だけど、ついに今年は年間100冊という目標の壁を突破する見込みです。昨年12月末にアンドリュー・ヴァクスの訃報に触れ、アンドリュー・ヴァクス読書会を立ち上げていますが、開催期限の年末までに、のこりのヴァクスのハードカバー3冊を読むのだけは、外せない目標です。読書の秋の10月はグレイマン新刊、ワニ町新刊、『ウィリアム・ウォーウィックシリーズ』第三弾と、楽しみな新刊が多数。それに読みたいのにまだ読めてないシリーズも手元に多数。親の介護なんぞも始まって、どこまで時間が割けるかは不明なれど、移動時間を読書にあてて頑張りたいもの。
9月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3801
ナイス数:1324
聖母の深き淵 (角川文庫)の感想
RIKOシリーズなのに当のリコが狂言回しにしか思えん私はダメな奴です。ラストの陽に透けた一瞬の金髪に全部持ってかれちゃいました。リコに問われて答える練。「愛している」手酷い暴力を受けてもとりあえず倍返しして(?)自分の中に呑み込むリコの漢気はすごい。好きなキャラじゃないんだが、ちょっと惚れます。しかしこれ、『聖黒』先に読んでたから落ち着いて読んだけど、こちらを先に読んだらどれほど練と麻生に気がもめた事だったろう。そういう意味では、このシリーズも刊行順が正解なのだろうな。『聖黒』続編『海は灰色』を待望する。
読了日:09月28日 著者:柴田 よしき
フラジャイル(23) (アフタヌーンKC)の感想
間瀬さん(悪魔)+アミノ製薬+火箱ちゃん。患者の利益を最優先に岸センセが動く。動く時には超速なのがすごい。治験の現場のあれこれに、半ワク界隈で治験ガ〜と騒いでいた人達の事も思い起こされたり。「治験による殺人」と岸センセに言わしめた間瀬とアミノは次巻どう動くのか。相変わらずよませますなあ。
読了日:09月27日 著者:恵 三朗
SKYLARK <矢代俊一シリーズ16>の感想
【毒を喰らわば皿まで】企画16。透の劣化がひどい。そろそろ別人?って感じになってきた。変化(その1)透が車の運転上手に変身。(その2)性格。どっちかってーと島津さんちのサボテンの鉢植くらい静かな草食系だった透が、如才なくて、口が回って、いやらしくて、仄暗くて、『朝日のあたる家』や『ムーン・リヴァー』でさえそうだった、汚れ切れない、どこかおっとりとして、世の中の流れに乗り切れていなくて、いつも困惑していて、やっとこさ生きている不器用な感じがなくなってしまった。もはやマリアさまの面影がない。これ別の人だろ。
読了日:09月20日 著者:栗本薫
サヴァイヴ (新潮文庫)の感想
「サクリファイス」「エデン」に登場するロードレースの選手たちを主人公にした短編集。なかでも、若い石尾がとても魅力的。チカは相変わらず、風が吹き抜けるみたいに爽やかで、風にそよぐ柳のように柔軟。アシスト気質のチカもヨーロッパに先陣した日本人として、めいいっぱい頑張っている。そして、ベテラン選手として老成していく赤城が、地味に、格好がいい。人間として目指すなら、赤城だな。チカもいずれ、そんなふうになっていくだろう。それにしても、繊細な日本人には、闘牛は刺激強すぎ。
読了日:09月19日 著者:近藤 史恵
或る夜 -NightS-の感想
マトリの間崎サンと唐島テンテン君のキケンな続編。ある一夜の睦言のおはなし。これから危険な潜入捜査に臨むらしい麻薬取締官の間崎さんは若干メロウな感じになっている。珍しくテンテンと甘く遊びたい気分らしい。単にヤロー二人がSEXするだけの短編なんだけど、間崎さんの表情がいいんだよなあ。
読了日:09月19日 著者:ヨネダ コウ
NightS (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)の感想
読んだのはちょいと前なんですが、未登録だったので。麻取の間崎サンと運び屋天一クンの絡みが好き。「囀る鳥」と同じく、柴田よしきさんの世界観を横引きで読める。「・・・・マトリかよ!!!」「そう喜ぶなよ。照れるだろ」のやりとりが好きだ♪
読了日:09月19日 著者:ヨネダ コウ
RIKO ‐女神の永遠‐ (角川文庫)の感想
