2026年3月22日日曜日

0587 精霊を宿す国(2)黄金の星

書 名 「精霊を宿す国(2)黄金の星」
著 者 佐伊          
出 版 リブレ 2023年9月
単行本 312ページ
初 読 2026年03月02日
ISBN-10 479976411X
ISBN-13 978-4799764114
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/133790959


 1巻の終わりに鳳泉の操者になれ、との国王の意を受けたキリアスは、すでに半年もオルガと別離の状態で修行を重ねている。こいつだけは、一生懸命でもどこかまだ身勝手だな〜と思う。早く覚醒しやがれ。そして、ちゃんとオルガ本位になりやがれ(笑)

 物語は、光蟲のイーゼスとハユル、時を一世代遡って、ダナルとルカの物語、さらに前代の鳳泉のガイとリアンの物語も。まだ若いカディアスと、王宮を覆い尽くす不穏。先読という存在が、こんなに不安定で大丈夫なんだろうか? これで、ちゃんとこの国は維持されるのであろうか? と、大いに心配になる。とにかくそれぞれのパートで語られる物語が終始一貫して切ない。そして、どこをどう切り取ってもこれ以上はないってくらい苦労人のカディアス。よくこんな状況で16歳で即位し、耐えてきたな。やっぱりこの物語で一番存在感が大きいのは、カディアス王だろう。この物語は、いわばカディアスが即位してから退位するまでの、一代記でもある。
 現在の時点での王宮での事件と場末の娼街での騒乱でついにオルガとキリアスは共鳴し青雷の能力は全開になる。そして、オルガが16歳を迎え、青雷はオルガを離れていく。 オルガは鳳泉を授戒する定めのキリアスの半神足たるべく歩んでいく。これから、いよいよ物語は核心に近づいていく。

2026年3月21日土曜日

0586 精霊を宿す国(1)青嵐

書 名 「精霊を宿す国(1)青嵐」
著 者 佐伊          
出 版 リブレ 2023年8月
単行本 312ページ
初 読 2026年03月02日
ISBN-10 479976389X
ISBN-13 978-4799763896
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/133790956


 これまでに、佐伊さんの作品を『竜王の婚姻』『君を転生させないために』と読んできて三作目の「精霊を宿す国」を遂に入手した。
 この作品、これまでに読んだ中で一番好きだ。
 一読目は、とにかく何が起こるのか、どうなるのか?と先を知りたくて、駆け足で読み飛ばしたので、ラストまで読み終えてから、最初に戻ってじっくりと精読した。なにしろ登場人物が多いし、血縁関係や縁戚関係が入り組んでるので、読みながら人名や用語や設定をメモった。それもまとめようと思っていたが、著者の佐伊さん作の設定集/人物集が「なろう」の作品サイトの冒頭にアップされてるのに気がついたので、そちらを有り難く活用させていただいた。

 でもって、一度最後まで読んた後に最初から読むと、物語冒頭のキリアスの行動がいかに、いかにヒドいか良く分かる(^^ゞ 
 初読時とは全然印象が違うので再読オススメだ。

 オルガの出生から現在まで、いかに多くの人がその健やかな成長を切望し、遠くに、近くに見守ってきたか。そしてそれをいかにキリアスが踏みにじったか!初読時とはまるでちがう切なさをひしひしと感じる二読目である。
 依代と操者の二人一組で一体の精霊を操作する、そしてその二人の「共鳴」の過程はセックスに通じる感覚である、ってことで全編ややエロい描写が散らばってるが、なにしろ、それも「修行」の一貫なので笑い事ではない。ラグーン師匠は大変いい味だしてる。(笑)

 で、さて、一巻目は、14歳になった主人公オルガがおっかなびっくり、精霊師になる修行のためにお山(千影山)に入るところから。
 お山に生息する精霊「こだま」はまんま、宮崎駿の『もののけ姫』のイメージで。そして傍若無人な第一王子キリアスとの出会い。大切に育てられた国王の長男が、ちゃんとその血筋ゆえに、育ちゆえに、能力ゆえに、傲慢ワガママに育ってる、というのも何気にリアルである。由緒正しい品行方正な王子様❤️ではないのだ。王位継承権を奪われたからには、ぜったに神獣師になってやる、と手段を選ばず、最短距離で「青雷」をひそかに身のうちに宿すオルガを、強引に我がものにするキリアス。本当にダメな子なんだが、そのあとはひたすら精進するあたり、ただのダメっ子ではない。ちゃんとクルトにお仕置き喰らってるしな。

