さらにル=グウィンと作風が似てるよな、と思って手を出した萩尾望都にハマり、人生何回目かのブーム再来となる。正直ル=グウィンよりも萩尾望都の方がストーリーテラーの才能がある、と思う今日この頃でもある。萩尾望都の作品を探す過程で、ついうっかり秋里和国なんかも発見してしまったり、気にいっていたBLが書籍化されたので再購入したり、そんなことしてるから、Amazonから積極的にBL本を薦められるようになっちゃって、別のBL本に手をだしたり。
認知症の母は、大人の階段を上りつつあるので、こちらも要注意。読書だけにうつつを抜かすわけにもいかないが、自宅の書棚が溢れたので、段ボール箱4箱ほど、実家に送付。週に3日も実家に通う状況では、正直どちらに本が置いてあっても大差はない。この際、実家に自分用の書き物机と書棚も置こうかと思っている。なんならモニターも。そろそろ、介護テレワークも検討しないと。というか環境整備しないと。
6月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:7178
ナイス数:968
辺境の惑星 (ハヤカワ文庫SF)の感想
SF小説のカテゴリーなんだけど「空想科学」の「科学」の部分は薄い。遠未来の正に辺境の惑星。植民したものの忘れ去られ、原始共産制社会から中世くらいのどこかの発達段階の現地民族の文化レベルに同化せざるをえなかった入植者と現住民の文化の衝突。そして氷河期レベルの冬の到来で、もう一つの原住民族の民族大移動に蹂躙される危機の中で、原住民と入植者のコロニーが手を結ぼうとするが。内容はほぼfolklore。ル=グウィンのSFはFF=folklore fantasy?fiction?ってカテゴライズの方が合ってるような。
読了日:06月07日 著者:アーシュラ K ル グィン
獅子帝の宦官長〈完全版〉 (エクレアノベルス)の感想
先日、Kindleアンリミで1巻目を、分冊版で2巻目を読んだこのお話。なんと合本して一冊として紙書籍化されたので、入手した。ちょっと本棚に並べておくのが恥ずかしいんだけど、今更恥じらっても仕方あるまいな。エロが濃い官能小説ながら、やっぱりイルハリムが清純で可愛らしい(とはいえ三十路なんだけど)。〇十年前の昔、"やおい”の黎明期を覗き見した身には、このジャンルも成熟したもんだ、と年寄りっぽい感慨を感じる。
読了日:06月27日 著者:ごいち
捨てられ公爵夫人は、平穏な生活をお望みのようです2の感想
「なろう」ですでに通読済みなので、さくっと読了登録。2巻はノーフォーク農法の取り入れの思案からはじまり、メルフィーナ誘拐からの農奴というなの窮民救済、火鉢の導入と冬支度、セルレイネの寄宿、ソーセージとベーコンとハム製造、そして砂糖の製造着手まで。相変わらずマニアックで面白い。そして美味そうです。ブレないメルフィーナにすこしづつ絆されていく公爵様が個人的には密か(でもない)見所。巻末の参考文献も密かな読みどころ。著者さん、よく勉強してるな〜。
読了日:06月22日 著者:カレヤタミエ
竜王の婚姻 竜の頂と導く者 (下) (エクレアノベルス)の感想
なるほど、あれほどのボリュームの上巻がアンリミであるわけだ。結構なお値段の下巻である。だけど先が気になり読まずにはいられない。とにかくアレコレあって、物語はどんどん、どんどん破局に向かってなだれていく。最愛の男は絶命し、竜王すら死に瀕し、八方塞がるなかでの唯一の望みとなるのは自分の命のみ。死を選ぶことで、世界の命運は繋ぎ止められるかもしれない。主人公が潔すぎる。ファンタジー世界だからこそ可能な、現代社会が惑う様々な社会問題のごった煮の中で、子供を愛し、人を愛する主人公の芯が物語の背骨になって、この無骨な→
読了日:06月22日 著者:佐伊
竜王の婚姻 黄金の獅子と白銀の狼 (上) (エクレアノベルス)の感想
