著 者 ギャビン・スミス
翻訳者 金子 浩
出 版 早川書房 2016年5月
初 読 2018/01/07
感覚がブーストして戦闘がスローモーションで知覚される描写は映像的で分かり易い。が、どこかデジャブな感じが漂う。先達のレビューを読ませていただいたら、やはり素敵なジャパニメーション的ガジェットが満載されているらしいが残念ながら私には良く分からず。まあこういう作品世界は堪能すれば良いのだ。不思議なのは、こういった類似が“オマージュ”として受け止められるか、ただの二番煎じ、と鼻で笑うことになるかの差。そこはやっぱり根っ子となる世界観を確立できているか、とか、作品としての完成度だろうな。この作品は上々の出来。
モラグは電脳化していよいよ素子化が進むし、ネット世界に内在する神って発想もどことなくイノセンス。皮下に装甲を入れるなら、表皮も不燃化したほうが良くなかったか?とか細かい突っ込みどころはあるが、自分で自分の行動が信じられない思いで巻き込まれていくジェイコブの自問自答が面白くてついつい読んでしまう。
だがしかし。面白いと感じるにも関わらずこの読みにくさは何だ?
とにかく文章に入り込みにくい。戦闘シーンが映像的で読みやすい反面、世界観や宗教観がとにかく重い。これで3分冊の1冊目なのがトホホ。面白くなるのはこれからだけどちと休憩。
0 件のコメント:
コメントを投稿