2026年8月1日土曜日

2026年7月の読書メーター

・・・見事にBLばっか。だが、佐伊さんと、仁茂田もにさんと、ジョシュ・ラニヨンの新刊が重なるとなれば、仕方ない。特に、佐伊さんの『アルファは飢えても主を摘まず』上・下。これが発行されるって気付いた時には、思わず叫んだからね。今月下巻が発売されて、なろうの連載ではいささか素っ気なく終わった本編は、当然番外編で補ってくれるだろうとの読者の期待を裏切らない、最高のエンディングだった。今、なろうで連載中の前日譚(『アルファ・・・』の主人公ヴァルトルの母親(?)メソルトの物語)も、佳境もいいところで、今連載が小休止しているので、再開を今か今かと待っているところ。こちらも紙本で出版してほしいな〜〜〜!!!オメガバース設定の、超骨太の王宮陰謀譚です。マジで面白いから。
 なんだか暑いせいか、頭の中がお目出度い感じになっちゃってるけど、仕事の方も佳境っちゃ佳境で。
 久しぶりに人智を超えた助けが必要な気がして、神田明神にお参りしてきた。行ったのは、ほぼ夜中だったんだけど、ほとんど人の居ない境内で、参拝の最中はシンとしていたのに、お守りを手にしたとたんに境内の風鈴が一斉に鳴りだして、ちょっと神気を感じた。よろしくお願いいたします。その分精進しますので。陰日向なく働きます。なのでよろしく。


7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2274
ナイス数:313

スモークブルーの雨のち晴れ 9 (フルールコミックス)スモークブルーの雨のち晴れ 9 (フルールコミックス)感想
ラスト、一瞬これで完結かと思った。そうなってもおかしくないくらい良い雰囲気。新しい家づくりはめちゃくちゃ楽しそう。そして2人の関係は、さりげなく家族に承認されて。仕事、夢、生活、恋人・・・一方で親は老いていくけど、親には親なりの身の処し方があって。良いストーリーだ。
読了日:07月27日 著者:波真田かもめ

Ghosted (モノクローム・ロマンス文庫)Ghosted (モノクローム・ロマンス文庫)感想
ジョシュ・ラニヨン新刊。FBIシリーズ。主人公のアーチーがかなり繊細なので、延々アーチーの悩みに付き合う。日本のBLとはっきり違うな、と思うのは、アーチーがしっかりと自分をゲイだと認識していること。そして、アーチーはカミングアウトしていて、かつての恋人のボーはクローゼットだった。どこかファンタジックでパラレルな感じが付きまとうBLと違って、現代アメリカの、現実感のある同性愛者の愛や困難、なんなら肉感もマシマシ。門野葉一氏のイラストが美しく、全編この絵柄で脳内展開できる幸せよ。次は殺しのアートを読みたいな。
読了日:07月27日 著者:ジョシュ・ラニヨン

アルファは飢えても主を摘まず(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)アルファは飢えても主を摘まず(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
時間を置かずに再読登録。下巻。エイドと母后を通じて、メソルトの過去の自分が癒やされる。そしてウォルトへ向けられる無私の愛情を通じて、やはり傷つきはあった、ヴァルトルの中の幼い自分が癒やされる。派手に動く政治情勢の狭間に描かれる、繊細な心の機微に読んでいる自分も癒やされる。最初は現在のヴァルトルと、幼い頃のワガママいっぱいのヴァルトル(『泣かぬオメガ』)のイメージが繋がらなかったんだけど、本編はともかく付録の掌編や、番外編を読んでいると、あ、やっぱりヴァルトルってハリオやメソルトには対しては、
読了日:07月19日 著者:佐伊

アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
時間をおかずに再読です。というか、この本の上下巻をぐるぐる回ってる。なんなら、連載中の『泣かぬオメガが身を焦がす』もぐるぐる。久しぶりに、登場人物が昼夜問わず頭の中を動き回る状態になった。隣国の思惑も巻き込んだ王位簒奪を狙う宮廷抗争だけど、その間にオメガバースのジェンダーを底敷きにした登場人物の機微が丁寧に織り込まれてくる。ってか、オメガバース設定が世界の背景にまで引っ込んでるところが佐伊さんの物語世界のリアルなところで、そこがまた好きなのだ。
読了日:07月19日 著者:佐伊

アルファは飢えても主を摘まず(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)アルファは飢えても主を摘まず(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
上巻刊行から一ヶ月。待ちに待って、昨日書店で入手しました。主君のベッドで寝落ち→覚醒(背汗)からの、打倒マルコス家激闘●日間!ミッシャ達との共闘やクロード准将との再会、メソルトや母后、エイドのそれぞれの立場での戦い。全てが熱い。今、WEBで連載中の前日譚も激アツだし、素晴らしいの一言に尽きる。オススメです。本編はわりとあっさりと終わってるのだけど、番外編が必読。上巻の番外編(ヴァルトルの宗教裁判)との対比になっていて、ちゃんとそっちにも落とし前が付いているし、ヴァルトルの静かな告白が胸に沁みます。
読了日:07月18日 著者:佐伊

yoco作品集 永遠と一秒yoco作品集 永遠と一秒感想
yokoさんの画集です。うっかりしていたけど、大好きな本の装画が入ってた! yokoさんの作品だったのか〜。そういえばそうだ。イラストの一枚一枚に、ストーリーを感じる。美しいです。
読了日:07月14日 


