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2025年12月21日日曜日

0573 初雪 海は灰色 第一部

書 名 「初雪 海は灰色 第一部 」
著 者 柴田 よしき      
出 版 角川書店 2025年12月
文 庫 288ページ
初 読 2025年12月20日
ISBN-10 4041169135
ISBN-13 978-4041169131
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/132244150

 待って、待って、待って、待ち続けた待望の続刊。
 「聖なる黒夜」から「私立探偵・麻生龍太郎」を経て、道を分かったはずの麻生と練が、再び語らう。

 「聖なる黒夜」を読んで頭ん中がうわーーーーーっとなって、続き!続き!こいつらこれからどうなっていくんだ〜〜〜とネットを徘徊し、柴田よしきさんが続話をWEBで連載していたことは知ることができたが、その時点で、もう「海は灰色」はWEBから下げられていて、愛読者のブログなどでおぼろげに輪郭が分かるだけの、まぼろしの作品と化していた。いつかは、いつかは刊行されるに違いない、と思って待ち続けてはや〇年。このたびついに刊行され、やっと手にとることが叶った『聖なる黒夜』続刊である。

 てっきり、練のあの事件の真相を追う話だと思い込んでいたんだが、出だしはなんと、龍太郎の逃げた奥さんを探す旅だった。そこに練が乱入、その上2人が滞在する鄙びた温泉街で殺人事件と傷害事件が起こる。正統派な推理小説仕立てながら、根城の新宿を離れて身軽な風情な練と、前科がついて、裏街道をとぼとぼと行くしかなくなった龍太郎が、一緒に同じ事件を追う、という、なんというか、『聖黒』ファンにとっては、ボーナストラックみたいな、なんだか時期的にはクリスマスプレゼントみたいな作品であった。
 私は練ちゃん贔屓なもんで、麻生龍太郎ははっきりいって憎々しく思っていたのだが、なんかこの作品を読んでそんな気分も霧散した。2人の腐れ縁はこれからも切っても切れないし、龍太郎にとって、今生きている練は、暴風雨の後に一輪健気に咲き続けている小さな花なのか、と思ったら、ついうっかり、龍太郎の練を愛しく思う気持ちに移入してしまったよ。練は「練」なのだけど、なんとなく泥の中に咲く「蓮」を連想した。

 練にとっては、龍太郎は練の過去も現在も等しく知っているほぼ唯一の存在なんだな、と考えると、練の龍太郎に対する執着も分かるような気がする。練の胸に止まっているウスバシロチョウの意味も、そもそもそこにウスバシロチョウを彫っていることだって、知っているのは龍太郎以外に誰がいるのか。そういや、作中で練が温泉に入るくだりで、練が背中に彫りモンがあるような記述だったが、練って背中に何かしょってたっけ?どうにも思い出せない。『聖黒』の細部の記憶がだいぶおぼろげになったところで、『RIKO』から刊行順に読み直すのも乙かもしれんな。

 このほとんど救いのないような練・龍の2人がこれからどうなっていくのかは、続刊を待つしかない。ちなみに続刊の発行は、26年12月、つまり1年後だそう。またまた長いな〜〜〜。いっそのこと揃ってから一気読みしたいくらいだが、読者はこの本を待ってたんだ!という心意気を示すためにも、予約で買いました。ついでに、Kindle版も購入したので、2冊買いだ。それくらい応援している。続刊をあと1年、待ちます。なお、作者様のXによれば、この作品は3部作になるそうだ。そして、第二部以降は大幅なリライトになると。はい。お待ちしております。『海は灰色』刊行してくれてありがとう!

2023年4月10日月曜日

0419 ドント・ストップ・ザ・ダンス (講談社文庫)

書 名 「ドント・ストップ・ザ・ダンス」 
著 者 柴田 よしき         
出 版 講談社 2016年8月(単行本初版 2009年7月)
文 庫 560ページ
初 読 2023年3月10日
ISBN-10 4062934647
ISBN-13 978-4062934640
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/113021593
 園長探偵ハナちゃんシリーズ、最終作になる5作目。読んでしまうのが名残惜しい。だからって、読了に一ヶ月以上掛かったのは、読み惜しんだからではなく、仕事の超繁忙期と家庭の事情と、体力の都合ゆえ。疲労困憊で、週末毎に実家に通う往復の電車でも、イスに座ったとたんに泥のように寝落ちしてしまう日々で、毎日読めたのは数ページだったから。読み終わったときには冒頭のエピソードは忘れかけている始末だった。
 とは、もっぱらこちらの事情で。

