2023年1月9日月曜日

0403〜07 『君に誓う』シリーズ5作

書 名 「君に誓う」 シリーズ
著 者 十時(如月皐)     
初 読 2023年1月3〜6日
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/111201726 以下
 pixivをさまよっていて偶然捕獲したBL本。全てKindleアンリミで読めました。シリーズ5作を正月一気読みってどうなん?っていうか、栗本薫『矢代俊一シリーズ』で締めて、BL本で明けてしまった2023年に、我ながら先が思いやられる。
 とはいえこの作品、細かい突っ込みどころ(明らかな誤字とか、熟語の間違いとか)は多々あれど、中学生の頃にコバルト文庫をワクワク読んだような気分で全5作8冊を楽しく読ませていただきました。この間、pixivを読み漁り、オメガバースやらDom/Subって世界があるのか!とか最近?の二次創作はずいぶん練れてるし、層が厚そうだな、とか、いまや同人界も紙本ではなくネットメインなんだな、とか諸々と勉強になった。この彷徨はまだしばらく続きそう。

 しかし、どの巻も表紙がけっこう個人的には恥ずかしい。こう、両手で顔を覆って、指の隙間からチラ見する感じの恥ずかしさ(笑)。(こちとら中年だし。)
 総評としては、自費・同人的な同好の士向けの“ぬるさ”が残る、商業ベースに乗っかった電子出版物。プロとしての厳しさには今一歩足りないか。語彙の足りなさとか、言葉遣いの甘さとか、貴族的社会を扱ってるのに尊敬語と謙譲語がきちんと書けていないような、とか、知らないんだろうな〜っていう四字熟語の間違いや、書き手さんが世間知らずなのかな、と察せられる感じなど散見されるとはいえ、作品に、頑張れーー!と応援できる素直な可愛さや品の良さがある。作風は読メでどなたかが言っていたが、ハーレクイン的なラブロマンス。こういう純情一途なラブストーリーは嫌いじゃない。

0403 第一作『君に誓う 上/下』
楓×朔眞(志摩大公夫妻)の馴れ初めから馴染むまで。大公達の“後宮”的な「サロン」を舞台にしたドタバタも。





0404 第二作『君に捕らわれる 上/下』
主人公は雪月花(ゆずか)×葎(りつ)(駿河大公夫妻)。『君に誓う』では落ち着いた姐御(いや、お兄さん?か?)の風格を漂わせていた雪月花が、こんなハチャメチャな花嫁だったとは!な、はっちゃけぶりです。



0405 第三作『君に恋う 上/下』
楓×朔眞(志摩大公夫妻)メイン。代替わり間近な、それぞれ名家の次期当主である冷泉国光と北大路泰都のお見合い騒動に巻き込まれるサロンと大公妃の面々。




0406 第四作『運命じゃないけれど・・・・』
どっちかってーとスピンオフっぽい感じもする四作目の主人公は、大公妃達ではなく、第3作お見合い大作戦で登場した桜宮彰人。3作目では濡れ衣を着せられて割を食っていた彰人であるけど、北大路家の跡取り泰都からのプロポーズを受け、無事ご成婚。心に傷を持つ彰人と泰都のすれ違いラブ。シリーズ中では彰人がヒロインとしては一番小粒。苦悩も小粒だけど、一生懸命で可愛いので良し。おまけの番外編、彰人の“巣作り”行動が可愛すぎる。

0407 第五作『人はそれを運命と呼ぶのだろう』
第3作目で番(つがい)相手を公表した冷泉国光とその思い人の和仁(かずひと)の濃厚ラブストーリー。登場人物の中では一番不幸といって過言ではない和仁が主人公。不憫すぎてちょっと泣ける。
シリーズ作品中では一番、波乱万丈かも。終盤登場するヤクザさんはちょっとステレオタイプすぎて笑いがくるのだけど、ここまで読まないと、第三作の国光の行動とか、第四作の泰都の行動とかの理由が分からないので、5作目まで読了してやっと物語全体が腑に落ちてすっきりする。

 結構辛口なレビューを入れながらも、このシリーズは面白いし、幸せな気持ちになれてほっこりする。実のところは何回も読みかえしているお気に入りです。

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