栗本薫電子全集28の特別付録に、栗本薫自作の矢代俊一年譜が掲載されていたので、これをベースに、「今西・森田ブランチ」サイドの年譜も落とし込んでみる。
※紫字が矢代、黒字が透・良サイド
そもそも矛盾があるのは、致し方ない。
矢代と良が4歳違い、透が3歳違い、と仮定しておく。(どこかに確定情報があったら、後ほど修正したい。
→ 透が矢代より4歳年下、という台詞を発見したので、全体的に修正した。2023.10.25 )
基準は矢代と良が初めて絡む2001年。この年に、矢代俊一が今西良に楽曲を提供して2枚目のアルバムを制作(ただし、良の逮捕により未完に終わっている。)(『朝日のあたる家4』)
ムーン・リヴァーの時空がおかしいのは既知のとおり。ここで島津と野々村だけ急激に年をとる。また、〈矢代俊一シリーズ〉に登場する未亡人で服喪中の透(※1)が、島津さんの死後3、4ヶ月で、「服役中の良のパートナー」だと名乗っているのだが、この時間経過もおかしい。一体いつ良は刑務所を出所して、透を捨ててロンドンに旅立ったんだ!
もっと大きなところだと、透と良はグループサウンズ全盛期のトップスターという設定なので、この年表よりだいたい15年前くらいの年齢設定が本当なら丁度良い。なにしろ良のモデルの沢田研二は1948年(昭和23年)生まれだ。この年表で言うなら、『朝日のあたる家』あたりでは携帯電話が出てきておかしくない。その『朝日のあたる家』1巻は、1988年の出版なので、やはり15年位ズレてるのが正しいはずなのだ。つまるところ、以下の年表は、矢代俊一ブランチと森田透・今西良ブランチを良への楽曲提供と透とのSEXで絡めてしまったがために、大破綻を来しているのだ。絡めるにしても、透と良を、俊一の年下に設定したのが大間違い。だがそもそも、『死は優しく奪う』だって、作品世界は昭和50年代だからさ。やっぱりおかっしいっちゃあおかしいのだけどね。
年 | (俊一) | (透) | (島津) | できごと | 登場作品 | ||
1963 | 昭和38年 | 0歳 | 矢代俊一 出生 | ||||
1967 | 昭和42年 | 4歳 | 0歳 | 森田透出生 | |||
1968 | 昭和43年 | 5歳 | 1歳 | 今西良出生 | |||
1969 | 昭和44年 | 6歳 | 2歳 | 俊一、変質者に攫われて強姦・殺害未遂事件 | |||
1982 | 昭和57年 | 19歳 | 3歳 | 俊一、錦糸町のキャバレー〈タヒチ〉に住み込みジャズ修行 | 『キャバレー』 | ||
1983 | 昭和58年 | 20歳 | 16歳 | 〈ザ・レックス〉結成 透と良が出会う | |||
1984 | 昭和59年 | 21歳 | 17歳 | 俊一、単身渡米、ニューヨークでジャズ修行 | |||
1985 | 昭和60年 | 22歳 | 18歳 | 俊一、モントルー・ジャズフェスで話題をさらう | |||
1986 | 昭和61年 | 23歳 | 19歳 | 俊一、ファースト・アルバム発表 | |||
1987 | 昭和62年 | 24歳 | 第一次矢代俊一グループ結成 | ||||
1988 | 昭和63年 | 25歳 | 21歳 | ||||
1989 | 平成元年 | 26歳 | 22歳 | 「ワナビー」、アルバム2「矢代俊一セカンド」 | |||
結城滉死亡、ニューヨーク渡米 | 『流星のサドル』 | ||||||
透〈ザ・レックス〉を脱退 | |||||||
1990 | 平成2年 | 27歳 | 23歳 | アルバム3「海ーこの世界の果てまで」 | 『死はやさしく奪う』 | ||
アルバム4「ファンタジア」 | |||||||
風間俊介がレックスに楽曲提供・付き合いが始まる。 この頃、透、全裸舞台で逮捕/麻薬不法所持で再逮捕 | |||||||
1991 | 平成3年 | 28歳 | 24歳 | 43歳 | 透、男娼に身を落とす | ||
アルバム5「サイクロプス」 | |||||||
1992 | 平成4年 | 29歳 | 25歳 | 44歳 | 透が巽竜二に拾われて、一緒に暮らす。〈裏切りの街路〉撮影 | 『翼あるもの』 | |