 我らがハナちゃんは借金返済と愛する園の子供達のため、今日もがむしゃらに走るのだ。

 前作は短編連作だったが、こちらはがっつり長編。ハナちゃんの保育園に通う小生意気な5歳児の父は、今現在は売れていない小説家。妻には逃げられ、小説は書けず・売れずで、バイトのダブルワーク、トリプルワークでなんとか日々の糧と息子の保育料を稼いでいる状態。それなのに、何者かに襲われて意識不明の重体となってしまって。他には身よりのない子供を園で世話しつつ、逃げた母親を探し、一方で美味い稼ぎになるはずだった城島からの探偵仕事は、どんどんきな臭くなっていく。ヒットマンの影がちらつくころには、進むも引くもならない窮状に陥るハナちゃん。そして早朝の新宿駅のホームで背中をどつかれて、列車が進行してくるなか、ハナちゃんが宙に舞う!?
・・・・と、なんともテンポもよろしく、これでもか、と窮地の波状攻撃なのは通常運転といえなくもない。聖黒界隈で一番、不遇な男であるハナちゃんは今日も命からがらだ。
 
 それにしても、柴田よしきさんのこの聖黒関連のシリーズは、なぜか私の土地勘のあるエリアが舞台になっていることが多い。この作では東急田園都市線の青葉台駅が登場。最近は月にに数回は行っている。なぜならば、実家詣でのコースだから。駅前のショッピングセンターは東急スクエア。2フロアを占める大型書店はブックファースト。2階の雑貨ショップ併設のカフェは無印良品だ。

 凶悪犯罪と、園児のパパへの暴行事件&家庭内争議、という大型二本立てで進行するのかとおもいきや、事件はさくっと一本にまとまり、大人達が子供時代を過ごした児童養護施設で起こったある事件に行き当たる。前の作品のレビューで児童福祉の知識が寸足らず、などと批判的なことを書いたが、作者の柴田よしきさんが、このテーマに大切に取り組んでいる感じがして、大変失礼だった、とちょっと反省している。

 この作品で、聖黒の練ちゃん登場作品は読み切ったことになる。あとは、もやはネットでも読むことができない『海は灰色』の刊行を待つばかり。今年は柴田よしき氏の作品刊行ラッシュらしいので、そのうちの一冊が『海は灰色』でありますように、と切に願っている。

2023年2月1日水曜日

0410—13 ゲイ風俗のもちぎさん1〜4(とりあえず1〜2)

書 名 「ゲイ風俗のもちぎさん」 1巻〜4巻 (書誌情報は1巻のものです)
著 者 もちぎ        
出 版 KADOKAWA  2019年8月
単行本(ソフトカバー) 176ページ
初 読 2023年1月28日
ISBN-10 4047357421
ISBN-13 978-4047357426
読書メーター   
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 職場のひとに紹介されたのが、『ゲイバーのもちぎさん』。すごく勉強になる、と。で、大人買いしたのが上記。これまで引っかかっていたセクシュアリティにまつわるあれこれに、当事者からの率直かつ直球な意見。あぁ〜そうなんだ。と腑に落ちることが多々ある。体の性、心の性、性指向。そして一人ひとりの自分と、他人への向き合い方。いろいろな人がいて、一生懸命だったり、がむしゃらだったり、無防備だったり、計算高かったり、思慮深かったり、浅はかだったりしながらも、生きている。生きて行くってことに関しては平等で対等でありたいし、いろんな在り方に臆さず向き合い、認めたり、認められたりしたいと思う。みんな違ってみんないい、と思いたいし、みんなにそう思ってもらいたい。できることなら、もっといろんなことが平等であればいいと思う。たとえば経済的なこと、親の愛情、一人ひとりの能力や健康、でもそれは絵空事で、不平等なのが本当だから。だけど、何十年か前はおおっぴらに語られることの少なかったLGBTQが、今は普通に語られるようになっている。だから今から何十年後かには、きっと今よりもっと変わって、生きやすくなっているひとが沢山いるだろうし、きっと数年先だってそうであってほしいと思う。

0409 ゲイ風俗のもちぎさん 1
 「人生賛歌」というもちぎさん。すごいな。
 もちぎさんはサバイバーだ。父が精神疾患で自殺して、メンタルを病んだ母に虐待されて育った。働かない母が子供のもちぎさんにお金をせびるから、男相手に買春して稼いで家にお金を入れた。そうしないと、大学進学のお金も、家を出るためのお金も貯められなかった。それなのに母にそのことを責められて高3の卒業前に家を飛び出し東京に来た。きちんと稼げるゲイ風俗(ウリセン)で働いて、いろいろな経験をしながら、大学にも進んだ。言われてみればそりゃそのとーりだよな、と思うセクシャルマイノリティの生態だって、こうやって改めてもちぎさんに教えてもらわなけりゃ、意識に登ってこないことがたくさんある。ウリセンにはウリセンの仁義や矜持があるし、そこでしか生きていく術のない人達が必死で守っている場所でもある。性を鬻ぐことを被害・加害という視点だけで語ることにはできないと思う一方で、そこで身ぐるみ搾取される子がいるのもまた事実だと知っている。むしろ売る方も買う方も同類なゲイ風俗の方が、普通(?)の女の子たちの風俗よりも暖かくて生きやすい場所なのかもな、とも思った。

