原 題 「Dead Eye」2013年
著 者 マーク・グリーニー
翻訳者 伏見 威蕃
出 版 早川書房 2014年5月
初 読 2017/09/25
コートの苦悩の原因がカーマイケルの無能であるとか、今回に関してはラスの嫉妬でしかなさそうな陳腐感はいかんともしがたい。が、弱冠読むのが辛かった中間部に比べ、コートが俄然動き始める後半400ページあたりからがめちゃくちゃ面白い。
ラストの100ページは目まぐるしく状況が変転し、先が予測できないままずんずん進む。
最後の凍った池での戦闘後にたどり着いた農家で、コートが発した言葉は「助けて」。ラスの口からは絶対に出て来ないだろう。ルースは残念だったが、ヤニス、ジェントリーとも殺伐とした世界に身を置きながらも信頼や心が通う瞬間があるのが良かった。
それにしても、常に漂うカーマイケルの小物感。ラスのキエフへのこだわりぶりが不自然過ぎだ。何か裏があると疑え、コート。各所詰めが甘いぞ。ジャンパーチームはラスを殺すべきでしょ。グレイマンと結託しているのが分かっているのにあの場面で放免はナイでしょ。
サイコパスにソシオパスだと言われて動揺したり、ヒコーキに「がんばれ!」と励ましたり、なんだかコートがうぶでカワイイ。
せっかくルースと信頼を結べたのに、あっさり殺されてしまったのが残念だったけど、最後はモサドの計らいでついに米本土上陸。
いよいよ本丸に突撃。カーマイケルにかましたれ!
シリーズここまで読んでの感想。
キエフと発見即射殺〈SOS〉の謎を引っ張り過ぎだ。
期待を高め過ぎるとかえって陳腐になるから、構成としては、グレイマン→正義→復讐→反撃→インターバルで回想として鎮魂を入れて、→飛躍 という順番でも良かったんじゃないかなあ、と個人的に思う。
さていよいよ次ぎは反撃。ザックも当然再登場するでしょ。ザックが入ると話が引き締まるから、いろいろと期待する。
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