引きこもりオメガ公爵の円満なる離婚計画 (ディアプラス文庫)引きこもりオメガ公爵の円満なる離婚計画 (ディアプラス文庫)感想
出たら即買いの仁茂田もにさん新刊。ラブラブなのにすれ違い。甥っ子公爵を溺愛する王様のやらかしがヒドいんじゃないか(笑)、あれがなければ普通の?身分差恋愛なのに、内気なひきこもりが災いして5年もロスするとは。安心して読める軽めのすれ違いラブです。儚げ健気が好物な方にお勧めする。表紙が綺麗ね。
読了日:07月12日 著者:仁茂田 もに

夜明けの唄 7 (from RED COMICS 093)夜明けの唄 7 (from RED COMICS 093)感想
身もフタもなく凄惨な内容になってきた。エルヴァが悲痛。黒海がなんなのかなんてどうでも良いくらい、人間の間が泥沼化しているけど、これ、どうなるの?まだまだ先が読めない。
読了日:07月01日 著者:ユノイチカ

読書メーター

2026年7月31日金曜日

0560 Ghosted (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「Ghosted (ゴーステッド)」
原 題 「Ghosted」2023

著 者 ジョシュ・ラニヨン
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2026年7月
文 庫 424ページ
初 読 2026年7月25日
ISBN-10 4403560679
ISBN-13 978-4403560675
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/136840330

 久しぶりのジョシュ・ラニヨンの新刊。既刊のシリーズの続きではないが、FBI物ではあるので、きっとこの世界のワシントン州シアトルにはエリオット&タッカーがいて公私ともに仲良くしているだろうし、ロスのFBI支局にはジェイソン・ウエストがいて、ワシントンDC・クワンティコのFBI本部に勤務するサム・ケネディと遠距離恋愛中なんだろう。
 そして、この作品の主人公アーチーもFBI特別捜査官で、1年数ヶ月、過激派武装組織に潜入捜査をしていた。最終的に身バレして銃撃され、ターゲットは逮捕、アーチーは重傷を負って戦線離脱し、故郷のトゥインクルトンに傷病休暇で戻ってきた。・・・・かつて、恋人だったボーが警察署長を務める町に。
 そして、アーチーが戻ってきてすぐ、アーチーの後見人であり養い親であったジョンが殺害される。頭部外傷の後遺症に悩まされるアーチーにも嫌疑がかかり、その捜査に当たるのは、辛い破局の記憶がいまでもアーチーの心の傷になっているボーだった。

 そうね〜、アーチーは『殺しのアート』シリーズのジェイソンタイプ。ボーは『フェア・シリーズ』のタッカータイプ、かな。ざっくり男らしいボーに対して、アーチーの内面は柔らかくその悩みは深い。結構厚めな本なんだけど、読んでいると、延々アーチーのお悩みに付き合うことになる。

 日本のBLとはっきり違うな、と思うのは、アーチーがしっかりと自分をゲイだと認識していること。そして、アーチーはカミングアウトしており、ボーはクローゼット。どこかファンタジックでパラレルな感じが付きまとうBLと違って、現実感のある同性愛者の愛や困難、なんなら肉感もマシマシで描かれてる。とはいえ、そこそこいいお年になった2人で、しかも片方は、体力万全ではないアーチーなので、せっかくのチャンスも寝落ち(笑)
そんなこんなで、SEX描写はやや控えめ、アーチーとボーの悩みはマシマシな、ちょっと大人な恋愛事情でした。

 また、表紙、挿絵の門野葉一氏の絵が美しいことよ。完璧にこの絵が脳内に刷り込まれて、物語が進んでいく。憂いを含んだ青い目と紺青の目が見つめ合い、絡み合い。なんかもう、眼福です。

2026年7月18日土曜日

0599 アルファは飢えても主を摘まず(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)

書 名 「アルファは飢えても主を摘まず(下) 」
著 者 佐伊   
出 版 新書館 2026年7月
単行本 352ページ
初 読 2026年7月17日
ISBN-10 4403221602
ISBN-13 978-4403221606
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/136632547

 6月に上巻が刊行されてから、一ヶ月。寝ても覚めても、この話のことを考えていた。ていうか、ヴァルトルたちが脳内を闊歩していた。幸いにして、前日譚の『泣かぬオメガが身を焦がす』(ヴァルトルの親のメソルトの話)が、毎日夜9時に連載更新されていたから、それでだいぶ心が慰められた。・・・・話の中身のハードさったら、慰められるどころではないのだけど。あのメソルトにしてこの子あり。

 それにしても、昨夜17日に更新された、『泣かぬオメガ・・・』の開戦第12話は、本当にしんどい内容だった。(メソルトの立場が辛すぎる。そして、18日に更新された13話はもっとしんどかった。(T-T)  あのイワンゴ海戦にブライス聖騎士団が派遣された、その決定に、ここまでメソルトが関わっていたとは。メソルトやハリオの心中はいかばかりだったろう。ホント、レンドがどこまでも憎らしい。)

 自分の仕事はめちゃくちゃ忙しかったにもかかわらず、そんな感じで脳内のリソースのかなりの部分をこの作品世界に持っていかれたまま毎日を過ごし、それでも下巻発売が待ちきれず、Webサイトで、この『アルファは飢えても主を摘まず』下巻部分をほぼ2巡した。(睡眠時間は押して知るべし。もともと不眠症気味だからいいのよ。)もはや、紙本出版の際に加筆修正した箇所を当てられるんじゃないかってくらい読み込んだ。そして、絶対に今日には配本されて店頭に並ぶはず!と思い定めた7月17日。今度こそ、紙本特典もGetすべく、オシゴト終了後に紀伊國屋書店新宿本店へ! 速攻で入手しましたとも。・・・・・上巻も合わせて(汗)

 だって、特典ペーパーがやっぱり読みたかったんだもん。もん。もん・・・・

 ここは声を大にして言うが、絶対に『泣かぬオメガ』も紙本出版してほしい!!そして、あちこちに小出しされてる掌編なんかもまとめて、番外編集を出してほしい!! いや、それよりも続きやスピンオフを書いてほしい!

