2018年1月16日火曜日

0083 特捜部Q キジ殺し

書 名 「特捜部Q キジ殺し」 
著 者 ユッシ・エーズラ・オールスン 
 翻訳者 吉田奈保子 
 出 版 早川書房 2013年4月 
 初 読 2018/01/16 

 前作同様しつけの悪い人間達。上流階級の子弟が集う寄宿学校で、つるんだ若者達が反社会的人格を肥大させ、暴力や殺人を繰り返しつつ平然と社会の立役者になっている、という設定に思わず首を傾げる。
 これだけざっくり罪を重ねてバレないものなのか?この小説が違和感なく成立するくらいにデンマークの階級社会って腐ってるのだろうか?上流階級の悪徳ってこんな感じなの?というところでなんだかモヤモヤ。

 個性的というより非常識なローサの振る舞いにマークに同情しつつ、彼の懐の深さに感心する。
 このマークの性格が素敵なんで、次も読みたくなるんだよね。

 冒頭の逃亡シーンの人物がまさか!でびっくりだが、単にストーリーを切り貼りして冒頭に持ってきただけで、それ以上でも以下でもなく。これが構成の妙だとは到底思えない。1作目も同様だが、犯人側(被害者側)と捜査側のストーリーを細かく切って交互に挟みこんだだけで、構成で読ませるというには不満が残るし、ストーリーで読ませるというには読者を(というよりは私を)引き込む力が足りない。この作品に限っては、登場人物の造形もなんだかなあ。面白くないわけじゃないんだけど。でもこれからの大化けを期待して、きっと続きも読む。

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