2024年9月15日日曜日

0502 べにはこべ 〜私を創った本1〜

書 名 「べにはこべ」
原 題 「The Scarlet Pimpernel」1905年
著 者 バロネス・オルツイ    
翻訳者 村岡 花子

※以下の書誌情報は文庫本のもの   
出 版 河出書房新社 2014年9月
文 庫 442ページ
ISBN-10  4309464017
ISBN-13 978-4309464015
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/60233713  




※以下は初読時の単行本の情報
書 名「若い人たちのための世界名作への招待3 べにはこべ」
出版社 ‏ 三笠書房  1967年9月
初 読 1970年代某日

 読んだのは多分小3〜4の頃。
 当時『ベルサイユのばら』に傾倒していた私に、父がそっと差し出した一冊。子供なりにフランス革命辺りの読み物とか、フランス関連の本をあさってたのだが、父がモノには両面がある、といって、フランス革命を裏から観る(おちょくる)この本を貸してくれた。その時点で、カバーは無く、左の書影の状態だった。
 多視点で物事を見ることの大事さを教えてもった。以来の愛読書。色々な方の翻訳が出ているが、上の河出書房新社の文庫は、村岡花子氏の訳で、同じ本です。パーシー、マルグリット、アンドリュー、ショーブランといった人名表記がバーシイ、マーガリート、アンドリュウ、ショウブランだったりと古くさく、セリフ回しも今風の翻訳ではないが、やはり、村岡花子氏の翻訳は味わい深い。

《あらすじ》
 時は1792年。英国。対岸のフランスではフランス革命の真っ最中。フランスはロベスピエールの独裁状態で、ただ貴族であったり王党派であったりするだけで、革命裁判にかけられギロチン送りにされ、フランス各地で血の雨が降っていた。
 そんな中、ある英国人の義賊が見事な変装と鮮やかな手口でフランス貴族を救出し、英国へ亡命させていた。彼らが残していった小さな小花の紋章から、彼らは「紅はこべ」と呼ばれるようになっていた。
 元フランス人女優であったマルグリットは、最初こそ革命を支持していたが、その成り行きが血生臭くなるにつれ革命が疎ましくなり、女優を引退してイギリス貴族と結婚し、イギリス社交界の花形となっていた。彼女の夫であるパーシー・ブレイクニー卿は、愚鈍ではあるがイギリス社交界のファッションを牽引する洒落者の大富豪で、イギリス王太子の親友でもあるという貴族であり、フランス人であったマルグリットと大恋愛の末結婚したのだ。
 しかし、結婚初夜、マルグリットはかつて、とあるフランス貴族を告発しギロチン台に送ったことを夫となったパーシー卿に告白したことにより夫に嫌悪されるようになり、冷え切った失意の結婚生活を送っていた。
 
 イギリス社交界の華の表の姿とは裏腹に空虚な結婚生活を送っていたマルグリットに、在英フランス大使であるショーブランが近づく。ショーブランは「紅はこべ」を追っており、マルグリットの最愛の兄であるアルマン・サンジュストの命と引き換えに「紅はこべ」の正体を突き止め、ショーブランに密告するよう脅迫した。
 
 マルグリットはやむなく、紅はこべ団のメンバーであると目されたアンドリュー卿のメモを盗み見て、首領との接触の場所をショーブランに密告した。しかし、マルグリットは紅はこべの首領を危機に陥れたこと、それと兄アルマン・サンジュストが危機に瀕していることに苦悩して、自分の苦境をパーシーに打ち明ける。
 パーシーはアルマンの救出をマルグリットに約束し、翌日、突然屋敷を出立した。後に残ったマルグリットは、ふとした好奇心から夫の書斎に忍び込み、自分の夫が、かの紅はこべであることを確信したのだった。

 以下、フランスに密航した紅はこべことバーシー卿を救うため、マルグリットはアンドリュー卿を従えてフランスに渡り・・・・という冒険活劇が繰り広げられます。

なお、NHKBSで放映した英BBSのドラマシリーズ(1999年作成)も最高です。リチャード・E・グラントのパーシー・ブレイクニーが最高。
また、同じく英国で1982年に制作されたドラマシリーズも素晴らしい出来だそうです。むしろ、英国ではそちらのドラマのほうが有名とか。見てみたいです。

 

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