 で、さて、下巻である。
 国王エイドのベッドで寝落ち(気絶)→覚醒→背汗、のやらかしからスタートだ。
 でも、本編は、繰り返すが直近の2巡も含め、すでに連載版を4巡はしているので、とにかく番外編にGO!!
 
 本編ではほとんど語られない(BLなのに(笑))、エイドとヴァルトルのいちゃいちゃシーンからたっぷりと。それにしても、メソルト(母)とハリオ(父)の“愛の巣”でイチャつくヴァルトルはやっぱり相当のKY(笑)。いや、仕方ないんだけど。他に場所もないし。設定したのはメソルトだし。にしても、憮然とした当のメソルトと、いそいそと手伝うハリオにニヤニヤしてしまう。
 そして、舞台は法廷へ。
 マルコス家絡みの裁判は、ほとんどがマルコス側が被告なのに、ヴァルトルのマルコ殺害の裁判だけは、マルコス側が原告でヴァルトル側が被告なんで、マルコス側も、起死回生の一手をここに打ち込んでくる。それを迎え撃つヴァルトル弁護団。証人尋問でのエイドの静かな告白。そしてヴァルトルの更に静かな告白。・・・胸に染み渡る・・・・感涙。

 正直ね、この一ヶ月、ずーっといろいろなパターンを妄想してたのですよ。ずーっと脳内にヴァルトルやメソルトが闊歩してたし。

 個人的に一番ハマった妄想は、ルーオン家の名誉回復とルーオン侯爵家の復興っていうネタ(もちろん私の捏造)。
 マルコス追求の立役者の一人であるクロード准将や、前サロバ公シャイロからの嘆願で、新国王アゼルが決断して、罪人として葬られていたルーオン元侯爵(ハリオ父)とアンリ(ハリオ兄)を、ルーオン一族の墓地に改葬して、ルーオン侯爵家を再興。だけど、ハリオは今更上流貴族として宮廷に戻りたいとは思わないだろうし、下級貴族であることに意地と誇りを持ってるだろうメソルトは尚更。なら、やっぱりヴァルトルか? ヴァルトルをルーオン侯爵にして、そこに退位したエイドが降嫁する、なんて妄想がたいそう捗った。(笑)

 ハリオは多分、メソルトとヴァルトルがいて色々と報われているんだろうけど、わたし的にはもっと名誉回復させてあげたい人、の筆頭。あとは、アゼルとラウルの愛の往復書簡集とか。

 海軍諜報部大佐のクロードは、いつからヴァルトルがハリオの息子だと知っていただろう?とか。「お前、ヴァルトル・オーゼックスだろう?」って言ってたけど、ハリオがメソルトに匿われて一人息子を育てていたことは多分知っているよね?どこにも書いてないけど。だとしたら、自分は負傷して引き揚げ船に乗せられて、ヴァルトルが後に残っておそらく死んだに違いない、と思ったとき、どれほど嘆き・恨んだだろう・・・とか。

 金髪くりくりのミッシャはその血筋の良さと能力の高さから、次期かその次くらいの大首座候補だろうけど、ウォルトが修道院に入ったら、やっぱりそうなるかな。ミッシャとウォルトが師弟関係になったら面白そう・・・・とか、いや、エイドが退位して、ヴァルトルと結ばれた後なら、エイドがウォルトを養子にする、っていう道だってあるかもしれない・・・とか。あ、でも、正統下巻番外編を読み終えた今となっては、存続がどうなるかも未定なサロバ公家は、いったんシャイロ様が公爵に返り咲いて、その後はウォルトに継がせるっていうのも良いのでは。。。など。

 脳内二次創作モード全開である。(書けないけど!)ここまでドはまりできる小説は年に1作出会えるかどうか、なので、本当に嬉しい。

 繰り返すが、前日譚の『泣かぬオメガ・・・』の出版も正座して待ってます!よろしくお願いします、新書館様。

2026年7月12日日曜日

0598 引きこもりオメガ公爵の円満なる離婚計画 (ディアプラス文庫)

書 名 「引きこもりオメガ公爵の円満なる離婚計画 」
著 者 仁茂田もに   
出 版 新書館 2026年7月
文 庫 224ページ
初 読 2026年7月11日
ISBN-10 4403526497
ISBN-13 978-4403526497
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/136513095 


 最近では「アップされたら、即読み」「出たら即買い」作家さんの仁茂田もにさん新刊。今BL作家さんで追いかけてるのは、仁茂田もにさん、佐伊さん、野原耳子さん、墨尽さん・・・で、それ以外にも商業出版にのってない(たぶん・・・)御方が数名。文学フリマとか、J庭とか、コミケとかに足を向ければ、もっと世界(入手手段)が広がるんだろうけど、そこまでの気力体力がない(なんせ歳が・・・)。仁茂田もにさんの作品では、『王と正妃』が別格で好き・・・なのだけど、紙本で出版してくれないかしら。出版社様。
 こういうしっとりした熟年の純愛も良いと思うのよ。需用あるよね?きっと。子育てが一段落したあとに、夫と再び恋愛をやり直すって良いよね。・・・・・っていうか、これでは『王と正妃』の感想になってしまう。そうではなくて。

