著 者 Robert Crais
初 読 2020/05/01
LAレクイエムから続く三部作(だと思ってる)のラス1。
コールの過去にまつわる最大の危機。
『サンセット大通り』でコールに「スーザン・マーティンの殺害とそこから派生したあらゆることが、自分の人生にこれほど長く尾を引く深刻な打撃を与えようとは」と語らせ、『天使の護衛』ではある男に散弾銃で撃たれた後のコールが「実験室の事故で生まれた何か」のような姿で登場する、その原因となる事件が語られる。
コールが過去と向き合い、乗り越えるためにはこんなに過酷な過程が必要だったのか。『約束』や『指名手配』で示されるコールの優しさに加わった確固とした揺るぎなさや安定感、円熟味は、このエピソードでコールが乗り越えた過程で獲得したものだと納得できる。そんなお話。以下簡単にご紹介。
10歳になるルーシーの息子の誘拐事件でほとんどすべてを失ってから、コールがゆっくりと生活を取り戻しつつあったとき、 LAPDから不吉な電話がかかってきた。発見された身元不明の遺体が持っていた唯一の手掛かりが、コールの過去の事件の新聞記事の切り抜きだったという。 そして、その男は死ぬ前に自分がエルヴィスの父親だと言い残した。パイクとコールは調査を進める。しかしコールとパイクが死んだ男の本当の正体に近づにつれ、彼らは危険の中に入り込んでいた。ーーーコールが撃たれてから命をとりとめるまでの終盤と、コールがやっと動けるようになった体で母を墓参する最終章。ずっと付き添い、見守るパイク。この二人の友情を超えた友情に、心が震える。
0 件のコメント:
コメントを投稿