗闇での銃撃戦も、大規模戦闘も殺戮も、爆弾攻撃も、短距離速射も遠距離狙撃も全部、ぜーんぶぶっ込まれてる。映画化してくれ。大画面で。大音響で!なによりザックがめったくそかっこいい。ジェントリーを完全に喰った。いやあ、お父ちゃん大好きだ!
 みんな早く読んでくれ!まだ手に取っていない人は、明日書店に駆け込むべきだ!

2021年5月2日日曜日

0265-66 暗殺者の悔恨 上・下(ハヤカワ文庫)

書 名 「暗殺者の悔恨 上」 
原 題 「One Minute Out (Gray Man) 」 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 (2020/11/19) 
初 読 2021/0/02
文 庫 420ページ 
ISBN-10 4150414726 
ISBN-13 978-4150414726

 
 
 とりあえず、我らがグレイマン、コートランド・ジェントリー君に送る言葉がある。
その1「下手の考え休むに似たり。」
その2「案ずるより産むが安し」

まあ、ジェントリーの本能、もしくは制御不能な暴れ馬的良心が選んだ道は決して「泰く」はないがね。

 ともかくも、グリーニーの実験におつきあいせねばならぬこの巻。書くのも今更感が半端ないが、ジェントリーの一人称現在型である。いやあ、慣れるのに手間取ったよね。ジェントリーの思考が何の役にも立っていないのに冗長で。(笑)
 ええ、笑ってあげるよ。なんといってもジェントリーのことだもの。何度、おまえもう黙って働けや、と思ったことか。PIT(逃走車両の後部に追跡車両がぶつけて相手の車を止める技術)を仕掛ける段になって2ページにも及ぶ解説。それも、たいして具体的ではなく、俺はCIAでコレを習った。その後も自分で習熟した。おれなら出来る。やるんだジェントリーって、さあ。いいから黙ってやれや(笑) そうはいいつつも、さすがに読んでる内に慣れてきたか?やっとストーリーに入り込めそうな。

 で、さて今回の彼の任務は、CIAではない、個人の請負仕事。かつてボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で大量虐殺を行った軍事指導者の暗殺である。遠距離から一発で仕留めればよいものを、つい、危険かつお節介な「良心」が蠢く。あんな悪いやつを苦しみもなく一発で仕留めるのが正義なのか? そう、彼にとってもはやNGワードに近い「正義」の発動である。そして、その正義感に突き動かされるまま、もっと残酷に殺すために、屋敷に侵入する。ところがその屋敷は人身売買組織の中継基地で、中にはうら若い女性達が捕らわれ、そしてジェントリーのしたことの責任を彼女達が負わされることになると知り。もはやぐだぐだである。
 だが、そのぐだぐだをなんとか凌ぐ技倆を持っているからこそのグレイマン。追跡する途中で出会った女性を筆頭に、今回はなにやら女まみれになりそうな予感だ。
 
書 名 「暗殺者の悔恨 下」 
初 読 2021/0/02
文 庫 416ページ 
ISBN-10 4150414734 
ISBN-13 978-4150414733

で、下巻である。
 ようやく読む方も波にのってきた。当面の的が明確になるが、このパターンは、あれだ、『暗殺者の復讐』グレイマンに憧れる暗殺者の巻。グレイマンを振り回す姉のぐだぐだにわをかけて、グレイマンをぶん回す妹ロクサナかっけー!から始まる追跡劇。そして、ジェントリーは遂に、禁じ手を繰り出す。例のラングレー直通電話であるが。相変わらずスーザンはクソ。お友達のトラヴァースは相変わらずいいひとだ。そしてロマンティックも相変わらず。お父ちゃん、もういい年なのにがんばってるなあ、とニヤニヤする。
それはそうと冴え渡るジェントリーの独白(笑)、「こんな時には大学に行っていればよかったと・・・」・・・・と、キミ、大学に行けるほど頭がよかったのかねえ?とこっちも脳内でツッコミをいれる。
 そして、舞台はヴェネツィアに移り、さらにはロスへ。
 そのヴェネツィアの運河沿いの豪華なアパートメントの3階には、ひょっとしたら引退したガブリエル・アロンが静かに絵を描いているのではないか?とか、脳内で作品世界がオーバーラップする。そして、ロサンゼルスですよ。いやほんと、人質救出のエキスパートならいるじゃないですか、カルヴァーシティに! とか妄想でばくばくする。奇しくもジェントリーがかり出したロートルもナム世代。いやあ格好よいね、じーさん!
 とまあ、変な楽しみ方も織り交ぜつつ、ジェントリーの戦いを堪能する。女達が格好良いこと。か弱い被害者と思っていた女達も、正規軍への従軍歴があり戦える、というところに東欧の厳しさも垣間見る。男も女も格好よい。やっぱりグレイマン、最高です。

