2026年2月1日日曜日

2026年1月の読書メーター

 何気に穏やかに新年を迎え、今年はちゃんと初詣にも行き・・・と、まがりなりにも順調な滑り出しと見えた1月でしたが、9日に母が入院し、とちょっと波乱がありました。そういえば、2025年のまとめで書き忘れていたのですが、読書メーターを始めたのが2016年秋頃で、昨年は10周年、今年は11年目だったのでした。ちなみにこのブログは2020年9月に始めたので、ブログの方も昨年は5周年だったんですが、なんだかいろいろと合って感慨に耽る暇もなかったのでした。
 そんなこんなな1月は、いろいろと悩ましいこともあり、もう、「お気楽読書しかしたくない!」という感じだったので、ひたすらハッピーエンドを求めてラノベ/BLに傾倒。読メにもブログにも書かない(書けない?)Net小説も隙間時間に読み漁りました(汗)。
 おかげ様で、野原耳子さんという才能に巡りあえたのは幸せ。
 1月1日に読み始めた「わたしのおとうさんのりゅう」は、いまだ読了せず。なんとなく、父母の関係で身につまされそうな本は、気持ちが避けがち。
 今年も読書目標は年間100冊ですが、この100冊は、本当は漫画を含まず、という内規があるので(笑)いまだ達成できたことがありません。さて今年もがんばろー!

1月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2389
ナイス数:417

再生再生感想
喜一(きぃ)の壊れた世界の心象を丁寧に描写していく。めちゃくちゃリリカルだけど、暴力描写もある。BLカテゴリだけど、文芸書?文学?みーちゃんとのままごとのような愛が突然の暴力で粉々にされたあと、心が壊れた喜一はどうやって生きて行こうとしたのか。喜一の周りの人達も、それぞれになにかを抱え、背負っている。「きぃ」と呼びかける声の優しさが心に沁みる。この本電書のみだけどハードカバーで文芸書棚に並んでいても文句ない。いっそ私が賞をあげたい。野原さん、すごい才能だと思う。おすすめです。
読了日:01月28日 著者:野原耳子

王と正妃~アルファの夫に恋がしてみたいと言われたので、初恋をやり直してみることにした~王と正妃~アルファの夫に恋がしてみたいと言われたので、初恋をやり直してみることにした~感想
オリジナル本登録ありがとう!このお話大好きなんです。表紙のイラストも綺麗でほんと好き。若くはない恋愛、生真面目な王妃(Ω♂)の気持ちが刺さりまくりますね。なんとか無事に生まれた末弟(Ω)が5人の兄達に溺愛されまくる未来が見えます。
読了日:01月24日 著者:仁茂田 もに

バッドエンドを迎えた主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)バッドエンドを迎えた主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
主人公が流刑になっていた僻地に断罪劇の敵方の王太子と婚約者がやってきて、主人公アルトが世界を救うっていう役割を自覚して下巻に。光の神子の「知識」を持ったジュリアンと「力」を持ったアルト、光の神子は実は二人居たんですって展開でも面白かったかも、とか妄想しながら後半のジェットコースターを愉しむ。無愛想・朴訥・裏表のないフェリクスが、アルトを守るために腹黒陰謀執着系に成長。フィンが死にそうでハラハラしたけど、無事にちゃんとハッピーエンドした。断罪劇の真相なんかは王太子もそれなりに頑張っていたのね、と納得。
読了日:01月23日 著者:仁茂田 もに

バッドエンドを迎え主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません(1) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
引き続き「ハッピーエンドしか読みたくない」病発症中にて、ネットで読了済みのこの本を再読。今流行りのキャッチーなのを書いてみよう、と思って書かれた作品とのことで「女子に流行りの日記ってものを書いてみようと思って書いたんだよ」という某日本古典文学の出だしを思い出した(笑)。で、いきなり断罪劇から始まるっていう、ラノベ界隈にいくらでも転がってる展開だし、主人公は当然チートだし、転生したのは過激BLゲームで世界は平面・天動説。美形だらけの突き抜けた世界観でながら、これがちゃんと面白い。さすが。
読了日:01月23日 著者:仁茂田 もに

