原 題 「Hell or High Water Book 3 Daylight Again」2014年
著 者 S.E.ジェイクス
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2017年7月
文 庫 380ページ
初 読 2023年2月9日
ISBN-10 4403560318
ISBN-13 978-4403560316
読書メーター
プロフェットの仲間たち、シールズ時代のチームのメンバー、キリアン、ゲイリーと役者もそろい踏み。そしてランシング、ジョン、サディーク、と敵の顔ぶれもだいたい揃ってきたか、というところ。(ランシングは小物だったけど。)しかし3巻はまだ風呂敷を広げきった、というところ。事態が動くのはこれから。
そしてなんと、マルとキリアンが“出来ている”。
また、プロフィットが抱える最大の悪夢がトムに明らかになる。遺伝性の先天性疾患でやがて失明する運命であること、そしてすでに視力の低下が始まっていること。
喪失の予感がプロフを頑なにし、トムを信じ切れず、また信じるからこそ、トムが自らの意志で自分に縛られることになるのが耐えがたく、とはいえ、一人で暗闇に中に生きることになるのはさらに耐えがたいプロフィット。乗り越えるべき試練はトムの側にも、プロフの側にもある。しかし、それを乗り越えた二人は、これまでより強い絆で結ばれるように。
キリアンの組織のSB−20ってのが良く判らないが、とにかくキリアンは自らの組織を脱して、プロフを監視し必要があれば殺す側から、プロフを守る側に立つことを選ぶ。なぜなら、事が済んだら自分も口封じに殺されることを察したから。そしてなにより、プロフの人間性に惹かれたから? ついでに、マルに恋したからかも。
そして、ジョンの裏切りの輪郭が明らかに。この刊は、起承転結でいえば「転」。ことが大きく動くのは次巻だな。トム側の人材資源にキリアン側の手駒と協力が加わって、いよいよジョンを追いつめる計画が動き出す。
ストーリー的には不満もあるし、消化不良だし、欲求不満もある。
アクション巨編っぽい打ち出しなのに、やっぱり主眼はロマンスなので、作戦行動やら、航空機や銃器の扱いやら、近接戦闘やらの扱いがちょっとアレレな感じがするし、いくら米国とはいえCIAのエージェントに“弁護士”をぶつけてなにか面白いことが起こるんだろうか、と思ったし。
マルとキリアンがいきなりアレはなかろう。と思ったし、ワタシが鈍感なのかもしれないけれど、いまいち思わせぶりな会話が理解しきれてなかったりもする。
たとえば、マルはサドなのか?それともマゾなのか?
マルがサドで、トムがマゾってことなのか?よくわからーん!いや、マルとトムが両方ともマゾなのか。
でもまあ、このさき、どのように作戦行動して、話を畳むのかは興味があるし、トムとリア(プロフ)が全ての重荷をおろして幸せになる姿も見たいので、第4巻の翻訳発行を待ってます。
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