著 者 ジェフリー・ディーヴァー
翻訳者 池田真紀子氏
出 版 文春文庫 2007年11月
初 読 2018/04/28
今作は、中国人不法移民と蛇頭の暗殺者が相手。
中国人コミュニティの独特な雰囲気はきっと日本の華僑社会にも相通じるんだろうなあ、と思いながら読む。中国の文化や中国人のモノの考え方が分かって面白い。まったく真新しいというものでもないけど。
ちょっと蛇頭が移民船に同乗した流れがストーリーとして弱いかな、と思ったのだけど、ディーバーの場合、こういうちょっとした違和感は実は伏線やら引っかけの場合が多いからな。下巻への引きは相変わらず天下一品。こんな終わり方をされたら、続きは明日読もう、とか無理!
リーがどんどん危険に近づいていくところが心臓に悪い。あああ良い奴だったのに。
最初から怪しいと思っていた奴がやっぱりだけど、あれ、こんなにページ残ってるのにいいの?まだ5分の1はあるぞ。いやこれはまだ一回や二回はひっくり返されるぞ、と大いに警戒する(笑)。
まだあるぞ。くるぞくるぞ〜。。。。。いやいや、これ以上のネタバレはすまい。
ディーヴァーにしては思いの外、ストレートな筋立てだったと思った。大どんでん返しというよりは、この前読んだ短編集みたいな小技が効いていた。最初の違和感がやっぱりだった。少し、ディーヴァーになれて来たような気がして嬉しい。