分水:隠蔽捜査11分水:隠蔽捜査11感想
タイトルの「分水」。捜査の流れがはっきりと変わる地点があるってことかな。謎はほとんどなく、ただ捜査の手順を追いかける。目星をつけて、さらに追跡し、証拠を固めて落とす。そこに絡んでくる有力政治家の家系と地縁。そしていつにも増してウザい八島!こういうやつってクシャクシャ丸めてポイって捨てたいよな。竜崎は自分の知ってる1番優秀だった上司の顔で脳内再現。いやああの人は本当に優秀だったよなー。あっという間に出世の階段を駆け上がっていった。毎度思うが組織に1人、竜崎が欲しい。今回も示唆が沢山。一気読みでした。
読了日:01月18日 著者:今野 敏

俺の妹は悪女だったらしい (一迅社ノベルス)俺の妹は悪女だったらしい (一迅社ノベルス)感想
純情で強情で強くて純朴な護衛騎士と冷酷で腹黒執着系主君。死に戻り巻き戻し系ファンタジーBL。妹のダイアナがだんだんいい性格に育つ(笑)。必至な主人公兄が、実は主君だけではなく妹にも溺愛されている変則的三角関係?と死に戻りしたのが主人公だけじゃないのがミソ。ひねりが利いていて、読んでる途中は???だったタイトルもラストで回収。腹黒さんが沢山いて、ファンタジーとしてなかなか面白い作品で、死に戻りの原因もちゃんと説明されているのが良し。主人公の得物が戦斧ってのは珍しいような気がするし、なかなか派手で良い。
読了日:01月17日 著者:野原耳子,凩はとば

聖母の深き淵 (角川文庫)聖母の深き淵 (角川文庫)感想
『海は灰色』刊行記念。山内練登場作品再読祭り中。練ちゃん初登場作品。一作目よりずっとミステリー。息子を産んで落ち着いている緑子はわるくない。麻生の「愛している」と練の「愛している」それぞれを知る緑子。初読時よりは落ち着いて読めるけど、麻生と練の物語はここから始まったのかと思うと感慨深い。まあ練に煙草押しつけたりロシアンルーレット仕掛ける胆力のある人間は緑子くらいしかいないよ。緑子も散々な目には遭っているが、やられっぱなしでないのが凄いところ。女が生きて行くためにはとりあえず3倍返しくらいは必要だと思う。
読了日:01月08日 著者:柴田 よしき

読書メーター

2026年1月31日土曜日

0577 再生 Kindle版

書 名 「再生」
著 者 野原 耳子   
出 版 電書バト 2024年7月
Kindle 337ページ
初 読 2026年1月28日
ASIN B0CZQRDXZB
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/133068952   

 基本、書誌データは紙本で登録することにしているのだが、これは電書オンリー。紙本はない。(ちょっと残念)
 ソープで女の子に交じって体を売っている喜一(きぃ)。自分で幸せを捨ててきた、という喜一。だけど真実は・・・・。これBLなのか。むしろ文芸書?文学? とにかくリリカル。心情描写の一つ一つがリリシズムに溢れてる。きぃちゃんは、どこか壊れている。きぃちゃんの体の中から、割れたガラスが軋むような音が聞こえてきそうだ。やっと保っている喜一の輪郭が、ガラスが砕けるように崩れるのではないかと、読んでる間中ずっと心配だった。

 幸せが砕け散ったあとに残った一人は、どうやったら生きていくことができるのだろう。男に体を売ることで、緩慢に死ぬようにやっと生きている喜一の崩れかけた意識が、友人のれっちゃんが受けた暴力をきっかけに一瞬ピントが合う。その瞬間に溢れでる歯止めがきかない加虐性の描写もすごい。喜一の心が幸せと不安と不幸の間をせわしなく行きかう様が丁寧に鮮明に言語化されていて心に響く。
 主人公の名前が「きぃ」なのも凄い。他の呼び名なんて、考えられない。一郎でも太一でも裕太でも(なんでもいいんだけど)なくて、「喜一(きいち)」で「きぃ」なのだ。
 ヤクザの真砂さんや、ソープの店長の田中さんが「きぃ」と呼ぶ。それだけで優しさが滲む。きぃの周りの人がみんなやさしい。そのやさしさの中で、きぃが自分を取り戻したとしても、きぃの壊れたコップの心はやっぱり傷だらけのまま。“金継ぎ”のようにより美しく、強くはならないけど、傷ついても、完全には元には戻れなくても、痛みを抱えたままでも、人は生きて行くことができるし、幸せを感じることすらできる、そんなメッセージを感じる。

