著 者 H. Paul Honsinger
出 版 H. Paul Honsinger(Kindle)
ハヤカワ文庫『栄光の旗のもとに』のマックス・ロビショー少佐の前日譚の前編。本邦未訳。
弱冠16歳の新任少尉マックスは、〈ナイトシェード〉という名称の単座の偵察機をあてがわれ、敵領宙域でのクラーグ軍軍事演習に関する単独諜報活動を命じられた。
それは彼の才能故ではなく、ホーンマイヤーが溺愛する彼の姪のベッドに潜り込んでいたのがバレたから。ホーンマイヤーは激怒して、マックスに厳しい懲罰を与えようとしたが、その惑星の法律では16歳のマックスが未成年であるのに対し、彼の姪のほうは年上で成人とみなされるため、マックスを正規に罰しようとすると、姪の方が厳しく罪を問われてしまう。やむなくホーンマイヤーはマックスを降格した上で、危険な敵地に追いやることにしたのだ。
で、その単独行動中にヴァーハ艦が現れ、ヴァーハに攻撃を仕掛けたクラーグは一瞬で全滅させられ、マックスはナイトシェードごと拉致されて・・・・・。
1巻の『栄光の旗のもとに』でのホーンマイヤーのマックスへの微妙な評価の原因となったとおぼしき出来事や、マックスとヴァーハ(『栄光の旗のもとに』では“バーチ”と訳を当てている)の遭遇の経緯など、マックスのはっちゃけた経歴が明かされる一方で、恩師ミドルトンの深い愛情に心を打たれる。それにしても、極限の状況下でへこたれず、とにかく闘いつづけるマックスの精神力はどうやって培われたのやら。
拙い拾い読みで粗筋を押さえただけだが気持ちは満足。あとは翻訳を待つ。
不眠症気味のマックスが、母の思い出の子守歌(フォークソングか?)を口ずさんで眠りに落ちるところに、涙腺が緩む。
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