 このお話は、もっと若い2人の超絶すれ違い。まあ、王(主人公の伯父)のやらかしがヒドいよ。コレさえなければ、そして主人公のシェリルがあと一歩だけ踏み出せて、きちんとジャンと話すことができれば・・・・・こんなことにはならなかったはずなんだけど、ただの身分差恋愛で済んだはずなんだけど、そこはそれ、そういうキャラだし、そういうお話なので(^^;)

 不器用・言葉足らずで勘違い先行型のジャン(α)と臆病・引きこもり・言葉が出ないシェリル(Ω)の組み合わせであれば、ただの身分差恋愛であるはずのところが、永遠にボタンの掛け違いが発生して、ついに離婚話にまで・・・・若い2人の5年は長いよ。可哀想に・・・

 とはいえ、淡い初恋から、ずーっと両片思いなので、とにかくあーあ、と思いながらももだもだを愉しんでいれば、おのずとちゃんと収まるべきところに収まります。安心仕様。なんの不安もなく読めるのが有り難いときもあるんですよ。それに絵が美しいです。


 先週、金曜日(この本の発売日)は、すごく大きな仕事があって、ここ一ヶ月の間、体調不良とも付き合いながら、アレ(仕事)が終わったら、その足で書店・・・・その足で書店・・・・この仕事が終わったら、新刊が読める・・・・新刊が読めるときには、この仕事が終わってるハズ!! と、念じていました。そして、来週は、佐伊さんの『アルファは飢えても主を摘まず』の下巻の発売日。仁茂田もにさんと、佐伊さんの新刊をワンツーで読める(泣)そのためにもこの仕事を無事に終わらせなければ!!! そう自分に念じていたんですよ。 もはや生きる原動力です。

2026年7月4日土曜日

2026年6月の読書メーター

6月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3212
ナイス数:533

恋する狼 狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)恋する狼 狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)感想
電書しか出てない中編です。シリーズ4作目。ラングレーのシリーズは、これしか出ていないのがとても残念。群れのボス(だけど姑息な小物)のアルファにレイプされそうになったオメガを助けたのは、町に入ってきたよそ者のアルファ。前ボスの協力もあって、群れのボスを追い出し、町の平穏もとりもどすし、メイトだったオメガも獲得。だけどこのメイトがなかなかのドジっ子で(笑)
読了日:06月30日 著者:J・L・ラングレー

アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
『竜王の婚姻』『君を転生させないために』『精霊の宿る国』の佐伊さんの新作紙本。『なろう』ですでに読了済みながら、こんなに出版が待ち遠しい本も久方ぶりだ。オメガバース設定のBLだが、中近世くらいの架空歴史ファンタジーとして非常に緻密に描かれていて、かなり骨太な物語になっている。そこに、隠れオメガの国王エイドの深い苦悩や、まやかしの宗教裁判で有罪となって還俗させられてしまった修道騎士ヴァルトルがエイドに寄せる敬意と愛、ヴァルトルの庇護者であるメソルトの困難な立場、王太后の思惑など複雑な人間関係が絡みに絡む。
読了日:06月30日 著者:佐伊

ルーン文字:古代ヨーロッパの魔術文字 (アルケミスト双書)ルーン文字:古代ヨーロッパの魔術文字 (アルケミスト双書)感想
サイモン・フェキシマルの秘密事件簿を読んだついでに入手。ファンタジーを読むなら必須のルーン文字の基礎知識導入に。ルーン文字って一つ一つが概念を表象してるのか、っていうのが私の新知識でした。
読了日:06月29日 著者:ポール ジョンソン


サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 (モノクローム・ロマンス文庫)サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 (モノクローム・ロマンス文庫)感想
19世紀末の英国が舞台のゴシックロマン+M/M。霊能者のサイモン・フェキシマルとその相棒ロバート。19世紀後半の神秘主義の流行や、諸々の作品群へのオマージュに溢れてる。当時のオカルトにある程度知識があったならば、面白さはたぶん倍増する。耳なし芳一みたいに、躰の上を経文ならぬルーン文字の呪文がのたくっているサイモンと、自身の幽霊事件がきっかけで彼に出会った新聞記者のロバート。2人の出会いの物語から、いくつものおどろおどろしい事件を経て、2人の結びつきは深まる。2人の密やかで深い愛情と、ヴィクトリア朝時代の19世紀初めのジョージアン時代(ジョージ3世4世の時代〜1830年)には男性同士の同性愛は死刑、貴族も逃れられず公爵が1人縛首に、1950年頃迄英米では犯罪で刑務所行き。女性同士はお咎め無しだけど保守的な人達からはバッシングあったろう。gayという言葉は本来joyと同じ「楽しい」という意味の言葉。1960年頃までの洋書ではjoyの代わりに使われている(ル=グインの小説とか)。聖書の教えに反する事は罪というキリスト教会の影響力が強かったんだ。宗教とは距離を置きたいなあと思っちゃう理由の一つ。
読了日:06月25日 著者:KJ・チャールズ