1993 | 平成5年 | 30歳 | 26歳 | 45歳 | 巽竜二死亡 | 『The END of the World』 | |
透、歌手再デビューをリタイア/以降、ジゴロ稼業 | |||||||
アルバム6「ライブATセントラルパーク」 | |||||||
1994 | 平成6年 | 31歳 | 27歳 | 46歳 | アルバム7「エデン」 | ||
1995 | 平成7年 | 32歳 | 28歳 | 47歳 | テディ・ベイカーと結婚 | ||
1996 | 平成8年 | 33歳 | 29歳 | 48歳 | デュオアルバム「TWO」 | ||
1997 | 平成9年 | 34歳 | 30歳 | 49歳 | 「グッバイ・ニューヨーク」 日本に帰国、第二次矢代俊一グループ | ||
1998 | 平成10年 | 35歳 | 31歳 | 50歳 | 滝川と再会。金井、出所。妻テディ殺害される。台湾マフィアによる輪姦事件により、俊一が長期入院。金井が安田サチと結婚 | 『黄昏のローレライ』 | |
1999 | 平成11年 | 36歳 | 32歳 | 51歳 | 俊一退院。日比谷野音でカムバックするも、ストーカーに襲われてて殺害未遂事件。滝川が俊一を守る。 「遙かなるエイジア」「隊商都市」 | ||
2000 | 平成12年 | 37歳 | 33歳 | 52歳 | 透が巽の墓前で良と再会 | 『朝日のあたる家1』 | |
2001 | 平成13年 | 38歳 | 34歳 | 53歳 | 俊一が良に楽曲を提供し、2枚目のアルバム作成(未完)★基準点 | ||
透と良が駆け落ち逃避行。 良が巽の殺人を自首する。透が殴られ負傷し入院 | 『朝日のあたる家2〜5』 | ||||||
2002 | 平成14年 | 39歳 | 35歳 | 54歳 | 脅迫状になやまされた俊一が伊集院大介に依頼 | 『身も心も』 | |
2003 | 平成15年 | 40歳 | 36歳 | 55歳 | 「オリエンタル」シングル「ワナビーアゲイン」「矢代俊一ベスト」アルバム | ||
★ここらあたりで、良の判決が確定?(懲役2年4ヶ月実刑) | 『嘘は罪』 | ||||||
2004 | 平成16年 | 41歳 | 37歳 | 56歳 | 舞台「ヴァニシング・ローズ」音楽監督を務める。アルバム「火の鳥」 | ||
2005 | 平成17年 | 42歳 | 38歳 | 62歳 | ★島津、自死(ムーン・リヴァー) | 『ムーンリヴァー』 | |
〈矢代俊一シリーズ1〉『YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS——恋の味をご存じないのね | |||||||
俊一、英二・晃市と出会う。 | 〈外伝①〉『テンダリー』晃一視点 | ||||||
勝又英二と同棲開始。ストーカー早瀬充に襲われる。 | 〈矢代俊一シリーズ2〉『SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE——朝日のように爽やかに | ||||||
〈外伝②〉『明るい表通りで』晃一視点 | |||||||
第三次矢代俊一グループ結成, | 〈矢代俊一シリーズ3〉CRAZY FOR YOU | ||||||
〈外伝③〉『酒とバラの日々』 | |||||||
〈外伝④〉『SMILE―獣人の恋―』黒田視点 | |||||||
HIV感染疑惑騒動、俊一がエイズで死ぬなら俺ももろとも、と俊一にキスをした金井と恋に落ちる。 | 〈矢代俊一シリーズ4〉『NEVER LET ME GO | ||||||
金井との恋が深まる。英二との三角関係で英二から暴力を受ける | 〈矢代俊一シリーズ5〉『BLUE SKIES | ||||||
〈矢代俊一シリーズ6〉『ROUND MIDNIGHT | |||||||
早瀬充死亡。母死亡 | 〈矢代俊一シリーズ7〉『THE MAN I LOVE | ||||||
金井と信仰宗教「神の苑頌霊教団」とのトラブル | 〈外伝⑤〉『聖夜』 | ||||||