2019年9月3日火曜日

0180−81 暗殺者の追跡 上・下

書 名 「暗殺者の追跡 上」 「暗殺者の追跡 下」 
原 題 「Mission Critical (Gray Man) 」 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 (2019/8/20) 
初 読 2019/09/03


 今作はイギリス舞台なせいか、比較的静かでこぎれいな感じ。例によってもらい事故的な巻き込まれ。

 どんどんスーザンが嫌いになっていく(笑)早く殺されてしまえ!スーザンはダメだと思うんだよ。性根の部分って、変わらないし、致命的だと思うの。せめて華々しく、惨〜く退場させてあげるのが良いと思うんですけどね。銃撃戦の周辺にいて、グレイマンたちが一戦交えた後ふと振り返ったら蜂の巣になって脳みそぶちまけてて、こうなっちゃ美人も台無しだなぁ、とザックに言われちゃう、ってシチュエーション希望。 

 さて、そんなことよりジェントリーとゾーヤだ。ゾーヤとの距離がだんだん縮まって、レーザーポインターでサインするあたりで、ジェントリーと一緒にばくばくする。ボクサーに一方的に伸されたジェントリーに不満そうなゾーヤ、圧倒的にグレイマンを信頼してるようだ。

 今回はこれまでになかった細菌戦。なにはともあれ世界最強のアセット二人がそろったところで、下巻へ。ポイズン・アップルとはまた絶妙なネーミング。スーザンが、毒林檎を持った老婆に化けた女王様に見える。
「鏡よ鏡。CIAで一番偉くなるのはだ〜あれ?」
「それは女王様、ではありません」うっき〜!殺してやる〜!! ホント自意識過剰な女は怖いよ。
 こんな毒蛇を身内に飼い続けるハンリーは勇者なのか愚者なのか?それにしてもコート、大悲劇になるところを紙一重で回避して、なんとかゾーヤとも次回に繋がりそうでよかった。途中、普通の生活とか語り出した時には絶対死亡フラグだと思っただけに、まだシリーズ続きそうでホっ(^_^;) 

  ところで解説氏!「彼女とジェントリ ーとのやりとりはユ ーモアにあふれていて 、緊張感の続く物語のなかで清涼剤のようになっている 。」あんたの感覚には同意しない!(笑)

2019年3月13日水曜日

0167 殺し屋ケラーの帰郷

書 名 「殺し屋ケラーの帰郷 」 
著 者 ローレンス・ブロック 
翻訳者 田口 俊樹 
出 版 二見書房 (2014/10/21) 
初 読 2019/03/13 

 妻がミーハー過ぎてちょっとイヤ(笑)。夫の仕事を楽しみ過ぎてないか?
 「帰郷」と「海辺」では、目撃者が多すぎる気がして心配になる。高価な酒の出荷元から販売店が特定されたりしないんだろうか?混入されたクスリの成分から、どのエリアで闇売買されているクスリか、バレるとか。タクシーの運転手も、証言できそうだ!
 もうちょっと慎重になってくれないと、軽いミステリーがファンタジーになっちゃう。ニューヨークなだけに、もしリンカーン・ライムがいたら一発でバレるな、などと思ったりもして。

 とはいえ、「副業」はよかった。
 それにしてもうわー。この最後の終わり方!これで終わり?本当に終わり?ローレンス・ブロックって、人の悪いおっさんだわ(笑)ああ〜〜。もだもだしちゃう。

2019年3月10日日曜日

0166 殺し屋 最後の仕事

書 名 「殺し屋 最後の仕事 」 
著 者 ローレンス・ブロック 
翻訳者 田口 俊樹 
出 版 二見書房 (2011/9/21) 
初 読 2019/03/10 

 今回はさすがにハードなアクションが加わるか、と思いきや、やっぱりケラーさんはケラーさんであった。どこまでいっても、ほろ苦くもほのぼの。

 思索多め、アクション少なめ。合衆国を東へ西へ、の逃避行も速度遵守、安全運転。決して爆走したりはしない。

 髪を刈り込んで、細縁眼鏡を加えたところで、イメージはこれまでの無表情でやや不気味な男から一転してハンサムでナイスなインテリ風に。やだモロ好み♪ 

 余談ではあるが、ドットが30歳前に総入れ歯になったいきさつが、語られないだけに壮絶なものを感じさせられて、そら恐ろしい。これ、絶対病気とか事故とかじゃないよね?マフィアに拷問されたりとか、してるよな?

