著 者 ギャビン・ライアル
翻訳者 鈴木 恵
出 版 早川書房 2016年4月
初 読 2018/06/09
やや軽い文章だが、軽妙な会話と小洒落た表現が小気味良い。旧訳も読んでみたい。
鉄の肺とか若い人には分からないかもしれない。
最後のハーヴィーへの仕打ちなど、少し理屈っぽい所もあるが、ケインはいい男だ。
彼女の所に戻って幸せになってほしいと切に思う。1960年代、要塞がボタン一つで破壊出来る時代になっても大戦時のレジスタンスの戦い方を引きずる男達。結局利用されて殺し合いをさせられて、苦い思いを噛みしめながらも、戦争が残した呪縛からは逃れられない。この不器用さと諦観と、情のあつさにこっちも胸が熱くなる。
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