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2018年4月22日日曜日

0098−9 宿命の地 1919年三部作 2 上・下

書 名 「宿命の地 上」「宿命の地 下」 1919年三部作 3  
著 者 ロバート・ゴダード 
翻訳者 北田 絵里子 
出 版 講談社文庫 2017年5月 
初 読 2018/04/22


 さて、最終章であるが。
 都合のよい展開に、余りにも軽い読み口。次々にそれぞれの思惑で人物が絡んでは死んでいく。でもその動機は判で押したように「復讐」。主人公の主体的行動は悉く失敗し、偶然と幸運だけが物語を進行させる。人物像に深みがなくて、全部同じような人に思えてくる。一方の主役レンマーの動機がやはり薄い。結局自分を信じる者同士のぶつかり合い以上じゃないし、見方を変えたらワールドワイドな痴話喧嘩。やたらと壮大だけど中身は薄い。キュッと一冊にまとまっていたら多分ジェットコースターみたいで面白かったと思う。

2018年4月19日木曜日

0096−7 灰色の密命 1919年三部作 2 上・下

書 名 「灰色の密命 上」「灰色の密命 下」 1919年三部作 2  
著 者 ロバート・ゴダード 
翻訳者 北田 絵里子 
出 版 講談社文庫 2017年3月 
初 読 2018/04/19


 焦点の大物スパイ、レンナーがどれほど凄いのか、何を狙っているのか、ということが相変わらずよく分からない。彼のスパイ網を網羅するファイルの存在が今回の焦点。ファイルを巡って争奪戦とパリでの策動が同時進行で進んでいく。
 面白いけど、諜報物になりきれない冒険活劇だなあと。
 1919年という舞台装置に、自分が勝手に大河ドラマ的歴史的壮大さを期待しすぎていたようだ。導入部の長い手紙は不要では。あんな解説的な手紙を上司にしかも暗号で送るのか?とやや興醒めする。マックスが貴族のぼんぼんで世間知らずで詰めが甘いんだよなあ。ヴィクターやジェントリーらの職業人達や、先に読んでる二人のマックス(『鷲は舞いおりた』と『栄光の旗のもとに』)のせいで、つくづく自分の採点が辛くなってるな〜とは思う。こちらのマックスは、退役パイロットで貴族の次男坊で、ただの巻き込まれ型だからね。

 下巻になって、やっと本当に面白くなってきた。マックスは相変わらずどこかのほほんとしている。(本人は相当頑張ってるんだけど、あの状況下でサムと酒飲みに行くなよ)。
 モラハンとアップルビーおじさんのプロフェッショナルが私好み。職業人は好きだ♪
 そしてジョージ叔父が以外やタフさを見せたと思ったら、なんと母ウィニフレッド無双!ときた。

 なんて言おうか、お母ちゃんが全部知ってるんじゃないの?それでもあえて突っ張るかマックス?
 レンナーの陰謀もやっとその片鱗を見せ、父ヘンリーが為そうとしていた事も少し明らかに。すべての秘密は日本にあり。登場する20世紀初頭の日本人たちがうまく表現されていると思う、でも実際はどうだったんだろうか、と思いながら、やっと大河ドラマチックになってきたとうまうま。
 終盤マックスがレンナーに翻弄されて、危機一髪!というところで第三部に続く。これが劇場公開映画だったらバカヤローと叫ぶところだが、ちゃんと第三部も用意してあるからさっさとGO!

2018年4月8日日曜日

0094−5 謀略の都 1919年三部作 1 上・下

書 名 「謀略の都 上」「謀略の都 下」 1919年三部作 1
著 者 ロバート・ゴダード 
翻訳者 北田 絵里子 
出 版 講談社文庫 2017年1月 
初 読 2018/04/08 


 元英陸軍航空隊中尉のマックス(マクステッド)が、パリで変死した父の死因を追う。
 第一次大戦の戦後処理パリ講和会議の最中、醜聞にも政治問題にもなり得る外交官の死は、各国の思惑から闇に葬られようとするが、真実を求めるマックスは真相究明に立ち向かう。
 彼の前に立ち現れてきたのは、大戦を跨いで暗躍するドイツスパイの足跡。

 読みやすい文体ですんなり時代に入り込める。戦後の混乱期であっても華やかさを感じさせるパリ、往年の名画を彷彿とさせる表紙の男のシルエット。格好いいとはこういうことさ、と誰かの台詞が浮かんでくる。 面白かった。ただ、何というかタイトル眺めて妄想していたよりずっと普通(?)の冒険ものだった。

 上巻からずっと出てくるアップルビーおじさんが何だかとっても良い人である。はっちゃけマックスをまるで息子のように心配しつつ見守っているなあ、と思っていたら、本当に戦死した息子に見立てていたと知り、ちょっとホロリとさせられた。マックス父も、だたの老いらくの恋呆けではない何かがまだ隠されているようだし、まだまだ第一部。とっとと続きを読むべし。謎の大スパイ・レンナーに、なんとなく普通っぽい、というか、かつて読んだアルセーヌ・ルパンを思い出させる俗っぽい “いい人感” が漂うのと、主人公も状況を理解しないうちに、ドタバタと勝手に自体が収束していくので、最後が解説っぽくなってしまっているのが、ちょっと中途半端なで残念な感じもする。まあ、まだ途中だし、今後に期待しよう。