2019年3月2日土曜日

0165 殺しのパレード

書 名 「殺しのパレード 」 
著 者 ローレンス・ブロック 
翻訳者 田口 俊樹
出 版 二見書房 (2007/11/27) 
初 読 2019/03/02 

 1人の殺しのために3人殺したケラーさん。すこし情緒不安定ぎみか?心配。

『鼻差のケラー』
 結局勝ったのはどっちなの!ギャンブルよりも深く切手収集にのめり込みつつあるケラーさんが、かなり心配になる。

『ケラーの適応能力』
 9.11はケラーさんの精神にも深い打撃を与えたようだ。なにもかも、以前とはちがうのだ。いよいよ情緒不安定なケラーさん。独り言が止まらなくなったので、話相手に犬のぬいぐるみを買う。さすがはケラーさん。てか心配でしょうがなくなる。でもじっくり落ち込んだあと、復活は一瞬だった。さすがはケラーさん。 高級住宅の玄関に防犯カメラが24時間で作動してる、、、なんてことは無いのか。なにしろ塀の警備がしっかりしているから、内部は油断で一杯なのかな。

 相変わらず、ケラーさんの事件には警察のけの字もなし。のどかである。

 そして、例によって表紙は違うと思う。ケラーさんは銃を使わないでしょ?

 ケラーも仕事が長くなってきて思うところが多くなり、ついターゲットに関心を持ってしまう。その結果仕事はイレギュラーな流れになり、だんだん危うくなってきて。いよいよ大転換点が近づいてきているようなフラグが不気味である。ドッグキラーのラストが切ない。

 母の記憶が蘇るバスケットゴール、切手収集家のターゲットとつい仲良くなってしまって・・・。切手収集家の最後を自分に重ねたのか、ドットに遺言までするケラーだが、ついに自分が稼業から抜けられないことを自覚する。

とにかく全編を通じて、ほのぼのよりも切なさが際立つ。

2019年2月16日土曜日

0162 悪魔の赤い右手  ー殺し屋を殺せ 2

書 名 「悪魔の赤い右手 ー殺し屋を殺せ 2」 
著 者 クリス・ホルム 
翻訳者 田口 俊樹 
出 版 早川書房 (2019/2/6) 
初 読 2019/02/16 

 だらだら読みだったせいかもしれんが、何時までも序盤のような感じのまま、気付けば終盤まで進んでしまい。
 いよいよ始まったか?ってところで敵がまさかの旧友とか、ベタ過ぎだ。コートみたく行き当たりばったりでも圧倒的不利を凌げる驚異の戦闘力があるわけでもなし、ヴィクターみたく「仕事の成果は段取りが9割(暗殺者編)」みたいな偏執的な周到さがあるわけでもない、どことなく素人っぽいヘンドリクス。
 うーん。丁寧に書かれた作品ではあるんだが、大化けを期待した自分の期待値が高すぎたか?でもまあ、ラスト50ページは十分面白かった。
 でもでも、オブライエンが気持ち悪い。捜査上の対立も、すぐに二人の痴話喧嘩になってぐずぐずベタベタ。レズだから、というのではなくて、とにかく公私混同甚だしいのがダメだ〜。前作でも感じたが、このレズ設定ホントに必要なのか?こういう細かいところからリアリティが削げていくんだよな〜。
 総じて漫画だったらこの程度でも面白く読めるのに、なまじ文章なだけに・・・・。ああ、全然褒めてない。でも、ラスト50ページは面白かったよ!この作品がイマイチなんじゃなくって、グレイマンとパーフェクトハンターがパーフェクト過ぎるんですよ。

2018年8月29日水曜日

0138−39 暗殺者の潜入 上・下

書 名 「暗殺者の潜入 上」「暗殺者の潜入 下」 
原 題 「Agent in Place (Gray Man) 」2018年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見威蕃 
出 版 早川書房 2018年8月 
初 読 2018/08/29


 いきなり、ISISに捕まって処刑される直前、て描写から始まって、前代未聞の危機一髪状態のジェントリー。どうするんだおい。
 今回はCIAの汚れ仕事ではなくフリーランス。CIAの汚仕事の後なので自分の気持ちに適った仕事をして、ちっとは浮上したかったらしいコート。だからって泥沼シリアには行きたくはない。だけど無辜の女子供の命がかかってると言われては、例によって善人スイッチON!

 上巻は敵味方含めて状況説明が多くちょっとダルいが、シリア入りしてからの戦闘描写は流石。ジェントリーの技倆は戦場では隠れようもない。
【お気に入りのセリフ】
「友よ。きみは重大な人間不信に陥ってるよ」
「ああ、どうしてだろうと思っている」
 そりゃあもう。何故だろうね! 

