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2023年2月11日土曜日

0415 夜が明けるなら ヘル・オア・ハイウォーター3 (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「夜が明けるなら  ヘル オア ハイウォーター (3)」
原 題 「Hell or High Water Book 3 Daylight Again」2014年
著 者 S.E.ジェイクス    
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2017年7月
文 庫 380ページ
初 読 2023年2月9日
ISBN-10 4403560318
ISBN-13 978-4403560316
読書メーター 

 やっと彼らの設定を生かして、アクション小説っぽくなってきた・・・かもしれない。プロフェットの因縁に、トムも手に手を取って躍り込む。
 プロフェットの仲間たち、シールズ時代のチームのメンバー、キリアン、ゲイリーと役者もそろい踏み。そしてランシング、ジョン、サディーク、と敵の顔ぶれもだいたい揃ってきたか、というところ。(ランシングは小物だったけど。)しかし3巻はまだ風呂敷を広げきった、というところ。事態が動くのはこれから。

 そしてなんと、マルとキリアンが“出来ている”。
 また、プロフィットが抱える最大の悪夢がトムに明らかになる。遺伝性の先天性疾患でやがて失明する運命であること、そしてすでに視力の低下が始まっていること。
 喪失の予感がプロフを頑なにし、トムを信じ切れず、また信じるからこそ、トムが自らの意志で自分に縛られることになるのが耐えがたく、とはいえ、一人で暗闇に中に生きることになるのはさらに耐えがたいプロフィット。乗り越えるべき試練はトムの側にも、プロフの側にもある。しかし、それを乗り越えた二人は、これまでより強い絆で結ばれるように。
 キリアンの組織のSB−20ってのが良く判らないが、とにかくキリアンは自らの組織を脱して、プロフを監視し必要があれば殺す側から、プロフを守る側に立つことを選ぶ。なぜなら、事が済んだら自分も口封じに殺されることを察したから。そしてなにより、プロフの人間性に惹かれたから? ついでに、マルに恋したからかも。

 そして、ジョンの裏切りの輪郭が明らかに。この刊は、起承転結でいえば「転」。ことが大きく動くのは次巻だな。トム側の人材資源にキリアン側の手駒と協力が加わって、いよいよジョンを追いつめる計画が動き出す。

 ストーリー的には不満もあるし、消化不良だし、欲求不満もある。
 アクション巨編っぽい打ち出しなのに、やっぱり主眼はロマンスなので、作戦行動やら、航空機や銃器の扱いやら、近接戦闘やらの扱いがちょっとアレレな感じがするし、いくら米国とはいえCIAのエージェントに“弁護士”をぶつけてなにか面白いことが起こるんだろうか、と思ったし。
 マルとキリアンがいきなりアレはなかろう。と思ったし、ワタシが鈍感なのかもしれないけれど、いまいち思わせぶりな会話が理解しきれてなかったりもする。
たとえば、マルはサドなのか?それともマゾなのか?
 マルがサドで、トムがマゾってことなのか?よくわからーん!いや、マルとトムが両方ともマゾなのか。
 でもまあ、このさき、どのように作戦行動して、話を畳むのかは興味があるし、トムとリア(プロフ)が全ての重荷をおろして幸せになる姿も見たいので、第4巻の翻訳発行を待ってます。

2023年2月4日土曜日

0414 不在の痕 ヘル オア ハイウォーター (2) (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「不在の痕  ヘル オア ハイウォーター (2)」
原 題 「Hell or High Water Book 2 LONG TIME GONE」2013年
著 者 S.E.ジェイクス    
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2016年9月
文 庫 421ページ
初 読 2023年2月3日
ISBN-10 4403560288
ISBN-13 978-4403560286
読書メーター 
https://bookmeter.com/books/11105019
 読書メーターではめでたいキリ番1000冊目、基本、過去読了本とマンガは登録しないこちらのブログでは414冊目はこの本にした。
 で、最初にまずワタシは開眼したよ。この本は、シリアスだと思って読んじゃいけなかったんだ!
 冒頭数ページにわたるトムのラブレターは、きゃーっと本を投げるレベルで恥ずかしい。日記を書くことも手紙を書くことも恥ずかしすぎてできないワタシには、これを読むのはもはや羞恥プレイに近い。36のいいオトコが女子高生みたいなメールをイラスト入りで毎日一通、122日! それに絆されるプロフェットもどうかと思うがな! ロマンチストで甘々な二人なのだ。お互いのうなじをなでる描写だけで、もう、とろけるように愛が溢れてる。
 元シールズやら、元海兵隊やら、CIAやらFBIやら、民間軍事会社の傭兵やら、イスラム国家の核開発っぽいお膳立てなんて実にAAっぽいのに。
 ストーリーはミステリー基調なのに。
 中身は、あつあつべたべたのゲイ・ロマンス以外のなにでもなく。
 それなのに、舞台はハリケーン吹き荒れる魔境ルイジアナ(笑)
 バイユーで育ったんだというトムに、某別シリーズのおかげで爆笑の予感しかしないのはどうしてくれようか。

 カトリーヌ以来最大のハリケーン直撃を前に、故郷のルイジアナで避難を拒んで頑なに自宅に居続ける叔母を案ずる思いを、トムはどこにいるかも知れぬプロフ宛てのメールに書き綴る。
 そしてプロフは、来れないはずのトムの代わりに、勝手にルイジアナのトムの叔母宅に手伝いに乗り込むという、謎の行動力を発揮。
 デラ叔母さんの家には70代のロジャーとデイブというゲイカップルが下宿していて、お互いに手を繋いでプロフェットの前に登場。
(トムとプロフの出会い頭の熱々SEXを悠々と鑑賞するロジャーとデイブの会話は実に楽しい。バイユーには老人がよく似合うな。)
 トムとプロフはお互いに相手を近寄らせまいと牽制しつつ、だけど求め求められ、激情にかられたそのSEX描写がとてもきれいだ。

