2022年12月30日金曜日

栗本薫自作の矢代俊一年譜をベースにした「東京サーガ」年譜


 栗本薫電子全集28の特別付録に、栗本薫自作の矢代俊一年譜が掲載されていたので、これをベースに、「今西・森田ブランチ」サイドの年譜も落とし込んでみる。
 ※紫字が矢代、黒字が透・良サイド
 そもそも矛盾があるのは、致し方ない。
 矢代と良が4歳違い、透が3歳違い、と仮定しておく。(どこかに確定情報があったら、後ほど修正したい。
→ 透が矢代より4歳年下、という台詞を発見したので、全体的に修正した。2023.10.25 )
 基準は矢代と良が初めて絡む2001年。この年に、矢代俊一が今西良に楽曲を提供して2枚目のアルバムを制作(ただし、良の逮捕により未完に終わっている。)(『朝日のあたる家4』)

 ムーン・リヴァーの時空がおかしいのは既知のとおり。ここで島津と野々村だけ急激に年をとる。また、〈矢代俊一シリーズ〉に登場する未亡人で服喪中の透(※1)が、島津さんの死後3、4ヶ月で、「服役中の良のパートナー」だと名乗っているのだが、この時間経過もおかしい。一体いつ良は刑務所を出所して、透を捨ててロンドンに旅立ったんだ!

 もっと大きなところだと、透と良はグループサウンズ全盛期のトップスターという設定なので、この年表よりだいたい15年前くらいの年齢設定が本当なら丁度良い。なにしろ良のモデルの沢田研二は1948年(昭和23年)生まれだ。この年表で言うなら、『朝日のあたる家』あたりでは携帯電話が出てきておかしくない。その『朝日のあたる家』1巻は、1988年の出版なので、やはり15年位ズレてるのが正しいはずなのだ。つまるところ、以下の年表は、矢代俊一ブランチと森田透・今西良ブランチを良への楽曲提供と透とのSEXで絡めてしまったがために、大破綻を来しているのだ。絡めるにしても、透と良を、俊一の年下に設定したのが大間違い。だがそもそも、『死は優しく奪う』だって、作品世界は昭和50年代だからさ。やっぱりおかっしいっちゃあおかしいのだけどね。
(俊一)(透)(島津)できごと 登場作品
1963昭和38年0歳矢代俊一 出生 
1967昭和42年4歳0歳 森田透出生  
1968昭和43年5歳1歳今西良出生 
1969昭和44年6歳2歳 俊一、変質者に攫われて強姦・殺害未遂事件  
1982昭和57年19歳3歳俊一、錦糸町のキャバレー〈タヒチ〉に住み込みジャズ修行 『キャバレー』
1983昭和58年20歳16歳 〈ザ・レックス〉結成 透と良が出会う  
1984昭和59年21歳17歳俊一、単身渡米、ニューヨークでジャズ修行 
1985昭和60年22歳18歳 俊一、モントルー・ジャズフェスで話題をさらう  
1986昭和61年23歳19歳 俊一、ファースト・アルバム発表  
1987昭和62年24歳第一次矢代俊一グループ結成 
1988昭和63年25歳21歳    
1989平成元年26歳22歳「ワナビー」、アルバム2「矢代俊一セカンド」 
結城滉死亡、ニューヨーク渡米 『流星のサドル』
透〈ザ・レックス〉を脱退 
1990平成2年27歳23歳 アルバム3「海ーこの世界の果てまで」

 『死はやさしく奪う』
     アルバム4「ファンタジア」  
     風間俊介がレックスに楽曲提供・付き合いが始まる。
この頃、透、全裸舞台で逮捕/麻薬不法所持で再逮捕
  
1991平成3年28歳24歳43歳透、男娼に身を落とす 
アルバム5「サイクロプス」 
1992平成4年29歳25歳44歳透が巽竜二に拾われて、一緒に暮らす。〈裏切りの街路〉撮影 『翼あるもの』
1993平成5年30歳26歳45歳巽竜二死亡  『The END of the World』
透、歌手再デビューをリタイア/以降、ジゴロ稼業 
アルバム6「ライブATセントラルパーク」 
1994平成6年31歳27歳46歳アルバム7「エデン」  
1995平成7年32歳28歳47歳テディ・ベイカーと結婚 
1996平成8年33歳29歳48歳デュオアルバム「TWO」  
1997平成9年34歳30歳49歳「グッバイ・ニューヨーク」
日本に帰国、第二次矢代俊一グループ
 
1998平成10年35歳31歳50歳滝川と再会。金井、出所。妻テディ殺害される。台湾マフィアによる輪姦事件により、俊一が長期入院。金井が安田サチと結婚 『黄昏のローレライ』
1999平成11年36歳32歳51歳俊一退院。日比谷野音でカムバックするも、ストーカーに襲われてて殺害未遂事件。滝川が俊一を守る。
「遙かなるエイジア」「隊商都市」
 
