2021年7月1日木曜日

2021年6月の読書メーター

 コミックス・雑誌をのぞけば実質5冊。目標の10冊には遠く及びませんが、アンドリュー・ヴァクスは丁寧に読まねば、という気分にさせられます。気候のせいか、いまいち気分の優れない日が続き、仕事をミスりそうでひやひや。それにしても、1年がもはや折り返しだということにいささか焦りを感じます。霞ならぬ活字を喰って生きていけたら幸せなのになあ。


ブルー・ベル (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ミステリ文庫)ブルー・ベル (ハヤカワ文庫―ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
《第183回海外作品読書会》アウトロー探偵バーク3冊目。バークのひりひりする生き様から目が離せないピカレスクであるとともに、バークの欠けた部分にベルの無私の情愛がしみこんでいくリリシズムがないまぜになって、全編にわたる二人の情交が深まるほどに、来たるべき破局のエネルギーが高まっていく。一気読みしたいのに緊張感が高まりすぎてとてもじゃないがそんなこと出来ない。なんつう読書体験だ。決して治癒することも、完成することもない孤独な人生を抱えた二人が出会い、愛し合い、そして死が二人を分かつ。お願いだから彼に救いを。
読了日:06月26日 著者:アンドリュー ヴァクス

Cats & LionsCats & Lions感想
ひっさしぶりの岩合さんの猫写真集。猫とライオン。上に猫、下にライオン。もしくは見開き左に猫、右にライオン。同じ姿勢、同じディティールで。ウチの猫はしかし、どちらかというと猫よりはライオンより。明かに野生の肉食獣の風貌である。
読了日:06月26日 著者:Mitsuaki Iwago

幼女戦記 (22) (角川コミックス・エース)幼女戦記 (22) (角川コミックス・エース)感想
今回は、ロンメル・・・・ではなくてロメールとターニャさんの出会いから、まがりなりにも信頼関係(で、いいのか?)が築かれるまで。ロメールさんとターニャさんは、似たもの同士、というより、ターニャはまがう事なき現代人だが、ロメールが卓越した現代的な感性を持った戦略家ということなんだな。ターニャの信頼に応えることができなかった後悔をかみしめつつ、軍事政策の舵をとるゼートゥーアもなかなかに渋い。ターニャさんの出番はほとんどなく、もっぱらロメールがすっ飛ばす回だった。
読了日:06月25日 著者:東條 チカ

BADON(4) (ビッグガンガンコミックス)BADON(4) (ビッグガンガンコミックス)感想
今回は、なんとリリーちゃんが誘拐の被害に! こういうときはやっぱりハートの“しがらみ”の出番になってしまう。他の3人はともかく、ハートは本当に暗黒街(?)と縁がきれて、明るいところで生きていくことができるのかしら?うーん、不安しかないが、でもオノ・ナツメだし、きっと大丈夫だろう。リリーの秘密もひとつ明かになり、貧困問題や、裏町の犯罪や、売春・人身売買、と、きれいなバードンの街なみにも裏面がある。そして、そこで人と人のつながりを大切にして生きていく人々も。ツタ・アパートの秘密もひとつ。いよいよ先が気になる。
読了日:06月25日 著者:オノ・ナツメ

本の雑誌457号2021年7月号本の雑誌457号2021年7月号感想
今回の本棚は、先日読んだ『日々翻訳ざんげ』に名前が登場していた染田屋茂さん家。そして特集は『誤植』。面白すぎます。編集部のパニックが伝わるのは、キノコ図鑑で可食キノコと毒キノコの表記を間違えたやつ。背中を流れる冷たい滝汗が想像できます。ご苦労様でした。その他もろもろ。
読了日:06月18日 著者:

12番目のカード 下 (文春文庫)12番目のカード 下 (文春文庫)感想
上巻はイマイチ乗り切れなかったが、下巻はさすがのジェットコースター。とても楽しめた。読者を欺くためだけに配置された登場人物があざとすぎる気もするけど、ディーヴァーだし、仕方あるまい。優等生モードだったジェニーヴァがどんどん高校生の女の子っぽくなっていくのも好ましい。“お母さん役”のトムが世話焼き。お母さんってw。本当に140年前の罪で損害賠償が可能なものか、ちょっと眉唾っぽく思えないではないが、そこはまあ、小説だし、アメリカだし陪審だし。深く考えるのはやめておく。
読了日:06月17日 著者:ジェフリー ディーヴァー

12番目のカード 上 (文春文庫)12番目のカード 上 (文春文庫)感想
困った。面白くない。ディーヴァーなのに。ライムなのに!いまのところ、どうもお話に乗り切れていない気がする。理由は二つ。その1 ディーヴァーの引っかけを警戒しすぎていること(苦笑) ちょっとした言葉やセリフの端々が気になりすぎ。 その2 ディーヴァーによる黒人文化の解説が面白くない。政治的公正?が社会的に求められるせい? 内側に入っているようで他者的。情熱的なようで、冷静。解説的。ううーん。下巻でジェットコースターに乗り込めることを期待して、下巻にGo! はやくセリットーを助けてあげて!
読了日:06月15日 著者:ジェフリー ディーヴァー
煙と蜜 第三集 (ハルタコミックス)煙と蜜 第三集 (ハルタコミックス)感想
とりあえず、1番のえええ〜♪はナイショにしておいて、と。お父さんと一緒、と勘違いされてどーんと落ち込む姫子さん(笑)それにしても驚いたのは、姫子母子が名古屋にきてまだ二ヶ月だということか?  文治さんと婚約してからたったそれだけってことよ!?
読了日:06月14日 著者:長蔵 ヒロコ

日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年感想
ああ、私如きが翻訳の良し悪しに文句垂れて申し訳御座いません!と平伏したくなったよ。一方で、世の翻訳家さんが皆、田口さんや東江さんみたいに真摯であれば良いのに、とも思う。ともあれ大変面白いだけでなく、言葉の勉強にもなりました。そしてやはり積読山が高くなった(爆) ロングレビューはこっちへ→ https://koko-yori-mybooks.blogspot.com/2021/06/0275.html
読了日:06月10日 著者:田口俊樹

裏切りのシュタージ (ハーパーBOOKS)裏切りのシュタージ (ハーパーBOOKS)感想
この翻訳は文芸というには力不足。しかし着想はなかなか良いと思うのだ。かつての東ベルリンで進行していた秘密作戦「ウォルラス」。それは現在、ある「男」の命運を左右することになるが故に、その計画を抹消すべくまさにその計画が動き出す。壁が崩壊した1989年、激動はスパイ達の人生も揺り動かした。一夜にして基盤を失った諜報機関。それにも関わらず、ソ連KGB→東独シュタージ→ロシアFSBと計画は生き残り、引き継がれた。そして当時東独で活動し、ベルリンの壁崩壊を目の当たりにした実在のKGB将校といえば?そうあの男だ。
読了日:06月06日 著者:アンドレア プルガトーリ

幼女戦記 (21) (角川コミックス・エース)幼女戦記 (21) (角川コミックス・エース)感想
悲惨な大戦に突入、と思いきや、そういえば、とりあえず当面南方戦線(アフリカ戦線)はロメール(もちろんロンメル)の指揮下で絶好調だったのだ。デグレチャフさんも、ロメールと意気投合して生き生きと戦っております。コレまでで一番、ある意味(デグレチャフさんの内心的には)平和な巻かもしれない、というくらい、楽しそうで、ちょっと拍子抜け。次巻はなんと来月。東條チカさんもがんばるなあ。
読了日:06月02日 著者:東條 チカ

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