新年から予定を立てていたハズの読書が、なぜか怒濤の急カーブでMMの森に突っ込む予想外の展開。しかも未だかつて無い読んだ本17冊(^^ゞ いや、ジョシュ・ラニヨンは良かったです。面白いし、幸せになれます。その道ではない翻訳ミステリ読みにもぜひ読んでもらいたいな。まあ、殿方にオススメしたものかどうかは謎だけど。でもちょっと興味はある。アレは殿方の読書に耐える読み物なのかどうか。どなたか試してみませんか? 昨年2月はダニエル・シルヴァにハマり、今年はジョシュ・ラニヨン、2月は私にとって読書が捗る月なのかも。
読んだ本の数:17
読んだページ数:6936
ナイス数:1522
イングランドを想え (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
「イングランドを想え」という詩的な、もしくは知的な印象のタイトルに心惹かれてポチ。で・・・!!「イングランドを想え」ってそーゆーことかよ!(爆) いえいえ大変面白うございました。直情で正義漢の元軍人カーティスとポルトガル系ユダヤ人で詩人のダ・シルヴァの冒険活劇です。正直ですぐに顔にでるカーティスが完全にシルヴァに手玉にとられております。シルヴァに誘惑されて(からかわれて)赤面してだらだら冷や汗かいてるのが可愛い。重い読書の合間の箸休め的にも良いです。レディの二人組も良い感じ。次作への引きも良いですね。
読了日:02月27日 著者:KJ・チャールズ
So This is Christmas (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
短編+掌編の5作。『So This is Christmas』ロンドンから帰国するなり、トラブルだらけのアドリアン。友人(♂)の恋人(♂)が失踪し、人捜しに奔走しようとするアドリアンに「首を突っ込むな」と言い続けるジェイク(笑)。いい男です。力強さと冷静さと苛烈さと優しさのブレンド。そしてアドリアンへ向ける絶対的な愛情。「お前は健康体だ。これまで俺が見てきた中で、今が一番元気だ。そのままでいてほしい。これからの五十年をお前とすごしたいからな。五十年、一緒にすごすつもりでいるからな。」・・・・良いです。
読了日:02月25日 著者:ジョシュ・ラニヨン
瞑き流れ~アドリアン・イングリッシュ5~ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
レイモンド・チャンドラーが全編に引用され、1巻「eのつくアドリアン」という自己紹介から始まった物語は、古びた桟橋の下を流れる瞑い潮汐のように、人々の人生を洗い、流し、やがて聖なるものへと辿り着く。『長いお別れ』のタイトルすら、2人の長い別離と重なって切なくなる。ジョシュ・ラニヨンらしい美しい構成に魅せられる。アドリアンの悩みは身勝手ですらあるけれど、身勝手でいない人間なんているのか?二人とも自分の気持ちと存在に真摯に立ち向かっただけだ。予定調和の影すらみえない人間関係の混線ぶりがむしろ真実味を増す。
読了日:02月23日 著者:ジョシュ・ラニヨン
海賊王の死 ~アドリアン・イングリッシュ 4~ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
ジェイクと別れてから早2年、とはいえアドリアンの心にジェイクが残した傷は拭いがたく。そんなときアドリアンが出席したパーティーで死人がでて、アドリアンはまたしても殺人容疑者リストに並ぶことに。あろうことか捜査担当者はジェイク・リオーダン、しかもパーティー主催者のケインはリオーダンの5年来の恋人(SM)で、ジェイクが結婚したあとも2人は続いていた?! と、どこまでもジェイク!貴様ぁ!という内容なんだけど、自分の性指向を拒絶しているジェイクのしんどさも合わせ見ると、ジェイクを責めきれないのがとにかく切ない。
読了日:02月20日 著者:ジョシュ・ラニヨン
