2026年6月30日火曜日

0597 アルファは飢えても主を摘まず(上)

書 名 「アルファは飢えても主を摘まず(上) 」
著 者 佐伊    
出 版 新書館  2026年6月
単行本 352ページ
初 読 2026年6月22日
ISBN-10 4403221599
ISBN-13 978-4403221590
読書メーター   
 


 『竜王の婚姻』『君を転生させないために』『精霊の宿る国』の佐伊さんの、新作(紙本)。
 『小説家になろう』サイトですでに読了済みながら、紙本で出版されるのを心待ちにしていた。
 オメガバース設定のBLではあるが、王政内部の政治抗争や、宗教(教会)との利害の対立、隣国との紛争・・・・が綿密に描かれて、中世〜近世くらいの西洋風歴史ファンタジーとして、非常に非常に骨太な物語になっている。そこに、隠れオメガの国王エイドの深い苦悩や、まやかしの宗教裁判で姦淫の罪に問われて、還俗させられてしまった修道騎士ヴァルトルがエイドに寄せる敬意と愛、ヴァルトルの叔父であるメソルトの困難な立場、王太后の思惑・・・・とキャラ立ちしている上に複雑な人間関係が絡みに絡み、とっても濃厚。読み応え抜群である。
 
 私は、「素手で殺せます」とか「素手で行います」(刺客を殺す)とか、なにかと物騒で、周囲の思惑に忖度することなく、我が道を突っ走るヴァルトルの造形が素晴らしいし、その庇護者であるメソルトも、難しい立場にいるにも関わらず、なかなかに軽やかな言動が好ましい。ヴァルトルと聖騎士団の仲間の関係性も嬉しいし、とにかく美味しいところだらけ、というか美味しいところしかない。個人的にはアゼルも大のお気に入りである。

 物語は紆余曲折あるが、上巻は、メソルトの血を吐くような告白まで。
 国王エイドに忠誠を捧げるヴァルトル、(もう最後までネット上で読んじゃってはいるんだけど)これ以上、ヴァルトルに苦難が降りかかりませんように!と願いたくなる。下巻は7月中旬発行。ただひたすら待ち遠しい。

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