警察小説+ジェンダー。自分の中の女性性と外側から強要される「女」がリコの中で調和することなんてあり得ず、ギシギシと軋む音が聴こえてきそう。男の巣窟・警察の中で必死に仕事をしてきたはずなのに不倫や同僚からのレイプという陥穽に落ちて、警視庁から所轄に“都落ち”しても、新天地では仕事と部下に恵まれて充実していたのに。古巣の本庁との合同捜査が始まって、リコはまたもかき乱される。傷を乗り越えるためにかえって奔放になった緑子の性には結構ビックリだが、自分の中の女性性とどう折り合うのかは、女にとって大きな問題だ。
読了日:09月16日 著者:柴田 よしき
エデン (新潮文庫)の感想
ヨーロッパに渡って3年目のチカは、フランスのプロチームに移籍して初めてのツールに挑む。チームのエースはフィンランド人のミッコで寡黙な者同士だが息は合っている。今年頭角を表したフランス期待のエース、ニコラとその親友でアシストのドニとの交流も絡め、延べ三週間の過酷なレースが展開していく。読んでるこっちも一気にツール・ド・フランスに引き込まれる。とくにチカが本領を発揮する山岳レースと時速100㎞にもなるという下りがすごい。もうちょっとチカが活躍する姿も見たかったな、というのは漫画的展開を期待しすぎかな。
読了日:09月11日 著者:近藤 史恵
サクリファイス (新潮文庫)の感想
自転車ロードレースの奥深さを垣間見る。正体がつかめなかったエース石尾の人物がチカの中ではっきりと像を結ぶにしたがい、感動が追いかけてくる。周囲の半端な推測が雑音となっていたが、チカの直感は正しかった。そして私は袴田や香乃や篠田という中途半端な人間たちにムカついた。でもそんな半端な人間にも居場所があるのがこの世の中なんだよね。小説の中も然り。命を懸けるだけの価値を見いだすのかはそれに懸ける人次第。そんな純度と硬度の高い人間だけが犠牲を捧げることができる。それにしても、そうまでして・・・と思うと切ない。
読了日:09月10日 著者:近藤 史恵
育休刑事 (角川文庫)の感想
最近の作家さんのペンネームって面白いなあ、と思いつつ確認もせず「にとり・にわとり」と読んでいた私。失礼いたしました。捜査一課といえばエリート刑事の代名詞、そんな若手刑事が育児休業を取得して。。。でも、せっかくの育休中なのにトラブル牽引機の姉が事件を引き寄せる(笑)。あと、秋月刑事(育休中)の妻(管理職)の正体が気になって、ぐんぐん読んでしまいました。事件にはさしたるひねりはなく、ミステリってほどではないのでお仕事小説かな。欄外の解説もいと面白く、軽い読書にオススメ。
読了日:09月08日 著者:似鳥 鶏
シーセッド・ヒーセッド (講談社文庫)の感想
園長探偵ハナちゃんシリーズ3作目は短編3作の連作。ハナちゃん曰くのアフターケアに、探偵のプライドが滲む。練のマンションの玄関前に捨てられた赤ん坊。部下の斎藤は「社長のお嬢さん」呼ばわりだが、おそらく練の子ではない。赤ん坊そのものと、母親探しを押しつけられるハナちゃんは無事事件を解決するものの、今度は練が親子鑑定をしたいと言い出して。説教垂れるハナちゃんに練が言う。「それは、つまり、俺は消えた方がいい、ってことか。この世に生まれて来た痕跡は何ひとつ残さず、綺麗さっぱりと消えた方がいい人間だ、そういうことか」
読了日:09月06日 著者:柴田 よしき
コハルノートへおかえり (角川文庫)の感想
この本も私の読書傾向からはかなり遠いのだけど、実は著者にささやかなご縁があって入手した本。でも、いつまでも放置プレイは本にも著者にも申し訳ないので、せっかく出来た時間でこのたび手に取った次第。元気者で粗忽ものの直情径行ムスメが、美青年やら美少女に囲まれて構われてオロオロする話。最近珈琲店やら古本屋やら古道具屋やらのほんわか日常系が流行ってるが、これはハーブティ屋さん。最後までキスすらしなかったよ。先は長そうだね。(笑)
読了日:09月02日 著者:石井 颯良
カソウスキの行方 (講談社文庫)の感想
なんで私、この本買ったんだっけ?と思わず首をかしげるくらい、自分のテイストではない(笑)しかも、Amazonに購入履歴が表示されるってことは、私はこの本を中身も確かめずにポチったようだ。なんだろ、若い(?)女性の心の機微っていうか、そこをあえてはずしてくるオモシロさなのかな、とは思うのだが、自分だと女の子の恋愛やら夢やら希望やらがよく分からない・・・というよりは、「どーでもいい。面倒くさい」がいちばん近い感想だったりして。そういう意味ではこの主人公たちと、案外自分は似通ってるような気もする。
