2026年2月22日日曜日

0581 この悪夢が消えるまで ( イヴ&ローク 1)

書 名 「この悪夢が消えるまで」
原 題 「NAKED IN DEATH」1995年
著 者 J.D.ロブ(ノーラ・ロバーツ)    
翻訳者 青木 悦子    
出 版 ヴィレッジブックス 2002年12月
文 庫 452ページ
初 読 2026年2月20日
ISBN-10 486332667X
ISBN-13 978-4863326675
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/133609416

 イブ&ローク1冊目。2050年代、近未来のニューヨーク。冒頭、犯行に使われた旧世紀の銃器〈スミス&ウェッソン〉についてのフィーニーの蘊蓄「・・・銃禁止令が制定され、会社は2223年頃に生産を中止した。」というのは誤訳か誤植か? 21世紀後半に差し掛かるところの物語、と思って読んでいたので、いきなり200年も時代がすっとんで軽く混乱する。
 1995年にロマンス小説の女王ノーラ・ロバーツがJ.B.ロブの別名義で描いた21世紀後半は、コンピュータは音声入力、エアカー(航空交通)が一般化して、高級車は陸空両用、銃は規制されて所持するのが難しくなり、銃による殺人は激減(全米で年間100件とな)、警察官は拳銃の代わりにレーザー・ガン所持している。世界最古の職業、娼婦は「公式コンパニオン」という名称で合法化。合法・公認化できちんと(?)教育・管理もされて、いわゆる管理売春は一掃されているようだ。顧客のリスト化、定期健診など?も義務付けられている。SEX産業は人間にとって必要かつ健康的な産業になっているという設定。
 キッチンには〈オート・シェフ〉というマシンがあり、なんでも調理して提供してくれるらしい。コーヒー豆は超高級品で、庶民は代用コーヒーを飲んでいる。肉も高級品のようで、イブがレストランで頼んだのは野菜のパスタ。そういったちょっとした舞台装置に慣れちゃえば、あとはごく上出来なロマサス。地の文で突然ロークの心の声が混じるのがちょっと唐突感があるけど、これも慣れれば問題ない。

 ちなみにロークは2023年生まれだそうで、現時点(2026年)で2歳になっているハズ。1995年にロバーツが思い描いた70年先の世界は、現在からみた30年先よりはだいぶ先を行っているような気がする。

 ミステリアスでハンサムで富豪、有能で庇護欲があって、ちょいワル風味な男ローク。セントラルパークに面した200年前の石造りの4階建て豪邸に、執事に傅かれて済んでいる。フルネーム不明で知られた名前は「ローク」だけ、という謎めいた人物。イブの方は、ニューヨーク警察の警部補で、きわめて有能かつ芯の通った強さで、そうそうロークの思い通りにはならないが、恋愛面ではロークがやや競り勝つ。というこれがあれか、スパダリってヤツか。 もっとバリバリなハーレクイン風味なのかと思いきや、ちゃんとしたサスペンスだし、警察ものとしても、イブとフィーニーのバディぶりも良いし、一癖ありそうな上司ホイットニー良い風味だ。
 さすがは60巻まで続くだけのことはある。

 そんなこんなで、第1巻目は、イブとロークの出会いから2人が恋に落ちる。
 イブは8歳までの記憶がなく、だけど、父親に性的虐対を受けていた過去の傷を抱えている。ロークも少年時代は不遇だった様子が窺える。過去と心に傷を持つからこそ強くなりえた2人が出会い、これから、どのように信頼と愛を深めていくのだろう。

 もう、米国ミステリー界は、PTSD持ちじゃない主人公っていないんじゃないかと思うくらい、「被虐体験」「過去のトラウマ」持ちだらけなんだけど、そこをどうやって描いて行くかは腕の見せ所なのかも。
 イブに関しては、怒濤のようなラスト(犯人をブチのめす)からの、緊張と恐怖から解放されてほぼ幼児化したイブとイブを心配するロークとの会話になんだか全部もっていかれた。
なにはともあれ、まだ1巻。どこまで息がつづくかわからないけど、とにかく続きを読もう。