Kindle版をAmazonにオススメされ、アンリミだったので好奇心でクリックしたのが運の尽き?(いやそれは著者に失礼な!)。よくある異世界BLで竜に嫁した不遇な主人公が溺愛される系だろうとの安易な予測を見事に裏切る、超骨太大河だった。本は厚いは、内容は重いわ、先は気になるわで、ついついの駆け足飛ばし読みになってしまった。(これまた著者に失礼な!)。オメガバースとちょっと似た、惹香嚢という発情期に強烈なフェロモンを発する子宮類似器官を持つ人間と獣人王の婚姻に端を発する物語だが、主人公は全然愛されないまま→
読了日:06月22日 著者:佐伊
青のメソポタミア(2)の感想
連載当時、ところどころは読んでいたのに、ついに通読できなかった『青のメソポタミア』。ふと思い出して検索したら入手できたのでやっと読了。メソポタミア文明に絡めたSF。星間宇宙船のデザインがちょっと楽しい。武器とかのガジェットはごくあっさり。この将校と感情を持たない補佐官の関係って、こう、SFの定番って感じがするけど、好きなものには違いない。
読了日:06月25日 著者:秋里 和国
TOMOI (1) (プチフラワーコミックス)の感想
1987年初版。およそ40年ぶりの再読か?『眠れる森の美男』のドクター友井は、年上の男と切ない別れの後、本気の恋をする。そしてその恋人を衝撃的な事件で喪ったあとの、アフガニスタン、野戦病院。『神様。もう死んでも良いですか』 さらりとした描きっぷりだけど、トモイの絶望が哀しい。
読了日:06月22日 著者:秋里 和国
眠れる森の美男 (1) (プチフラワーコミックス)の感想
再読。1986年初版。懐かしい。間違いなく初版を読んでいた。日本語の別れの言葉を聞かれて「愛していたよ」と教える。「愛していたよ」「愛していたよ」と言い合って別れる。"アメリカのホモの間で奇病が流行している"という、初期のエイズの噂が日本に入ってきてまださほど時間が経っていない頃の作品でもある。こういう時代が確かにあって、今がある、とやや感慨深くもある。ドーナツの穴は真理。そーいや、この作品であった。
読了日:06月21日 著者:秋里 和国
青い鳥 (プチフラワーコミックス)の感想
萩尾望都のバレエパレットロマンシリーズ。全部収獲済みと思っていたが、一冊忘れてた。とは言え再読・再入手だった。バレエシリーズの中ではこれが一番好きかも。踊るという一事に傑出ていても、どこか不器用な踊り手達の恋の舞踏。夢のようなバレエの世界がよく似合う。表紙も美しい。おしゃべりじゃないロブが好きだ(笑)空港でぶっ飛んでくる海賊も好き。この目で目撃したい♪自分に向かってぶっ飛んで来てほしいわけでは断じてない。
読了日:06月21日 著者:萩尾 望都
半神 自選短編作品集 萩尾望都Perfect Selection 9 (フラワーコミックススペシャル)の感想
『イグアナの娘』を再読したくて入手。萩尾望都自選の短編集だけあって、珠玉の短編揃いである。表題作の『半身』『偽王』『天使の擬態』etc.ほとんどはもともと手元にあった萩尾望都作品集の第二期に収録されているが、この本は紙面が大きく、新鮮な気分で読了。とくに今回は『学校に行くクスリ』がとても良かった。イメージの力がスゴイ。親子関係がしんどい作品が多い。こうやって描きながら、少しずつ昇華させていったんだろうな、モトさん。。。。
読了日:06月10日 著者:萩尾望都
バルバラ異界 (4) (フラワーコミックス)の感想
一気に読了。・・・・でも感想書けない。まだ脳が溺れてる。ディディールは『銀の三角』に少し似てる?銀の三角では、結び目が解けて夢として実在したものは消滅してしまったけど、バルバラでは夢が実在に転じた?渡会の人類の過去から未来まで包含する無意識界に響き渡る強い願望と、太古の火星の生命から遺伝子の鎖にのって引き継いだ夢に干渉する力が共鳴して、未来を造り変えた?4巻の途中、話がいったんエズレに収束したときに、あれ?こんな?って思ったけど、その後ラストまでの暴走のような怒濤のような巻き返しが凄かった。傑作だと思う。
読了日:06月15日 著者:萩尾望都
バルバラ異界 (2) (フラワーコミックス)の感想
更に人物もエピソードも増え、脳内が大氾濫。北海道の研究所も大洪水。渡会さんがバルバラの世界に受け入れられているのが、なんだかすごい。タカはキリヤなのか? 火星はいったいどのように物語に絡むんだろう。スターレッドも読み返さないと。。。
