2016年11月14日月曜日

0006-7 パードレはそこにいる上・下

書 名 「パードレはそこにいる 上」「パードレはそこにいる 下」 
著 者 サンドローネ・ダツィエーリ
翻訳者 清水 由貴子 
出 版 早川書房 2016年9月



 イタリア警察ものを読むのは初めて。捜査と治安警察?なのかな、警察機構が二重になっていたり、大卒者はみな「ドクター」敬称だったり、これまで知らなかったイタリアのあれこれも不思議に思いつつ、引き込まれて一気に読了した。かつての幼児誘拐と監禁、虐待の被害者であるダンテと、テロの犠牲となった女性警官が、あらたに起こった幼児誘拐事件を追っていく。どこか身近に「パードレ」がいる。イタリア警察小説を読むのは初めてだけど、主人公を痛めつけるのに容赦ない。途中で突然大きくなる風呂敷。その後一気に畳みに来る怒涛の終盤。イヤなヤツが良い奴に転じる爽快感。惜しむらくはパードレが誰か途中で気づいちゃったこと。そして衝撃の最後の一行。ツライ。これで終わるのは辛すぎる。せめて最後はもっとCCとダンテに甘くイチャイチャして欲しかった。何はともあれ、面白かった。