悪魔の聖餐 ~アドリアン・イングリッシュ 3~ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
今回のテーマは悪魔崇拝。悪魔に贄(心臓)を捧げたと思しき連続殺人事件。アドリアンの書店の店員のアンガスは呪いの電話に怯え、彼を逃したアドリアンは誰かの恨みを買う。ジェイクの彼女が妊娠し、ノーマルな家庭を渇望するジェイクは彼女との結婚を告げる。一方過保護な母リサも再婚する事になって、アドリアンには突然愛らしくもかしましい姉妹が3人も!とりあえず、結婚後も関係を続けたそうな未練がましいジェイクを拒絶したアドリアンの矜持を誉めてあげたい。アドリアンに暴力を振るったジェイクはとりあえず地獄へ堕ちたまえ。
読了日:02月18日 著者:ジョシュ・ラニヨン
死者の囁き ~アドリアン・イングリッシュ 2~ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
成程ジェイクが長年着込んできた偽装を解くにはロスを遠く離れる必要があったわけだ。ついでに意識不明で心拍の乱れた恋人も。ジェイクのホモセクシャルへの偏見と強烈な自己嫌悪と自己否定、“正常”であることへの渇望はアドリアンとの未来を閉ざす。しかしジェイクとの恋愛から逃避して逃げ込んだ幼い頃の思い出の地では、不穏と死体がアドリアンを待っていた。割とあっさりジェイクとくっついたが、ジェイクがマッサージしたりキスしたりする優しい描写が好きだ。この作家さんの描く恋愛ってどうしてこんなに優しさで溢れているんだろう。
読了日:02月16日 著者:ジョシュ・ラニヨン
天使の影 ~アドリアン・イングリッシュ1~ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
アドリアン・イングリッシュ1冊目。ロスでミステリ専門書店を営むアドリアン。親友だったロバートが惨殺され、直前の口論を目撃されたアドリアンはどうみても容疑者。自らもミステリ小説を書くアドリアンは、想像力全開で不安が募るばかり。強面の刑事リオーダンはゲイに強い偏見を見せるが、心臓にトラブルを抱えるアドリアンに対しては、務めて公平な態度を見せようと努力しているようだ。この男、自分の性指向を偽り・隠してかなり鬱屈しており、これまた複雑。ミステリ作家のワークショップなど、ミステリマニアも楽しめる上等な仕上がりです。
読了日:02月13日 著者:ジョシュ・ラニヨン
フェア・チャンス (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
「イエス?それって−−−俺たち、同じことを話してるのか?」タッカーのプロポーズ。こういう選択肢が普通にある世の中っていいな、と思った。それはさておきエリオット&タッカー3作目。彫刻家(スカルプター)事件で、犯人コーリアンは黙秘したまま、エリオットに面会を要求する。コーリアンが捜査に有力な情報を漏らすのではないかと期待した捜査チームはエリオットに協力を求め、タッカーは複雑な気持ちを抱えながら、エリオットの心身の安全を気遣っている。しかし事件の捜査が進む中、母に会いに行ったタッカーが失踪してしまい。。。。
読了日:02月11日 著者:ジョシュ・ラニヨン
フェア・プレイ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
ううむ面白かった。濡れ場を抜いたとしてもミステリ・バディ物として十分イケる。今回はかつてタッカーを棄てた母が登場し、タッカーの孤独の一端が判明。一方でエリオットの方は、父の若かりし頃の因縁に巻き込まれて。とはいえなにがあっても愛しあい信頼し合うエリオット父子の姿は、タッカーを寂しくはしなかったか?それを表には出さず、正面から敢然と向き合うタッカーに、エリオットならずとも心を奪われるよ。いや、いいねえコレ。人を信頼するとは、というシンプルな命題に頭でっかちにどろどろと取り組むエリオットよ、とりあえず頑張れ!