2000平成12年37歳33歳52歳透が巽の墓前で良と再会『朝日のあたる家1』
2001平成13年38歳34歳53歳俊一が良に楽曲を提供し、2枚目のアルバム作成(未完)★基準点 
透と良が駆け落ち逃避行。
良が巽の殺人を自首する。透が殴られ負傷し入院
 『朝日のあたる家2〜5』 
2002平成14年39歳35歳54歳脅迫状になやまされた俊一が伊集院大介に依頼 『身も心も』
2003平成15年40歳36歳55歳「オリエンタル」シングル「ワナビーアゲイン」「矢代俊一ベスト」アルバム 
★ここらあたりで、良の判決が確定?(懲役2年4ヶ月実刑) 『嘘は罪』
2004平成16年41歳37歳56歳舞台「ヴァニシング・ローズ」音楽監督を務める。アルバム「火の鳥」  
2005平成17年42歳38歳62歳★島津、自死(ムーン・リヴァー) 『ムーンリヴァー』
 〈矢代俊一シリーズ1〉『YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS——恋の味をご存じないのね 
俊一、英二・晃市と出会う。 〈外伝①〉『テンダリー』晃一視点
勝又英二と同棲開始。ストーカー早瀬充に襲われる。 〈矢代俊一シリーズ2〉『SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE——朝日のように爽やかに
 〈外伝②〉『明るい表通りで』晃一視点
第三次矢代俊一グループ結成, 〈矢代俊一シリーズ3〉CRAZY FOR YOU
 〈外伝③〉『酒とバラの日々』
 〈外伝④〉『SMILE―獣人の恋―』黒田視点
HIV感染疑惑騒動、俊一がエイズで死ぬなら俺ももろとも、と俊一にキスをした金井と恋に落ちる。 〈矢代俊一シリーズ4〉『NEVER LET ME GO 
金井との恋が深まる。英二との三角関係で英二から暴力を受ける 〈矢代俊一シリーズ5〉『BLUE SKIES 
 〈矢代俊一シリーズ6〉『ROUND MIDNIGHT 
早瀬充死亡。母死亡 〈矢代俊一シリーズ7〉『THE MAN I LOVE 
金井と信仰宗教「神の苑頌霊教団」とのトラブル 〈外伝⑤〉『聖夜』
2006平成18年43歳39歳 写真家渥美公三が俊一に接近 〈外伝⑥〉『VERY SPECIAL MOMENT』
     金井恭平 失踪 〈矢代俊一シリーズ8〉『WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE』
     アルバム「BRUE SKIES」、全国ライブツアー、渥美の写真集撮影開始、野々村マスコミ事務所に行く
★作中では島津がまだ存命している
 〈矢代俊一シリーズ9〉『GENTLE RAIN』
〈外伝③〉『GEE, BABY,AIN'T I GOOD TO YOU』渥美視点
       〈矢代俊一シリーズ10〉『CARAVAN』
       〈矢代俊一シリーズ1〉『亡き王女のためのパヴァーヌ』
     (★LOVE FOR SALE の作中で島津の死が明かされている。)〈矢代俊一シリーズ12〉『LOVE FOR SALE 』
     〈外伝⑦〉『Bei Mie Bist Du Schon―素敵な貴方―』風間・黒田
     渥美に再三の陵辱を受けた俊一を透が助ける 〈矢代俊一シリーズ13〉『SUMMERTIME 』
     渥美のせいでPTSDを再発した俊一が透を訪れ、SEXの手ほどきを受ける 〈矢代俊一シリーズ14〉『SOUL EYES』 
     透のリクエストで『朝日があたる家』を歌う。体調を崩した俊一を父が見舞い、父と英二と3人でボレロを演奏する
渥美が死亡。葬儀で渥美の息子の大地と銀河に絡まれる
 〈矢代俊一シリーズ15〉『WILLOW WEEP FOR ME』
     6月 歌手デビューライブ。銀河に粘着される。
7月 渥美とのスキャンダルをFFされ、荻窪の父の家に避難
 〈矢代俊一シリーズ16〉『SKYLARK』
     8月 大阪の飯島由梨ライブにゲスト。金井に強姦され、寝付く。マイルストーンで晃市と演奏
銀河に懐かれる
 矢代俊一シリーズ17〉『IT AIN'T NECESSARILY』
     8月後半〜10月 父子リサイタルの練習に明け暮れる。英二と横浜で気分転換。ブルードルフィンでライブに飛び入り 〈矢代俊一シリーズ18〉『MORE THAN UOU KNOW』
     父子リサイタルの朝〜ステージ〜終了後まで 〈矢代俊一シリーズ19〉『ボレロ』
     渥美銀河に懐かれる。渥美による陵辱写真や動画が真治の悪意で流出し、野々村のオフィスで談判。画像を200万で買い取ることに。 〈矢代俊一シリーズ20〉『DEVIL MAY CARE』
     英二、金井、透の三人とそれぞれに関係を持ち、ぐだぐだ悩む。 〈矢代俊一シリーズ21〉『AS TIME GOES BY』
     11月〜全米ツアー ニューヨークでは旧友のジムの家に泊まって単独行動を謳歌。金井と密会。風間を全力で誘惑するが、風間が耐えきる。晃一のピアノに限界を見て、1回ステージから外す。 〈矢代俊一シリーズ22〉『SENTIMENTAL JOURNEY』
 <外伝⑧>『EIJI29歳』
2007平成19年44歳ニューヨークツアーから帰国。晃市の音楽性問題を引きずる。 〈矢代俊一シリーズ23〉『ANGELEYES』
交通事故の後遺症で足が不自由で、生活にも困窮した金井にまとまった金を渡し、ついに別れる。 〈矢代俊一シリーズ24〉『MY ONE AND ONLY LOVE』
富士山中湖半のホテル兼スタジオで、アルバム収録合宿中、心霊現象に遭遇 〈未完〉『OBRIVION——忘却」
作家霧島安曇の自宅を透とともに訪ねる。 〈未完〉『トゥオネラの白鳥』

0 件のコメント:

コメントを投稿