 なんだかすごいものを読んだ。先日、『俺の妹は悪女だったらしい』を読んで、野原耳子さんという作家を知り、これは掘り出し物かも?と思って野原耳子さんの他の作品を探してみたのだ。そしたらコレよ。なんか、すごい。今時のデジタル時代の(という言い方が既に古いけど)文学の裾野の広さを感じる。

2026年1月25日日曜日

0575—76 バッドエンドを迎えた主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません 上・下 (ピスタッシュ・ノヴェルス)


書 名 「バッドエンドを迎えた主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません 上・下」
著 者 仁茂田 もに       
出 版 新書館 2025年9月・11月
単行本 上巻 320ページ/下巻 336ページ
初 読 2024年?月(アルファポリスにて)
ISBN-10 上巻 4403221432/下巻 4403221483
ISBN-13 上巻 978-4403221439/下巻 978-4403221484
読書メーター
 上巻:https://bookmeter.com/reviews/132968692
 下巻:https://bookmeter.com/reviews/132968718

 引き続きハッピーエンドしか読みたくない病を発症中。
 仁茂田もにさんは、そんなときに安心して読める、好きな作家さんのおひとりである。最初に読んだのが、「Ω令息は、αの旦那様の溺愛をまだ知らない 」で、それ以降、電子書籍版や、pixivや「なろう」やアルファポリスにアップされている作品も好んで読んでいる。
 とくに気に入っているのが、「王と王妃」と「七年前に助けた子どもが、勇者になって求婚してきた」。この2作品は、電書化されていなくて商業出版ベースに乗ってないので、読みかえしたくなったときには、pixivファンボックスやなろうに出かけて再読している。

 この「バドエン主人公」は、アルファポリスで連載されていたときに追いかけて読んでいた。今回商業出版バージョンを入手したのは、Amazonからオススメされて、つい読み返したくなったからだ。お気に入りの作家さんを買って応援するのは読者の勤め。心を込めて?ポチる。 

 後書きによれば、「今流行りのキャッチーなものを書いてみよう」と思って書かれた作品とのこと。「今女子に流行りの日記ってものを書いてみようと思って書いたんだよ」という紀貫之/土佐日記の冒頭を思い出した。(笑)

  主人公が転生したのは過激BLゲームの中。登場人物は男だけ、なんなら世界中男しかいない設定。世界は平面・天動説。世界の裏側には暗黒の女神の世界があって、世界が破れたら大変なことに。冒頭から始まる断罪劇、チート主人公、超美形な相方で役満。ってか美形しかおらん。ちょこっと出て来るだけのやつは「モブ」で一把一絡げな感じも潔い。振り切れた世界観だから、ただただ楽しもう!と思って楽しんで読む。
 仁茂田もにさんの作品の登場人物たちは、どんなに逆境でも心折れない嫋やかさがあって好きなんだよ。読んでいてすごく癒やされる。「悪役令息」役のジュリアンと再会してからの流れなんかも面白かった。ちょっとフィン隊長が死んでしまうのではないかとドキドキしたよね。アルトが負傷したときも、刺客に襲われた時も、危機一髪でちょっとハラハラしたけれど。それでも誰も死なない大団円。ハッピーエンドをありがとう♥️

2026年1月24日土曜日

介護日記的な・・・その29 事後報告的な。

前回、第3ラウンドのゴングが・・・・なんて大げさなことを書いたが、とりあえず母は今週退院した。

 入院した病院に、常勤の泌尿器科やら腎臓内科の専門医がいなくて、週2回非常勤の先生が来るだけ。とりあえず、抗生剤投与で炎症を抑える治療だけを行う、と言われて入院加療を開始したのだったが。
 なぜ、専門医の居ない病院に入院することになったかと言えば、87歳の高齢でおまけに認知症で、専門治療を積極的に選択できるとは思われなかったためか、入院を打診した病院にことごとく断られたから。
 そのため、最初に検査を受けた総合病院が入院をひきうけてくれることになったのだ。
 まあ、仕方ない、といえば仕方ないことではあるが。治療の可否はともかくとして、腎臓に問題があるのは分かってるんだから、とりあえず引き受けろよ!とは思わなくはない。
 