読了日:02月10日 著者:ジョシュ・ラニヨン
フェア・ゲーム (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
裁判所の銃乱射犯を追い、膝を撃ち抜かれてFBI退職を余儀なくされたエリオットは、痛む足を労りながら大学で教鞭を執っていた。そんな彼の身辺で学生の失踪事件が発生し、その親からFBIとの連絡役を頼まれる。しかし相手の捜査官は、かつて再起不能の失意の中のエリオットを捨てた男だった? 事件はやがて連続殺人事件に発展、エリオットも標的になる。キャラ立ても舞台もストーリーも十分読み応えがあるが、そこはMMって事でなにしろエリオットのツンデレと、ぶきっちょなタッカーの真っ直ぐな愛情と行き違いが滅法楽しい。良い本です。
読了日:02月08日 著者:ジョシュ・ラニヨン
モニュメンツメン・マーダーズ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
ナチスが略奪し、その後密かに米国に持ち込まれたフェルメールの行方を追うジェイソンがド田舎モンタナ州に。サムは別件で同じ支局で活動中。今までは二人の恋愛の行方の方が大事だったが今作は美術犯罪班の捜査官ジェイソンのお仕事が中心の流れ。フェルメールネタが多いな最近。だがしかし、その美術品を終戦後すぐにドイツから米国に私的に持ち出し隠匿した犯罪に、ジェイソンの崇拝するグランパが関わっている可能性が。なんとしても真実を明かしたいジェイソンと、身内が関わる犯罪捜査に関与する、という倫理綱領違反を問うサムが対立して。
読了日:02月06日 著者:ジョシュ・ラニヨン
ニューヨーク・ニューヨーク 第2巻 (白泉社文庫 ら 1-12)の感想
再々読?くらい? 最初に読んだのは雑誌だったか、花とゆめコミックスだったか。ここまで、児童虐待とか性虐に踏み込んだ内容だったか。最初に読んだ時にはあまり深く考えずに読んでいたような気がする。名作。泣ける。
読了日:02月06日 著者:羅川 真里茂
マジシャン・マーダーズ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
これも拾い読みで。読まずにはいられないが、全部読んでる時間がない。で、ひとつ問いたいのだが、車にはねられて、あちこち傷だらけ、腹部も腰も皮下出血が酷く、乗り物の振動も耐えがたいっつう怪我人ジェイソン、そんなに激しく愛し合って・・・大丈夫?出来る?余計ーなお世話か? 今作もサムの不器用な愛が炸裂だ。なんか愛されるって良いなあ・・・と羨ましく思ったりもするべたべたな恋人たち。(二人ともFBI特別捜査官、♂だもちろん)のM/Mもの(←今般、初めてそういうジャンルを知りました。むろんBLは知っていたが。)
読了日:02月05日 著者:ジョシュ・ラニヨン
モネ・マーダーズ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
読んだのはこちらが先。ついでにいうと読んだのはKindle版だが、まあ、近日中に紙本は手に入れるので、こちらで登録。やっと本懐を遂げて(?)恋人同士となった二人のラストに乾杯。この関係って公にできるのだろうか?と心配にもなるが。ジェイソンの肩の銃痕とトラウマ、それに二人の今後が気になり、前後巻も入手することにする。まあ、あれだ。これほど面倒くさい連中がよくも恋人同士になれたもの。それともどうしたって本能は無視できないのか。美術品やディーラーを巡る犯罪は好物だが、まあこの際、そちらはさほど重要ではない模様。
読了日:02月05日 著者:ジョシュ・ラニョン
マーメイド・マーダーズ (モノクローム・ロマンス文庫)の感想
M/Mというジャンルだというのを、初めて知る。綺麗な表紙が以前から気になっていた。Kindleの読み放題に入っていたのでラッキー♪ 読むというよりはおいしい(?)ところだけ拾い喰いです。だって、だって。FBI捜査官同士の恋愛ものだけど、捜査の行方はさほど主眼ではなかったので。。。やれやれ、これだけごだごだと頭んなかで悩みつつよくちゃんとお仕事できるよなあ、と羨ましいぞ。BLの世界に馴染みがないわけでもないが、まあたまにつまみ喰いするくらいでいいか、という私ごときには、大変贅沢なほろ苦ラブストーリーでした。
読了日:02月05日 著者:ジョシュ・ラニヨン
スリープウォーカー マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ (新潮文庫)の感想
ううう、エイダンっっ(T-T)。生きているよね?キミは生きているよね??と、繰り返さずにはいられないラスト。パスポートと大金とドストエフスキーを持って逃げて、顎を治して整形でもなんでもして、世界のどこかで生きていてほしい。こんな奴が幸せにならないなんでダメだよ。いや、幸せにならなくてもいい。平穏を知ってほしい。アンがとてつもなく可愛く思えるのは、エイダンの目を通して見ているからだな。エイダンのその素朴で真摯な愛情が愛おしい。エイダンが守ろうとしたものが、ちゃんと護られてほしい。あととりあえずパーズは氏ね。
読了日:02月01日 著者:ジョセフ・ノックス
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