読了日:06月15日 著者:萩尾望都
バルバラ異界 (1) (フラワーコミックス)の感想
文庫本で読もうとして、紙面のあまりの情報量の多さに、小さい本で読むのを断念した。あらためて、Kindle版を入手して読んだが、登録は紙本の方で。(いずれ入手するので!!)登場人物の多さと複雑さで脳が溺れそう。ちょっと最初に戻ってメモ作ります。バルバラというキーワードでつながってくる。出だしがあまりにも幸せなメルヘンだったので、その後のスプラッタがきつい。これから先、どう話がまとまっていくのか、想像もつかない。モトさん、凄い話書いてるな。
読了日:06月14日 著者:萩尾望都
メッセージ (小学館文庫 はA 47)の感想
Anywhere But Here シリーズ文庫本2冊目。重〜い『メッセージ』3作でスタートするが、浦島舞ちゃんのお話がなかなか良い。この話はヨハネ視点だったらどうなるんだろう? でも一番心にしっとりくるのは小説家生方さんと洋宇子奥様の話。キャピキャピ(死語?)の大学生より年齢的にも移入し易し。良かったのは『夜の河を渡る』小説家宇佐見先生創作の苦悩。イメージの世界が珠玉。そしてラストのシマウマ母子に心を撃ち抜かれた。モトさんの才能を、改めて見た!
読了日:06月11日 著者:萩尾 望都
山へ行く (小学館文庫 はA 46)の感想
小説家の生方さんとその周辺のちょっと日常や常識からズレちゃった、不思議で、哀しかったり妖しかったり、複雑怪奇だったりする人間関係についての短編連作です。『山へ行く』ではなく山へ行けない話。羽が生えた親子のパタパタの話。病気で死んでしまったお母さんが忘れられない息子。幼くして亡くなった実弟が忘れられない兄。口にすることはできなかった感情。別れた好いた男、再婚した男女・・・・残された者にも、幸せになれなかった者にも、それぞれの事情はあって。だけど大切な気持ちや人は忘れなくていい。そんな珠玉の話たち。
読了日:06月01日 著者:萩尾 望都
マージナル (3) (小学館文庫 はA 16)の感想
都市の社会秩序の破壊を目論む砂漠の男たちはキラ、アシジン、グリンジャを巻き込み、滅亡の時を待つ滅びた都市からの巡礼者、超能力者、やむにやまれず関わった者、自ら飛び込んだもの、それぞれの思惑や人生を複雑に絡めとりつつ、事態は破局に向かう。そしてカタルシス。キラの魂は病んだ地球の魂と呼応して、地球の命の復活の兆しとなる。もう一人のキラはこれから命を育んでいくのか。物語は螺旋を描いて、また砂漠の岩屋に戻った。ナースタースとメイヤードの愛は切なく、アシジンはあくまでも単純で健康的。虚無にはなりきれないグリンジャ。
読了日:06月08日 著者:萩尾 望都
マージナル (2) (小学館文庫 はA 15)の感想
2300年、地球上の水全てが細菌に汚染されて、"D因子”に感染した女性は不妊となり死に絶えた。抗体はY遺伝子に乗り、男性は抵抗力を獲得して生き延びることが可能になったが、地上に女性はいなくなった。”カンパニー”は地球上にドーム都市”センター”を作り、人口受精により作られた子供を市民に供給する。生みの母の象徴として、各都市に一人の”マザ”が置かれ、かくて地球上には一人の母と大勢の息子というミツバチのような社会が半ば自然発生的に、半ば人工的に誕生した。地球上は壮大な生と進化の実験場と化していた。という
読了日:06月08日 著者:萩尾 望都
マージナル (1) (小学館文庫 はA 14)の感想
かつて、連載を追いかけ、単行本も持っていたのだけど。今回は文庫で再入手。うん。このSFと砂漠の遊牧民族の感じは、ル=グウィンをさらにクオリティを上げたような感じ。1巻目では、西暦2999年ということは判るが、この地球に何が起こって、一人のマザと短命な男だけの世界になっているのかの謎は明かされず。何しろ、絵が繊細で美しい。最初は真っ白だったキラがだんだん、自我を持っていく感じが良い。
読了日:06月03日 著者:萩尾 望都
読んだページ数:7178
ナイス数:968

