2023年5月13日土曜日

0423 ペダリング・ハイ (小学館文庫)

書 名 「ペダリング・ハイ」
著 者 高千穂 遙        
出 版 小学館  単行本2017年11月
         文庫 2019年12月
文 庫 381ページ
初 読 2023年5月15日
ISBN-10 4094067264
ISBN-13 978-4094067262
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/113752414


 読んだらとりあえず、自転車を買いたくなる、そして走りたくなること請け合い。スポーツ車を買いたいのはもちろんだが、素人には本格的なロードバイクは難易度が高い。自分はドロップハンドルはブレーキや変速機を使いこなせる自信がない。んなわけで、街乗り用のスポーティに「見えて」格好良くて、お手頃価格なのを探すことになる。あくまでも探すだけ。それよりも放置しているミニベロのタイヤ交換をせねば・・・・・
 このミニベロちゃんは、最愛のクロモリのミニベロを家の前から盗まれたあと、同型のものが見つからず涙を呑んで(?)購入した2代目で、1代目への憧憬捨てがたく、どうしても扱いがぞんざいになっている可哀想な子。それでも手元に来たときにブルホーンバーハンドルをフラットに付け替えたり、自分のこのみにあわせて多少はカスタマイズしたのだ・・・・・んなことは置いておいて、だ。
 大学進学で東京に念願の一人暮らしを始めた主人公こと日夏竜二。進学した大学は「八橋大学」なんなんだ八橋って? 二橋大学じゃだめだったのか?とかも置いておいて。家庭の事情とやらで調布市深大寺に居を定めたものの、普段の足に自転車が必要。多摩の若葉台に住む叔父から譲り受けた従兄弟のロードバイクはかなり老朽していて・・・・・
 必要に迫られて入った自転車屋で、その自転車屋を拠点にしている自転車レースチームの面々に取り囲まれ、その熱波に巻き込まれて、あれよあれよというまに競技に参加することになっていく主人公と、仲間達が、熱い! 近藤史恵氏の「サクリファイス」シリーズはトッププロの物語なだけに、さすがに自分で自転車乗ろうという気分にはならないのだが、この本は確実に、確実に自転車に乗りたくなる。私もこんな風に熱い青春を送りたかったわ〜と、なんとなく切なくもなるのはあくまでこちらの個人的事情であって、とにかく自転車競技の基礎や用語、チーム競技のノウハウなども満載され、これから、ツールやらの自転車競技の観戦も面白くなるに違いないオススメの一冊である。

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