書 名 「火明かり」
原 題 「FIRELIGHT, AND OTHER ESSAYS」 〜2018年
著 者 アーシュラ・K・ル=グウィン
翻訳者 井上 里、清水 眞砂子、山田 和子、青木 由紀子、室住 信子
出 版 岩波書店 2025年6月
単行本 254ページ
初 読 2026年11月3日
ISBN-10 4001146320
ISBN-13 978-4001146325
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/138844692
原 題 「FIRELIGHT, AND OTHER ESSAYS」 〜2018年
著 者 アーシュラ・K・ル=グウィン
翻訳者 井上 里、清水 眞砂子、山田 和子、青木 由紀子、室住 信子
出 版 岩波書店 2025年6月
単行本 254ページ
初 読 2026年11月3日
ISBN-10 4001146320
ISBN-13 978-4001146325
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/138844692
ル=グウィンって、良くも悪くも、アカデミズムの価値観の中の人だ。本人は、フェミニズム思想によってそれまでの固定的な男尊女卑的な価値観や世界観から脱却し、新しい視点で『帰還』(原題はTEHANU)を書いたのかもしれないが、彼女が生まれ育ったアカデミックな環境で身に染みついたアカデミズムからはついに抜け出すこと叶わなかったのではないかと感じる。彼女自身が、「文壇」の評価を自分の作品を図る物差しにするのをついにやめられなかったのがその証拠だ。そんな息苦しさが、最後までまとわりついているような本だった。
そんなことで、せっかくゲド戦記最終刊が刊行されたにもかかわらず、読むエネルギーが著しく減衰し、読了が今日になってしまった。なお、収録された『「ゲド戦記」を“生き直す”』については、雑誌に収録されていたものを国立国会図書館から複写で取り寄せて読了済み、なんならレビュー済みなので、そちらをご覧いただきたく。
この本に収録されているのは、
・序文
・オドレンの娘(短編小説)
・火明かり(短編小説)
・アメリカ人はなぜ竜がこわいか (論文)
・夢は自らを語る (論文)
・子どもと影と (論文)
・「ゲド戦記」を“生き直す” (論文)
・解説
なので、アースシーの物語は、短編小説2編のみ。あとは、ル=グウィンの論説集です。
§ オドレンの娘
オドレンの領主とその妻、2人の子どもの物語。オドレンの館を訪れた魔法使い(まじない師かも知れない)と、不義の関係になった領主の妻、その策略で石に変えられた領主、父を裏切った母と魔法使いに復讐を誓った娘と息子。魔法使いに復讐するために自らも魔法の力を身に付けてオドレンに戻ってきた息子と、ずっとオドレンで息を潜めて弟の帰りを待っていた娘。しかし姉と弟は意見が合わない。弟は姉(女)の意見を取り合わない。そして魔法使いを見くびった息子の浅慮が、悲劇を上塗りする。
・・・・・どこまでも「情けない男」と「肝の据わった女」から抜け出せないのだな、と感じた。以前にも書いたけど、一方を上げるために、片方を落とす必要はないんだけどな。私はこの作品は楽しめなかった。
§ 火明かり
老年、寝床から起き上がるのも難しくなったゲドの最後の時間。エレハル(オジオン)の庵だった古い家で、テナーと2人で暮らす晩年、ゲドはうつらうつらと夢を見る。はてみ丸で世界の果てまで、親友のエノキノエンドウと旅したこと、アレンと死の国まで行き、愚かな魔法使いが開けた世界の穴を命掛けで塞いだこと。テナーが作ったアヒル肉のスープをひとさじ、ふたさじ口にする。そして、魂は西のそのまた西に向かい、再び竜と相まみえた・・・・
2人の賢者を看取ったこの家で、テナーは1人になった後も、静かに暮らし続けるのだろう。
§ 「ゲド戦記」を“生き直す”
こちらをご笑覧くだされ。↓
ノート 「ゲド戦記」を“生きなおす” を読んで思うこと































