2017年3月16日木曜日

0029-30 老人と宇宙(そら)3、4

書 名 「老人と宇宙(そら)3 最後の星戦」
    「老人と宇宙(そら)4 ゾーイの物語」 
著 者 ジョン・スコルジー
翻訳者 内田昌之
出 版 早川書房 2009年6月/2010年9月

〈最後の星戦〉
 ペリー再び。もう、絶対うまいこと行きそうな安心感である。
 ゾーイは素敵な娘さんに成長してるし、ジェーンは相変わらずクールで登場からシビれる。ペリーの円熟かつユーモアがあって、引っ越し前の自宅の居間では湿っぽくなれるくらいに人間味溢れる人柄が本当にいい。こういう人だからオトナコドモなジェーンも安心して側にいれるんだよなあ。それにしてもペリー提督が200年間鎖国を余儀なくされていた国に船団率いて到来し、開国させる話だったとは。主人公の名前すら伏線。シリーズ締めくくりとして大満足な一冊でした。
 そしてラスト一行が良い! 

〈ゾーイの物語〉
 思春期の頭の良い女の子が、自分の数奇な運命に抵抗しつつも、家族や大切な仲間のために奮闘する。『最後の星戦』をゾーイ視点から描いた物語である。
 ジェーンはよく頑張ってゾーイを育てたなあ。自分も大きな変化の中で大変な時期だったろうになあ。−ほかの養子がどうなのかは知らないけど、ジョンとジェーンと過ごしてきたあいだ、愛されていないとか、ふたりの子じゃないとか感じたとことは一度もなかった。−というゾーイの言葉が3人の年月の何よりの証拠。終盤のオービン族を前にしての演説は感動的。よく頑張った!と褒めてあげたい。エンゾの最後の詩には泣けた。

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