2026年2月11日水曜日

0578—80 傭兵の男が女神と呼ばれる世界1〜3 (アンダルシュノベルズ)

書 名 「傭兵の男が女神と呼ばれる世界1」
出 版 アルファポリス 2020年9月
単行本 304ページ
初 読 2026年2月4日
ISBN-10 4434278754
ISBN-13 978-4434278754
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/133260505

 引き続き野原耳子さん作品。
 これまた異色も異色なBLでビックリ! 有り得なさそうなものを取り合わせてブッ込んで面白くしました!って感じだけど、これがとにかく面白い。断然面白い。
 なにしろ、無骨な傭兵だ。AK47抱えてジャングルを縫い、手榴弾放り投げる戦士。元自衛官。既婚・子供あり。(ただし訳あり)
 そんな、男臭く、汗臭く、ジャングルの泥まみれ、砂漠の砂まみれみたいな迷彩服の男が、なんと異世界に飛ばされる。それも女神として!! つーか、異世界側が女神がやってくるという神のお告げ?に従いお出迎えしたら、現れたのがこいつ、尾上雄一郎だった。もう、名前からして男臭い(笑)。尾上(おがみ=男神?)は女神に掛けてるのかナ?
 雄一郎の抵抗も虚しく、女神として召喚されたんだから、男だろうがおっさんだろうが、お前は女神なんだ、と異世界側には強弁(笑)されてしまう。お前のこの世界での使命は、軍を率いて「正しき王」を勝利させること、そして「正しき王」の子を産んで国母となること(!)。自衛隊上がりの傭兵だから軍を率いて・・・の方はなんとかなるにしても、「国母となれ!」は37歳中年男に無茶振りもいいところである。
 しかもこの異世界は王位簒奪戦の真っ最中で、自分の目の前のひ弱な泣き虫少年が王位簒奪の憂き目にあっている正当な王位継承者「正しき王」であると言われ、なにもかもが納得いかないうちにいきなり砲撃にさらされ、やむを得ず戦闘開始。
 技術的には連発銃が戦力になりつつあり、大砲は戦力化されており、航空機以前の世界観。ドライセ銃からスペンサー銃をイメージすればイイ感じかな? 世界史年代的にいえば19世紀中頃、アメリカ南北戦争くらいの軍装を思い浮かべればだいだい合ってる? まるっきり甲冑、ロングソードってわけでもなさそうなところが、元陸自・傭兵の尾上雄一郎が戦闘指揮能力を発揮できそうな絶妙な塩梅である。
 そしてあれよあれよというまに、元の世界に帰るためにもとりあえず「王の子」を産むことを納得させられ、夜ごとの3Pになだれ込む。激しい。いろんな意味で激しい。

 一巻目は、異世界召喚からの戦闘。雄一郎が初夜(?)で犯され、徐々に「正しき王」ノアと「仕え捧げる者」テメレアに絆されつつ、まずは反乱軍に侵攻された王城を奪還するところまで。昼は過酷に戦い、夜は夜とてベッドの上で男2人に侵略される、男・尾上雄一郎37歳の戦記であるとともに、全てを失い絶望した男が何を思い、何を取り戻していくのか、そんな雄一郎の内面からも目が離せない。(こんなBLがあるとは・・・・目から鱗が落ちそうな一冊である。)


書 名 「傭兵の男が女神と呼ばれる世界2」 2021年7月
単行本 299ページ
初 読 2026年2月7日
ISBN-10 4434291106
ISBN-13 978-4434291104
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/133284932

