2021年2月22日月曜日

「誤訳も芸のうち」と翻訳者は言った。山本光伸part2 論創社『イングリッシュ・アサシン』

書 名 「イングリッシュ・アサシン―美術修復師ガブリエル・アロンシリーズ」 
原 題 「The English Assassin」2002年 
著 者 ダニエル・シルヴァ 
翻訳者 山本 光伸 
出 版 論創社 2006年1月 

『報復という名の芸術』でも散々言ったが、翻訳がまずい。翻訳者が大御所であるのはいわずもがな。どうしてこうなった? せめて、編集者がきちんと考証してくれれば、と残念でしょうがない。

p.15 “1万ポンド、バークレー銀行の口座に入っている。” 
A million pounds は1万ポンドではない。 

p.17
“はじめて会った20年前から、ガブリエルはなぜこうまで変わらないのか。〔中略)昔はおとなしく、こどもらしくない少年だった。あの頃でさえ・・・・”

どうも年代が合わないし、前後の訳がちょっとおかしい。20年前だったらガブリエルは30歳過ぎだし、それを「少年だった」といわれましても・・・・・と思って原著を確認したら、以下の文章だった。

How little Gabriel had changed in the twenty-five years since they had first met.

・・・・25年じゃん。ちゃんと訳してくれよ。 ちなみに「少年」のくだりは以下のとおり。

He’d been little more than a boy that day, quiet as a church mouse.

・・・あの頃は、少年のような面影が残っていた。とか、そんな感じの文章?



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