 で、幸いなことに抗生剤投与が功を奏して、炎症は順調に治まり、体調は回復。炎症の原因は尿路感染症。水腎症になった左腎臓はそのまま温存という名の放置。内科の主治医先生の言葉によれば、左腎臓はもう機能は果たしていない。このまま大きくなることはなく、むしろこれから萎縮していくであろう。尿管閉塞の原因は現在のと頃不明。採取した尿を細胞分析(?)の検査に出しているから、がんであれば、分かるかも。・・・ということで、来週検査結果を聞きにいく予定。それから、GHの主治医と面談させてもらって、今後の対応方針を考えるかなあ・・・・・というのが現在のところ。

 現実問題として、今回の入院ではっきりしたのは、点滴も困難であること。
 母は元医療職だからか、あらかたもう、忘れちゃってるのに、点滴を上手に抜いちゃうんだよね。なんていうか、よくある認知症のご老人のように、むしり取って抜管、て感じではなく、丁寧に留置針を取って、点滴のルートを丁寧に丸め、床頭台の引出にしまってあった。
 もし、母が経口で水分摂取できなくなったとして、点滴で命をつなぐ、ということはできないな、と思った。
 もとより、延命処置はしない、ということで意見は一致している。それにしても、どこまでを延命のための医療行為とするか、は微妙に迷うところだな、とこれまで思っていたのだ。
 気管挿管はしない。人工呼吸器は使わない。中心静脈栄養や、胃瘻は行わない。といのははっきりしていたが、そうか、点滴もムリだな、とわかってなんだかすっきりしてしまった。

 母は入院していた初日、「なんだか、天国が近くにきているような気がするのよネエ」とのんびりと言うので、私も「そうだねえ、もういい年だからねえ、だいぶ近くに来ていると思うよー」とこれまた陽気に返事をした。 母と長閑にそんな話をしたのは、同じ6人部屋に入院していた、もう発語もままならない寝たきりのおばあちゃんの家族が、それはそれは悲壮感溢れる看病をしていたからでもあった。 家族の形や関係性は、それぞれなので、もちろん口出しするようなことではないが、もっと穏やかに見守ってあげりゃあいいのに、と内心思ったりもした。

 人は必ず死ぬ。死ぬことを忌避することはできないし、するべきではない。忌避するべきは悲惨な死に方や、苦痛であろうと思う。現代医療が目指すのは「老衰死」だ、と最近の本で読んだ。母を観ていると、それほど遠くない先に、自分の老後もあるのが見える。できれば認知症にはならずに「老衰死」と言えるような最後を迎えられるならば、と思う。思うにまかせないであろうとも思うのだけど。蛇足ながら「尊厳死」は必要ないと思っている。

0575 分水ー隠蔽捜査11ー

書 名 「分水 隠蔽捜査11」
著 者 今野 敏    
出 版 新潮社  2026年1月
単行本 344ページ
初 読 2026年1月18日
ISBN-10 4103002646
ISBN-13 978-4103002642
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/132855446