どうやら誰かの回帰に巻き込まれたようです (1) (バーズコミックス エメリナコレクション)どうやら誰かの回帰に巻き込まれたようです (1) (バーズコミックス エメリナコレクション)感想
単話版をシーモアで追いかけている。絵柄が,骨格がきちんとしているタイプの絵で私好み。戦争狂でほぼ城を不在にしていた夫国王を補佐して15年に渡り内政を担った王妃。やっと戦争が終わった。明日からは平和になる!ってタイミングで20年時が巻き戻ってしまった!悲劇である。巻き戻したのは誰の願いか?巻き込まれたのは誰と誰か?まだまだ謎である。
読了日:06月24日 著者:亀井高秀

狼の見る夢は (モノクローム・ロマンス文庫)狼の見る夢は (モノクローム・ロマンス文庫)感想
『狼の遠い目覚め』で登場したジェイクの探偵事務所のマットと、キートンの兄オーブリー。マットがジョージア州立大学に入学、オーブリーの自宅のゲストルームに居候することに。マットとオーブリーは初対面で“メイト”であることを悟るけど、オーブリーはゲイであることが許されない保守的な南部で一族代々のホテルチェーンを経営し、いずれ結婚して子どもを作って、家を継ぐことが自分の務めと信じていて。メイトとの熱く手放しがたい恋、だけどカムアウトできない苦悩。オーブリーの独り相撲って言っちゃえばそれまでだけど。
読了日:06月18日 著者:J.L.ラングレー

アジア・中東の装飾と文様アジア・中東の装飾と文様感想
正倉院から始まり、シルクロードを横断して、様々な衣装や装飾に残る意匠を追っていく。まさに私の好みにドンピシャな本だった。
読了日:06月18日 著者:海野 弘




イスラム芸術の幾何学:天上の図形を描く (アルケミスト双書)イスラム芸術の幾何学:天上の図形を描く (アルケミスト双書)感想
イスラム紋様というか、アラビア紋様というか、モスクや王宮建築のタイル装飾とか、遠く極東に渡った正倉院紋様なんかも好きで、勉強のために入手。
読了日:06月17日 著者:ダウド サットン



狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)感想
最初に「遠い目覚め」の方を読了してしまったのだが、こちらが一巻目。米国発M/M小説。(BLつうよりゲイ・ロマンス)そして、人狼。ニューメキシコのネイティブアメリカン居留地に程近いエリアに住む獣医のチェイ(アパッチ、黒狼)と、そこに運び込まれた白人で白狼のキートン。ストレートだと確信していたチェイに対してキートンはゲイ。そんな2人がメイト(伴侶=運命的なパートナー)だった。最初の諍いから急接近して、ひたすら恋狂う狼。全編ゲイSEX描写全開だけど、明るく健康な大人の恋愛って感じで、カラッとしていて好感度高し。
読了日:06月13日 著者:J・L・ラングレー

狼の遠き目覚め (モノクローム・ロマンス文庫)狼の遠き目覚め (モノクローム・ロマンス文庫)感想
「狼を狩る法則」ではかなり嫌なヤツだったレミであるが、これが実は本当に健気だった。閉鎖的な居留地で権力を握る父親の暴力に晒されながらも、年の離れた弟を守りつづけていたレミ。レミがオメガ(調和者=群れのリーダーを支える者)であることが分かり、そのメイトであるジェイクが独立した群れを持つことに。同性愛嫌悪の父親に対する恐怖からゲイであることを受け入れられないレミが、ジェイクに支えられてどんどん開花していく。カラッとしていた一巻目に対してこの巻はレミがしっとり美しい。SM描写もあるけれどごくソフト。
読了日:06月12日 著者:J.L.ラングレー

ダンシング・ゼネレーションsenior 2 (マーガレットコミックス)ダンシング・ゼネレーションsenior 2 (マーガレットコミックス)感想
この主人公、私よりちょっと年下で、まあ、同世代なんだけど、けっこうな老け顔で、泣いたり落ち込んだり浮上したり忙しいし、これ、更年期の情緒不安定さを描きたいのか??ぜんぜん感情移入できん。でもまあ、こういう人もいるんだろうなーとは思う。なんというか、とてもメンドクサイ人だ。自分の、迷う余裕もうしなってる今の忙しさは、ひょっとしたら悪くないのかも?とか思ったり。大体この年になると親の介護も始まったりして、ほんとダンスしている場合じゃなくなることも・・・・ねぇ
読了日:06月07日 著者:槇村 さとる

軍人婿さんと大根嫁さん 9 (芳文社コミックス/FUZコミックス)軍人婿さんと大根嫁さん 9 (芳文社コミックス/FUZコミックス)感想
人の心の底に沈む無残と、日々の営みの中の労いと優しさと愛情がいっそう切ない9巻です。死に別れた愛馬が戻ってきたような、ハナちゃんちの仔馬。旦那サマが好きなのは柿なのかハナちゃんなのか?そしてまだ18歳の娘っ子のハナちゃんにはなんと赤ちゃんが!!?? 時代が切ない。だけど目が離せません。
読了日:06月07日 著者:コマkoma

読書メーター

2026年6月30日火曜日

0597 アルファは飢えても主を摘まず(上) (ピスタッシュ・ノヴェルス)

書 名 「アルファは飢えても主を摘まず(上) 」
著 者 佐伊    
出 版 新書館  2026年6月
単行本 352ページ
初 読 2026年6月22日
ISBN-10 4403221599
ISBN-13 978-4403221590
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/136178111