0410 ゲイ風俗のもちぎさん 2
 ずーっと謎だった、「本物のゲイは、BLをどう見ているんだろう」という疑問に、もちぎさんからかなり明快な答えが。BLを読む本職さんもいるんだ!(少数派ではあるらしいが)アレ気持ち悪いんじゃないかと思ってたよ。だって、男性向けの〈男×女〉のエロコンテンツ(女性がエロエロになるやつ)って、はっきりいって自分からみたら気持ち悪いもの。それにハーレクインみたいな女性向け〈男×女〉のポルノ小説に出てくる男性キャラって、生身の男からみたらありえね〜!ってならない? 所詮ファンタジーだし、ファンタジーだと頭のどこかで思っているから無邪気に楽しめるものでもある。
「ほら ゲイからしたらBLってファンタジーじゃん。ほぐしなしに洗浄なしの挿入行為とか 二丁目以外の街でイチャつくとか、コミュニティに属することもなくノンケ社会で出会いがあるとかさぁ」
・・・・そうか、街でイチャつくのも、そこらで出会いがあるのも、実際にはないのか。そうだよね。たしかに、見ない・・・かも。
 当たり前だと思うけど「嫌だっていうゲイもいる」
それに対してもてぎさんは名言だと思う。
「慣れてないのかもね」「男が性的なコンテンツになって異性に楽しまれることに」
「テレビや雑誌で水着になるのも女性が多いし、エロ本としてコンビニにおかれているのも女性のグラビアだけ」「女性の性欲をまるでなかったことにして男性だけが性的コンテンツを楽しんでると思っちゃってるのかも」
 なるほどねえ、と思ったよ。女性が性的に消費されるコンテンツとして扱われることが嬉しいとはおもわないけど、温泉娘騒動みたいに、そういうコンテンツを駆逐せよ!とは思わない。そう言ってる当人がピンクをイメージカラーにしていて、どうにも牛の前で赤い布振ってるようにしか見えんしな。・・・・・とこれは脱線。男にも女にも性欲はあって、ある程度ファンタジーで補われている部分は必ずある。必要なのは、敬意なんだと思う。
 もてぎさん曰く「性産業に勤める人間を卑下しちゃダメ」「あたいらも含めて人間のカラダの価値の話だから」
 もちろんこの話だけではなく、ゲイ風俗で働くひとりひとりのエピソードは、こんな風にお手軽に感想をかくのも憚られる思いがする。どうか沢山の人に読んでもらって、そこでわいた思いは胸に畳んで、自分とは違う人に対して優しい人になれるように、自分の一部にしてほしいなあと願う。
 でも、一番胸に染みたのは、昔の恩師の先生に会うために地元に行った話だ。この本を読んで「勉強」しようなんて、おこがましいよな。もちぎさんが今、幸せだといいな、と願う。とりあえず“もっと幸せになりますように”と念を送る。















2022年10月9日日曜日

0396 ア・ソング・フォー・ユー (講談社文庫)

書 名 「ア・ソング・フォー・ユー」 
著 者 柴田 よしき
出 版 講談社 2014年12月
   (単行本初版 2007年9月)
文 庫 560ページ
初 読 2022年10月7日
ISBN-10 4062767503
ISBN-13 978-4062767507

 園長探偵ハナちゃんシリーズ、第4弾。
 短編集かと思いきや、2からは短編連作っぽい作りになってる。
 赤ん坊はなぜ、そこに捨てられたのか。
 捨てたのは誰なのか。
 「子供はみんな幸せであるべきだ。子供たちを幸せにすることができないのなら、俺たち大人なんて、生きてる価値なんかない。」その通りだね。ハナちゃん。そして子ども時代が幸せなら、大抵の大人は大人になってからも幸せになれるはず。・・・なんて書いてから、練のことを思い出して「そうでもないか・・・」と思ってしまったよ。
 悲しい・・・・・

1. ブルーライトヨコハマ
 ハリウッドセレブとなった日本人女性からの、奇妙な依頼。呪いの藁人形の持ち主だった当時の少年の捜索。
 しかし依頼は依頼。一枚の古い写真から、当時高校生だった男子学生の学校を割り出し、卒業アルバムから本人を特定し、昔の住まいを訪ね、地道に情報を集める探偵ハナちゃん。今回は危険もなく、ぽっと胸が温かくなるラストも良い。

2.アカシアの雨
 アカシアの雨からは短編連作。ハナちゃんの保育園があるビルと、その隣のビルのわずか20センチくらいの隙間に捨てられた生後間もない赤ん坊。
 そして、城島のもの凄く美人な姪っ子から舞い込んだ意外性のある依頼・オカメインコの捜索。
 赤ん坊は無事保護されたが、ハナちゃんは赤ん坊を捨てたのが誰か、気になってしかたない。赤ん坊を捨てたのは子どもだったらしい。もし、その子が赤ん坊の母だったら?その子は、今どうしているのだろう?
 おまけにハナちゃんは美人のオカメインコの飼い主の言動にただならぬものを感じてしまう。オカメインコの居所は掴んだが、はたして、その美人の飼い主を救うことはできるのか?