 さて、下巻に入ってからは、 グレイマン無双。コート、やっぱり傭兵部隊が似合ってるね。この寂しがり屋さんは本当はチームが好きなんだよな、とほくそ笑む。
 そして、ここ一番の所では伝家の宝刀「ラングレー直通電話」&米軍全面支援。
 無双過ぎて何だかな〜と思わないでもないが、グレイマンが全力で事にあたれる環境整備って点では申し分ない。

 今回は、フランス人元諜報部員のヴァンさんも何だかな〜の一員。
 全部が全部、コートのお眼鏡に叶うわけもないが、1話で3も回コートを裏切るのは、余りにも危険行為です。命知らずにもほどがある。
 まあ、最後は頑張ったけどね。二度とコートとは仕事できないだろうね。

2018年5月22日火曜日

0116 殺しのリスト

書 名 「殺しのリスト」 
著 者 ローレンス・ブロック 
翻訳者 田口 俊樹 
出 版 早川書房 2002年5月 
初 読 2018/05/22

 『殺し屋ケラーまたの名を「死神」。彼の視線は死を招く』 
 なんて帯を掛けたくなる。
 次々と彼の獲物が死んでいく。
 今回は占星術師に帰依するケラーさん。運命やら予感やらを感じたりするだけあって、精神科医よりは相性が良いらしい。
 そして出た!元祖「殺し屋を殺せ」。
 ヘンドリックスのような、グレイマンvsデッドアイのような死闘をふつふつと期待する自分がいるが、きっと、1行後にはもう終わっていてドットとアイスティとか飲んでるんだろうな〜。と読みながら予想する。
 スタイリッシュなケラーさんは、乱闘には縁がない。残念!!!ところでこの表紙はケラーさんのイメージではないんじゃないだろうか? だって銃器類NG・・・

2018年5月13日日曜日

0115 殺し屋

書 名 「殺し屋」  
著 者 ローレンス・ブロック
翻訳者  田口 俊樹
出 版 二見文庫 1998年9月
初 読 2018/05/13

 殺し屋ケラーさん。
 もう、「ケラーさん」としか言いようのない、このお人である。どこかとぼけた人柄と、非情で殺伐とした稼業のこのギャップ(笑)。
 だけど拳銃は下手くそ。アメリカで、殺し屋で、拳銃下手。そりゃないぜ。

 殺しの手口は、目立たず接近して直接手を下す。
 獲物は毒物、針金、包丁、素手だってイケる。
 決して綺麗な殺しではない。

 殺しの理由は、もちろん依頼があったから。生きていく金のため。それが自分の仕事だから。

 殺される相手には、もっともらしい理由があったりなかったりだが時には人違いの時すらある。
 でもあくまでもスマートにプロの技に徹します。だってニューヨーカーだもの。
 全米をまたにかけて殺しまくっているが、警察は全く出てこないのがややファンタジー風味。

 だけど、なんつーかクセになる、この味わい。

  米国二大殺し屋がグレイマンとケラーって、なんだか間違ってる(笑)。
 じゃあ、ヘンドリックスなのかっていうと、それもどうかと。。。。。。
 それにしても、ケラーの殺しってけっこう「汚い殺し」だと思うのだけど、その瞬間のケラーの表情(てか無表情)を想像すると、日常のおとぼけとの温度差にゾクッとくる。
  ラストの切手収集を続けるために、殺し屋稼業も続行、ってあたりの軽重のズレ感もなかなか素晴らしい(笑)

2018年3月28日水曜日

0093 新・冒険スパイ小説ハンドブック

書 名 「新・冒険スパイ小説ハンドブック」
出 版 早川書房 2016年1月 
初 読 2018/03/28 

 架空の冒険スパイ小説全集を作るために、選書で喧々がくがく、という楽しいハンドブック。
 5人の殿方が白熱の議論をしているのが何やら面白い。(とはいえ北上氏がかなり強引に決めているような気もする。)

 そして出来上がった架空の全集が、結構な割合で積読本が混じっているので、自分のラインナップも悪かあないな、とちょっと悦にいる。取り敢えず早く読みたいのはルッカのアティカスシリーズ(これはその後読了した)、ハンターの「真夜中のデッドリミット」、「アラスカ戦線」、ル・カレ全部、マイケル・バー・ゾウバーなどかな。手持ちの積読が尽きたらまたこの本に戻ってこよう。(しかし、積読書は増える一方で、すでに向こう数年分まで積んでいる。) 

 結構絶版本が混じってるようだ。これを機に再刊してくれればいのに。あと、グレイマンにあそこまで入れ込むなら、ヴィクターも混ぜてくれれば良かったのに、とは思った(笑)。

2017年12月21日木曜日

0077−8 ファイナル・ターゲット 上・下

書 名 「ファイナル・ターゲット 上」「ファイナル・ターゲット 下」 
原 題 「The Enemy: (Victor the Assassin 2)」2012年 
著 者 トム・ウッド 
翻訳者 熊谷 千寿  
出 版 早川書房 2013年3月 
初 読 2017/12/21


 読み友さん方から、「ビジネス書のタイトルだったら『仕事の9割は段取りで決まる!』(暗殺者編)」とか、「超絶イカしたお仕事小説」との評を得ているこのシリーズ。とにかく、これだけ集中して徹底的に準備できたら、なんだって上手くいくのでは、と思える偏執狂的周到ぶりである。 