2006 | 平成18年 | 43歳 | 39歳 | 写真家渥美公三が俊一に接近 | 〈外伝⑥〉『VERY SPECIAL MOMENT』 | ||
金井恭平 失踪 | 〈矢代俊一シリーズ8〉『WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE』 | ||||||
アルバム「BRUE SKIES」、全国ライブツアー、渥美の写真集撮影開始、野々村マスコミ事務所に行く (★作中では島津がまだ存命している) | 〈矢代俊一シリーズ9〉『GENTLE RAIN』 〈外伝③〉『GEE, BABY,AIN'T I GOOD TO YOU』渥美視点 | ||||||
〈矢代俊一シリーズ10〉『CARAVAN』 | |||||||
〈矢代俊一シリーズ1〉『亡き王女のためのパヴァーヌ』 | |||||||
(★LOVE FOR SALE の作中で島津の死が明かされている。) | 〈矢代俊一シリーズ12〉『LOVE FOR SALE 』 | ||||||
〈外伝⑦〉『Bei Mie Bist Du Schon―素敵な貴方―』風間・黒田 | |||||||
渥美に再三の陵辱を受けた俊一を透が助ける | 〈矢代俊一シリーズ13〉『SUMMERTIME 』 | ||||||
渥美のせいでPTSDを再発した俊一が透を訪れ、SEXの手ほどきを受ける | 〈矢代俊一シリーズ14〉『SOUL EYES』 | ||||||
透のリクエストで『朝日があたる家』を歌う。体調を崩した俊一を父が見舞い、父と英二と3人でボレロを演奏する 渥美が死亡。葬儀で渥美の息子の大地と銀河に絡まれる | 〈矢代俊一シリーズ15〉『WILLOW WEEP FOR ME』 | ||||||
6月 歌手デビューライブ。銀河に粘着される。 7月 渥美とのスキャンダルをFFされ、荻窪の父の家に避難 | 〈矢代俊一シリーズ16〉『SKYLARK』 | ||||||
8月 大阪の飯島由梨ライブにゲスト。金井に強姦され、寝付く。マイルストーンで晃市と演奏 銀河に懐かれる | 矢代俊一シリーズ17〉『IT AIN'T NECESSARILY』 | ||||||
8月後半〜10月 父子リサイタルの練習に明け暮れる。英二と横浜で気分転換。ブルードルフィンでライブに飛び入り | 〈矢代俊一シリーズ18〉『MORE THAN UOU KNOW』 | ||||||
父子リサイタルの朝〜ステージ〜終了後まで | 〈矢代俊一シリーズ19〉『ボレロ』 | ||||||
渥美銀河に懐かれる。渥美による陵辱写真や動画が真治の悪意で流出し、野々村のオフィスで談判。画像を200万で買い取ることに。 | 〈矢代俊一シリーズ20〉『DEVIL MAY CARE』 | ||||||
英二、金井、透の三人とそれぞれに関係を持ち、ぐだぐだ悩む。 | 〈矢代俊一シリーズ21〉『AS TIME GOES BY』 | ||||||
11月〜全米ツアー ニューヨークでは旧友のジムの家に泊まって単独行動を謳歌。金井と密会。風間を全力で誘惑するが、風間が耐えきる。晃一のピアノに限界を見て、1回ステージから外す。 | 〈矢代俊一シリーズ22〉『SENTIMENTAL JOURNEY』 | ||||||
<外伝⑧>『EIJI29歳』 | |||||||
2007 | 平成19年 | 44歳 | ニューヨークツアーから帰国。晃市の音楽性問題を引きずる。 | 〈矢代俊一シリーズ23〉『ANGELEYES』 | |||
交通事故の後遺症で足が不自由で、生活にも困窮した金井にまとまった金を渡し、ついに別れる。 | 〈矢代俊一シリーズ24〉『MY ONE AND ONLY LOVE』 | ||||||
富士山中湖半のホテル兼スタジオで、アルバム収録合宿中、心霊現象に遭遇 | 〈未完〉『OBRIVION——忘却」 | ||||||
作家霧島安曇の自宅を透とともに訪ねる。 | 〈未完〉『トゥオネラの白鳥』 |
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