原 題 「Knots and Crosses」1987年
著 者 イアン・ランキン
翻訳者 延原 泰子
出 版 早川書房 2005年4月
初 読 2018/02/16
陸軍から特殊空挺部隊SASに志願し、特殊任務への選抜の過程で課された過酷な訓練で精神的傷を負って軍を去った過去を持つ。
心の傷には蓋をして、フラッシュバックに悩まされながらも有能な刑事として生きている。他人に心を開けない一匹狼。離婚歴があり、現在は、一人娘は別れた妻と暮らし、自分は未読本と酒と煙草を友に、かつては家族で住んだフラットに一人で暮らす。かなりやさぐれているのはやむを得まい。
そんなリーバスの過去をえぐるような事件が発生。狙われたのはリーバスの娘のサミーだった。
相当好みなキャラクターに間違いないんだが、仕事が超多忙で細切れ読みになってしまったせいか、はたまた訳に馴染んでないせいか、どうしても物語にのめり込めない。ともあれ全巻読み通す所存。
リーバスの受けた選抜テストが対IRAを想定しているあたりが、時代とお国柄を感じさせられた。ボッシュやコール&パイクは生育過程の傷つきのほうが重大だったが、リーバスは軍隊経験によるPTSDが相当深刻。骨太な性格ではあるが、ナイーブな精神の持ち主でもあるリーバス、娘を思って声を殺して泣くシーンはモロ好み。私は泣く男には弱い。
気になった翻訳。「タイマ」ってなんだよ〜。なぜ大麻と書かないんだ。
「じゃあ、なにをしようか」些細なことなんだけど、どうしても情景と台詞回しがぴたっと来なくて、むずむずする。
「こんちは、ミスター・モートン」・・・こんちは!こんちは!!何ですか、その言葉使いは!「こんにちは」と仰い!と叱りたくなった。
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