 さて、 死闘から7ヶ月にしてヴィクターが仕事を再開。「殺すにはいい朝だった。」超クールと思いきや?びっくりの展開でつかみはOK。
 これまでフリーランスで生き延びてきたヴィクターは、やむを得ぬ経緯でCIAを雇い主として受け入れることになった。しかし情報を与えられず、不利な条件での仕事を強いるハンドラーへの苛立ちは募る一方。
 次々と標的を与えられ、この仕事の後は解放するという餌でつられるが、無理を強いられた挙げ句準備時間不足で不確定要素の強い作戦に第三勢力が乱入。「疲れた。(略)最悪の結果になった。ヤムートは逃げ、第三者の監視チームを殲滅し、その際、傷を負った。」 仕事道具=銃器その他諸々、微に入り細を穿つ執拗な(笑)描写がイカしてます。いや、私は好きだけど。
 街に溶け込む服装の選択はジェントリーより洗練されてる。本人も都会的なセンスのいい服装が好みだと自覚あり。でもセンス良すぎるとかえって目立つからそこは地味目で上品なチョイスで。
 今回は彼女(?)も登場。でも彼女にするまでに何ヶ月も身辺調査をする当たりがやっぱり偏執的。ちょっとヴィクターの寂しさもうかがえるエピソードではある。前作の不器用ぶりはどうした?と思わないでもない。 
 ヴィクター、はっきり言って好みだ♪ どっちかっていうと、ツッコミどころ満載のジェントリーよりも好きかもしれない!他の皆様も書かれてますが、ビジネスへの徹底ぶりは見習いたい部分あり。準備にこれだけ徹底すれば、さぞかし仕事は楽に回るのだろう、とふがいない我が身を省みる。さて、ここまでが上巻。でも下巻を読み終わってしまったら、続刊が翻訳されないシリーズをまた一つ抱えて、ツライ日々を送ることになるのだ。

 狙撃シーンの冴え渡る描写、クールなのにどこか人間味を感じさせる会話。追い詰められるほどにヴィクターは格好良くなっていく。プロクターの詰めの甘い計画のせいで某世界最恐組織の人間を殺害する羽目になり、恨みを買ってしまう。数少ない友も敵の手に落ちる。まさに八方塞がりだが、自分を狙う殺し屋チームには冷静・冷徹に対処。手の内を明かさない調教者に対しては強引かつ超強気な手法で揺さぶりをかける。(ここ、好きだ。)
 ここに至ってやっとプロクターとそこはかとない信頼関係も見え始めて、今後の展開が実に気になるところだ。 それに加えて、傷つき敵に追われて無防備にも長距離バスの後部座席で疲れ果て眠りにおちるラストときては、次作が気になること甚だしい。あちらではすでに7作(多分)が出版されているが、本邦では2013年以降刊行が途絶えている。続きを出す気ないのかハヤカワ!!がんばれハヤカワ!!できたらグレイマンと、ヴィクターを半年間隔で交互に出版しくれると、グレイマンファンもヴィクターファンも必ず買うので、WINーWINだと思うのですが、如何でしょうか?

2017年12月14日木曜日

0075ー6 パーフェクト・ハンター 上・下

書 名 「パーフェクト・ハンター 上」「パーフェクト・ハンター 下」 
原 題 「The Hunter (Victor the Assassin Book 1)」2010年 
著 者 トム・ウッド 
翻訳者 熊谷 千寿  
出 版 早川書房 2012年1月 
初 読 2017/12/14



 いきなり訳もわからないままに、パリの町中で熾烈な銃撃戦。冷徹な凄腕の殺し屋にさらに暗殺集団がけしかけられたことしか判らない。いきなり引き込まれる。
  この男、毎年少なくとも年末までには懺悔をすると決めているらしい。かなり敬虔なカトリックらしい。
 「この先ずっとCIAのターゲットのまま生き続けるのだけは、死んでもいやだった。」これは、コートランド・ジェントリーへの当てつけか?いや、案外敬意かもしれん。
  そのコート・ジェントリーが直感と直情の人であるなら、ヴィクターは論理と理性の人。尾行をまく手順も戦闘能力も同等だが、ヴィクターはまるで精密機械。
  それが隠れ家にアンティークのグランドピアノを置き、ショパンを弾いて緊張を解すなんて粗雑なアメリカ男にはとても真似できまい(笑)。殺し屋の性格にもお国柄が現れてる。
  そのピアノも、敵の襲撃で木っ端微塵になってしまうところがアクション映画そのもので映像的。ご多分に漏れずSVRやらロシア人が登場して、いよいよ混戦の模様を呈するあたり既視感があるが、こういうのは、面白ければ良いのだ。そして、十分に面白い。
  ロシアパートが一番好きだ。ヴィクター(ヴァシーリー)はロシア生まれの暗殺者なのか?元KGBの工作員なのかな?この話だけじゃ回収しきれないであろう伏線たっぷりでシリーズ化の意欲を感じる設定チラ見せ(笑)。そそられる〜〜〜♪ 

