原 題 「The Long Goodbye,」1953年
著 者 レイモンド・チャンドラー
翻訳者 清水 俊二
出 版 早川書房 1976年4月
初 読 2018/07/31
最初の数章と最後の一章で凄く良い本を読んだような気になったが、中盤は冗長だし、アメリカ白人上流階級の排他的・退廃的・モラル崩壊してる様子が、弱冠不愉快ですらある。女3人のそれぞれの描写も、私の理解からは離れていてイライラ。
マーロウもイライラしているが、そうか、友の死を巡る状況に実は怒っているのか。
そんな上流連中に振り回されつつも閃きと執念で体を張り、友とその妻の死の真相に迫ろうとした結末は、無情だった。行き所のない静かな怒りと喪失感が読後もずっと胸に残る気がする。
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