原 題 「THE PROMISE」2015年
著 者 ロバート・クレイス
翻訳者 高橋 恭美子
出 版 創元推理文庫 2017年5月
C&Pの16作目。S&Mとしては2作目で、夢の共演。
コールがパイクのことをおしゃれ感ゼロとか言ってるが、貴方がた何歳になってるの?ベトナム従軍当時20歳だったんだから、この作品が2008年と仮定すると、56歳だね?!
多少は落ち着いて少々渋みが増したものの、相変わらずの体言止めだし、パイクの方も相変わらずの筋肉美。某NATOの少佐みたいに時代は進んでも年取らない系のアレか?同居している黒猫さんはララバイ・タウンの黒猫さんなんだな?猫又まであと何年だ?
とはいえ、やはりカッコイイものはカッコイイし、素敵なものは素敵なのだ。
今回は特に、ジョンが素敵。
パイクとマギーの会話も良し。「よくかえってきたな。海兵隊員」
真面目で不器用なスコットは、今度はコールの事件に巻き込まれて、爆弾を仕掛けられるやら殺し屋に狙われるやら、散々なあげくに懲戒免職の危機。それでも自分の筋は通したい意地っ張りなんだが、色々と不運なのも相変わらずだ。
スコットみたいに善良な人間は、コールみたいな訳の分からんエネルギーに溢れた人間の側に寄ると巻き込まれて大変な目にあうらしい。殺されなかったのは、ひとえにマギーの愛のおかげゆえ。マギーとスコットがあまり危ない目に遭わずに、安心して読める続編を希望する。
マギーを取り上げられて、コールん家で涙目になってるスコットをさりげなく気遣うコールが優しい。スコットもエミリーも全部引っくるめて何とかしてしまうところがさすが。やられっぱなしのスコットも今回はきっちりと落とし前をつけることができたし、コールにちょっとしたロマンスが芽生えたりもして、最後にはジョンがきっちり〆める、三度くらい美味しい作品だった。ちょっとこんがららりはしたけど。
この本の中でいちばんコールらしい、と思った台詞。「(前略)そんなことはどうだっていい。気がかりなのはエイミーだ。わたしはこの女性を守りたい。ヘスがなにをしているのか突きとめて、もしそれが気にいらなかったら、チャールズやコリンスキーと同様、彼女も仕留める」これに対してパイク。「いいノリだ」 すなわち自分が正義だ、といって憚らないこの俠気がコールだよ。あととにかくジョンが格好良い。
【料理で読む】
コールが自宅の台所で作るラム肉のローストとトマト、コリアンダー、パラペーニョ、クスクスのサラダが美味しそう。それをタッパーに詰めてジョンにお届けする気配り(笑)。落ち込むスコットにも夕ご飯を振る舞おうとするし、私もコールが作ったご飯を食べてみたい!と思ったのでした。
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