 そして、なぜオルガは青雷をその身に宿しているのか。オルガの出生の謎は、まだこの巻ではチラ見せ。そして、オルガとの出会いでは、とにかく恐ろしいばかりのカディアス王(キリアス父)。これから巻が進むごとに、彼が舐めた理不尽な辛酸であるとか、彼の愛情のありようであるとかが分かってくるのだけど、とにかく最初はもう、カディアス王との出会いはトラウマ級の恐怖体験でしかない。
 オルガよ、よく耐えた。そしてオルガは己の父の名前と己が血筋を知るのだ。
 メインのストーリーと併走して、ライキとクルトの紫道、ゼドとセツ、ユセフスとミルドの百花の物語も。ミルドなんか、純愛を通りこしてただの変態・・・・(失礼!)にしか思えないんだけど、それも突き抜ければ一周巡って? あのユセフスが折れて? ・・・・まあ、割れ鍋にとじ蓋的な? ユセフスも、よくわからない人物ではあるのだけど、これからだんだんじわじわと味わい深くなってくるからな。

2026年3月7日土曜日

2026年2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2986
ナイス数:482

君を転生させないために(3) (ピスタッシュ・ノヴェルス)君を転生させないために(3) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
ソラが実はシゲンを呪った相手なのでは、とか大呪術合戦スペクタクルになるのでは、とかシゲンとソラが手を携えてともに戦闘するのでは、など(武闘派な)読み手側の勝手な予測と期待を大きく裏切り、3巻目はなんとも切ない愛の物語に大きく舵を切る。そうきたか〜!もうクライマックスはロミジュリみたいじゃないか。一巻目はこれBLじゃなくても、とか思ったけど立派な(?)BLだった。ってか切ないラブストーリー。最終章で、私が気になっていた初恋カップルも成就したし、まさに大団円。
読了日:02月28日 著者:佐伊

君を転生させないために(2) (ピスタッシュ・ノヴェルス)君を転生させないために(2) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
3巻ものの2冊目、大きく事態が動く。主人公の呪術師ソラが密かに仕掛けた罠が始動する。さて、間者はあの2人の内のどちらか・・・・ってそっちだったか!シゲンの呪いを身に受けたソラがこれからどうなるのか・・・・って、これ2人が助かる道は、もう呪いを掛けた呪術師を仕留めるしかないではないか。この巻ではいよいよ2人の関係もBLらしく(^^;) メイリンとカイリもうまくいってほしいもの。せっかくの古代中国風味なのに、やけに現代的な言葉が混じるのが相変わらずちょっと気になるが、なにはともあれ、最終刊へ!!
読了日:02月27日 著者:佐伊

君を転生させないために(1) (ピスタッシュ・ノヴェルス)君を転生させないために(1) (ピスタッシュ・ノヴェルス)感想
『竜王の婚姻』がなかなか良かったので入手してあった佐伊さんの作品。佐伊さんはそもそもBLとして作品を創ってるんだけど、これBL要素抜きで中華風ファンタジーでも良かったな〜と思った。言葉の選び方はもうちょっとこなれてると良かったなーと思うところはあるのだけど、呪術の設定など、よく世界観を作り込んでると思う。物語の感想は最後まで読んでからで。漢名っぽい登場人物の名前が全部カタカナなのはちとつらい。覚えられない〜(笑)
読了日:02月26日 著者:佐伊