 にしても、ルイジアナで、バイユーで、傭兵で、ゲイで、ガチムチで甘々の肉弾戦だよ。なんともまあ、濃い。濃厚とんこつ背脂多めで、お腹いっぱいでもう二度と頼まなくていいや、と思ったのになぜか一週間後にまた食べたくなってるラーメンみたいだ。

 今作では、ルイジアナのトムの故郷で鉢合わせした二人が、トムの過去にとことん向き合う。虐待され、疎外され、差別されて傷ついたトムが過去に向き合うのをとことん支援するプロフェットは神々しいほど。一方のトムはプロフェットにアリゲーターを素手で捕縛する技を披露し、プロフェットドン引き(笑)。
 トムの生まれ故郷への帰還がもたらした危機は、あまりにもあっさりと終わったけど、まあ、ミステリーメインの作品じゃあないから仕方ない。
 登場人物が、グレイマン級だったり、ザック並みだったりするんで、思わずAA方面の展開を期待しそうになるのをすかっと肩透かしされたりもするけれど。
 とにかく、これはロマンス作品なんだと自分に言い聞かせて読み切る。
 今作は、とにかくプロフェットの優しさが際立ってます。それに、なんとも素敵なプロフの本名や、彼の秘められた仕事や過去が、ついにトムに明かされる。これだけの大風呂敷ってことは、ここまでが序章。あとはいくらでも、何冊でも引っ張れそう。

 ついでに書いておくと、こいつらアメリカ人は緊縛プレイするときもダクトテープだ。
 ダクトテープ万能。

2023年2月2日木曜日

0409 幽霊狩り ヘル・オア・ハイウォーター(1) (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「幽霊狩り ヘル・オア・ハイウォーター(1)
原 題 「Hell or High Water Book 1 CATCH A GHOST」2013年
著 者 S.E.ジェイクス    
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2015年12月
文 庫 425ページ
初 読 2023年1月30日
ISBN-10 4403560245
ISBN-13 978-4403560248
読書メーター 
https://bookmeter.com/books/9944171   
  最初、文体?翻訳?それともストーリー?に馴染めず、目が滑って滑って読書のペースが上がらず困った。どうしてだろう?この手のは苦手なはずはないのに。
 さて、何と言いますか、本場(かどうかはしらんけど)ガチムチの筋肉ゲイが男臭くぶつかり合うM/Mです。うまく言えないけど、若いマスチフとドーベルマンが、牙むき出してじゃれてる(怖い)感じというか。
 本邦のBL系だと、タチ(攻め)とネコ(受け)が固定していたり、なんとなく受け側は女性的に表現されていたり全体的に柔和な感じのするものが多いような気がするのだけど、これはそんなこたあない。
 EE(エクストリーム・エスケープ)社ー民間軍事会社に所属する二人の傭兵、プロフェットとトム・ブードロウ(表紙の向かって左の金髪がプロフ、刺青黒髪がトム)
 片や元Navy SEALs、片や貧困底辺からのし上がった元FBI。最初はエキセントリックなプロフと冷静なトムの組み合わせなのかと思ったが、どちらかというと逆か。プロフの方が冷静。トムの方が頭に血が上りやすい。とはいえ、どっちもどっちで、脛に傷があって、なにやら過去にデカい痛みがあって、口が悪く、協調性がなく、めちゃくちゃ戦闘能力が高くて沸点が低い。似たもの同士。それが上司のフィルの方針で無理矢理バディを組まされて、七転八倒、組んずほぐれつ。思わせぶりな地の文に二人分の悪口雑言で読みにくくてしかたなかったが、二人の関係がややほぐれてきてからはどうにか多少は読みやすくなってくれた。
 とはいえ、少々、文に難があるような気がする。まず、“こんなシーン”でよく出てくるような形容が、前後の脈絡なく安直に使われる。おかげで、人物の印象がちぐはぐで、人物像がうまく固まらない。これは翻訳ではなくて、元の文の問題じゃないかなあ。(良く分からないけど)

 トムが36歳でいい加減落ち着いていてもイイお年頃だけど、はっきり言って若いプロフェットに手の上で転がされてる。
 また、プロフェットと同じ建物に住む謎の諜報員キリアンが、まだどこの誰だか不明だが、イイ感じだ。
 身ごなしや英語の使い方から、おそらくSAS(英国陸軍特殊空挺部隊)出身。どこかのスパイ。同じ建物の上階にプロフが住み、階下にキリアンが住んでいる。面識はないが、お互いがお互いのことを調べ尽くし、相手込みで住んでるビルごと防衛したほうが身辺が安全だとの結論に達したのか、不思議な共生関係が成立している。お互いの留守中に部屋の安全に目配りしたり、こっそり忍び込んでいたずらを仕掛けたり。命を削る銃撃戦の最中にチャットでたのしく会話したりも。
 そんなキリアンが、プロフェットとトムの危機に、救出に乗り出してくる。いやいや、格好よいこと。キリアンの身元が明かされるのが楽しみだ。
 トムについては、まあ幼少時に虐待されていたんだろうな、というところまでしか判らない。コイツの隠れ設定も今後を待つ。
 まあ、いまいち読みにくい作品ではあったものの、とりあえず、邦訳残りの2冊は読むし、4冊目も翻訳されたら読むだろう。