 完璧主義、冷徹無比、暗殺者という職業に徹して何カ国語も駆使し自分を消し、徹底して無感動・無表情なヴィクターが、レベッカとの関係の中でだんだん人間味が出てくる。職業的本能と思いきやただ不器用なだけなのか?
「これしかまともに出来ることがなかった」とはたしか、ジェントリーも似たようなこと言ってたような?ついグレイマンと対比してしまうのはやむを得まい。
 ただ生きる為に自分の技量を用いて来た男が、その能力を賭けて主体的に欲したものは、復讐。
 3人の敵対する男が極小のエレベーター前空間であり得べき事か鉢合わせ。
 ぶん殴られ、ぶん回されるアニスコヴァチが見事なざまあ見ろ的小物ぶり。その後のカーチェイスの疾走感が凄くて映像がありありと脳裏に浮かぶ。殺し屋とヴィクターがお互いに敬意を示すシーンにこれ、映画で見たいわ〜。

 アルヴァレズが良い味出してる。有能で勤勉で、報われても報われなくてもベストを尽くす苦労人。アルヴァレスとヴィクターは気が合いそうな気がするんだけどなあ。この二人の共闘を読んでみたい。続編に期待する。

2017年10月4日水曜日

0059−60 暗殺者の飛躍 上・下

書 名 「暗殺者の飛躍」
原 題 「Gunmetal Gray」2017年
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見威蕃 
出 版 早川書房 2017年8月 
初 読 2017/10/04 
 
 CIAという後ろ盾を得たコートは、どことなく暢気な雰囲気が漂う。新しいハンドラーとはまだ息が合わない。そもそもスーザンの方に合わせるという気がない。コートは彼女が直前までヴァイオレーター対策チームの指揮官だったって知らない。皮肉を応酬しながらこの二人は果たして息が合っていくのだろうか?スーザンに打算尽くではない本気の仕事を見せてもらいたい。ついでに言うならコートの為に泣いてほしい。これまでの仕打ちを考えたらそのくらいしてくれたって良いじゃ無いか!
 コートの暢気な風情が目立つ前半だが、お仕事自体は結構ハードモードである。中国、ロシア、ベトナムマフィアまで絡んで大乱闘、大混戦。フィッツロイを巻き込んだ設定に弱冠無理を感じるが、フィッツロイおじいちゃんが大好きなので大目にみよう。それにしても、翻訳のまずさが弱冠気になる。「独り働き」(p31)ってここで使うか?時代劇用語(鬼平犯科帳とか。)じゃない?意味違うし。"単独行動"くらいにしておけばよかったのに。
 明かに日本語文法がおかしい文もある。誤植もあったぞ。校正ちゃんと仕事してほしい。
 ゾーヤがルースの再来で、頭の中で絵が重なってしまう。ついにコートに大切な女性が出来るのか? 

暢気なジェントリー語録。
✓P90せいぜいこのドライブを楽しもう。→ P91楽しめなかった。・・・・早いな。 
✓P114しまった、(中略)考えを、うっかり戴に吹き込んでしまった。・・・・凡ミス。
✓P240考えてみればひどい取り合わせなので、あまり考えないようにした。・・・・考えなければ万事OKなのか?ライスプティングとリンゴと梨とウイスキーの夕食。ジェントリー、実は甘党? 
✓p372一瞬、誇らしい気持ちになり、だれかに写真を取ってもらえばよかったと思った。・・・寝言いってるんじゃねー!ところで「撮って」じゃないのか?

2017年9月30日土曜日

0057ー8 暗殺者の反撃 上・下 

書 名 「暗殺者の反撃 上」「暗殺者の反撃 下」 
原 題 「Back Blast」2013年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2016年7月
初 読 2017/09/30 

 コートを巡る陰謀の謎解きは陰謀が陰謀で塗り替えられる結末に。最後の007張りの飛び道具(?)はアリなのか?でも調べて見ると、一応は実用化されているらしい。あまり効率はよくなさそうだけど、これしか脱出の手段がなかったら、やるか?
頭上高く飛ばしたワイヤーを飛行機に取り付けた引っ掛け金具で引っ掛けて高速で引っ張る訳だけど、本当に真上の天井の穴から真っ直ぐ上に抜けられるものなのか?タイミングや角度がまずいと悲惨なコトになるぞ? 引っ張り上げた時には蜂の巣死体になってたとか、天井に激突して頭蓋骨骨折してたとか・・・ リアルに想像してしまう。

