2024年12月5日木曜日

0522 システム・クラッシュ マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫)

書 名 「システム・クラッシュ /マーダーボット・ダイアリー」
原 題 「System Collapse 」2023年
著 者 マーサ・ウェルズ
翻訳者 中原 尚哉
出 版 東京創元社 2024年10月
文 庫 320ページ
初 読 2024年12月4日
ISBN-10 4488780059
ISBN-13 978-4488780050
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/124607051

 弊機は相変わらずぼやきに満ちていてほっこりさせてくれるが、この世界観って結構殺伐としてるよな。誰が、このような殺人を当たり前のように行う企業が文字通り支配している世界に住みたいだろうか? 確か映画のロボコップも企業都市国家みたいな世界観だったよな。SFに有りがちな設定ではあるが、なんだよ「企業許可殺人」って! そんなのあっちゃダメだろ! と世界観にツッコミまくる。そんな非常識な世界観だからこそ「構成機体」なる弊機だってが登場できるわけなんだが。
 要はサイボーグと同じなんだろうけど、ミソなのは個体の意識が人間の脳組織ではなく、プログラム側にあるところ。しかし、人間の脳を持つがゆえに、感情もある。しかしあくまでも意識は機械よりだし、自在にネットワークで情報を操作することもできる。だがしかし、一番したいことは、ドラマの視聴。これが、どうにも愛しい。
 
 そんな拗らせ弊機の今作は、『ネットワーク・エフェクト』の続きから。
 異星文明の汚染に犯された過去2回の惑星開拓事業。それに巻き込まれた人々を、新たな開拓(=企業奴隷化)から護ることができるのか。
 弊機としては、自分が護るべき人々のほうが大事、盟友ARTも、ARTが愛する乗組員の人々も大事。・・・・やっぱり、自分は貧乏くじを引くのが務めと心得、最前線で厄介事に最初にちょっかいを出すのは自分、という信念は揺るがない。

 ラストで、「ああ、やっと帰れた。たいへんだった」というラッティのセリフに心底共感できる。今回も大変だった。あとは、もう、ドラマに耽溺するだけ。ご苦労さま。 

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