2021年9月19日日曜日

0295ー96 暗殺者の献身 上・下 (ハヤカワ文庫)

書 名 「暗殺者の献身 上」「暗殺者の献身 下」 
原 題 「RELENTLESS」2021年
著 者 マーク グリーニー  
翻訳者 伏見 威蕃  
出 版 早川書房 2021年9月 
文 庫 上下巻各 448ページ 
初 読 2021年9月19日 
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/101314956   
ISBN-10 上巻:4150414858/下巻:4150414866 
ISBN-13 上巻:978-4150414856/下巻:978-4150414863 
 ターゲット(機密情報を持ち逃げして潜伏中の元CIAアナリスト)に接近するためにプエルトルコに潜入したザックが身バレして秘密警察に逮捕・連行される。
 隠密に動かせる手駒に窮したハンリーは、病気療養中のコート・ジェントリーを極秘の医療施設から引き出だした。コートは、ロスで負った左肩の刺傷が感染を引き起こしたせいで手術を受け、いまだ体内から一掃できない細菌を片付けるために抗生剤の点滴を続けており、まだ最低でもあと数週間の入院加療が必要な状況だった。

 すでに無双を極めているグレイマンことコートランド・ジェントリー、前回の私的作戦でも多勢に無勢だったがすでに読者は究極の安心感。これを打開(?)するためにグリーニーが選んだ手段は、なんとジェントリーの出力50%OFF+生命危機のリミット付き。いつもなら救援に現れる“お父ちゃん”ことロマンティックことザックは監獄の中。やるなあ、グリーニー。相変わらずサドっ気たっぷりである。

 そして、今回の風呂敷がまた、たっぷりとデカい。登場人物と舞台が錯綜するため、めったにやらないことだがメモを作成しながら読む。ついでに言うと、至極シリアルである。前作でおおいに楽しませてくれたオレオレの自分語りはナシで。

 そして、怒濤の下巻。
 今回のジェントリーの様子を表すのに最高の一文がこちら↓

 ジェントリーは負傷し、体の具合が悪く、温め直した死人のようだった。

 でももちろん、温め直した死体であってもグレイマンはグレイマンなのだ。

 そんなわけで、とにかく面白い!下巻はもう、ノンストップである。上巻でたっぷり広げた風呂敷を、畳むどころかばっさばっさと振り回す!
 普段はネタバレ満開なレビューばっかり書いてるけど、これは絶対にネタバレしない!とにかく面白かったと断言できる。シリーズ最高傑作であろう。なんか誤植あったような気もしたけど、気にしない!ハリウッド映画ばりばりで映像が目に浮かぶ。暗闇での銃撃戦も、大規模戦闘も殺戮も、爆弾攻撃も、短距離速射も遠距離狙撃も全部、ぜーんぶぶっ込まれてる。映画化してくれ。大画面で。大音響で!なによりザックがめったくそかっこいい。ジェントリーを完全に喰った。いやあ、お父ちゃん大好きだ!
 みんな早く読んでくれ!まだ手に取っていない人は、明日書店に駆け込むべきだ!

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