2022年8月1日月曜日

2022年7月の読書メーター

読んだ本の数:23
読んだページ数:9126
ナイス数:1215

栗本薫オンリーとはいえ自分史上空前の23冊読了。(うちコミック3冊、再版もの2冊、ショートショート一作なので、実読は17冊)。薫サンは超速筆・多作の作家さんだが、書かれるのが早い本は結局読まれるのも早い(つまりは内容が薄い)ということなんだろうなあ。5月以降、栗本薫《東京サーガ》を追いかけ、ついに【毒を喰らわば】企画に発展。自家出版(同人)本である「矢代俊一シリーズ」を読み尽くす。この間、Kindle読み過ぎで視力が低下。慢性的な頭痛に悩む。

坂道のアポロン(1) (フラワーコミックスα)坂道のアポロン(1) (フラワーコミックスα)感想
ジャズ繋がりで、YouTubeでアニメを発見。アニメと原作とどっちが気持ち良いかな、と比較のため手にとる。こちらは、残念ながら「音」が聞こえてこないな。「のだめカンタービレ」などは、漫画を読みながら脳内にピアノも交響曲も鳴りっぱなしだったんだけど。ジャズを“聴く”には、アニメのほうが良いようだ。ついでに映画の方もチラ見したが、こちらは、ピアノが下手。自分的にはアニメ一択。
読了日:07月31日 著者:小玉ユキ

WILLOW WEEP FOR ME <矢代俊一シリーズ15>WILLOW WEEP FOR ME <矢代俊一シリーズ15>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画15。ずっと「隼」だったサブキャラが何故か「準」に、「花咲」サンが「花井」サンになってるよ。いい加減なことで。編集長(御夫君)は何をなさってるのかな? やっと渥美の執着から解放されたと思ったのに、ピアノデュオを続けている高瀬が微妙に束縛男っぽくなってきて鬱陶しい。その高瀬とのデュオライブに来た透のリクエストで歌った『朝日のあたる家』の絶唱で、聴衆が色気に当てられて変な気分になる副作用が発生、さらに別れを切り出した金井には自殺すると脅迫して金井を激しく困惑させる俊一サンであります。
読了日:07月30日 著者:栗本薫

幼女戦記 (25) (角川コミックス・エース)幼女戦記 (25) (角川コミックス・エース)感想
封緘命令書を開封するシーンで、ヴァイス大尉の前に守られるようにちょんと座っているターニャがなんとも可愛い・・・と書いたら、前の方のレビューもおんなじことが。なんかもう、すっかり中の人も少女であることに馴染んでおられるな。戦争は善か悪か、それとも必要悪なのか。戦わなければならないのなら、せめてこの一戦で決着をつけられるように。次の世の平和のために。これまで戦争に出た幾多の人がそう思ったろうか。
読了日:07月27日 著者:東條 チカ

モーメント 永遠の一瞬 17 (マーガレットコミックス)モーメント 永遠の一瞬 17 (マーガレットコミックス)感想
なんだか疲れるなあ。雪の周りの人、メンタルばっかでちょっとやりすぎなんじゃなかろうか、と、すこーし思ったね。疲れた大人は漫画くらいは夢がほしいと思うのよねぇ。ソチ五輪に立派に臨む、というゴールは見えているけど、まだそれは次の次のオリンピック。先が長すぎて、もう、付いていくのやめようかなあ、とまで思う。あとは、完結してから一気読みしようかなぁ、と。
読了日:07月27日 著者:槇村 さとる

所轄刑事・麻生龍太郎 (角川文庫)所轄刑事・麻生龍太郎 (角川文庫)感想
特別書き下ろしは30p弱の『小綬鶏』。コジュケイといわれてもピンとこなかったが「ちょっと来い」でわかった。アイツかあ。姿は見たことがないけど、鳴き声には馴染みがある。そういえば、最近、というか今住んでいる町では聞かない。滅多に飛ばない鳥だったとは。別名を「警官鳥」というそうだ。鳥の写真を専門にするカメラマンの及川のパートナーが登場して、ちょっと良い感じです。麻生ってなんだかいつも泣きそうな感じがしてるなあ。
読了日:07月26日 著者:柴田 よしき