 ジェントリーが自殺を企てるシーンは実に可哀想。そこを助けに来るのはやっぱりザック。コートとザックの軽口が良い。コートの方はとかく深刻になる質だから、ザックにはこれからもコートの手綱を握っていてほしい。コートが「お父ちゃん」などと軽口を叩けるのもザック相手だから。最後にぎゅっとハグしてくれるのもザックだけ。ザックの性格はホント現場指揮官向きで下働き向きなコートとはバランスの良いコンビだ。しかし、5年の経験で自分で物事を判断するようになったコートはもはや只の兵器には戻れないだろう。CIAは彼を御し切れるか?
 父とは二度と会えない、ってフラグ立てていたけれど、やっぱり私はジェントリー父子の再会シーンが見たい。家主のメイベリーさんまでフォローしたのに、ヤニスは放置っていうのが弱冠気になるところ。これは絶対にこれ以降の展開でもう一度モサドが絡んで、ヤニスは再登場するだろうから、ひとつ楽しみが増えた。ジェントリーとヤニスの共闘話を読みたい。

2017年9月25日月曜日

0056 暗殺者の復讐

書 名 「暗殺者の復讐」 
原 題 「Dead Eye」2013年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2014年5月 
初 読 2017/09/25 

 コートの苦悩の原因がカーマイケルの無能であるとか、今回に関してはラスの嫉妬でしかなさそうな陳腐感はいかんともしがたい。が、弱冠読むのが辛かった中間部に比べ、コートが俄然動き始める後半400ページあたりからがめちゃくちゃ面白い。
 ラストの100ページは目まぐるしく状況が変転し、先が予測できないままずんずん進む。
 最後の凍った池での戦闘後にたどり着いた農家で、コートが発した言葉は「助けて」。ラスの口からは絶対に出て来ないだろう。ルースは残念だったが、ヤニス、ジェントリーとも殺伐とした世界に身を置きながらも信頼や心が通う瞬間があるのが良かった。
 それにしても、常に漂うカーマイケルの小物感。ラスのキエフへのこだわりぶりが不自然過ぎだ。何か裏があると疑え、コート。各所詰めが甘いぞ。ジャンパーチームはラスを殺すべきでしょ。グレイマンと結託しているのが分かっているのにあの場面で放免はナイでしょ。
 サイコパスにソシオパスだと言われて動揺したり、ヒコーキに「がんばれ!」と励ましたり、なんだかコートがうぶでカワイイ。
 せっかくルースと信頼を結べたのに、あっさり殺されてしまったのが残念だったけど、最後はモサドの計らいでついに米本土上陸。
 いよいよ本丸に突撃。カーマイケルにかましたれ! 

 シリーズここまで読んでの感想。
 キエフと発見即射殺〈SOS〉の謎を引っ張り過ぎだ。
 期待を高め過ぎるとかえって陳腐になるから、構成としては、グレイマン→正義→復讐→反撃→インターバルで回想として鎮魂を入れて、→飛躍 という順番でも良かったんじゃないかなあ、と個人的に思う。
 さていよいよ次ぎは反撃。ザックも当然再登場するでしょ。ザックが入ると話が引き締まるから、いろいろと期待する。

2017年9月16日土曜日

0055 暗殺者の鎮魂

書 名 「暗殺者の鎮魂」 
原 題 「Ballistic」2011年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2013年10月 
初 読 2017/09/16 

  舞台は中南米。重く暑く濃いラテンの空気感。
 潜伏したメキシコで命の恩人エディの訃報に触れ、どうしても墓参したくなったジェントリー。エディを殺した麻薬カルテルがエディの妻とそのお腹のエディの子を付け狙い、例によって善人スイッチON。あまつさえ戦闘中の姿をテレビ放映されて居場所がCIAにも知られることになり絶体絶命。
 エディの妹とシリーズ初イチャイチャ。で、あるのだが、戦闘下の緊張でエッチに集中できないコート。エディの妹ラウラはそんなコートを上手にリードしてくれちゃういい女である。熟睡できて良かったねー(棒)。

 敵に捕らえられ、とりあえず拷問される。塩ライムが、結構リアルに想像できて、かなり痛い。登場したCIAはかつての上司であるハンリー。コートを助けてくれるも。その手段が電撃ショックなところがハンリーの恨みを感じなくもない。ラストは必死で救出したラウラに清々しく振られて轟沈。ご愁傷様である。

 東南アジアに潜入するのにマラリア対策してなかったんかい?と言う根本的なところが引っかかる。プロの技量とコントロール不全な善人スイッチのミスマッチがジェントリーの魅力だから、プロの技量の方には疑問を持たせてほしくない。マラリア予防薬と治療薬とディートぐらい持っとけ!
 今回のサービスショット(?)は麻薬カルテルにとっ捕まっての拷問シーンだな。ラウラとのベッドシーンではなく! 拷問メニューは定番中の定番、マッドサイエンティスト風味な拷問官もよくある感じで新味はないが、痛そげな描写がリアルだったので良しとする。(何がだ?)

