「完全記憶探偵エイモス・デッカー ラスト・マイル 下」
著 者 デイヴィッド・バルダッチ
翻訳者 関 麻衣子
出 版 竹書房 2018年6月
家族の殺害事件の真相を解明し事件に一応の区切りをつけたデッカーは、ボガートの要請に応えてFBIの民間人チームに加わる事にする。超絶な才能があるとはいえ、社会不適応気味なデッカーをカバーしてチームをまとめるボガートがこれまた好い人で。人が能力を発揮するためには、適材適所と緩衝材が必要なんだよなあ、と本筋とは関係ないところで感にいる。
事件の方は、デッカーの勘と強引な突っ込みでどんどん時間を遡り、真相に近づいてそうには見えるものの、まだまだ裏がありそう。
予想を裏切るどんでん返しあり、してやったりなミスリードあり、ラストは爽やかに気持ちよく。この話には母の愛が通底してる。そして父強し。
アメフト野郎共の巨体もかすむ存在感である。ちょっと突っ込みが足りない、というか悪い奴らが少し物足りないというか、組み合わせた一つ一つのエピソードが熟成してないっていうかなんだけど、十分面白い!域に達してる。それぞれのキャラが立っていて、お父ちゃんなんて主役張れるレベルでした。まだまだシリーズ続きそうだから、熟成は今後の課題って事で、次の翻訳も楽しみです。
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