2024年7月13日土曜日

0491 警視庁公安J ダブルジェイ

書 名 「警視庁公安J ダブルジェイ 」 
著 者 鈴峯紅也
出 版 徳間書店 2020年6月
文 庫  480ページ
初 読 2024年7月14日
ISBN-10 4198945640
ISBN-13 978-4198945640

読書メーター https://bookmeter.com/reviews/121837952

 冒頭から師団長が活躍しそうな前振りが滾っていたのに、ちょっと肩透かしを喰らったかも? しかし、現実世界でニュースで報じられ、これって大丈夫なのか?いや、そんな訳ないだろ? と不安が過った「駆けつけ警護」「共同防護」、南スーダン国連平和維持活動・・・は、やはり小説世界においても格好のネタであったらしい。むしろ小説だからこそ、リアルの片鱗に触れることができるのかもしれん。なお、いよいよこの巻から、QシリーズやKシリーズも読まないとちょっと置いてけぼりの感がある。 絆はすっかり純也の子分扱いのようだ。

 それにしても、相変わらず荒唐無稽なのは承知とはいえ、全体的にストーリーが荒くはないか? かなり無理筋に見える部分があって、なんだかなあ????って感じで、突き抜けて楽しむことができなかったのが残念ではある。
 一番の「なんだかな」は、例の「Jファイル」の中身を3人それぞれ捨ててしまっていたこと。あまりにも軽い。曲がりなりにも超高度な訓練を施された殺人部隊のファイルだよ。送り出してポイできるような官僚がいるんだろうか? また、そのファイルを官僚3人だけが持っていたという設定もとってもザル・・・・・日本の官僚組織ってたぶんそんなんじゃない・・・・と思う・・・・ような・・気がする。とにかく違和感アリアリである。

 単に荒唐無稽なだけなら、割切って楽しめるんだけどな。ううむ。

これがウワサの?
ハイパーデッキ
sig750  アサルトライフル
当然、普通の日本人が国内で持ってちゃダメ
悪いフランス人オヤジからのプレゼントだろうか?
 あとね、さすがに富士演習場で、スタンドまで見晴らせる状況で高所作業車からのライフル狙撃はないだろう。双眼鏡やら単眼鏡持った自衛官や観客がどれだけいると思ってるんだ。

 民間人に対しては護るべき存在としてとことん優しく、兵士に対しては、その矜持のありようも含め、自分に対すると同等に厳しい純也ではあるが、その生死を峻別する物差しは那辺にあるのか、というのも気になる。

 あと、今作では、セリさんが彼女と出来ちゃえばいいのに!と念じながら読んだのだが、残念ながら、願いは通じなかったもよう。

 あの状況で、自分が盗聴されていたにもかかわらず、その盗聴器を分室の備品だから、と回収してくる師団長は、相変わらず良い味出している。好きだ♪


 とにかく、事件が起きて、分室が始動し、張り込みやら潜入やら、そうこうしているうちにKOBIXミュージアムで大規模イベントやって、フランス人のオヤジが好き勝手なことを言いちらかし、ラストは純也が超絶技巧を発揮って、ストーリーの流れがいつもおんなじ・・・・・これはきっとマンネリを楽しむ作品なんだろうな、と思ってる。

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