2026年6月14日日曜日

0594 狼の遠き目覚め (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「狼の遠き目覚め」
原 題 「With Caution」2008年
著 者 J.L.ラングレー
翻訳者 冬斗 亜紀    
出 版 新書館 2014年5月
文 庫 436ページ
初 読 2026年6月12日
ISBN-10 4403560172
ISBN-13 978-4403560170
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/135897720

 「狼を狩る法則」ではかなり嫌みな登場の仕方をしたあげくに、人狼に襲われて死にかけて、ジェイクとチェイの手で人狼となったレミは、15歳年の離れた弟のスターリングを父親の暴力から守り、父親代わりになって育ててきた良い奴だった。同性愛嫌悪のように見えた言動も、父親から自分と弟を守るために創り上げた鎧のようなもの。ジェイクが側にいると感じる安心感に、少しづつレミが安らいでいく描写が良い。

 そのレミが、“オメガ”であることが群の集会で判明、メイトがオメガであることが分かったジェイクは、これまでの群から独立して、新たな群を率いることになる。

 レミとジェイクがパートナーとして親密さを増して高まっていくこと、闘争力は弱いが、その共感力で群の連帯を強めるオメガとして、レミの能力が開していくのと、レミが虐待親と対決し、過去の傷を乗り越えていくという、レミの成長三本立てのストーリー。天真爛漫に育ったスターリングをみるだに、どれだけ傷を負ったレミが努力奮闘してスターリングを守ってきたか、とにかくレミが健気である。子守り上手でもあり、途中から、だんだんレミの印象が性別を超越してきた。(笑)

 アルファ気質で支配欲のあるジェイクがSMの性癖があるとか、ちょっとうへぇ、と思わないでもなかったけど、SMとっても、父親から惨い身体的虐待を受けてきたレミに対しては、ジェイクもそんなに大胆なことはできず、描写はごくソフトでした。

 結局、レミとスターリングは両親を喪うことにはなるのだけど、そもそも機能不全家族だったし、レミとスターリングには、群という新たな家族ができ、おまけにスターリングが、ジェイクの副官(ベータ)のリースのメイトなのが分かったり、その上、スターリング三形態の人狼ってことは、優秀で力のある個体であることは間違いなさそうなので、幸せな将来の予感がたっぷりでよかったです。

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