SF小説のカテゴリーなんだけど「空想科学」の「科学」の部分は薄い。遠未来の正に辺境の惑星。植民したものの忘れ去られ、原始共産制社会から中世くらいのどこかの発達段階の現地民族の文化レベルに同化せざるをえなかった入植者と現住民の文化の衝突。そして氷河期レベルの冬の到来で、もう一つの原住民族の民族大移動に蹂躙される危機の中で、原住民と入植者のコロニーが手を結ぼうとするが。内容はほぼfolklore。ル=グウィンのSFはFF=folklore fantasy?fiction?ってカテゴライズの方が合ってるような。
読了日:06月07日 著者:アーシュラ K ル グィン

先日、Kindleアンリミで1巻目を、分冊版で2巻目を読んだこのお話。なんと合本して一冊として紙書籍化されたので、入手した。ちょっと本棚に並べておくのが恥ずかしいんだけど、今更恥じらっても仕方あるまいな。エロが濃い官能小説ながら、やっぱりイルハリムが清純で可愛らしい(とはいえ三十路なんだけど)。〇十年前の昔、"やおい”の黎明期を覗き見した身には、このジャンルも成熟したもんだ、と年寄りっぽい感慨を感じる。
読了日:06月27日 著者:ごいち

「なろう」ですでに通読済みなので、さくっと読了登録。2巻はノーフォーク農法の取り入れの思案からはじまり、メルフィーナ誘拐からの農奴というなの窮民救済、火鉢の導入と冬支度、セルレイネの寄宿、ソーセージとベーコンとハム製造、そして砂糖の製造着手まで。相変わらずマニアックで面白い。そして美味そうです。ブレないメルフィーナにすこしづつ絆されていく公爵様が個人的には密か(でもない)見所。巻末の参考文献も密かな読みどころ。著者さん、よく勉強してるな〜。
読了日:06月22日 著者:カレヤタミエ

なるほど、あれほどのボリュームの上巻がアンリミであるわけだ。結構なお値段の下巻である。だけど先が気になり読まずにはいられない。とにかくアレコレあって、物語はどんどん、どんどん破局に向かってなだれていく。最愛の男は絶命し、竜王すら死に瀕し、八方塞がるなかでの唯一の望みとなるのは自分の命のみ。死を選ぶことで、世界の命運は繋ぎ止められるかもしれない。主人公が潔すぎる。ファンタジー世界だからこそ可能な、現代社会が惑う様々な社会問題のごった煮の中で、子供を愛し、人を愛する主人公の芯が物語の背骨になって、この無骨な→
読了日:06月22日 著者:佐伊