戦闘妖精・雪風〈改〉〔愛蔵版〕戦闘妖精・雪風〈改〉〔愛蔵版〕感想
『アンブロークンアロー』『アグレッサーズ』に加え今回の『〈改〉愛蔵版』もハードカバーだったので手持ちの『グッド・ラック』のみ文庫本、になってしまった。もういっそのこと『グッド・ラック』も愛蔵版を出してほしい。さて、もう何回目かの再読かわからんが一応読了登録しておく。書き下ろしは19ページのみ。新人パイロットの零とスーパーシルフの雪風との初フライト。だがしかし、ちょっとストーリーは後付けっぽいと思った。なんとなく「妖精の舞う空」の前日譚っぽくない、というか。フライトオフィサがバーガディシュ少尉だしな。
読了日:07月26日 著者:神林 長平

鰻は神からの贈り物。鰻は神からの贈り物。感想
おい。そこで止めておけよ。と人ごとながら、(いやショートショートながら)自分の脳内で、佐藤の肩に手をかける。な、そこまでにしておけよ。それ、間違いだからな?いや、夢オチかもしれんぞ。
読了日:07月23日 著者:ヒデキング


SOUL EYES <矢代俊一シリーズ14>SOUL EYES <矢代俊一シリーズ14>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画14 『トゥオネラの白鳥』までの展開には合理性があるのか検証する。写真家渥美の陵辱行為で心身共に傷ついてPTSDが再発し、A-SEXが不能となった俊一が、先日自分を助けて介抱してくれた透の自宅を訪れ、元高級男娼のテクを駆使したSEXカウンセリングを施してもらう。一巻から通しで読んで、英二、金井、透とSEXシーンを書き分けている薫サンは流石だ、との結論に達した。透のSEXシーンの描写は美しいと思う。結局これが栗本薫の本領なんだろうなあ。ここまでのところでは、まだ透は登場したばかり。
読了日:07月16日 著者:栗本薫

SUMMERTIME <矢代俊一シリーズ13>SUMMERTIME <矢代俊一シリーズ13>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画13 検証『トゥオネラの白鳥』の展開には合理性があるのか!? 俊一が写真家渥美に強姦される(四度目)。ショックで正気を失って街を徘徊していた俊一を、たまたま飲んでた風間と透が保護。透の自宅に避難させて透が俊一を介抱する。俊一はショックで一時幼児に退行。俊一から事情を聞き出しながら、透の方も最愛の人に先立たれてしまった寂しさ・虚しさを吐露。なんとなく特別な関係に。ちなみに時点は島津の死後3〜4ヶ月後・・・・ってことになってるが、本人自作の年譜によれば
読了日:07月15日 著者:栗本薫

LOVE FOR SALE <矢代俊一シリーズ12>LOVE FOR SALE <矢代俊一シリーズ12>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画12 ついつい面白そうなところから読んじゃったシリーズ12冊目。基本的にはめっちゃ面白い。《神の苑》教団撲滅の最終仕上げ。潜伏した金井との束の間の逢瀬。狂人渥美の横恋慕に対してはニヒルな黒田の活躍。キャラの動きが活発な分、薫サンの脳内ダダ漏れグダグダトークが最小限なのがなにより良い。万里小路父と俊一の交流や語らいはハートウォーミングで、束の間の幸せがとても微笑ましく、渥美との胸クソな暗闘と交互でバランスも悪くない。
読了日:07月14日 著者:栗本薫

亡き王女のためのパヴァーヌ <矢代俊一シリーズ11>亡き王女のためのパヴァーヌ <矢代俊一シリーズ11>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画11。シリーズ11作目。波瀾の西日本ツアーから東京に戻った久々の休養日。矢代俊一が実の父であるピアニスト万里小路俊隆を初めて荻窪の自宅に訪れた。二人で奏でたピアノとフルートの一音一音が、親子の空白の時を埋めてゆく。まったくSEXがからまない、静かで豊かな音楽家父子の時間の描写です。母の不貞の証拠であったゆえに母に愛されなかった幼少時の、心の傷を癒やす穏やかな時間。万里小路父と俊一息子が、似たもの親子なのが微笑ましい。設定がベタすぎるけど、話自体は間奏曲って雰囲気でよかった。
読了日:07月13日 著者:栗本薫

CARAVAN <矢代俊一シリーズ10>CARAVAN <矢代俊一シリーズ10>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画10巻目。淫教《神の苑》撲滅にむけた仕掛けと同時進行で、全国ツアー後半戦が始まる。野々村の指示で風間が俊一の護衛役に加わり、金井と黒田は《神の苑》を潰す本隊として行動。緊張の最中、西日本へのツアーを開始する俊一だが、そこに、写真家渥美が風間を騙して俊一のホテルの部屋に襲来し、俊一を陵辱し、ビデオを写真まで撮る。俊一は心理的なショックと、怪我を抱えたまま、ジャズ・ミュージシャンの執念で、岡山のステージに臨む。ステージの幕間で高熱を発して倒れる俊一だが、
読了日:07月12日 著者:栗本薫