 『竜王の婚姻』『君を転生させないために』『精霊の宿る国』の佐伊さんの、新作(紙本)。
 『小説家になろう』サイトですでに読了済みながら、紙本で出版されるのを知った時から、出版の日を心待ちにしていた。
 公式には6月22日発行となっていたが、22日が月曜日だったため、前週金曜日には配本になってるかも!と思って新宿のブックファーストに行ったが、探すも探すも「在庫無し」の表示。どうしても待ちきれず、そのままAmazonをポチった。(今にして思えば、最初から紀伊國屋書店本店に行けば良かった。だけど、紀伊國屋書店の閉店時間は夜9時。ブクファは10時半で、その時点で紀伊國屋は閉まっていたのだ。)Amazon以外の店舗で購入したら、特典の掌編を読めるんだぞ?!とは思ったんだけど、ガマン出来なかった。
 ネットでは通読しているんだし、本が届くのが一日後になってもイイや、明日あさってはどうしてもリアル本屋に足を向ける時間がないんだし、と思って紙本をポチったのに、やっぱり今すぐ読みたい欲が抑えられず、Kindle版も購入。。(以下、7月17日に加筆。その後、やっぱり特典の掌編読みたさに、シーモア版も購入。その後、下巻の出版を待つ間の焦燥感に駆られて、数ページでも良いから読みたい!と初回購入特典の割引をアテに、Honto版も入手した・・・・で下巻が発売された7月17日に、今度はちゃんと特典折り込みも目当てに新宿紀伊國屋書店本店に突撃して、下巻と並んでいる上巻(折り込み入り)を手にして数分、硬直したまま逡巡した挙げ句にレジにGO。結局、上巻については紙本2冊、電子3冊を買ってしまった愚かな(?)私は、今後、ラノベ・BL系はAmazonで購入してはいけないことを身をもって学習した。)

 さて、この作品。
 オメガバース設定のBLではあるが王朝内部の政治抗争や、宗教(教会)との利害の対立、隣国との紛争・・・・が綿密に描かれて、近世後半くらいの西洋風歴史ファンタジーとして、非常に非常に骨太な物語になっている。(最初は修道騎士とか出てくるので中世後期から近世初期くらいのイメージだったんだけど、小銃から大砲まで火器が発達していたり,海軍が艦隊戦やってそうだったり、議会制や裁判制度が発達してたり、修道騎士が時代遅れだと揶揄されてたりしたので、もう少し後ろかな、と脳内で時代を修正した。)
 そこに、オメガバースならではの性差別と、それに起因する各人の立場の複雑さや苦渋や危うさが緻密に織り込まれてくる。この構成力がさすがの佐伊さん。凄い!政治情勢の緻密な書込だけでも読み応えマシマシ。
 隠れオメガの国王エイドの深い深い苦悩や、まやかしの宗教裁判で姦淫の罪に問われて、還俗させられてしまった修道騎士ヴァルトルがエイドに寄せる親愛と、敬意と、純愛。ヴァルトルの叔父であるメソルトの困難な立場、メソルトとハリオとヴァルトルの関係、王太后の思惑、修道騎士の兄弟愛・・・・とキャラ立ちしている上に複雑な人間関係が絡みに絡み、非情に濃厚。その上、所々に織り込まれる、ヴァルトルの修道騎士としての戦闘能力の高さに高揚する。
 それに、王侯貴族ものの作品にありがちな、王族・貴族の絢爛な生活の表面ではなく、それを裏で支える宮廷の働き手側の目線で話が進んでいくのもちょっと異色で面白い。なんか、表はゴージャスなお店のバックヤードに迷い込んだ気分だ。
 
 「素手で殺せます」とか「素手で行います」(刺客を殺す)とか、なにかと物騒で、直裁で、周囲の思惑に忖度することなく、我が道を突っ走るヴァルトルの造形がまた、良い。そのヴァルトルがハリオにだけ向けるちょっと甘えた言辞。ヴァルトルの台詞の書き分けがまた、素晴らしい。ヴァルトルの庇護者であるメソルトが、難しい立場にいるにも関わらずなかなかに軽やかな言動で、誰に対してもあまり変わらないのとは対称的。ヴァルトルと聖騎士団の仲間の関係性は胸熱だし、とにかく美味しいところだらけ、というか美味しいところしかない。個人的にはアゼルも大のお気に入りだし、アゼルとラウルの恋物語も、ぜひ書いていただけないか・・・・など。

 物語は紆余曲折あるが、上巻は、メソルトの血を吐くような告白がクライマックス。
 国王エイドに忠誠を捧げるヴァルトルには、(もう最後までネット上で読んじゃってはいるんだけど)これ以上、ヴァルトルに苦難が降りかかりませんように!と願いたくなる。下巻は7月中旬発行ってことで、ただひたすら待ち遠しい。

 書き下ろしの短編は、本編をネットで読了して、是が非にも読みたかった、あの、イワンゴの攻防戦。からのヴァルトルの宗教裁判。幕間に登場するエイドの心病んだ描写に胸が痛む。まさに「前夜」の物語。
 一点だけ今だに気になっているのは、ヴァルトルの愛馬(初代“暁”)がどうなったのか。
 イワンゴ砦の中に入るには海中からの侵入だったのだから、馬は連れて行けなかったんじゃないかと思ったのだ。ヴァルトルの回想の中では、愛馬もイワンゴで死んだことになってるのだけど、優れた騎士と愛馬の別れは、すごく気になる。これも、番外編でどこかに書いていただけないものか・・・・
 でもそれはさておき、何よりも読みたかった邂逅前夜の物語でした。
 紙本出版ありがとうございます。