Kindle版をAmazonにオススメされ、アンリミだったので好奇心でクリックしたのが運の尽き?(いやそれは著者に失礼な!)。よくある異世界BLで竜に嫁した不遇な主人公が溺愛される系だろうとの安易な予測を見事に裏切る、超骨太大河だった。本は厚いは、内容は重いわ、先は気になるわで、ついついの駆け足飛ばし読みになってしまった。(これまた著者に失礼な!)。オメガバースとちょっと似た、惹香嚢という発情期に強烈なフェロモンを発する子宮類似器官を持つ人間と獣人王の婚姻に端を発する物語だが、主人公は全然愛されないまま→
読了日:06月22日 著者:佐伊

連載当時、ところどころは読んでいたのに、ついに通読できなかった『青のメソポタミア』。ふと思い出して検索したら入手できたのでやっと読了。メソポタミア文明に絡めたSF。星間宇宙船のデザインがちょっと楽しい。武器とかのガジェットはごくあっさり。この将校と感情を持たない補佐官の関係って、こう、SFの定番って感じがするけど、好きなものには違いない。
読了日:06月25日 著者:秋里 和国

1987年初版。およそ40年ぶりの再読か?『眠れる森の美男』のドクター友井は、年上の男と切ない別れの後、本気の恋をする。そしてその恋人を衝撃的な事件で喪ったあとの、アフガニスタン、野戦病院。『神様。もう死んでも良いですか』 さらりとした描きっぷりだけど、トモイの絶望が哀しい。
読了日:06月22日 著者:秋里 和国

再読。1986年初版。懐かしい。間違いなく初版を読んでいた。日本語の別れの言葉を聞かれて「愛していたよ」と教える。「愛していたよ」「愛していたよ」と言い合って別れる。"アメリカのホモの間で奇病が流行している"という、初期のエイズの噂が日本に入ってきてまださほど時間が経っていない頃の作品でもある。こういう時代が確かにあって、今がある、とやや感慨深くもある。ドーナツの穴は真理。そーいや、この作品であった。
読了日:06月21日 著者:秋里 和国

萩尾望都のバレエパレットロマンシリーズ。全部収獲済みと思っていたが、一冊忘れてた。とは言え再読・再入手だった。バレエシリーズの中ではこれが一番好きかも。踊るという一事に傑出ていても、どこか不器用な踊り手達の恋の舞踏。夢のようなバレエの世界がよく似合う。表紙も美しい。おしゃべりじゃないロブが好きだ(笑)空港でぶっ飛んでくる海賊も好き。この目で目撃したい♪自分に向かってぶっ飛んで来てほしいわけでは断じてない。
読了日:06月21日 著者:萩尾 望都

『イグアナの娘』を再読したくて入手。萩尾望都自選の短編集だけあって、珠玉の短編揃いである。表題作の『半身』『偽王』『天使の擬態』etc.ほとんどはもともと手元にあった萩尾望都作品集の第二期に収録されているが、この本は紙面が大きく、新鮮な気分で読了。とくに今回は『学校に行くクスリ』がとても良かった。イメージの力がスゴイ。親子関係がしんどい作品が多い。こうやって描きながら、少しずつ昇華させていったんだろうな、モトさん。。。。
読了日:06月10日 著者:萩尾望都

一気に読了。・・・・でも感想書けない。まだ脳が溺れてる。ディディールは『銀の三角』に少し似てる?銀の三角では、結び目が解けて夢として実在したものは消滅してしまったけど、バルバラでは夢が実在に転じた?渡会の人類の過去から未来まで包含する無意識界に響き渡る強い願望と、太古の火星の生命から遺伝子の鎖にのって引き継いだ夢に干渉する力が共鳴して、未来を造り変えた?4巻の途中、話がいったんエズレに収束したときに、あれ?こんな?って思ったけど、その後ラストまでの暴走のような怒濤のような巻き返しが凄かった。傑作だと思う。
読了日:06月15日 著者:萩尾望都

更に人物もエピソードも増え、脳内が大氾濫。北海道の研究所も大洪水。渡会さんがバルバラの世界に受け入れられているのが、なんだかすごい。タカはキリヤなのか? 火星はいったいどのように物語に絡むんだろう。スターレッドも読み返さないと。。。
読了日:06月15日 著者:萩尾望都