 タイトルの「分水」。捜査の流れがはっきりと変わる地点があるってことかな、と思った。

 事件が起きたのは古都鎌倉。数代続く保守政治家の自宅で起こった火事。実際には家の外塀が燃えるボヤだったが、場所が場所だけに、放火の疑いが濃い。「殿様」「若殿」とそれぞれ呼ばれる現職の政権与党議員父子に、地元警察は忖度しまくり、政治家に取り入りたい本庁八島まで事件に食いついてくる。
 そんななか、媚びない竜崎は、政治家のゴキゲンとりに腐心する周囲に辟易しつつもマイペースであるのだが、そんな「忖度しない」態度が返って殿様に気に入られてしまうのがちょっとおかしい。 
 真新しいこととしたら、サイバー犯罪捜査課のサイバー捜査官が捜査本部に参加したこと。能力的にはホワイトハッカー。事件に群がるユーチューバーやら、市民記者やらをコントロールするために捜査本部に招聘したが、最初はスマホ1台でことたりる、と涼しい顔をしていた人も、ノートPCがテーブルに乗ったあたりから、本領発揮。どんでん返しや謎解きはほとんどなく、どちらかというと緩やかな上り坂をゆるゆると登っていくような展開。ひたすら、地道な捜査を続けていくと、ほぐれていく事件。目星をつけて、さらに追跡し、証拠を固めて落とす。
 絡んでくる有力政治家の家系と地縁はうざい八島をおだてて押しつける(笑)・・・にしても八島の勘違いも甚だしい自己過信と自信には、竜崎ではないが閉口する。こんなのが現実にいたらヤだなー、でも居そうだなーなどと思ってしまう。
 でもって、竜崎は自分が知ってる最高に優秀だった上司の顔で脳内再現。いやああの人は本当に優秀だったよなー。あっという間に出世の階段を駆け上がっていった。(竜崎よりは、よほど人間味があったが(笑))
 私がひいきにしている阿久津とのやりとりは、今回はそれほど面白いのは無かったかな。普通の上司と部下の会話であった。
 毎度思うが組織に1人、竜崎が欲しい。今回も示唆が沢山。ごく軽い読み物で、数時間で読了。仕事に腐ってるときに丁度良い、ちょっとした清涼剤的な。

2026年1月17日土曜日

0574 俺の妹は悪女だったらしい (一迅社ノベルス)

書 名 「俺の妹は悪女だったらしい」
著 者 野原 耳子    
出 版  一迅社  2025年12月
単行本 372ページ
初 読 2026年1月16日
ISBN-10 475809781X
ISBN-13 978-4758097819
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/132828897

 死に戻り・巻き戻し系ファンタジーBL。
 現在、実生活で母の入院やら何やらで、もはやオーバーフロー状態で、脳ミソが『そして2人は幸せに暮らしました』以外の物語を求めていない(苦笑)。
 そんな私的需用にマッチした、絶対にこいつら幸せになるだろ、と確信できる作品。主人公が得物の戦斧を振るって全力で立ちはだかる困難を薙ぎ払う!

 純情で強情で、純朴で剛力(なにしろ大人2人で運搬必須な大斧を振り回す)な護衛騎士(作中ではロードナイト)と、冷酷で腹黒な執着系君主。今表紙絵を見てふと思ったンだが、キルヒアイスとラインハルトの類型っぽい感じもある。
 主人公ノアが溺愛する妹のダイアナがだんだんイイ性格に育っていくのも、じつは伏線っぽいところがある。とにかく必至で努力する主人公ニアが、実は主君だけではなく妹にも溺愛されている変則三角関係。フィルとダイアナの間にも、なにか腹黒な取り決めがあったらしいと思われるが、そこは読者にもナイショなところ。(だったんだけど、なろうにアップされている番外編でネタばらしされてました。) 死に戻りしたのが1人だけじゃなかったのがミソ。
 ストーリーは内容的に二部構成で、「2人はいったん恋愛成就して幸せに」なっただけでは済まないところと、後半の驚愕の事実からの疾走感がとても良い。聖女はちょっとチープな感じだったけど。死に戻った理由もちゃんと明かされているのも良いし、読んでる途中では「?」だった本書タイトルもちゃんとラストで回収。戦闘シーンは多くないものの、要所要所でちゃんと主人公の大斧が活躍する。
健全な肉体にこそ、健全な精神は宿る、という主人公の信念もよし。そういえば、性的描写もそれほど多くない? 商業出版化で多少出力調整されているのかも・・・と思ったのは私の穿ちすぎ。

 BLを読むたびに、私にとってBLの需用ってなんだろう。とつい考えちゃうのだが、女性キャラクターの恋愛だと、どうしても女性側に移入しがちなのにもかかわらず、女心や恋愛描写には違和感があるのに、BLだと、完全に自分から切り離してお気楽に読めるからなんだろうな〜と思う。なんていうか、男女の恋愛ものって、イヤがうえにもジェンダーを刷り込まれる感じがしてダメなのよね。(女はこうやって男に抱かれろ!みたいな?)まあ、そんな理由付けをしなくちゃ読めないくらい、いい年してBLを読むのって小っ恥ずかしいところがあるんだけど、なにはともあれこの本は面白かった。