3.プレイバックPART3
 新宿の靴磨きカンちゃんの災難。 赤ん坊を捨てた人物はいまだ判らず。ゲームセンターの女の子は誰? 
 カンちゃんのパートナーの巨体のミヤさんがとても素敵。まさかの偶然で、カンちゃんに怪我させた女の子と、子連れの売春婦と、捨て子の赤ん坊がつながって。 
  あまりにも理不尽な世の中に、ハナちゃんは涙する。

4.骨まで愛して
 ここに至って新たな依頼が2件も! 一件は恋人から、「お骨を探してほしい」との奇妙な依頼。もう一件はなんとカネゴンこと美形の女顔の広域指定暴力団の若頭から。渋谷で練に捕獲されて、連れて行かれたのは大久保の老舗の組事務所。そこにいた組長の正体にハナちゃんは驚愕。
 赤ちゃん—赤ちゃんを捨てた少年—赤ちゃんを産んだ女・・・・とただただ金にもならぬ人助けをしただけなのに、結局練に理不尽に絡まれて、やらされた仕事は、後腐れ無く使える鉄砲玉のスカウトとは。
 ハナちゃんの無念が忍ばれる。

5.エピローグ
 そして麻生登場。
 マックでマヨネーズ垂らしながらバーガー喰ってただけだけど。 
 なんとなくくたびれた中年男になっている龍太郎は、元々私のイメージ通りではあるのだが、直前に読んでいたRIKOシリーズでは足の長いハンサム男だったりするので、ちょっと自分の中のイメージにはブレが生じる。 
 ハナちゃんは捜査一課の元名刑事とは面識がないらしい。麻生の方はどうなのかな?かつて同僚を射殺して警察を去った、暴対の刑事の顔は知らないのだろうか。麻生が頑固な分、元刑事のハナちゃんが身代わりで練にもてあそばれて、割を食っているような気がしてならんのだけど。

   あと、練がハナちゃんより年上って、やっぱりハナちゃんの勘違いじゃあないのかな? 

2022年10月4日火曜日

0395 月神の浅き夢 (角川文庫)

書 名 「月神の浅き夢」
著 者 柴田 よしき         
出 版 角川書店 2000年5月
文 庫 645ページ
初 読 2022年10月4日
ISBN-10 4043428049
ISBN-13 978-4043428045
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/109413916

 いよいよ、『聖黒』を先に読んだことを後悔する。
 被害者 玉本栄、掛川エージェンシーってだけで、激しくネタバレ状態だ。まあ、そこはぐっと目をつぶって気付かないふりして読まなければ。って言ってるそばから、泉が、彼氏はコンピューターの天才なんだ、と。それって練以外にあり得ないじゃん? やっぱり脳内を一端初期化したい。まっさらな状態でリコシリーズから読み直したい。

 そうはいっても気を取り直して、あらすじのおさらいだ。リコは息子が3歳になり、やっと安藤警視と夫婦らしい生活を営んでいる。そしてついに、刑事を辞職して息子を育て、夫に守られる生活に入ってしまおうか、と心が傾いているよう。安藤とは、長野県松本のリコの両親・・・というよりはリコの父に、結婚の赦しをもらいに行こう、と夫婦で話あっているところ。 父にとっては、リコは職場で上司と不倫して、警視庁を追われた不名誉極まりない娘だったし、安藤は、既婚者でありながら部下の初心な娘に手をだして、おまけに未婚の母にまでした、憎い男だ。しかし、生まれてきた孫は可愛いし、安藤が身辺を整理して、リコと結婚の覚悟を決めたとあっては、和解する潮時だった。

 そんな矢先に、凄惨な連続殺人事件が発生する。犠牲者はすべて私服刑事。独身、美男子。
 手足と性器を切断されて、首を吊られた状態で発見された。犠牲者はすでに5人に及ぶ。
 特別捜査班が警視庁に設けられ、辰巳署のリコも、新宿署の坂上も、特捜班の助っ人に駆り出される。警視庁は、リコにとっては鬼門。今でも偏見に満ちた軽蔑の目で見る刑事たちが大勢いる。その中で、特捜班を指揮する高須は、ここで実力を見せつけろ、とリコに命じる。
 リコの捜査と、捜査の成果をこえる閃きで、事件は過去の警察の汚点であるある冤罪事件につながる。その事件の捜査には、リコの夫の安藤や、その部下だった高須も、そして麻生も関わっていて・・・。その事件の被害者の娘と、その娘につながるもう一人の娘の存在が連続殺人事件の焦点となっていくが・・・・・・

 つかみは上々。
 だがしかし。児童福祉に関する知識がちょっと寸足らずな印象を受ける。
 子供の保護を受け持つのは福祉事務所ではなく児童相談所だし、児童養護施設はたしかに児童福祉施設の一つではあるが、ここでいうならやっぱり「児童養護施設」だと思う。
 入所している子供の保護理由の多くが母親からの虐待で、もう一つ多いのが父親からの性的虐待である、とかもどうなの?
 むろん性虐ケースはそれなりにあるが、この二つが代表であるかのような書きっぷりはちょっと違うように思った。実際には身体的虐待や非行、養育困難の方が多くて、たぶん、性的虐待は件数的にはそれほど多くない。それは、実数が少ないからではなく、表面化しずらいため子どもの保護に到らないって理由もあるだろうと思う。作品の中で、子供の虐待について、登場人物にあんなに語らせず、曖昧にぼかしたままでも十分ストーリーは成立しただろうに、あえて詳しく語っちゃったせいで、かえってリアリティが薄れてしまったのが、残念に思えた。
 もし、新版とか改訂版とか出すチャンスがあったら、児童福祉制度に詳しい人にちょっと監修してもらえるといいんじゃないかな。