読了日:09月01日 著者:津村 記久子
読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3801
ナイス数:1324
聖母の深き淵 (角川文庫)の感想
RIKOシリーズなのに当のリコが狂言回しにしか思えん私はダメな奴です。ラストの陽に透けた一瞬の金髪に全部持ってかれちゃいました。リコに問われて答える練。「愛している」手酷い暴力を受けてもとりあえず倍返しして(?)自分の中に呑み込むリコの漢気はすごい。好きなキャラじゃないんだが、ちょっと惚れます。しかしこれ、『聖黒』先に読んでたから落ち着いて読んだけど、こちらを先に読んだらどれほど練と麻生に気がもめた事だったろう。そういう意味では、このシリーズも刊行順が正解なのだろうな。『聖黒』続編『海は灰色』を待望する。
読了日:09月28日 著者:柴田 よしき
フラジャイル(23) (アフタヌーンKC)の感想
間瀬さん(悪魔)+アミノ製薬+火箱ちゃん。患者の利益を最優先に岸センセが動く。動く時には超速なのがすごい。治験の現場のあれこれに、半ワク界隈で治験ガ〜と騒いでいた人達の事も思い起こされたり。「治験による殺人」と岸センセに言わしめた間瀬とアミノは次巻どう動くのか。相変わらずよませますなあ。
読了日:09月27日 著者:恵 三朗
SKYLARK <矢代俊一シリーズ16>の感想
【毒を喰らわば皿まで】企画16。透の劣化がひどい。そろそろ別人?って感じになってきた。変化(その1)透が車の運転上手に変身。(その2)性格。どっちかってーと島津さんちのサボテンの鉢植くらい静かな草食系だった透が、如才なくて、口が回って、いやらしくて、仄暗くて、『朝日のあたる家』や『ムーン・リヴァー』でさえそうだった、汚れ切れない、どこかおっとりとして、世の中の流れに乗り切れていなくて、いつも困惑していて、やっとこさ生きている不器用な感じがなくなってしまった。もはやマリアさまの面影がない。これ別の人だろ。
読了日:09月20日 著者:栗本薫
サヴァイヴ (新潮文庫)の感想
「サクリファイス」「エデン」に登場するロードレースの選手たちを主人公にした短編集。なかでも、若い石尾がとても魅力的。チカは相変わらず、風が吹き抜けるみたいに爽やかで、風にそよぐ柳のように柔軟。アシスト気質のチカもヨーロッパに先陣した日本人として、めいいっぱい頑張っている。そして、ベテラン選手として老成していく赤城が、地味に、格好がいい。人間として目指すなら、赤城だな。チカもいずれ、そんなふうになっていくだろう。それにしても、繊細な日本人には、闘牛は刺激強すぎ。
読了日:09月19日 著者:近藤 史恵
或る夜 -NightS-の感想
マトリの間崎サンと唐島テンテン君のキケンな続編。ある一夜の睦言のおはなし。これから危険な潜入捜査に臨むらしい麻薬取締官の間崎さんは若干メロウな感じになっている。珍しくテンテンと甘く遊びたい気分らしい。単にヤロー二人がSEXするだけの短編なんだけど、間崎さんの表情がいいんだよなあ。
読了日:09月19日 著者:ヨネダ コウ
NightS (ビーボーイコミックスデラックス) (ビーボーイコミックスDX)の感想
読んだのはちょいと前なんですが、未登録だったので。麻取の間崎サンと運び屋天一クンの絡みが好き。「囀る鳥」と同じく、柴田よしきさんの世界観を横引きで読める。「・・・・マトリかよ!!!」「そう喜ぶなよ。照れるだろ」のやりとりが好きだ♪
読了日:09月19日 著者:ヨネダ コウ
RIKO ‐女神の永遠‐ (角川文庫)の感想
警察小説+ジェンダー。自分の中の女性性と外側から強要される「女」がリコの中で調和することなんてあり得ず、ギシギシと軋む音が聴こえてきそう。男の巣窟・警察の中で必死に仕事をしてきたはずなのに不倫や同僚からのレイプという陥穽に落ちて、警視庁から所轄に“都落ち”しても、新天地では仕事と部下に恵まれて充実していたのに。古巣の本庁との合同捜査が始まって、リコはまたもかき乱される。傷を乗り越えるためにかえって奔放になった緑子の性には結構ビックリだが、自分の中の女性性とどう折り合うのかは、女にとって大きな問題だ。