GENTLE RAIN <矢代俊一シリーズ9>GENTLE RAIN <矢代俊一シリーズ9>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画9。金井が突然失踪し、俊一は失意のあまり心神喪失状態。そんな俊一が不憫で英二がせっせと世話をやく。この恐るべき二股状態に、遂に慣らされた自分も恐るべし。《神の苑》教団も、サディスト渥美も、俊一を巡って本気の実力行使にでて、翻弄されるばかりの俊一。金井を護るために、なんとか教団の情報を得ようと、渥美の紹介で野々村老に引き合わされるが、それを“弱み”とみられて、渥美が強引に愛人関係を迫る。ツアーの長野でついに教団に襲撃されての大立ち回りで金井と再会し、いよいよ物語も佳境に差し迫る。
読了日:07月11日 著者:栗本薫

WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE <矢代俊一シリーズ8>WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE <矢代俊一シリーズ8>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画8/栗本薫の同人出版「矢代俊一シリーズ」既刊本のラス1。ついに読み切ったので順番に並べ替え中。この巻から淫教《神の苑》暗闘編(勝手に命名)スタート。俊一との恋を全うしようと金井は妻子を長野の実家に送る。しかしその実家は新興宗教団体に乗っ取られようとしており、金井の妻子も教団に取り込まれ、金井は命を狙われることになってしまった。そして魔の手は俊一にまで迫り、焦った金井は俊一に別れを切り出す。ちょっと金井の思考が例によってぐだぐだダラダラして、
読了日:07月10日 著者:栗本薫

THE MAN I LOVE <矢代俊一シリーズ7>THE MAN I LOVE <矢代俊一シリーズ7>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画7 一人で参加した北海道のジャズフェスの会場で、俊一は金井と会う。3泊4日の邂逅で身も心も溶ける俊一、金井の激しいSEXで何かの変化が俊一におとづれる。そんな最中に俊一の母が自宅で足を骨折して入院。俊一は母を病院に見舞い、同行した英二を、一生を共にするパートナーであると紹介。母は俊一が不倫の子であること、本当の父は著名なピアニストだったことを明かす。骨折手術の麻酔事故で母は帰らぬ人となり、俊一は焼香におとづれた客の中の一人の老紳士が自分の実の父であると確信する。
読了日:07月09日 著者:栗本薫

ROUND MIDNIGHT 〈矢代俊一シリーズ6〉ROUND MIDNIGHT 〈矢代俊一シリーズ6〉感想
【毒を喰らわば皿まで】企画・シリーズ6冊目。今作は次の激動までのインターバル、波乱の幕間ってところ。俊一がとにかく英二は手放したくないし、金井のことは喉から手が出るくらい欲しい、ってもの凄い欲深な三角関係を形成し、そのテンションに耐えきれなかった英二が暴行に走り、体調を整えきれなかった俊一がライブの途中で貧血でぶっ倒れる。ついでにサド写真家渥美の手による写真集企画が始動し、渥美の魔の手が俊一に伸びつつあり。例によって薫の筆力でなんだか良いものを読まされたような気にさせられるが、結構酷い内容ではないかと。
読了日:07月08日 著者:栗本薫

BLUE SKIES <矢代俊一シリーズ5>BLUE SKIES <矢代俊一シリーズ5>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画5。早瀬関連エピはでここで一区切り。「矢代俊一グループ」が第4次だったり第3次だったりして、作者の相変わらずのルーズさが光る。さて1巻から5巻までをまとめてみる。①俺はミューズの女神に貞操を捧げてるんだ。 ②俺にはミューズの女神がいるんだ!だけどエロスの神もいるらしいぞ。 ③あれ、ミューズの神殿ってエロスの神も同居可能じゃね? ④なんだかエロスとミューズって一体だったみたい。 ⑤もう、ミューズどこにいるかわかんないけど俺恋しちゃったし、赦してくれるよね? っていう感じですかねえ。
読了日:07月07日 著者:栗本薫