石礫 機捜235 (光文社文庫 こ 45-2)石礫 機捜235 (光文社文庫 こ 45-2)感想
文庫化から1年以上積んでしまったが、本日やっと読了。シマエナガみたいだな、とつい思っちゃうシマさんこと見当たり捜査のプロ縞長の活躍を描く2作目。自信があるんだかないんだかわからないシマさんと、シマさんを引き立てようと熱弁ふるう高丸の凸凹コンビ。今回はシマさんが指名手配容疑者を見つけたことから、どんどん転がるように話が大きくなっていく。やや幸運や偶然に頼りすぎでは、とかただの見込み捜査じゃ?って気もしないではないが、話はテンポよく進み、さくさくと解決。最後に登場した刑事部長は彼か?
読了日:02月23日 著者:今野敏

この悪夢が消えるまで (ヴィレッジブックス F ロ 3-1 イヴ&ローク 1)この悪夢が消えるまで (ヴィレッジブックス F ロ 3-1 イヴ&ローク 1)感想
まだまだ続くシリーズ60巻の1冊目。ロークがまさに“女性が夢見るような”ミステリアスハンサム大富豪であるが、ベタベタのハーレクイン風味かと思いきや、しっかりしたロマサスだった。1995年初版。近未来設定は描きやすさもあるが、陳腐化するのも早い。あと30年で、この世界になるかというと、ムリじゃないかな〜とは思うんだけど、いろいろなガジェットはさておき、主要人物の人物造形に好感度高し。しかしこの手の米国作品、トラウマ持ちでない主人公っていないな、と思う。なにはともあれ、イブとロークはこうして出会い恋に落ちる。
読了日:02月22日 著者:J.D. ロブ

傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (3) (アンダルシュノベルズ)傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (3) (アンダルシュノベルズ)感想
番外編も含めて、厚い(熱い?)最終巻。バタフライエフェクトの完成。もはや「女神隊、出陣するぞ!」が格好よく聞こえるのは自分も壊れかけているせいか?雄一郎は妻と娘の無残な死を越え、自分の場所に戻り、戦を終えて母になる。番外編は私はアリだと思った。『雄一郎がどんなことをしても最後には許す。雄一郎が好きだから。誰よりも大事だから』という言葉を守ったノアとテメレアに雄一郎ともども感謝を捧げよう。
読了日:02月10日 著者:野原耳子


傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (2) (&arche NOVELS)傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (2) (&arche NOVELS)感想
荒みきった雄一郎の、その実細やかな心情が描写されるのが良し。殺されかけたり・倒れて寝込んだり、それなのにやっぱり犯され喘がされ、戦争以上にベッドの上も激しい。シャグリラの実という女体化を促進する実を摂取しているうちに、なんとなくヒゲが薄くなり、体が柔らかくなってきた。そして、ノアとテメレアを求めずにはいられない体になりつつある。しかし、内戦は混沌としてるし、もう一人の女神アオイの同行も不穏。雄一郎の外套の襟元にとめられたピンの赤い石がヤバい。それを留めたゴートはいずこに?てなところで3巻へ。
読了日:02月07日 著者:野原耳子

傭兵の男が女神と呼ばれる世界傭兵の男が女神と呼ばれる世界感想
引き続き野原耳子さん作品。異色も異色なBL。有り得なさそうなものをぜんぶブッ込んで面白くしました!って感じだけど、ちゃんと面白い。AK47抱えてジャングルを縫い、手榴弾放り投げてた傭兵・元自衛官・既婚・子あり(ただし訳あり)。そんな、男臭く汗臭く、泥にまみれた迷彩服の男が、なんと異世界に召喚される。それも女神として!!つーか異世界側が女神を召喚したら現れたのがこいつ尾上雄一郎だった。しかし異世界側の方には、女神として召喚されたんだから男だろうがおっさんだろうがお前は女神なんだ、と強弁(笑)されてしまう。
読了日:02月05日 著者:野原耳子

花よりも花の如く 24 (花とゆめコミックス)花よりも花の如く 24 (花とゆめコミックス)感想
やっと最終巻。「道成寺」もわりと淡々と進んだ。泰一先生の朝長見開き2ページが一番の見物だったかも。ずーとこの「淡々」と付き合ってきて〇年。けんちゃんと葉月さんもやっとゴールイン、というかスタートライン。ご苦労様。おめでとう。
読了日:02月07日 著者:成田 美名子