 反乱軍の居場所を探るために偵察に出した兵とテメレアが戻らない。唯一戻った女性士官のイヴリースの背中には矢が突きたっていた。
 その方面には、女神を信奉する部族の街があったはずなのに、なぜ? テメレア奪還のために出撃する雄一郎である。そして、なんと雄一郎の他にも、もう一人の「女神」がこっちの世界に現れていた。ノア側とノア兄側、それぞれが「女神」を擁し、隣国の最新兵器も登場して戦局はいよいよ厳しい。そこで、雄一郎側は、ノア兄側と同盟している隣国ゴルダールの内乱を誘発する策にでる。
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 元いた世界で妻と子供を失い、すべてに絶望し、心なんぞ死滅したような雄一郎の、その実は細やかな心情が描写されるのが良し。死にかけたり・生き返ったり・倒れて寝込んだり、それなのにやっぱり犯され喘がされ、戦争よりもベッドの上が激しい。シャグリラの実という、女体化を促進する実を摂取しているうちに、なんとなくヒゲが薄くなり、体が柔らかくなってきた。そして、2人の夫?愛人?恋人?を求めずにはいられない体になりつつある。しかし、王位継承のための戦争はまだまだ混沌として続く。雄一郎の外套の襟元にとめられたピンの赤い石(サザレ)が不穏。それを留めたゴートはいずこに? まだまだ波乱の気配を漂わせながら、話は3巻へ


書 名 「傭兵の男が女神と呼ばれる世界3」 2022年5月
単行本 515ページ
初 読 2026年2月8日
ISBN-10 4434303244
ISBN-13 978-4434303241
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/133362698

 隣国ゴルダールの前王の双子の子を見つけだし、現ゴルダール王を打ち破り、ジュエルドとゴルダールに平和な未来をもたらすことを約束したノア一行。行く先々でアオイが現れるが、このアオイの造形とか、アオイの位置づけなんかは結構チープな感じがする。まあ、悪役として分かりやすくはあるが、もうちょっと魅力的な悪役でもいいような気がする。ともあれ、雄一郎の過去の出来事が、ついに雄一郎の口から語られる。そして、ゴートの裏切りによって、腹を刺されて凍った湖に落ちた雄一郎は、再び死線を越えて現代の日本に。

 この作品では、戦争が平和な世界を築くための「必要悪」として語られるけれど、第二次大戦の記憶が遠ざかり、そして近隣の大国中国をはじめ、東欧、南米と全世界がキナ臭くなってきた今、戦争や犠牲を、そういうふうに単純化してしまってよいのか、という読み手(私)の思いを、作中の雄一郎自身が、受け入れ難く思っているところにも共感できたりする。雄一郎はやむを得ず戦うことを選ぶが、本当は、妻と子供を爆死という悲惨な形で失った雄一郎の嘆きが全てなんじゃないか? とも思う。
 令和が次の殺戮の女神の時代でありませんように、なんて、選挙の野党の惨状を見ながら考える。今が、ヒットラーが国民選挙で選ばれ、ナチスが台頭した時代と同じでないと、だれが言える?
 こんな感じで、読んでる自分の気持ちが現実と物語世界を行き来しつつ、「黒の女神」雄一郎の勇姿を追う。
 女神隊を鼓舞する雄一郎なんて、ほんとヤバい。せめてもの救いは、雄一郎が自覚を持っていて、戦争に酔っていない現実感覚を持っていることだ。そして、なにはともあれ、大量の戦争の犠牲者の屍を礎として、平和なジュエルドの、ノア王の治世はもたらされる。


 私としては、子供を産んでからの雄一郎が大好きだ。結果として(番外編までいれると)7人の子持ちになっちゃうわけだが、相変わらず一人称は「俺」でぞんざいな口調なのに、子供達からは「母様」と呼ばれ、母として根気強く子供達を育てる雄一郎を好ましく思う。なんていうか、戦争が終わってしまえば軍人の出番はなく、内政も外交もノアとテメレア任せで、雄一郎はせいぜい暇つぶしの盗賊退治の他は、母親業しかやることなくなっちゃったんだろうとも思ったりするが。