 捜査の謎解きは、せっかくきめ細やかに捜査を積み重ねているのに、肝心のところはリコのひらめきに頼り過ぎてるんじゃないかな。まあ、リコはそういう「捜査のカン」が優れた刑事ではあるんだけど、もっと理詰めでもいけそうなのに。泉の表情から、許されない命がけの恋をしているのだ!というくだりなんかは、思い込みが強すぎでないかい。

 話の流れからもっと、練の冤罪事件に切り込むのかと思いきや、そこはそれほどでもなかあた。練の事件への関わり方があまりにもさりげなく、しかもリコへの絡み方もモロ好みで、やっぱり練が主役じゃあないか、と。
 練が泉を住まわせるために調度を整えてやったマンションの描写にもなんだか胸がつまる。
 しかし、練がかなり淡々としているのに、麻生はひとり悶々として、あげくにリコに慰めてもらうって、どんだけ身勝手なんだ麻生!!
 それに、練は斎藤の出所を出迎えてやったのだ。練はやっぱり、麻生に出迎えてほしかったんだろうなあ、と斎藤が練に出迎えられて驚いたってくだりで思ったのですよ。
 今作では、練のいろんな顔を見ることが出来てその点でもとても満足。

 連の冤罪事件については、『海は灰色』を待つしかないようだ。いや、批判ばっかりしているように見えるかもしれんが、私はこの一連の作品群が大好きだ。あとは大切に取っておいてある、ハナちゃんシリーズが2冊のみ。続編の刊行を切望する。

 それにしてもラスト。練はリコにどのように語ったのだろう。


0394 聖母の深き淵 (角川文庫)

書 名 「聖母の深き淵」
著 者 柴田 よしき         
出 版 角川書店 1998年3月
文 庫 560ページ
初 読 2022年9月30日
ISBN-10 4043428022
ISBN-13 978-4043428021
読書メーター https://bookmeter.com/books/573930

 リコが主人公な話なのに、私にとっては山内である。
 それは、私が『聖なる黒夜』を先に読んでいたから。あとで落ち着いたて考えたら、この話、刊行順じゃないと駄目だったよね。この本先に読んでいたら、どれだけ、「な!なにがあったのよ〜〜〜〜〜!!!山内!麻生〜〜〜!!!」とジタバタすることができたことか。やっぱり本当はRIKOシリーズを先に読むのが正解。そのじたばたとドキドキを味わう為だけでも。
 『聖黒』を先に読んでしまった私には、ハナちゃんシリーズ読んでも、RIKOシリーズを読んでも、もはや、山内が主人公としか思えない。(笑)山内には、作品の中にも外にも、その魔性の魅力にとりこまれちまった人間が山ほどいるのだ(笑)。
 さて、その山内を愛している筆頭の麻生のセリフである。
 “彼女”はどんな人か、とリコに問われて麻生が惚気るわけだよ。

『そうだなぁ……天然の、柔らかいくせっ毛なんだ。日本人にしては茶色っぽいな。朝日がさしてその髪に当たると、瞬間だけど金色に見えることもある』
『うん。睫が長くて、泣き虫なもんだから、その睫の先に大きな涙の粒が載っかってることがたまにある。それが揺れると、ころんと落ちる。』

 『ちょっと怒ったりするとすぐに耳が朱くなる。』

『抱きしめてやると、山鳩みたいな声を出す』「山鳩?」と聞き返すリコに
『そう。ククゥ、ルルルルって聞いたこと、ない?あんな感じ。』
『あとは、そうだな、酒が強いな。酔い潰されたことが何度かあるよ。その人は酔うと少し下品になるんだ。扇情的になって、すぐに脱ぎたがる。あれは悪い癖だな……』

酔って下品になって、それからどうなるの?『天使になる』

 もはや、山内練は人間ではない。山鳩みたいに喉を鳴らせる人間がいるものか。練は天使なんだ。
 練を泣かせて、睫の上に乗っかる涙の粒を(おそらく超至近距離で、おそらくは腕の中の練を)観察してる麻生め! あんたさあ。麻生さんよ。その涙は、世田谷の取り調べ室ですか?それとも、韮崎が死んだ時ですかぁ?あんた、コロンと落っこちる涙に萌えてるばあいじゃないだろうがぁぁぁ!
 ああもう。麻生の腕の中で喉を鳴らす練ちゃん。天使になる練ちゃん。きいいいいいっ(逆上)
 世の中には麻生龍太郎ファンが数多いることは知っているが、私にとっちゃ、麻生は全小説世界を横断しても、ピカイチで腹が立つ野郎だよ。だが、いや、まて!