2026年1月11日日曜日

ウイスキー10 厚岸ウイスキー シングルモルト〈小寒〉


厚岸ウイスキーの最新作。 シングルモルト〈小寒〉二十四節気シリーズです。
2025年冬に発売され、正月を迎えるに相応しい、格調高い白地に紅梅と丹頂鶴を配したラベルの図柄に、金字で「厚岸」。まず、ラベルも箱も美しいの一言に尽きる。

前回飲んだ〈花ぐわし〉にくらべ、ピート臭が穏やかで、すこし甘みが前に出ていて、全体的に円やか。なんでしょう、正月を祝うに相応しい、整った、格調高い味わいだと思いました。

私の乏しいウイスキー語彙ではこの程度の解説が限界(汗)

この素晴らしい国産ウイスキーを飲ませていただける幸運に感謝。

ウイスキー09 レッドブレスト、ブッシュミルズ12年など(お酒の美術館)

"Redbreast"(レッドブレスト)・・・「コマドリ(Robin)の赤い胸」の意。 シェリー樽熟成によるウイスキーの赤みがかった色合いに由来するとのこと。
アイリッシュウイスキーの代表的な銘柄。

1杯目に頂いたのは、レッドブレスト・ルスタウ エディション 。ミドルトン蒸留所で蒸留されたシングルポットスチル・アイリッシュ・ウイスキーの原酒を、バーボン樽とシェリー樽で熟成後、スペインのシェリー・メーカーであるルスタウ社のオロロソ・シェリー樽でさらに1年熟成させたもの。・・・・とのこと。全部ネット情報の受け売りデス。
美味しかったですよ〜。だけど飲んだあとすぐに記録しなかったので、細部の印象がおぼろげで、「美味しい」と自分で言ったことしか覚えておりません。ただの酔っ払いですな。
2杯目は、現在こだわり中の、ブッシュミルズ。こちらは免税店向けのボトルだとかで、国内で普通に売ってる正規品の12年とは味が違うんですって。以前に普通の(?)ブッシュミルズ12年を飲んだときに、そんなに感銘を受けなかった記憶があるんだけど、こちらは美味しく思った。「これはオススメです。美味しいんですよ〜」って言われて飲んでるので、刷り込み効果の可能性もなきにしもあらず。でもいいのよ。美味しければ!

 ブッシュミルズは、自分的に不動の一位の座にある15年とどうしても比較してしまうので、採点は辛めにならざるを得ない。でもまあ、美味しいです。また、グラスと氷が美しくて♪


2杯でやめようと思っていたんだけど、最初に紹介されたジンが気になって、テイスティンググラスで少量を頂く。
ガンパウダー・アイリッシュジン。中国茶フレーバー。ガンパウダーって、中国珠茶のことですって。ラベルの右上にさりげなく「中国珠茶」って書いてあった。
他のハーブの香りの後ろに仄かに薫る中国茶の香り。

良かったです。

2026年1月10日土曜日

介護日記的な・・・その28 第3ラウンドのゴングが鳴る。

前回の日記その27で「いちおうの最終回」なんて書いたワケなんですが。
母が、GHに入居してまだ3ヶ月ですが、第3ラウンドが始まりそうですよ。

令和4年夏〜令和7年7月までの、通いと遠隔見守り介護3年が、第1ラウンド
令和7年8月〜9月の、同居介護(介護休暇取得)の第2ラウンド

いや、母は、ADLの自立度は高いし、施設にもすんなりと馴染んで、あと数年はこのままいけるかな〜と暢気に考えていたんですが、昨日の電話から、物語は始まる・・・・なんつって。

知らない電話番号からの受電だけど、一応出てみたら、GHの訪問診療でお世話になっているDr.からだった。 なんでも、ここ数日微熱があり、一昨日血液検査をして昨日結果がでたら、炎症反応が極めて高値であると。

本人に自覚症状の訴えがなく、痛みもなさそう。考えられるものとして筆頭は誤嚥性肺炎だけど、誤嚥性肺炎でこの値がでていたら、さすがに普通に生活していないだろう。入院して検査しないと原因は特定できないので、入院させたい、とのこと。

もちろん入院に同意して、希望の病院として、母の自宅に近い病院をいくつか候補としてお伝えする。ただし、私には土地勘がないので、病院の決定は先生の判断に任せる、とお伝えした。