0596 サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「サイモン・フェキシマルの秘密事件簿 」
原 題 THE SECRET CASEBOOK OF SIMON FEXIMAL」2015年
著 者 KJ・チャールズ
翻訳者 鶯谷 祐実    
出 版 新書館 2021年12月
文 庫 363ページ
初 読 2026年6月27日
ISBN-10 4403560482
ISBN-13 978-4403560484
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/136178079

 19世紀末から20世紀初頭のイギリス(主にロンドン)を舞台にした、ゴシックロマン+M/M。霊能者のサイモン・フェキシマルとその相棒で著述家のロバートの物語。19世紀後半のオカルトに覚えがあれば、面白さはたぶん倍増する。当時の神秘主義の流行や、諸々の作品群へのオマージュに溢れてる。

 耳なし芳一みたいに、躰の上を経文ならぬルーン文字の呪文がのたくっているサイモンと、自身の幽霊事件がきっかけで彼に出会って恋をした新聞記者のロバート。2人の出会いの物語から、かずかずのおどろおどろしい事件、2人の関係が恋愛の上でも、仕事の上でも、そして霊的な結びつきの上でも深まる。密やかに愛情深い関係を築き、しかし、第一次世界大戦が始まる。霊能者たちももれなく戦争の道具として利用され、遂に2人も行方不明となった由。しかし、2人のこれまで語られなかった冒険と、秘められ、大切に温められてきた愛を綴った、ロバートの手によるサイモンの事件簿の原稿を手にした、ロバートの長年の友人である編集者のヘンリーは、2人が密かに南欧あたりの人里離れたコテージに居を移し、満ち足りた愛の生活を営んでいることを夢想する。

 同性愛即犯罪だった生きにくい時代と、戦争の世紀に突入した世相が、汚水の悪臭漂うロンドン下町の埃っぽく薄暗い汚さ、ゴシックロマンの濃厚な闇と交じりあって、2人の人生に苦難の色を添えている。その中にあって、不器用で実直で有能なサイモンと、直情で陽気で行動力のあるロバートのパートナーシップは最高。暗い世相の中でキラキラと光るような、2人の気持ちを愛おしく感じる。

2026年6月20日土曜日

0595 狼の見る夢は (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「狼の見る夢は」
原 題 「With Abandon」2011年
著 者 J.L.ラングレー    
翻訳者 冬斗 亜紀    
出 版 新書館 2015年6月
文 庫 481ページ
初 読 2026年6月14日
ISBN-10 4403560229
ISBN-13 978-4403560224
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/136022876

 『狼の遠い目覚め』で登場した、ジェイクの探偵事務所の事務員バイトのマットと、キートンの兄オーブリー。
 マットがジョージア州立大学に入学して、オーブリーの自宅のゲストルームに居候することになる。マットとオーブリーは初対面で“メイト”であることを悟るけど、オーブリーはゲイであることが許されない超保守的な南部で一族代々のホテルチェーンを経営し、代々続く家系や財産や、群れの“アルファ”までも継承しなければならない身で。“跡取り”は必須、いずれ結婚して子どもを作って、家を継ぐことが自分の務めと信じている。当然、ゲイだなんて、親にも打ち明けられないし、母親には結婚して子供を作ることを求められるし。
 メイトとの熱く手放しがたい恋、だけどとてもじゃないがカミングアウトなんてできない長男の責任感と苦悩。所詮、オーブリーの独り相撲って言ってしまったら身もフタもない話なんだけど、オーブリーの悩みは真剣。そこはお気楽な次男(キートン)がさっさとカミングアウトして、家を出てしまったりしたものだから、いっそう雁字搦めになってしまっていて。
 もちろんM/Mなだけに、あっちこっちSEXまみれ(笑)なんだけど、自分の生き方に悩む、しごく真面目なゲイ小説であった。

 マットについては、ヘンテコな色使いの服を着る天然、って感じの初出だったが、実は赤緑色盲で、マットなりに悩んでいたり、ちょっとヌケた感じだと思っていたのが、純真無垢で、努力家で家族思いの長男だったりと、相当イメージアップした。
 あとは、無理やり人狼化させられちゃったカーソンがかなり憐れではある。これからどうなるのかは相当気になるものの、カーソンとボスキーの恋物語を読みたいとは思えない(笑)。さすがにボスキーは強引すぎるだろ。この件に関しては、終始一貫してカーソンがかわいそう。
 マットの兄弟たちはこれからも苦労が多いだろうけど、長兄マットや次兄のローガンがしっかりしているし、ジェイク以下、群れの大人達も頼りになるし。レミ贔屓の私は、一番下のエディとダレンは、レミとジェイクが養子にして育てたらいいんじゃないか、と密かに思っているのだけど。(レミとエディの組み合わせサイコー!)