 本当は、ここでの読者の正しい態度は「なになに、それってどんな女なの?麻生さんが惚れた女はどこの誰なの〜〜?!」だ。まさかここで、相手が練だとは思うまい。そうなのだ。そして、麻生は背が高く、ハンサムで、有能な元刑事の私立探偵なのだ。私の脳内の麻生はどっちかってーと「刑事コロンボ」さんなんだけど、そうじゃない。どこから見ても二枚目なのが麻生の役どころ。
 ああ、いったん自分の頭の中を消去して、初めから読み直したい。

 さて、ここで登場する練は、韮崎という大物ヤクザが殺されたあと、春日組の次期組長を期待され、企業舎弟の社長から、異例の抜擢で春日組の若頭に就任した、極悪ヤクザだ。だが、リコに見せる隙や、なぜかリコに聴かせてしまう昔語りや、リコに反撃されて怖い目をみるとやけに素直になっちゃったりするところは、やっぱりどうしたって可愛い。

 いつ自分がぶっ壊れても構わないかのような向こう見ずで大胆な悪行で、日夜新宿界隈の裏表を泳ぐ練ではあるが、リコも無謀・向こう見ずではひけを取らない。そんなリコはどうも練に気に入られたらしく、思わぬ昔話も聞かされたりしてしまうのだ。
 練と田村の馴れ初めなんぞも、もう、私には、涙無しには読めませんでしたが。
 刑務所で初めて男に犯された夜、ボロい毛布を口に突っ込んで声を殺して震える練を、田村が一晩中抱きしめて、背中をなでていた。・・・・・そんな昔話を、タダできかせてもらってしまったリコ、この縁はもう、切っても切れないよ。

 リコ本人については、ちょっと形容しがたい。
 生まれてこのかた自分にすり込まれた社会的性差を全部とっぱらった、全き女(そんなものが存在するとして、だが)がどういうものなのか、どうにも考えてしまう。リコみたいに、皮膚が子宮の中まで全部つながって(いや、実際つながってはいるんだけど)感覚器になってしまってるみたいなキャラ、初めてだったしな。そんなに簡単に性暴力に晒されてしまっていいのか、リコの周りの男どもの気が知れないと思う一方で、なぜそれを「ごっくん」とできるのか、赦していないけど「ごっくん」と腹に収めた、というのがどういう精神状態なんだか、どういう納得の仕方なんだか・・・・・ちょっと、素直に自分の感覚に取り込めない。ものすごく、質感というか肉感があって、魅力的なキャラではあるんだけど、同僚のバンちゃんに「私のこと守ってね」って言っちゃう感覚もよくわからない。「男に守られたい」っていう気持ちと男に互したい、っていう気持ちはリコの中では対立しないのか? リコは矛盾や葛藤を抱えまくっているし、その混沌を混沌のままマグマのように自分の中に抱え持って、かつ、1人の人格として成立しているリコに言いようのない魅力を感じるんだけど、やっぱり納得仕切れないものもあるんだよね。

 いやあ、全然ストーリーの方は頭に入ってなくて恐縮なんだけど、読了後一日経ったら、すでにあれ、この話、何の事件だったっけ?ってくらい事件そのものの印象が薄い。それだけ、練もリコも強烈。ああ早く続編、『海は灰色』を読みたい。すでに角川の電子書店ではダウンロード出来なくなっているので、近いうちに、正式に出版されるものとおおいに期待している。

2022年9月17日土曜日

0391 RIKO ‐女神の永遠‐ (角川文庫)

書 名 「RIKO ‐女神の永遠‐」 
著 者 柴田 よしき         
出 版 角川書店 1997年10月
文 庫 396ページ
初 読 2022年4月24日
ISBN-10 4043428014
ISBN-13 978-4043428014

 この間プライベートでいろいろとあったりで、細切れ読みになったり、疲労困憊して読んでる途中で意識朦朧となったりしてたので、あまり、ちゃんと感想が書けていないのが大変残念なこの本です。
 「聖なる黒夜」と表裏一体と言ってもいいようなテーマで、主人公の緑子(リコ)の性があまりにも奔放なので、ちょっと引いている自分と、自分が引っかかるからこそ、そこにリアルがある、と感じる自分がいて、読後感はかなり複雑。
 でも、まずは登場人物を整理しておかないと、わけがわからなくなりそうなので、以下。




【登場人物】
◆新宿署
 村上緑子  刑事課 警部補  
 円谷    刑事課長
 斉藤    防犯課長
 鮎川慎二  防犯課の巡査部長 緑子の恋人
 陶山麻里  交通課の婦人警官 緑子の親友
 松岡    暴対課 刑事
 坂上(バンちゃん)刑事課 刑事 緑子の部下、というか応援団
 青木(アオさん)  〃
 山本(シゲさん)  〃 巡査部長 
◆警視庁
 安藤明彦  警部  警視庁捜査一課5係
 高須義久  警部補  〃
 佐々木幸弘 捜査一課5係の緑子の元同僚
 柏木(通称コマさん) 警部 警視庁捜査一課7係 
 菅野    捜査一課長

