著 者 眉村 卓
出 版 創元SF文庫 2008年1月
歴代の司政官の苦悩、孤独、焦燥、決断がテーマなので、物語的にはこれからだよね、というところでブッツリお話が終わってしまったりする。(余韻がある、ともいえる。)
主人公は全員ストイックで有能な官僚。ある意味直線的な生き方しかできない。ラストに登場する女性の巡察官が「逃げればいい」と言い放っても、それを受け入れるなんて無理無理!
組織や制度と自分を同一視してそれを体現しようと孤軍奮闘する主人公達が哀しい。
私は制度設計とか、組織構成がどうしても気になってしまって、司政官制度には構造的欠陥があるよな〜、と思ってしまうところがやや残念なところではある。お話としては「長い暁」と「扉のひらくとき」が好き。
「司政官としての全権限と全責任において命令する」
組織の末端ともいえる立場ではあるけど、重い責務があり、果たすべき責任がある。その決断に幸いあれかし、と願う。
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