著 者 田中芳樹
出 版 創元SF文庫 《初版は徳間ノベルズ 1984年4月》
初 読 1984年頃? 再 読 2018/07/28
3巻で特筆すべきはこれ!「オーベルシュタインの犬」。
人名録に「オーベルシュタインの犬」「オーベルシュタインの犬の飼い主」とそれぞれ記載されても可笑しくないほどのインパクト。
あと一つはやはり「黄色いばらの花束」。
以来初読より30余年。定期的に衝動的に黄色いバラの花束を求めたくなる。例え花言葉が「嫉妬」であっても。
シュトライトとリュッケの副官コンビ結成もこの巻。シュトライトは好きだ。色々はしょってるがラストのミュラーの勇姿が光る。
「何だ、この犬は?」
「は、あの、閣下の愛犬ではございませんので?」
「ふむ、私の犬に見えるか」
「そうか、私の犬に見えるのか」。
オーベといい、フェルナーといい、目的のためなら手段を選ばない現実主義者が私は好きだなあ。でも、こんな面もあるのよ。
そしてキャゼルヌ先輩は、トリューニヒトの隠しようのない悪臭に隠れる致命的な毒に気付き始める。そうそう、査問会という不毛なイベントもあった。とにかく、嫉妬羨望で人が人の足を引っ張るのはかくも醜いものなのだ。
そうだ、もう一つ思い出した。要塞をワープさせるんならいっそのことイゼルローンを飛び越えて同盟側出口に布陣出来なかったものか、と思うんですがね?一応イゼルローン回廊を飛び越える技術はまだないって設定なんですよね。だけど要塞を飛び越えるくらいは出来そうじゃないですか。
と、30年越しの疑問を口にしてみる。
0 件のコメント:
コメントを投稿