 番外編については、賛否両論ありそうだけど、ゴートの執着と雄一郎の未練は私的には「アリ」だと思った。『雄一郎がどれだけ自分を憎んでも、疎んでも、それでも僕もテメレアも雄一郎を見捨てない。雄一郎がどんなことをしても最後には許す。雄一郎が好きだから。誰よりも大事だから』というかつての言葉を、ちゃんと守る2人の夫であった。私としては、自分自身でも受け止めきれない妻と娘の悲劇の痛手を抱えつつ、ゴートの喪失に寄り添い、ゴートの行き場のない怒り(裏切り行為)も受け止め、ずっとゴートを側に置き続けた雄一郎の懐の深さを、事実もろともゴートにぶつけたいと切望したよ。ノアとテメレアは、ゴートに言っちゃえばよかったのに!(そしたらきっと、ゴートは再起不能なまでに打ちのめされたと思うよね。) さて、誰の子になるかはワカランが、雄一郎に8人目の子が生まれないかどうかは、神のみぞ知る??? ちょっと期待してしまったり・・・・

 久しぶりに読後も主人公が頭の中を歩き回る感じを味わっている。だいぶ雄一郎に入れ込んだ。読後数日たっても、まだ物語世界から抜き出せきれていない。私は本当に傷ついた男が好きなんだよなあ。。。。。

2026年2月1日日曜日

2026年1月の読書メーター

 何気に穏やかに新年を迎え、今年はちゃんと初詣にも行き・・・と、まがりなりにも順調な滑り出しと見えた1月でしたが、9日に母が入院し、とちょっと波乱がありました。そういえば、2025年のまとめで書き忘れていたのですが、読書メーターを始めたのが2016年秋頃で、昨年は10周年、今年は11年目だったのでした。ちなみにこのブログは2020年9月に始めたので、ブログの方も昨年は5周年だったんですが、なんだかいろいろと合って感慨に耽る暇もなかったのでした。
 そんなこんなな1月は、いろいろと悩ましいこともあり、もう、「お気楽読書しかしたくない!」という感じだったので、ひたすらハッピーエンドを求めてラノベ/BLに傾倒。読メにもブログにも書かない(書けない?)Net小説も隙間時間に読み漁りました(汗)。
 おかげ様で、野原耳子さんという才能に巡りあえたのは幸せ。
 1月1日に読み始めた「わたしのおとうさんのりゅう」は、いまだ読了せず。なんとなく、父母の関係で身につまされそうな本は、気持ちが避けがち。
 今年も読書目標は年間100冊ですが、この100冊は、本当は漫画を含まず、という内規があるので(笑)いまだ達成できたことがありません。さて今年もがんばろー!

1月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2389
ナイス数:417

再生再生感想
喜一(きぃ)の壊れた世界の心象を丁寧に描写していく。めちゃくちゃリリカルだけど、暴力描写もある。BLカテゴリだけど、文芸書?文学?みーちゃんとのままごとのような愛が突然の暴力で粉々にされたあと、心が壊れた喜一はどうやって生きて行こうとしたのか。喜一の周りの人達も、それぞれになにかを抱え、背負っている。「きぃ」と呼びかける声の優しさが心に沁みる。この本電書のみだけどハードカバーで文芸書棚に並んでいても文句ない。いっそ私が賞をあげたい。野原さん、すごい才能だと思う。おすすめです。
読了日:01月28日 著者:野原耳子

王と正妃~アルファの夫に恋がしてみたいと言われたので、初恋をやり直してみることにした~王と正妃~アルファの夫に恋がしてみたいと言われたので、初恋をやり直してみることにした~感想
オリジナル本登録ありがとう!このお話大好きなんです。表紙のイラストも綺麗でほんと好き。若くはない恋愛、生真面目な王妃(Ω♂)の気持ちが刺さりまくりますね。なんとか無事に生まれた末弟(Ω)が5人の兄達に溺愛されまくる未来が見えます。
読了日:01月24日 著者:仁茂田 もに

