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2018年11月25日日曜日

0152 その雪と血を

書 名 「その雪と血を」 
著 者 ジョー・ネスボ 
翻訳者 鈴木恵 
出 版 早川書房 (2018/11/20) 
初 読 2018/11/25 

 言葉が、白い雪の結晶のように降り積もる。人生の何かが欠けていると分かる男の一人語り。欠けているのは愛か、希望か、未来か、世界そのものか。
 オーラヴが綴る言葉は、雪のひとひらのように脆く、儚い。それは彼が綴っていたのが現実と、彼の「物語」を行きつ戻りつしているからか。オーラヴの「物語」のおかげで、とことん救いが無いのに、どこか救われたような気がしてしまう。せめて、オーラヴ自身が救われたことを願う。それにしても、早まった。クリスマスに読めば良かった。

2018年6月9日土曜日

0122 深夜プラス1〔新訳版〕

書 名 「深夜プラス1〔新訳版〕」 
著 者 ギャビン・ライアル 
翻訳者 鈴木 恵 
出 版 早川書房 2016年4月 
初 読 2018/06/09

 ファンの多い名著を新訳で。
 やや軽い文章だが、軽妙な会話と小洒落た表現が小気味良い。旧訳も読んでみたい。
 鉄の肺とか若い人には分からないかもしれない。
 最後のハーヴィーへの仕打ちなど、少し理屈っぽい所もあるが、ケインはいい男だ。
 彼女の所に戻って幸せになってほしいと切に思う。1960年代、要塞がボタン一つで破壊出来る時代になっても大戦時のレジスタンスの戦い方を引きずる男達。結局利用されて殺し合いをさせられて、苦い思いを噛みしめながらも、戦争が残した呪縛からは逃れられない。この不器用さと諦観と、情のあつさにこっちも胸が熱くなる。