折しも、自分の胃カメラ検査の直前。鎮静剤使って行う予定なので、検査後は自宅でベッドで惰眠をむさぼる予定だったんだけど、ニワカに忙しくなった。

自分の胃カメラ終了後、自宅に戻って家を空ける準備をして、母宅に向かう。その頃に母の入院先が母宅最寄りの総合病院に決まったとの連絡があり、ひとまずは病院へ。

病院で施設の職員さん、母と合流し、その頃には検査も終わっていたので軽く病状の説明を受ける。

発熱とCRP高値の原因は「水腎症」。腎臓から尿を膀胱に運ぶ尿管が狭窄して、左の腎臓に尿が溜まって腫れ上がっている状態。MRI画像(もしかしたらCTかも?)を見ても、確かに左の腎臓が右の数倍のサイズに膨れている。

ただし、尿管狭窄の原因は現時点では不明。ひとまず抗生剤を点滴して炎症を抑えるとのこと。この病院は腎臓内科の専門医が常勤ではないため、訪問診療クリニックでは、入院先を探すにあたって腎臓内科がある病院を探してくれたのだが、高齢を理由にどこも断られた由。(実際には、高齢というよりは認知症による加療困難と見做されたんじゃないかな。)おそらく治療方針は、来週非常勤の専門医の診察を受けないと出ないと思われる。

んなわけで、現時点で予後は不明。どんな状態で病院を退院できるかも不明。せっかく馴染んだGHに戻れるかも現時点では不明。もどれると良いな〜(祈)

一晩考えて、大体自分としての方針は決まった。
年齢はともかく、本人に自分の状況が理解できる状態であったなら、積極的治療も選択枝になったろうが、母が5分すれば、聞いたことも忘れてしまう。痛みを伴う治療をしたとして、母には自分の状態が理解できない。開腹術などの、侵襲性の強い治療はしない。内視鏡的な治療は検討する。腎臓を守るための尿管ステントは積極的に選択。あとは、専門医の診断を待って考えるしかないなー。

入院によるADLの低下や、転倒、転落事故なんかによる骨折の心配などもあるが、こればかりは様子を見守るしかない。

とりあえず、特養入居となる可能性も念頭に、要介護度を3に上げよう、とGHの施設長とは話しあった。
実際、嚥下や排泄で機能低下が見られていたので、多分要介護3は取れるのではないかな、と思う。

そんなこんなでイマココ。

小春日和も短かったな。。。。さて、面会に行ってくる。


2026年1月1日木曜日

2026謹賀新年 昨年の反省と今年の目標的なこと

 明けましておめでとうございます。


 どうにも、新しい年が来た、という感慨が持てないまま、1月1日が終わろうとしている。
 新年って、こんなに、ぼやーっとはっきりとしないものだったっけ?と頭の中が「?」で一杯だ。
 もちろん、新しい年の訪れになにか変化があったはずもなく、私の感覚が鈍ったというか、貧したというか。単に疲れた、とも言うか。


 昨年は色々とありました。それはもう、言うまでもなく、母のこととか母のこととか母のこととかね。まるまる3年間、通いで母の介護(というか見守りというか、後見というか、家事援助というか。)を行い、母の日常生活が滞りなく進むようにまさに黒子のように動いてきた。それでももはや安全な生活の維持は困難、と見定めて、短期間ではあるが同居に踏み切り(というか自分の家との二重生活だったけど)、グループホームの見学から入居までを進めた。母がGHに入居したあと、家の中を一気に片付けたのは良いが、一週間の過重な労働で右肘が腱鞘炎になった。すでに3ヶ月が経過しているが、まだ完治していない。

 母の家は、私にとっては父の思い出の方が強い。
 ほとんど家から出ること無く父が過ごしてきた居間は、応接セットのソファがボロボロになり、父の大切にしていたオーディオセットはスピーカーのウレタンが劣化して崩れていた。
 母は家の中をいじられるのを嫌がったので、母が居るうちはできなかったが、母の施設入居後、真っ先にやったのが、応接セットの修理と、スピーカーの修理だった。
 それぞれ、一ヶ月ほどで修理先から戻ってきて、室内は父の生前の姿をすこし取り戻した。