2017年9月13日水曜日

0054 暗殺者の正義

書 名 「暗殺者の正義」 
原 題 「ON TARGET」 2010年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2013年4月 
初 読 2017/09/13 

 フィッツロイと袂を分かったジェントリーは、やむを得ずロシアマフィアの仕事を請け負って、やさぐれモードなところをかつての仲間であるCIAに捕獲される。
 しかし、殺されるかと思いきや意外にも共同作戦を持ちかけられる。SOS指令解除を餌にされ選択の余地はない。しかし、例によって、善人スイッチONで仕事前に厄介な事態に陥る。
 本命仕事もどんどんヤバくなって、文字通り怪我を背負込み元上官のザック・チームも危機。助けに戻った事をラングレーには小馬鹿にされ、個人的正義感を発動した結果さらに怒らせ、人質は殺されて、更に敵を増やし正真正銘の踏んだり蹴ったりの巻 。

 今回はかつての仲間で今は敵なCIAチームと一時休戦・共同工作。
 背後を心配しなくて良いのと気心知れた元上官との共同作戦ってことで、前回の緊迫感とはちょっと違った味わいもある。
 (元)指揮官ザックが上司としても戦闘員としても有能、さばけた性格で仲間想い。コートが実直に命令に従っていたのはザックも知ってるはずで、SOS指令には割り切れないものを感じているはず。そんなザックの折角の救いの手を払いのけちゃった形のジェントリー、ザックを怒らせたが、強引に命を助けて今後の展開には弱冠の期待が持てる。
次巻まで殺されないように頑張っとけ!

 それにしても、 女と逃げて砂漠で追われて砂嵐ってベタすぎじゃないか?。もーちょっと何とかならんかったのか? 
 「拙者でござるよ」とか、原文がどうなっているのか気になる妙な訳もあるが、鼻につくほどではない。背中に突きたった矢を見て、どうしても信じられなくて「うそだろう?」っておとぼけが私好み♪ 
 今回はちょっとヤク中気味のジェントリー、はらはらさせられたがなんとか生き抜いてくれてGJでした。 それにしても、ザックが本当にいい男だ。コートはずっとザックの下にいれたら幸せだったろうと思う。それに引き替え、ロイドといい、カーマイケルといい、敵役がいつも役不足。カーマイケルなど、どうしても伝説的人物、という気がしない。もっと含蓄のある敵を配置してくれたらさらに話が面白いのに。SOS指令の謎とキエフの謎は、ここでも明らかにならず。次回に持ち越し。

2017年9月9日土曜日

0053 暗殺者グレイマン

書 名 「暗殺者グレイマン」 
原 題 「The Gray Man」2014年 
著 者 マーク・グリーニー 
翻訳者 伏見 威蕃 
出 版 早川書房 2012年9月 
初 読 2017/09/09 

  堪え性がない!このお人好し!と冒頭から叱咤したくなるが、この性格だからこそこの物語。
 ロイドのような奴にまで「子犬みたいな奴」だと見破られているところが笑える。善悪ってそんなに簡単に判別できるものなのか?という疑問はさて置き、いささか単純で善良で無慈悲でお人好しな殺戮者という矛盾する性格と、それを凌駕する戦闘技能の高さに魅了されっぱなしだ。
 動けば動くほど怪我が増えて痛そう。実際泣いて痛がってるし。痛みに強いわけでもなさそうだけど、それでも彼を突き動かす動機は正義?責任感?あまりにも人間味のある暗殺者。次作が楽しみである。
 初っぱなからジェントリーの履歴を事細かにご披露してくれてるおかげで、「彼は何者なのか」などと考えなくてすむのが吉。ひたすら彼の戦いに酔いしれるだけ。
 いやあ、テンション上がるわ〜。結構な爽快感がある(笑)。ロイドが頭が悪すぎて胸くそ悪いけど、そこはリーゲルも同じ気持ちなので彼のプロフェッショナルで補ってもらう。サー・ドナルドとモーリスが渋くて良い。
 アメリカ人と書いてあるだけでなんとなく「バカ」と書いてあるような気がするのは、たぶん馬鹿ブッシュとトランプのせい。

✓「一日に二度くらいサンドイッチを食べさせて、キッチンのコーヒー・ポットには熱いコーヒーを入れておき、彼がここにいることは忘れろ」・・・・・・猫? 
✓「おれが重武装し、憤怒し、外にいるからだよ」・・・・・・!!! 
✓クレアは、ケイトの口を手でふさいで、悲鳴が漏れないようにした。・・・・・・クレア偉すぎる。8才なのに、双子なのに!将来ドンおじいちゃんの会社の跡を継いだクレア嬢とそれにかしづく元暗殺者、って構図を妄想して楽しむ。 
✓「ご提案に、ひとつだけ些細な問題があるのですが」・・・・・・コートに惚れた。