◆被害者
 桜井和貴 17歳・・・自殺
 杉本宏幸 26歳・・・交通事故死
 清川健太 16歳 肩に薔薇の入れ墨のある少年
 鵜飼宗介・・・晴海沖で溺死体で発見 月島署に捜査本部設置
◆その他
 鈴木茉莉子 東京地検の検事
 神崎容子  緑子が取調べした殺人事件(心中未遂)の容疑者
 劉晴明   香港マフィア
 茂木鉄雄  懲戒免職になった元上野署防犯課刑事 
 
 もう、登場人物リスト作らないと、本当に頭がゴチャゴチャになる(笑)日本人の名前って苦手だ。
 警察小説だけど、本当に描いているのはジェンダー。
 香港マフィアが絡んできたところでバイオレンスの方向になるのかと思いきや、最初から最後まで女がどうやってジェンダーに立ち向かうのか、二人の女の闘い方が対照的でそれぞれに強烈だった。
 ところどころで同性目線でもよくわからないところがあったり、強烈すぎてかえってファンタジーっぽく感じるところもあるのだが、自分の中の本来の自然な女性性と、自分の周囲から求められたり、強制されたりする「女」をどう対峙させるのかっていうのは、多かれ少なかれ、ほとんどの女がそれぞれに、生きる中で対処せざるを得ない問題だと思う。自分自身も然り。
 リコは、いわばエリートの部類の刑事ではあるのだが、男女関係の陥穽に落ちて、レッテルを貼られ偏見に晒されながらも、刑事として部下も持ち、体を張って生きている。脆いのに、強くしたたかで、性的に酷い目にあっているのに奔放。このアンバランスは、小説だからこそ可能なのかもしれないが。
 男社会で縦社会で男尊女卑の縮図のような警察組織(初出は平成9年。25年前とは!今もって新しいと感じるのは、四半世紀すぎても世の中があまり変わっていないからなのか、女性の職業進出や、制度的な発展はあっても、精神的にはあまり変化がないようにも思えるのだが?そういえば今は「婦警さん」って言わないかも。)が捧げもつ正体不明な「社会正義」の犠牲にされるのはのは、組織の外にも中にもいて、リコは「中」、「聖なる黒夜」の山内練は「外」。練とリコは男と女の違いはあれど、表裏ともいえる同類項だ。

 正直、私はぶっちゃけ緑子が高須にアレを口移しした、アレさえなければ大丈夫なんだけど。アレは気持ち悪すぎてダメだった(笑)。もしアレやったのが自分だったら(←いや、そんなこと考えるなって(笑))、絶対アレの代わりにゲ◯を口移しすることになるのは必至。(汚い話題でゴメンな。)
 リコは、「男が許されるものなら、女にだって許されるべき」って思考なんだけど、私は「女がされて嫌なことは、男にもするべきではない」のでは?とか思っちゃって、そういう意味でもリコが高須を精神的にレイプしたのはどうなん?って考えたりもする。でも、高須にとっては、ものすごい気づきになったみたいだけど。
 結局上下関係を明確にすることで安定する群れ社会の男にとっては、君臨するのでなければ、服従になってしまうのか。高須は、リコの弾除けになる覚悟まで持っていて、けっこう格好良い奴だったりするので、リコとの関係がどんなふうに落ち着くのかも、ちょっと気になるのだけどな。リコの子がこの先、高須そっくりなハンサムに育ちそうな気がするし。(だって、ゴムつけてなかったのこいつじゃん?) それに、リコと明彦はこの後フィフティの関係を築いていけるのか、そんなことも気になる。明彦さん、けっこう龍太郎と似てるような気がしているのだよね。龍太郎は私の中では「ダメな奴」認定されているのだ。
 

2022年4月21日木曜日

0340 聖なる黒夜 下(角川文庫)

書 名 「聖なる黒夜 下」
著 者 柴田よしき       
出 版 角川書店 2006年10月
文 庫 591ページ
初 読 2022年4月17日
ISBN-10 404342809X
ISBN-13 978-4043428090

 練が愛おしい。とにかく、愛おしい。むねを掻きむしりたくなるくらいに。そして麻生がウザいのだ。なんだよこのナルシストめ!そして、麻生も及川も、麻生の同期の山背も、どいつもこいつも話しすぎだ。いい年した男どもがぺらぺらペラペラと紙が燃えるみたいにしゃべりやがって、「沈黙は金」ってのを知らねえのかよ!・・・・と、つい練ちゃんみたいなべらんめえ調になる。出てくる男どもがどうにもお喋りで、女々しくて、いやなの〜!基本黙って行動する練ちゃん意外、全員ウザい!!!・・・・でも、面白かったです。滅法面白かったです。当然、RIKOシリーズも、私立探偵、も所轄刑事も、園長探偵も読みますとも。

