著 者 鈴峯紅也
出 版 徳間書店 2020年6月
文 庫 480ページ
初 読 2024年7月14日
ISBN-10 4198945640
ISBN-13 978-4198945640
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/121837952
冒頭から師団長が活躍しそうな前振りが滾っていたのに、ちょっと肩透かしを喰らったかも? しかし、現実世界でニュースで報じられ、これって大丈夫なのか?いや、そんな訳ないだろ? と不安が過った「駆けつけ警護」「共同防護」、南スーダン国連平和維持活動・・・は、やはり小説世界においても格好のネタであったらしい。むしろ小説だからこそ、リアルの片鱗に触れることができるのかもしれん。なお、いよいよこの巻から、QシリーズやKシリーズも読まないとちょっと置いてけぼりの感がある。 絆はすっかり純也の子分扱いのようだ。
それにしても、相変わらず荒唐無稽なのは承知とはいえ、全体的にストーリーが荒くはないか? かなり無理筋に見える部分があって、なんだかなあ????って感じで、突き抜けて楽しむことができなかったのが残念ではある。
一番の「なんだかな」は、例の「Jファイル」の中身を3人それぞれ捨ててしまっていたこと。あまりにも軽い。曲がりなりにも超高度な訓練を施された殺人部隊のファイルだよ。送り出してポイできるような官僚がいるんだろうか? また、そのファイルを官僚3人だけが持っていたという設定もとってもザル・・・・・日本の官僚組織ってたぶんそんなんじゃない・・・・と思う・・・・ような・・気がする。とにかく違和感アリアリである。
単に荒唐無稽なだけなら、割切って楽しめるんだけどな。ううむ。
これがウワサの? ハイパーデッキ |
sig750 アサルトライフル 当然、普通の日本人が国内で持ってちゃダメ 悪いフランス人オヤジからのプレゼントだろうか? |
民間人に対しては護るべき存在としてとことん優しく、兵士に対しては、その矜持のありようも含め、自分に対すると同等に厳しい純也ではあるが、その生死を峻別する物差しは那辺にあるのか、というのも気になる。
あと、今作では、セリさんが彼女と出来ちゃえばいいのに!と念じながら読んだのだが、残念ながら、願いは通じなかったもよう。
あの状況で、自分が盗聴されていたにもかかわらず、その盗聴器を分室の備品だから、と回収してくる師団長は、相変わらず良い味出している。好きだ♪
とにかく、事件が起きて、分室が始動し、張り込みやら潜入やら、そうこうしているうちにKOBIXミュージアムで大規模イベントやって、フランス人のオヤジが好き勝手なことを言いちらかし、ラストは純也が超絶技巧を発揮って、ストーリーの流れがいつもおんなじ・・・・・これはきっとマンネリを楽しむ作品なんだろうな、と思ってる。
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