2019年1月29日火曜日

0161 なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える

書 名 「なぜ人と人は支え合うのか 「障害」から考える」 
著 者 渡辺 一史 
出 版 筑摩書房 (2018/12/6) 
初 読 2019/01/29 

 人の本質は、助け合って感謝の気持ちを交わしたり、もっと深いところで心を揺り動かされるところにある。人と人が助け合うためには、困っている人と助けてあげられる人の両方が必要で、その意味では人に助けてもらうしかない障害者も確かに世の中の役に立っているのだ。
 屋久島の縄文杉も富士山もそれはそれとしてただそこにあるだけ。それから生きる勇気をもらったり、神々しい美を感じたりするのは、人間の側の営み。人間の共感する力の発露である。
 障害者だって同じ。寝たきりの障害者を前にして、それが意思の疎通もできない無価値なものにじるというなら、それはそう感じる本人の共感力や人間性の欠如を告白するものでしかない。

 相模原のやまゆり園事件を導入に、障害者という存在を通じて人と人のあり方を問う。沢山の示唆があり、考えさせられた。

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