文庫本で読もうとして、紙面のあまりの情報量の多さに、小さい本で読むのを断念した。あらためて、Kindle版を入手して読んだが、登録は紙本の方で。(いずれ入手するので!!)登場人物の多さと複雑さで脳が溺れそう。ちょっと最初に戻ってメモ作ります。バルバラというキーワードでつながってくる。出だしがあまりにも幸せなメルヘンだったので、その後のスプラッタがきつい。これから先、どう話がまとまっていくのか、想像もつかない。モトさん、凄い話書いてるな。
読了日:06月14日 著者:萩尾望都

Anywhere But Here シリーズ文庫本2冊目。重〜い『メッセージ』3作でスタートするが、浦島舞ちゃんのお話がなかなか良い。この話はヨハネ視点だったらどうなるんだろう? でも一番心にしっとりくるのは小説家生方さんと洋宇子奥様の話。キャピキャピ(死語?)の大学生より年齢的にも移入し易し。良かったのは『夜の河を渡る』小説家宇佐見先生創作の苦悩。イメージの世界が珠玉。そしてラストのシマウマ母子に心を撃ち抜かれた。モトさんの才能を、改めて見た!
読了日:06月11日 著者:萩尾 望都

小説家の生方さんとその周辺のちょっと日常や常識からズレちゃった、不思議で、哀しかったり妖しかったり、複雑怪奇だったりする人間関係についての短編連作です。『山へ行く』ではなく山へ行けない話。羽が生えた親子のパタパタの話。病気で死んでしまったお母さんが忘れられない息子。幼くして亡くなった実弟が忘れられない兄。口にすることはできなかった感情。別れた好いた男、再婚した男女・・・・残された者にも、幸せになれなかった者にも、それぞれの事情はあって。だけど大切な気持ちや人は忘れなくていい。そんな珠玉の話たち。
読了日:06月01日 著者:萩尾 望都

都市の社会秩序の破壊を目論む砂漠の男たちはキラ、アシジン、グリンジャを巻き込み、滅亡の時を待つ滅びた都市からの巡礼者、超能力者、やむにやまれず関わった者、自ら飛び込んだもの、それぞれの思惑や人生を複雑に絡めとりつつ、事態は破局に向かう。そしてカタルシス。キラの魂は病んだ地球の魂と呼応して、地球の命の復活の兆しとなる。もう一人のキラはこれから命を育んでいくのか。物語は螺旋を描いて、また砂漠の岩屋に戻った。ナースタースとメイヤードの愛は切なく、アシジンはあくまでも単純で健康的。虚無にはなりきれないグリンジャ。
読了日:06月08日 著者:萩尾 望都

2300年、地球上の水全てが細菌に汚染されて、"D因子”に感染した女性は不妊となり死に絶えた。抗体はY遺伝子に乗り、男性は抵抗力を獲得して生き延びることが可能になったが、地上に女性はいなくなった。”カンパニー”は地球上にドーム都市”センター”を作り、人口受精により作られた子供を市民に供給する。生みの母の象徴として、各都市に一人の”マザ”が置かれ、かくて地球上には一人の母と大勢の息子というミツバチのような社会が半ば自然発生的に、半ば人工的に誕生した。地球上は壮大な生と進化の実験場と化していた。という
読了日:06月08日 著者:萩尾 望都

かつて、連載を追いかけ、単行本も持っていたのだけど。今回は文庫で再入手。うん。このSFと砂漠の遊牧民族の感じは、ル=グウィンをさらにクオリティを上げたような感じ。1巻目では、西暦2999年ということは判るが、この地球に何が起こって、一人のマザと短命な男だけの世界になっているのかの謎は明かされず。何しろ、絵が繊細で美しい。最初は真っ白だったキラがだんだん、自我を持っていく感じが良い。
読了日:06月03日 著者:萩尾 望都