著 者 鳴神 響一
出 版 角川春樹事務所 2021年11月
単 庫 400ページ
初 読 2022年10月18日
ISBN-10 4758444455
ISBN-13 978-4758444453
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/109727555
今作は、丹沢湖周辺の集落に現れる「落ち武者の亡霊」。無事に解決にこぎ着けたはずなのに、今度は白い着物姿の幽霊が目撃される騒ぎに。SNSに投稿された体験談で、騒ぎを嫌らって旅館の宿泊のキャンセルがでるわ、オカルト好きの野次馬は集まるわ、晴虎の地元の信頼は揺らぐわ、で、晴虎もじっとしてはいられない。
そうこうするうちに今度は水死体が発見されるし、白骨死体はでてくるし。
静かな山の温泉で、これまで大した騒ぎも無かったのに、この駐在さんが赴任したとたんに立て続く騒ぎでは、かえって晴虎が「縁起の悪い男」と悪評が立ってしまうのではないか、と心配でならない(笑)
静かな山の温泉で、これまで大した騒ぎも無かったのに、この駐在さんが赴任したとたんに立て続く騒ぎでは、かえって晴虎が「縁起の悪い男」と悪評が立ってしまうのではないか、と心配でならない(笑)
幽霊さわぎから始まって、北条の埋蔵金、脱税絡み、映画のロケ・・・・と惜しげも無くいろいろなネタが絡み、晴虎のニューナンブも活躍。この駐在さん、よく銃を抜く。きっと事後報告書を書くのが大変だろうなあ。前作でおなじみの血圧の宇佐美管理官、江馬さんも登場するのは、本も後半に差し掛かってから。ここからは一気に巻きに入ってラストまで一気読みです。犯人逮捕の後も、犯人に、取り調べで嘘をつくな。供述が食い違うと不利になる、と懇切丁寧にアドバイスする晴虎が好きだ。
著者の鳴神響一氏は、法学部出身で神奈川県の学校事務経験ありとのこと、公務員のお仕事と法律を良くご存じなんだろうな、と読んでいて思う。全編にわたる、多少は事情を知っている人間も裏切らないマニアックな描写が堪らん。前月は超勤ゼロだったから、超勤はつけずに休日振り替えで、とか、すこし前まで服務管理なんかもしていたわが身に染みわたるぜ。きっと地域課には超勤予算がほとんど振られていないんだろうなあ。Ⅲには年末調整の話なんかが出てきたけど、あのセリフはやったことがないと絶対出てこないと思う。学校事務で給与担当やったことあるんだろうな、と拝察する。職員数が多い職場だと大変ですよね。給与振り込みでなく、現金支給だった時代には、もっと大変だったはず。
鳴神響一氏には「神は細部に宿る」という格言を捧げたいと思います。
追伸 横浜ベイシェラトンのオールデイビュッフェ「コンパス」のスペインフェアに行きたい! → https://yokohama-bay-sheraton.jp/restaurants/compass/
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