NEVER LET ME GO <矢代俊一シリーズ4>NEVER LET ME GO <矢代俊一シリーズ4>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画4。ちょっと毒が強いです。この皿。早瀬がエイズだったことで俊一もHIV陽性に。検査結果が出るまではSEX禁止と言い渡されてるにもかかわらず、感染の可能性を英二に話した後もやっぱりSEXを抑制できない俊一。なんかHIVの扱いが軽々しく、ドン引きする。黒人の描き方もそうだけど、センシティブな事柄の扱いのずさんなことときたら、ちょっと耐え難いレベル。そして、俊一が英二に開発されちゃったんで性欲が抑えられなくなったという金井も、めちゃくちゃキモい。
読了日:07月06日 著者:栗本薫

CRAZY FOR YOU <矢代俊一シリーズ3>CRAZY FOR YOU <矢代俊一シリーズ3>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画3。前作読んで、性愛を描いて性愛以上のものを書きたかったんだろうとは思ったが、やはりその「性愛以上のもの」が陳腐。ついでにいうと「性愛」が「性愛」になってない。エロにもポルノにもなっていない。濡れ場が濡れてない。まったくそそられない。読んでる自分が不感症になった気がする。・・・と先には書いたのだが、つまり、俊一と英二の濡れ場が濡れない、ということらしい。あとの方読むと、金井との描写はちゃんとエロかったんだよね。書き分けてるのか薫サン。さすがのテクニシャンだぜ。
読了日:07月05日 著者:栗本薫

SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE——朝日のように爽やかに <矢代俊一シリーズ2>SOFTLY, AS IN A MORNING SUNRISE——朝日のように爽やかに <矢代俊一シリーズ2>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画2。目指せ『トゥオネラの白鳥』。誤解を怖れずに書くと、やおいの本領発揮なこの話、ノリも流れも出来も、先日読んだ『嘘は罪』よりも数段上な気がする。好きなことを好きなように書いてるからなのか。性愛を書いて、性愛以上のことを書きたいのは良く分かったが、性愛の上位互換が相変わらずの「マリア様」、他にはないのか薫サン。俊一に逆恨みする早瀬が俊一を誘拐/レイプ。黒人キャラの扱いが酷い。だれか止めろよ。
読了日:07月04日 著者:栗本薫

YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS——恋の味をご存じないのね <矢代俊一シリーズ1>YOU DON'T KNOW WHAT LOVE IS——恋の味をご存じないのね <矢代俊一シリーズ1>感想
【毒を喰らわば皿まで】企画1 検証:『トゥオネラの白鳥』の展開には合理性があるのか!? 栗本薫の自キャラ同人シリーズ第一作。台湾マフィア事件の後遺症でPTSD/対人恐怖を患い病弱化した“姫”こと矢代俊一が、トラで出演したライブで英二と晃市に出会う。コミック『コイシラズ』原作。でもまだ、俊坊は男っぽいと思う。ちなみに41歳。
読了日:07月03日 著者:栗本薫

嘘は罪(下) (角川文庫)嘘は罪(下) (角川文庫)感想
下巻に入り、一瞬ハードボイルド路線か?風間センセかっこいー!となったがそれほどでもなかった。結局の主題は「嘘の歌」は歌えないということ。薫サンが自分が書きたいもの(だけ)を書きたいのだ、という思いを託したものか。しかしボイストレーニングは必要だし、歌いたくとも音痴では駄目なように、文章を世に出すのだって、世が認める水準で出す必要はあるわけで。良いところもある作品だと思う反面、薫サンの作家としてのあり方が作品を裏切っているような気がする。それが一番厳しい道なんだという風間のセリフを薫サンに捧げたい。
読了日:07月02日 著者:栗本 薫

嘘は罪(上) (角川文庫)嘘は罪(上) (角川文庫)感想
風間が主人公のスピンオフ、とはいえ「東京サーガ」の立派な一員。ストーリーはなかなか面白く、薫サンの脳内からだだ漏れる栗本とも風間とも判別しないグダグダ無限ループの冗長過ぎる語りさえなければ、傑作、少なくとも佳作にはなったんじゃないか。だが字は細かいし、この厚さの上下巻になるようは本ではない。良は拘置所、自分は地位も名誉も無くしてドブの底に沈んだような風間が思いもかけず出会った人間達。独りは天性の絶対音感と共感覚を持った少年。そしてもう一人は漆黒の美形のヤクザ。その名も黒須さんの百花繚乱の刺青を見てみたい。
読了日:07月02日 著者:栗本 薫



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