バッドエンドを迎えた主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)バッドエンドを迎えた主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません(下) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
主人公が流刑になっていた僻地に断罪劇の敵方の王太子と婚約者がやってきて、主人公アルトが世界を救うっていう役割を自覚して下巻に。光の神子の「知識」を持ったジュリアンと「力」を持ったアルト、光の神子は実は二人居たんですって展開でも面白かったかも、とか妄想しながら後半のジェットコースターを愉しむ。無愛想・朴訥・裏表のないフェリクスが、アルトを守るために腹黒陰謀執着系に成長。フィンが死にそうでハラハラしたけど、無事にちゃんとハッピーエンドした。断罪劇の真相なんかは王太子もそれなりに頑張っていたのね、と納得。
読了日:01月23日 著者:仁茂田 もに

バッドエンドを迎え主人公ですが、僻地暮らしも悪くありません(1) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
引き続き「ハッピーエンドしか読みたくない」病発症中にて、ネットで読了済みのこの本を再読。今流行りのキャッチーなのを書いてみよう、と思って書かれた作品とのことで「女子に流行りの日記ってものを書いてみようと思って書いたんだよ」という某日本古典文学の出だしを思い出した(笑)。で、いきなり断罪劇から始まるっていう、ラノベ界隈にいくらでも転がってる展開だし、主人公は当然チートだし、転生したのは過激BLゲームで世界は平面・天動説。美形だらけの突き抜けた世界観でながら、これがちゃんと面白い。さすが。
読了日:01月23日 著者:仁茂田 もに

分水:隠蔽捜査11分水:隠蔽捜査11感想
タイトルの「分水」。捜査の流れがはっきりと変わる地点があるってことかな。謎はほとんどなく、ただ捜査の手順を追いかける。目星をつけて、さらに追跡し、証拠を固めて落とす。そこに絡んでくる有力政治家の家系と地縁。そしていつにも増してウザい八島!こういうやつってクシャクシャ丸めてポイって捨てたいよな。竜崎は自分の知ってる1番優秀だった上司の顔で脳内再現。いやああの人は本当に優秀だったよなー。あっという間に出世の階段を駆け上がっていった。毎度思うが組織に1人、竜崎が欲しい。今回も示唆が沢山。一気読みでした。
読了日:01月18日 著者:今野 敏

俺の妹は悪女だったらしい (一迅社ノベルス)俺の妹は悪女だったらしい (一迅社ノベルス)感想
純情で強情で強くて純朴な護衛騎士と冷酷で腹黒執着系主君。死に戻り巻き戻し系ファンタジーBL。妹のダイアナがだんだんいい性格に育つ(笑)。必至な主人公兄が、実は主君だけではなく妹にも溺愛されている変則的三角関係?と死に戻りしたのが主人公だけじゃないのがミソ。ひねりが利いていて、読んでる途中は???だったタイトルもラストで回収。腹黒さんが沢山いて、ファンタジーとしてなかなか面白い作品で、死に戻りの原因もちゃんと説明されているのが良し。主人公の得物が戦斧ってのは珍しいような気がするし、なかなか派手で良い。
読了日:01月17日 著者:野原耳子,凩はとば

聖母の深き淵 (角川文庫)聖母の深き淵 (角川文庫)感想
『海は灰色』刊行記念。山内練登場作品再読祭り中。練ちゃん初登場作品。一作目よりずっとミステリー。息子を産んで落ち着いている緑子はわるくない。麻生の「愛している」と練の「愛している」それぞれを知る緑子。初読時よりは落ち着いて読めるけど、麻生と練の物語はここから始まったのかと思うと感慨深い。まあ練に煙草押しつけたりロシアンルーレット仕掛ける胆力のある人間は緑子くらいしかいないよ。緑子も散々な目には遭っているが、やられっぱなしでないのが凄いところ。女が生きて行くためにはとりあえず3倍返しくらいは必要だと思う。
読了日:01月08日 著者:柴田 よしき

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