著 者 柴田 よしき
出 版 講談社 2014年12月
(単行本初版 2007年9月)文 庫 560ページ
初 読 2022年10月7日
ISBN-10 4062767503
ISBN-13 978-4062767507
短編集かと思いきや、2からは短編連作っぽい作りになってる。
赤ん坊はなぜ、そこに捨てられたのか。
捨てたのは誰なのか。
「子供はみんな幸せであるべきだ。子供たちを幸せにすることができないのなら、俺たち大人なんて、生きてる価値なんかない。」その通りだね。ハナちゃん。そして子ども時代が幸せなら、大抵の大人は大人になってからも幸せになれるはず。・・・なんて書いてから、練のことを思い出して「そうでもないか・・・」と思ってしまったよ。
悲しい・・・・・
1. ブルーライトヨコハマ
ハリウッドセレブとなった日本人女性からの、奇妙な依頼。呪いの藁人形の持ち主だった当時の少年の捜索。
しかし依頼は依頼。一枚の古い写真から、当時高校生だった男子学生の学校を割り出し、卒業アルバムから本人を特定し、昔の住まいを訪ね、地道に情報を集める探偵ハナちゃん。今回は危険もなく、ぽっと胸が温かくなるラストも良い。
2.アカシアの雨
アカシアの雨からは短編連作。ハナちゃんの保育園があるビルと、その隣のビルのわずか20センチくらいの隙間に捨てられた生後間もない赤ん坊。
そして、城島のもの凄く美人な姪っ子から舞い込んだ意外性のある依頼・オカメインコの捜索。
赤ん坊は無事保護されたが、ハナちゃんは赤ん坊を捨てたのが誰か、気になってしかたない。赤ん坊を捨てたのは子どもだったらしい。もし、その子が赤ん坊の母だったら?その子は、今どうしているのだろう?
おまけにハナちゃんは美人のオカメインコの飼い主の言動にただならぬものを感じてしまう。オカメインコの居所は掴んだが、はたして、その美人の飼い主を救うことはできるのか?
3.プレイバックPART3
新宿の靴磨きカンちゃんの災難。 赤ん坊を捨てた人物はいまだ判らず。ゲームセンターの女の子は誰?
カンちゃんのパートナーの巨体のミヤさんがとても素敵。まさかの偶然で、カンちゃんに怪我させた女の子と、子連れの売春婦と、捨て子の赤ん坊がつながって。
あまりにも理不尽な世の中に、ハナちゃんは涙する。
4.骨まで愛して
ここに至って新たな依頼が2件も! 一件は恋人から、「お骨を探してほしい」との奇妙な依頼。もう一件はなんとカネゴンこと美形の女顔の広域指定暴力団の若頭から。渋谷で練に捕獲されて、連れて行かれたのは大久保の老舗の組事務所。そこにいた組長の正体にハナちゃんは驚愕。赤ちゃん—赤ちゃんを捨てた少年—赤ちゃんを産んだ女・・・・とただただ金にもならぬ人助けをしただけなのに、結局練に理不尽に絡まれて、やらされた仕事は、後腐れ無く使える鉄砲玉のスカウトとは。ハナちゃんの無念が忍ばれる。
5.エピローグ
そして麻生登場。マックでマヨネーズ垂らしながらバーガー喰ってただけだけど。
なんとなくくたびれた中年男になっている龍太郎は、元々私のイメージ通りではあるのだが、直前に読んでいたRIKOシリーズでは足の長いハンサム男だったりするので、ちょっと自分の中のイメージにはブレが生じる。
ハナちゃんは捜査一課の元名刑事とは面識がないらしい。麻生の方はどうなのかな?かつて同僚を射殺して警察を去った、暴対の刑事の顔は知らないのだろうか。麻生が頑固な分、元刑事のハナちゃんが身代わりで練にもてあそばれて、割を食っているような気がしてならんのだけど。
あと、練がハナちゃんより年上って、やっぱりハナちゃんの勘違いじゃあないのかな?
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