 しゃべりすぎ、ってのは脇に置いておいて、ラストで麻生と及川が協力して練を追う、この疾走感は良い。なんだかんだで、及川も良い奴なんだよなあ。なんで練ちゃんも及川もあんなのに惚れるんだろうなあ。そして、最後に韮崎の復讐を遂げようとする練が、犯人の女に示す優しさで、また、胸が締め付けられる。練の悲劇、不安定さ、情の深さ、能力の高さ、鋭利な感性、極めつけの不運。人間の人生が、崩れるなんてほんのちいさなきっかけがあればよい。そして墜ちた人間であっても、人間である以上、もがいて生きつづけようとし、その足掻きがさらに、周囲に波紋を及ぼさずにはいられない。
 ストーリー的には、偶然に偶然が重なり、出来すぎと感じないでもない。でも良い。練に出会えたのだから。

時系列(全体)
 1985年夏    世田谷事件(練が麻生に逮捕される。)
 1986年4月  練・府中刑務所で服役中
 1986年7月    〃
 1986年10月   覚醒剤中毒者による小学生刺殺事件
 1987年4月  練・仮釈放
 1987年8月  練・武蔵小金井の保護司の元を飛び出して新宿に。
 1988年     田村出所

 1989年2月15日早朝  鉄道自殺を試みた練が韮崎に拾われる。
 1989年2月15日早朝  同日、調子が悪かったため韮崎が乗り捨てた車を運転した部下が飛び
        出してきた赤ん坊(真子)を抱いた母親(望月路子)をはねる。

 1989年5月    韮崎の弁護士が交通事故の示談工作。
 1989年7月    覚醒剤中毒の男に子どもを殺された女が、武藤と韮崎が同席していたところを
        拳銃で襲う事件発生。
 1989年9月    練は韮崎の住まいに居候している。
 1989年9月       北村が殺害される。
 1992年    北村の納骨
 1995年10月     韮崎がホテルで他殺体で発見される。

登場人物(上巻)
麻生龍太郎 本庁捜査一課(殺人課)の警部。妻に逃げられたヤモメ男。
及川純   本庁捜査四課(対暴課)の警部 麻生の大学時代(剣道部)の先輩。
      オシャレで潔癖症のゲイ。
宮島静香  麻生の部下。捜査一課の紅一点。 
山背(山さん)   麻生の部下 、主任。
相川    麻生の部下 
山下    麻生の部下 
有田(キンちゃん) 麻生の部下 
茂田(シゲ) 麻生の部下
榎本一郎  現・町田署捜査二課長。元世田谷署。 
川口孝吉  現・柴又署捜査一課長。麻生の以前の同僚。
 
韮崎誠一  被害者 ヤクザ 関東連合春日組のNo.2。
山内 練  韮崎の恋人、兼 企業舎弟(パートナー) イースト興業社長。
      東工大の元大学院生で修士課程修了間際の頃、婦女暴行と強姦未遂で麻生に
      逮捕された。
      一度は自供したものの、裁判で無罪を主張し、有罪・実刑判決となった。
      その後、底辺を這うような経緯ののち、鉄道自殺しようとしたところを 
      韮崎に助けられる。
長谷川環  練の秘書。
金村皐月(芸名 久遠さつき) 元ジャズシンガー 韮崎の女No.1 
      一時期、韮崎から練を預かっていた。
野添奈美  内科の開業医 韮崎の女No.2
皆川幸子(芸名 篠原ゆき)  元アイドル歌手 韮崎の女No.3
      恋人がいて、韮崎が殺されたホテルで愛人と密会していた。
生田咲子  元アイドル歌手 韮崎の女No.4
      韮崎とホテルにチェックインした女。
江川達也  韮崎の男娼。東中野で囲われていた。

塚原富子  代々木五丁目あたりの下町のおばちゃん。
望月路子  赤ん坊(真子)を韮崎に轢き殺された女性。韮崎に裁判を仕掛けていた。
      夫の死後、保険金を持って行方がしれなくなった。
高山春子  新宿のデパートのブティックの店員。(=望月路子)
須山知美  高山春子が務めるブティックの店長

新藤洋次郎 高安法律事務所弁護士。春日組側

藤浦勝人  練の世田谷事件の際の国選弁護人
香田雛子  練の姉 
田村             練の府中刑務所での同房  武藤組
北村    同上 湯川組若頭(春日組と対立)、稲村芸能オーナー、韮崎に殺された 
伊藤、尾花、井野、宮田、高岡  練の府中刑務所での同房 
諏訪    春日組若頭 組長春日の娘婿

岩下圭吾  練の従兄弟 

登場人物(下巻追加)

神田陽子  北村の娘。准看護師 
黒田百合  ススキノのソープ嬢。江川達也の元ガールフレンド 
井野美雪  新宿署捜査一課の新人刑事 
植田陽介  神崎組のナンバー3
川上    韮崎の子分。
瀬尾良恵  覚醒剤中毒の男に小学生の娘を殺されて、復讐にでた女性。
梶原    警視庁捜査二課の刑事。麻生の同期
小山内槙  麻生の恋人。
槙原要介  瀬尾良恵の娘と一緒に犠牲になった小学生