読了日:09月16日 著者:柴田 よしき
エデン (新潮文庫)の感想
ヨーロッパに渡って3年目のチカは、フランスのプロチームに移籍して初めてのツールに挑む。チームのエースはフィンランド人のミッコで寡黙な者同士だが息は合っている。今年頭角を表したフランス期待のエース、ニコラとその親友でアシストのドニとの交流も絡め、延べ三週間の過酷なレースが展開していく。読んでるこっちも一気にツール・ド・フランスに引き込まれる。とくにチカが本領を発揮する山岳レースと時速100㎞にもなるという下りがすごい。もうちょっとチカが活躍する姿も見たかったな、というのは漫画的展開を期待しすぎかな。
読了日:09月11日 著者:近藤 史恵
サクリファイス (新潮文庫)の感想
自転車ロードレースの奥深さを垣間見る。正体がつかめなかったエース石尾の人物がチカの中ではっきりと像を結ぶにしたがい、感動が追いかけてくる。周囲の半端な推測が雑音となっていたが、チカの直感は正しかった。そして私は袴田や香乃や篠田という中途半端な人間たちにムカついた。でもそんな半端な人間にも居場所があるのがこの世の中なんだよね。小説の中も然り。命を懸けるだけの価値を見いだすのかはそれに懸ける人次第。そんな純度と硬度の高い人間だけが犠牲を捧げることができる。それにしても、そうまでして・・・と思うと切ない。
読了日:09月10日 著者:近藤 史恵
育休刑事 (角川文庫)の感想
最近の作家さんのペンネームって面白いなあ、と思いつつ確認もせず「にとり・にわとり」と読んでいた私。失礼いたしました。捜査一課といえばエリート刑事の代名詞、そんな若手刑事が育児休業を取得して。。。でも、せっかくの育休中なのにトラブル牽引機の姉が事件を引き寄せる(笑)。あと、秋月刑事(育休中)の妻(管理職)の正体が気になって、ぐんぐん読んでしまいました。事件にはさしたるひねりはなく、ミステリってほどではないのでお仕事小説かな。欄外の解説もいと面白く、軽い読書にオススメ。
読了日:09月08日 著者:似鳥 鶏
シーセッド・ヒーセッド (講談社文庫)の感想
園長探偵ハナちゃんシリーズ3作目は短編3作の連作。ハナちゃん曰くのアフターケアに、探偵のプライドが滲む。練のマンションの玄関前に捨てられた赤ん坊。部下の斎藤は「社長のお嬢さん」呼ばわりだが、おそらく練の子ではない。赤ん坊そのものと、母親探しを押しつけられるハナちゃんは無事事件を解決するものの、今度は練が親子鑑定をしたいと言い出して。説教垂れるハナちゃんに練が言う。「それは、つまり、俺は消えた方がいい、ってことか。この世に生まれて来た痕跡は何ひとつ残さず、綺麗さっぱりと消えた方がいい人間だ、そういうことか」
読了日:09月06日 著者:柴田 よしき
コハルノートへおかえり (角川文庫)の感想
この本も私の読書傾向からはかなり遠いのだけど、実は著者にささやかなご縁があって入手した本。でも、いつまでも放置プレイは本にも著者にも申し訳ないので、せっかく出来た時間でこのたび手に取った次第。元気者で粗忽ものの直情径行ムスメが、美青年やら美少女に囲まれて構われてオロオロする話。最近珈琲店やら古本屋やら古道具屋やらのほんわか日常系が流行ってるが、これはハーブティ屋さん。最後までキスすらしなかったよ。先は長そうだね。(笑)
読了日:09月02日 著者:石井 颯良
カソウスキの行方 (講談社文庫)の感想
なんで私、この本買ったんだっけ?と思わず首をかしげるくらい、自分のテイストではない(笑)しかも、Amazonに購入履歴が表示されるってことは、私はこの本を中身も確かめずにポチったようだ。なんだろ、若い(?)女性の心の機微っていうか、そこをあえてはずしてくるオモシロさなのかな、とは思うのだが、自分だと女の子の恋愛やら夢やら希望やらがよく分からない・・・というよりは、「どーでもいい。面倒くさい」がいちばん近い感想だったりして。そういう意味ではこの主人公たちと、案外自分は似通ってるような気もする。
読了日:09月01日 著者:津村 記久子
読書メーター
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