 父のスピーカーは、それなりに良いものだったようで、修理から戻ってきてから、父の秘蔵のレコードを掛けてうっとりしている。

 母は認知症高齢者グループホームで落ち着いて過ごしている。たまに面会にいくが、自分の家のことを気にする様子はあるものの、「帰りたい」とは思わないらしい。こんなにもGHの環境に馴染んでくれると、こちらとしてはちょっと拍子抜けするくらいであるが、これも施設が穏やかに生活を支えてくれるからだろうと感謝している。

 もちろん、こうなってもらえるように、入居に当たってはかなり細かいディティールまで作り込んだのだから、頑張った甲斐があった、と思ってもいいんだよな。自画自賛ではあるけれど。

 そんなこんなが2025年だった。

 そうそう、もう一つ。

 母の家・・・ということは私が育った団地なんだが、そこで暮らしてる中学校時代からの友人との交誼が復活した。彼女も自宅でお母様の介護をしていて、お互いに情報交換したり、励まし合ったり、飲んだり喰ったり(笑)、会う時間の無いときにはSNSで他愛のないやり取りをしたり。お互いに、内にこもりがちな介護のあれこれをオープンにしあうっていうのは、必要だと思った。なんかねえ、「私はがんばってるぞ」「頑張ってて偉いねえ」とお互いに言い合うだけでも、荷が軽くなる、というか、許されてる感があるというかね。
 あと、友人と再会・・・・に端を発して、ウイスキーを飲む楽しみを覚えた。これは特記しておかないと。

 そんな2025年だったのだけど、読書の面では、日本産ファンタジーで年が明け、乾石智子氏の作品を読み、そこから、自分のファンタジーの原点と思ってル=グウィンに至ったものの、そこで力尽きた感がある。

 ル=グウィンの作品については、散々レビューを書いたのでもはやお腹いっぱいではあるが、正直、子供心の憧憬のまま、置いておけばよかったかもなあ、と思わないでもない。

 素晴らしい作家であることには全然異論はないけれど、まとめて読んだら食傷した。なんだかどれも似ている様な気がするんだよなあ。まだ全作品は読めていないし、もの凄く楽しみにしていたのに、昨年翻訳が発行されたゲド戦記のシリーズ最終巻「火明かり」は結局通読できていない。もっとも収録されている論文部分については、国立国会図書館からコピーを取り寄せてすでにレビュー済みだけど。

 ル=グウィンの作品はジェンダー論と切っても切り離せないのだ、とは理解したが、ジェンダーとは、その人の文化・環境・生育によって人の数だけあって、ル=グウィンのジェンダー観に関しては、それはそれは重いものを感じるとは言っても、それは所詮は「私のものではない」という感じもとても強かった。白人の、アメリカ人の、キリスト教文化圏の、知識人階級の、彼女の生きた時代の、彼女の家庭と生活環境と彼女自身の性格や感じ方に由来する固有のジェンダーであって、私は彼女を理解しようと努めることはできても、まるっと受けとめることはできない。そんな感じだ。そういう、大きな時代的、社会的、構造的なものであっても極めて個人的なものでもあるものを、「ジェンダー論」として取り扱うことの難しさに、この道の研究者はどうやって取り組んでいるんだろう、という別の関心も湧いたが、そこにはまだ突っ込んでいっていない。

 さて翻って、2026年は、どんな目標を立てようか。

 唐突だけど、そろそろ真剣に早期退職を検討したい。とは思うのだ。

 なにしろ、読みたい本が多すぎる。現在、私の読書ペースは多くても年に100冊がいいところ。自分の積ん読だけでも1500冊を越え、父が遺した文学全集まで加えたら、とてもじゃないが、生きているうちに読み切れると思えない。
 母が元気に動き回っていたのは、せいぜいが70代までだった。あと何年読書余命があるか、母がボケるのを目の当たりにしたものだから、そんなことを考えてしまう。

 あちこち痛んできた自分の体のメンテナンスもしたい。健康を維持するための運動もしたい。なにより、ちゃんと食事をして、適切に入浴をして、きちんと睡眠を取って、という当たり前の生活を取り戻したいし、全然できていない英語の勉強もしたい。

 今年読みたい本のリストアップはもうするのはやめた。

 どうせ、その通りには読まん。
 だが、積ん読は減らしたい。なんとしても減らしたい。

 2026年。とりあえず、目指すのは、健康増進と読書。

 ウクライナとパレスチナに平和が訪れ、日本近海で戦争が起きませんように。