2026年6月14日日曜日

0594 狼の遠き目覚め (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「狼の遠き目覚め」
原 題 「With Caution」2008年
著 者 J.L.ラングレー
翻訳者 冬斗 亜紀    
出 版 新書館 2014年5月
文 庫 436ページ
初 読 2026年6月12日
ISBN-10 4403560172
ISBN-13 978-4403560170
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/135897720

 「狼を狩る法則」ではかなり嫌みな登場の仕方をしたあげくに、人狼に襲われて死にかけて、ジェイクとチェイの血によって人狼となったレミは、実は、16歳年の離れた弟のスターリングを父親の暴力から守り、父親代わりになって育ててきた良い奴だった。天真爛漫に育ったスターリングを見れば、傷を負ったレミが、どれだけ努力奮闘してスターリングを守ってきたか、分かろうというもの。とにかくレミが健気すぎて心が痛い。心からスターリングを愛してきたレミは、子供の遊び相手も上手で、読んでいる途中から、だんだんレミの印象が性別を超越してきた(笑)。同性愛嫌悪のように見えた言動も、父親から自分と弟を守るために創り上げた鎧のようなもの。メイトであるジェイクが側にいることで感じる安心感で、少しづつレミが安らいでいく様子に絆される。

 そのレミが、群の集会で他の“アルファタイプ”の狼たちに襲われそうになったことで、“オメガ”であることが判明、メイトがオメガであることが分かったジェイクは、これまでの群から独立して、新たな群を率いることになる。

 レミとジェイクがパートナーとして親密さを増して高まっていくこと、アルファに従属的で闘争力は弱いが、その共感力で群の連帯を強めるオメガとして、レミの能力が開花していくのと、レミが虐待親と対決し過去の傷を乗り越えていくという、レミの成長三本立てのストーリーである。

 アルファ気質で支配欲のあるジェイクがSMの性癖があるとか、ちょっとうへぇ、と思わないでもなかったけど、SMといっても、父親から惨い身体的虐待を受けてきたレミに対しては、ジェイクもそんなに大胆なことはできず、描写はごくソフトでした。

 結局、レミとスターリングは両親を喪うことにはなるのだけど、そもそも機能不全家族だったし、レミとスターリングには、群という新たな家族ができ、おまけにスターリングが、ジェイクの副官(ベータ)のリースのメイトなのが分かったり、その上、スターリング三形態の人狼ってことは、優秀で力のある個体であることは間違いなさそうなので、幸せな将来の予感がたっぷりでよかったです。

0593 狼を狩る法則 (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「狼を狩る法則」
原 題 「Without Reservations」2006年
著 者 J.L.ラングレー
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2013年10月
文 庫 414ページ
初 読 2026年6月13日
ISBN-10 4403560148
ISBN-13 978-4403560149
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/135915673

 最初に「遠い目覚め」の方を読了してしまったのだが、こちらが1巻目。米国発M/M小説。冬斗亜紀さん翻訳(好き)。
 日本でいうBLカテゴリで、表紙イラストもそんな感じであるが、(いつもつい書いてしまうのだが、ボーイズラブってよりも、ゲイ・ラブロマンス。私の感覚が古いんだろうが、BLっていうとどうしても「少年愛」寄りな語感を感じてしまって。M/Mはもっとオス臭いっていうか、ガチムチ寄りっていうか、大人の恋愛寄り(当社比)。) そして、人狼(ワーウルフ)物でもある。
 人狼の群れを統率する概念として、アルファ、ベータ、オメガが出てくるが、これは狼の群れのヒエラルキーの話。いわゆるオメガバースはこちらが本家。アルファが群れのボス。ベータは副官。オメガは群れの調和者で、集団の維持の要になる、という設定。

 もっとも、この狼のヒエラルキーは、かつて人工での集団飼育下で観察されたもので、現在では、自然界における狼の群れは家族単位で構成されており、父(リーダー)、母、子供達で構成され、それほど厳格なヒエラルキーはないことが分かっているそう。この作品における「オメガ」の設定は、かつての狼ヒエラルキー概念における「最弱者」(集団のガス抜き役)と、現在の狼の群れの概念の「母親」(母性)がミックスされたような感じかと。 「人狼もの」の設定はいろいろあるらしくて、読み比べてみると楽しそうな気がする。

 さて、作品の舞台はニューメキシコ。
 ネイティブアメリカン(アパッチ)の居留地に程近いエリアに住む獣医のチェイことチェイトン・ウィンストン(ネイティブアメリカン)の元に、怪我をした白狼が運び込まれるところから。チェイは人狼で、このエリアの人狼の群れに属している。(おもにネイティブアメリカンで構成されているよう。そこに運び込まれた白人で白狼のキートン。
 チェイは、この白狼が自分の“メイト”(=伴侶。運命の恋人)であることを直感するのだが。
 なんとこの白狼が雄だった。自分はストレートだと確信していたチェイは大混乱。そしてストレートだった恋人に手酷く裏切られた過去のある生粋のゲイのキートンも、チェイを誤解して、断固拒絶・・・・・からの、急接近。運命には逆らえない♥️
 ほぼ最初から最後まで、全編ゲイSEX描写が全開だけど、とにかく明るく、前向きで健康な大人の恋愛って感じであるので、思うほどイヤラシくない。

 まあ、男女の恋愛ものだと、どうしてもジェンダーを感じて、自分的に陰にこもった感じになっちゃうので、男/男のほうが、他者的に(あるいみ無責任に)楽しめる、という個人的な感覚の問題もある。
 
 キートンが命を狙われたり、最初はホントに嫌なヤツだったレミが、瀕死の重傷を負って人狼の仲間になったり、とか物語の起伏も面白いし、人間だと、チビでやせっぽちで童顔のキートンが、狼としては最強だったりとか、登場人物もキャラ立ちしていて良き。読んでいて楽しかった。

 子供の頃、最初に買ってもらった本格的な読み物としての本が『おおかみ王ロボ』と『名犬ラッシー』(ポプラ社)で、依頼、オオカミの物語には特別な憧憬を感じる。人狼ものってなんだか特別なロマンがあるわ。そこに人種や同性愛、虐待、差別なんかの人間としての葛藤も加わって、物語としても面白い。